2015年9月19日土曜日

福島第一原発の汚染雨水

福島第一原発の汚染雨水は、港の外に流れても中に流れてもその先は結局同じ海です。「放射性物質の流出を防ぐ水中カーテンで港湾外と仕切られた港湾内に流す」というのは誤りで、「放射性物質の流出を防ぐ水中カーテン」など存在しません。潮の満ち引きに応じて港の海水は外と出入りしているので、水中カーテンでは放射性物質の流出は防げません。必要なのは汚染した雨水をタンクに集めて浄化してから海に流す事であって、浄化せずに海に流すことではありません。ちなみにスリーマイル島原発の事故では、汚染水を浄化したあと蒸発させて大気中に散らしました。汚染水中のトリチウムは浄化できないので、苦肉の策でした。

2015年9月8日火曜日

自己中の日本

「自分さえ良ければいい」というのは人間の本心です。でもこれだけだと人類は滅亡します。人間は社会的な動物で、他の人に頼らないと生きていけません。だから自己中の人は嫌われます。ところが今の日本では国民全員が自己中になっています。後の世代に国債という巨額の借金を先送りして、自分だけ楽しく生きられればいいという考え方です。難民問題も同じです。高度な仕事に就く移民なら受け入れるけど、難民は拒否するというのが日本の方針です。例えば2014年度に日本が難民として認定した人数は、申請した5000人中わずか11人です。そのうえ日本では二重国籍が許されないので、もともと移民の数も限られています。日本人だけ楽しく生きられればいいという考え方をするなら鎖国が必要で、外国と貿易を通じて発展してきた日本には、もはや鎖国という選択肢はありません。つまり日本人だけ楽しく生きられればいいという考え方は、今の国際社会において通用しません。アフリカや中東から大量の難民が欧州に押し寄せている現在、日本はそうした難民を何人受け入れるのかと問われています。こうした難民を受け入れるにはお金がかかるし、治安が悪化する心配もあります。この問題に万人が納得する正解はありません。

2015年9月1日火曜日

どうにかしろ

日本で働いていた時の経験です。無能な上司ほど「どうにかしろ」と言う傾向があります。具体的な指示ができないために、「どうにかしろ」という人がいました。この「どうにかしろ」は上司が言ってはいけない言葉のひとつです。これには隠れた枕詞があって、「(方法は何でもいいから)どうにかしろ」と言う上司がいます。こう言われた部下はどうしますか。会社なら法律違反を承知で決算の数字をごまかすのがオチです。「どうしたらいいと思うの」と尋ねる上司はさらに狡猾です。自分にアイデアがないことを隠したまま、「部下に考えさせる」という建前を使います。こういう人は正直に「自分もどうしたらいいか分からないから、一緒に考えよう」とは言いません。部下としてはアイデアがないから上司に「どうしたらいいでしょうか」と尋ねているのに、「どうしたらいいと思うの」と質問で返されると返事に困ります。心の中では(それが分かったら尋ねていないって)と思っていても、それを口にだすと上司が怒るので黙るしか手がありません。責任回避のために曖昧な指示を出す上司と、部下の質問に同じ質問で答える上司、どちらも無能な人の特徴です。シリコン・バレーでこれをやったら部下はすぐ他の会社に逃げます。