2011年10月11日火曜日

日本の津波対策

すみませんが、この話題はアメリカとは関係ありません。日本の津波対策の話です。東北大地震のあと海沿いの町を高台に移転するという案を新聞で読みました。でもそれができる場所は限られていると聞きます。三陸地方はもともと海の近くに平地が少なく、背後はすぐ山でその上に高台がありません。つまり山を削らないと高台になりません。また漁師やお年寄りは高台に住みたがらないと聞きます。そこで提案です。数年前のタイで大津波があったあと、タイでは津波の時に避難できる丈夫な建物を平地に作りました。床と柱と手すりと階段と屋上だけあれば良いので、コストはかかりません。津波のとき家は流されても、人間やペットだけ歩いて避難できれば命は助かります。高台に移転できる町は移転するとして、高台がない場所の効果的な津波対策は平地にこうした避難所を設けることでしょう。5階建て以上の高さが必要ですが、平地のあちこちにこうした避難所を作ることは、津波で壊れる堤防を作るよりも人命救助に役立つと思います。仙台平野でも同じです。人工的な山を作ってその上に住むのではお金がかかるので、地震が起きてから津波が来るまでの時間で歩いて行ける範囲に安くて丈夫な避難所を作るべきです。こうした避難所は普段は携帯電話の基地局にもなりますし、数日分の非常食を置いておく場所にもなります。家の近所にこうした避難所を作ることが海沿いの町の速い復興につながります。もちろん徒歩で避難できない人はこれでは助けることができないので、老人ホームや病院はお金をかけてでも高台に置くべきです。でも一般家庭は津波で浸水する地域にあってもよく、津波のとき避難所に逃げる事と引き換えに今までの場所に住む事もできます。日本は財政大赤字の国ですから、効果的なお金の使い方で復興する道を探しましょう。

2011年10月6日木曜日

ひとつの時代の終わり

きのうシリコンバレーを象徴する人物が死去しました。アップルのスティーブ・ジョブス56歳。マサは数年前アップルのカフェテリアでボックスランチを買うスティーブを見かけたことがあります。黒い服で長身の彼は遠くからでも目立ち、周りの人は普通に彼と接していました。おそらく昼食を食べながらのミィーティングでもあるのでしょう。忙しい彼を呼び止めて話し込む人は皆無でした。ちなみにアップルのカフェテリアは彼の好みで「うどん」も置いていますが、菜食主義の人でも食べられるように出汁は昆布のみなので、その味は自分には物足りないものでした。十数年前マサがHPから転職を考えていたとき、アップルはマイクロソフトに負けてジリ貧でした。パソコンの市場割合は1割を切り、他の会社に買収されるのではないかと噂されていました。その後スティーブはアップルに戻り、彼の美意識に沿う新製品を毎年出す事になります。そのすべてが成功した訳ではないものの、会社の目標を単なるパソコン屋から音楽販売業、そして携帯電話屋に進化させたのは彼です。10年先の世界を見通しそこでの市場ナンバー1になるべく彼は動きました。十数年前はHPでもインターネット事業を始めたところで、音楽がCDではなくネットワークで買える時代になることはマサにも予想できました。でも一般消費者向けにプレーヤーや音楽を販売するという発想が当時のHPにはありませんでした。アップルが音楽販売で成功した鍵は、ネットワーク経由で簡単に好みの音楽を1曲から買えるシステムを作ったことです。iPodは誰でも真似できますが、iTunes Storeは簡単に真似できません。iPodの箱には「カリフォルニアで設計し、中国で製造された」と誇らしげに書いてあります。アップルの強みは生産技術ではありません。スティーブというカリスマ性のあるCEOがこの世を去った今、10年先を見通せる人物がいるかどうかが試されます。