2025年9月21日日曜日

苦役

この記事[^1]は『仕事は「苦役」ではない』と主張しています。アメリカの英語表現なら『あなたは「奴隷」ではない」となります。でもこれが問題になるのは、大多数の人にとって『仕事は「苦役」である』という認識があるからでしょう。同じ記事の指摘にある「やらされている仕事か、やっている仕事か」という区別は大切で、自分で選んでやっている仕事は苦になりません。つまり日本の問題は仕事の選択が難しく、前もって十分に知る事ができない上に、その仕事がいやでも簡単に他の仕事に変われないという点です。これはメンバーシップ型雇用とマニュアル文化の結果であり、日本型高度成長のマイナス面です。経済成長を実感できる間はそれなりに納得して働く事ができても、バブル崩壊後の低成長ではそうも行きません。つまり食べるために「苦役」をこなすしか手がなく、それこそが日本の労働者の労働意欲が平均として低い[^2]理由です。そもそも外国人労働者がなぜ日本に来るのかと言えば、その給料で働く日本人がいないからで、実質賃金の低さと「苦役」感覚には相関があります。仕事のほとんどが「やらされている仕事」の場合、けなげに働く真面目な人が日本には多いのです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1690W0W5A910C2000000/

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。