2011年7月23日土曜日

放射能汚染源

福島第一原発の放射線データを見ると、正門前の数値で3月15日から16日にかけて3回のピークがあります。日本のマスコミには誤解している人が多く、水素爆発やベントで放射性物質が大量に漏れたと考えているようですが、この時刻を見る限りそれは間違いです。また東電もいつどこから放射性物質が大気中に漏れたのか公表していません。正門前の数値と東電の発表した時系列によると、最初のピークは2号機の圧力抑制プールが爆発した直後なので、2号機の格納容器の破損がその原因でしょう。しかしそのあとのふたつのピークにあてはまる事件はありません。これは謎です。この3回のピークが風向きにより原発の北西から中通り、また関東から静岡まで汚染しました。群馬県高崎市のCTBTデータでも15日の大気の放射能汚染は最悪です。マスコミにはいつどこから大量の放射性物質が大気中に漏れたかを東電に突っ込んでもらいたいですね。こんな大事な謎を追求しないマスコミが不思議で仕方ありません。東電のデータを信じる限り、水素爆発は大量放射能漏れの原因ではありません。しかし2号機の圧力抑制プールの爆発は想定外であり、問題のひとつです。これが最初で最大の放射能漏れの原因だとすると、次のふたつのピークは3号機からの煙が疑われます。3号機にはプルトニウムを含むMOX燃料が使われているので、そこには東電がまだ公表していない深刻な問題があるのかもしれません。

2011年7月17日日曜日

読み書きパソコン

電卓が普及する以前は、日本ではソロバンが計算道具の代表でした。暗算にも強くなるのでソロバンは今でもそれなりに人気があると聞きます。マサは「読み書きソロバン」を小学校で習いました。今は電卓があるので「読み書き電卓」になるのかと思いきや、それはマサの認識不足だったようです。アメリカだと小学生からパソコンでレポートを書くので、「読み書きパソコン」が今の標準かと思います。パソコンといっても大部分はアップル社のマックです。家にパソコンがない子は学校や図書館の共用パソコンを使います。手書きのレポートは小学校高学年になると禁止なので、キーボード練習プログラムをマサも子供用に買いました。ついでに親もそのプログラムで練習したのはもちろんです。情報を集めるのも旧世代は図書館での資料探しなのに対して、新世代はまずインターネットで検索です。「読み書きパソコン」が小学校で学ぶ基本だとすると、日本の学校も変わらねばなりません。単にキーボードを使えるだけでなく、検索した結果を吟味する力も必要でしょう。そもそも先生がこうした教育方法に慣れる必要があります。ソロバンに比べるとパソコンは多機能なので、使いこなせる子と使えない子の間には将来的に大きな差が生まれます。パソコンを使うと考える力が衰えるのではないかと心配するのは当然です。そのため先生の役割は生徒の考える力を引き出すものに変わります。生徒に問いかけて生徒どうしの意見交換を促すなど、双方向の教育に変わります。知識は検索すれば得られますので、知識を持つだけでなくその知識をどう使うかが大切になります。なお大学生になっても検索した結果をレポートに丸写しにする学生がいるようですが、その程度の宿題しか出せない教員にも問題があります。知識を問うのではなく、検索した結果などから新たな知見を問う問題が必要です。実社会では正解はひとつとは限りませんし、明らかな正解が無い問題もあります。でもそうした問題に対処する方法を、大学生なら身につける必要があるとマサは思います。

2011年7月9日土曜日

国難

このままでは日本の今後は暗いというのがマサの意見です。震災と原発事故で政治力の無さが露呈し、官僚の対応能力にも限界が見えました。こういう時は国として生まれ変わらねばなりません。人口の減少は想像以上に厳しい状況です。2015年には国民全体の預貯金と国債の発行残高が一致するという試算もあります。もしそうなると国民のお金では国債を消化できなくなるので、海外の国に買ってもらわねばなりません。すると今のギリシャや10年前の韓国のような状況になり、IMFが乗り込んできて国家財政を強引に立て直すことになります。茹でガエルのまま座して死を待ちますか。円高はアメリカ経済の先行き不明とヨーロッパのギリシャ問題が原因です。円が一番安全な投資先とみなされて買われているのです。円高により日本は石油やガスなどを低価格で輸入できるので、原発を止めねばならない日本には利点もあります。しかし電機や自動車など輸出で伸びてきた産業には辛い状況です。人口が減るため国内市場は縮小します。円高なので製造業は海外で生産し日本以外の国で販売します。公務員ばかり残って税金を稼ぐはずの会社は日本に残りません。製造業なき後の雇用先としてマサは観光業を推してきましたが、それも原発の風評被害でしばらく実現しません。まさに国難です。もしそれでも生まれ変わるつもりでやるなら、日本が復活するチャンスはあります。震災復興と原発事故の補償には特別国債を発行して国民の預貯金でこれを買います。同時に消費税を段階的に上げて政府の赤字を減らします。国として教育に投資し、国民一人当たりの所得を増やします。夫婦共稼ぎが普通になるので、保育所の充実と労働時間の短縮を実現します。老人の定義を改め75歳以上とします。今の日本で65歳は年寄りではなくまだまだ十分に働けるので、年金の支給開始年齢も75歳にします。年金の位置づけは、生活保護よりましな程度として減額します。お金が必要なのは老人ではなく、これから子供を作り育てる世代です。国民一人当たりの所得を増やすには、世界レベルで働ける日本人の数を増やします。これは平均値が上がらなければ意味ありません。長時間働いて所得を上げる時代は終わりました。特別な技術や知識がない人はこれからの日本で職がありません。世界レベルの技術や知識を身につけるか、国外に出て働くかのふたつにひとつです。農業や漁業は残りますが、それで食べていける人数はごく少数です。日本の弱点はエネルギー資源を持っていないということですから、安全で経費の安い、長持ちする日本独自のエネルギー源を手に入れる必要があります。日本の強みは海に囲まれていることなので、経済的排他水域内の資源を活用することが肝心でしょう。海底のガス田、メタンハイドレート、洋上風力発電など、海は今後の日本を救うキーワードになるとマサは思います。

2011年7月4日月曜日

独立記念日

今日7月4日はアメリカの独立記念日です。イギリスの植民地だったアメリカの13州が重税に苦しみ、イギリスからの独立を宣言した日です。日本は終戦直後を除くと他国の支配下に入ったことがないので、独立を宣言したことはありません。日本の建国記念日は初代天皇が即位した日となっています。アメリカの独立記念日はお祭りの要素が強く、各地で小売店がセールを行い、人々は自宅でバーベキューパーティを楽しみ、夜は場所により花火が上がります。カリフォルニアはこの時期とても天気が良く、大地は乾燥していて山火事になりやすいので、個人が花火を打ち上げることは法律により禁止されています。遊園地とか海辺の公園など決められた場所でのみ花火大会が行われます。夏時間なので暗くなるのは9時すぎですから、どこも9時半から10時ぐらいが花火の時間になっています。10時をすぎると大きな音を出す事は避けるので、一晩に1回きりのチャンスです。サンフランシスコに住む人によれば、あそこは夜に霧が出る事が多いので、花火といえども色のついた雲が海の上で時々光るという有様になることもあるそうです。シリコンバレーを見下ろせる丘に上ると、あちこちで上がる花火を同時に見る事ができます。でもそれぞれの花火は遠すぎて音が聞こえないのが残念です。なお花火は一般市民への販売も市条例により禁止されているところがほとんどです。また花火の音にまぎれて銃を空に向けて撃つ不届き者もいて、独立記念日の夜は住宅地でも銃声が聞こえます。マサの上司は、独立記念日の次の日の朝に自宅の庭で使用済みの実弾を見つけた事があるそうで、外にいると空から降って来るそうした実弾に当たる可能性もあります。

2011年7月2日土曜日

放射線を正しく怖がる

高校の化学で放射線を勉強しましたが、その後すっかり忘れてました。素人のマサが理解したことは以下の通りです。放射線には3種類あり、アルファ、ベータ、ガンマという名前が付いています。アルファはヘリウム原子核、ベータは電子線、ガンマはX線のもっと波長の短い電磁波です。アルファ線は紙1枚でも止まり、ベータ線も空気中だと数十センチから1メートルぐらいしか飛びません。しかしガンマ線はX線同様透過力が強いので遠くまで飛びます。ガンマ線を遮るには鉛の板や厚いコンクリートの壁、もしくは大量の水を使います。そのため体の外部から来る放射線は主にガンマ線が危険です。放射線はいずれも遺伝子を傷つけるので、ガンの原因になります。放射性物質から遠ざかればアルファ線もベータ線も怖くありません。なお放射線防護服は放射性物質が体に付着しないための化繊の服で、ガンマ線を遮る力はありません。体外被曝はシーベルト値が高くてもその場を離れれば被曝量が減りますので、主に急性症状が出ない値を安全な範囲とします。これに対して内部被曝はもっと危険です。放射性物質を吸ったり食べたりすると内部被曝になります。放射性物質はホコリのように細かくなって原発から飛散したので、雨とともに地上に流れ落ちて地表にたまりました。これを直接吸い込んだり、農作物や魚介類を通じて食べたりすると内部被曝になります。するとエネルギー量の多いアルファ線やベータ線の放出源が細胞のすぐとなりにくるので、体から外に抜けるガンマ線より危険になります。幸いアルファ線を出す物質はウランやプルトニウムなど限られているので、福島原発の場合ベータ線とガンマ線を出すヨウ素131やセシウム137が危険視されました。物質により体内にとどまる時間や出す放射線の種類が違います。内部被曝と体外被曝を同じシーベルト値で計算するのは無理があり、内部被曝の危険度を見積もるのは容易ではありません。またガンマ線は体外に出て来るので体外からその量を測定できるのに対して、アルファ線やベータ線は体内で吸収されるので体外から内部被曝量を直接測定できません。そこで排泄物を測定して体内の放射性物質の種類と量を推定します。福島市でも放射線量が高く、年間5.2ミリシーベルト超の放射線管理区域に相当する場所に普通の人が暮らしています。放射線防護法によれば、そうした区域では飲食は禁止で用のない人はそこに長くいてはいけません。それは危険な内部被曝を避けるためです。ホコリを吸い込んだり、汚染された食物から取り込んだ放射性物質による内部被曝はガンの増加という形で将来現れます。そのガンでたとえ死ななくても、病気になり普通の生活ができなくなるのは困ります。若い人ほど放射線に敏感で残りの人生も長いので、ガンが大きくなる時間がありその分危険です。内部被曝に安全な限度はありませんが、たとえ有機栽培の野菜や果物でも微量の自然放射線を出すので、その値以下にするのは無意味です。一般人にとっては、急性症状が出る外部被曝よりこれから数十年かけて出てくる内部被曝のほうが怖いので、特に40歳以下の人はなるべく内部被曝を避けます。家の周りの放射線量を測定し、たまった放射性物質は水で下水に流すという対策があります。また子供にはできるだけ汚染されてない食物を与えます。食品のベクレル値の暫定基準という数値にはふたつの意味があり、どこまでが安全かどうか分からないのでとりあえず決めた暫定値という意味と、内部被曝は少なければ少ないほど良いのであくまでも目安として使えという意味があります。繰り返しますが、内部被曝ではどの放射性物質をどれだけ体に取り込んだかが将来の健康を左右します。