2011年9月25日日曜日

国家安全保証

アメリカの役所にNSAというものがあります。アメリカの国民とその財産を他の国の侵略から守ることが主な仕事です。国家の安全を保障するには軍事力、政治力、経済力、そして資源が必要です。特に国民の食料を自国内で生産できるかどうかは安全保障の要です。日本のように国内の農業だけでは全国民の食料を生産できない国は、国家の安全保障という点からみると危険な状況です。貿易の自由化に伴って関税を廃止する場合、国内での農業生産力を維持することが安全保障上必要となります。アメリカの場合は政治力を使って自国の農業製品を他国に売り込みます。また国際競争力がない作物でも必要とあらば補助金を出して維持します。日本もそのような制度で自国の農業を維持する必要があるでしょう。日本の場合北海道を除くと、規模の拡大による農業のコストダウンはあまりできそうにありません。むしろ民間企業の参加を自由化して、農業を工業化することが日本向きでしょう。もうひとつの安全保障は軍事力です。日本の領土と国民を守るのは誰なのか。アメリカは、他国のために自国の兵士を危険にさらすことを嫌います。アメリカはアフガンで戦争していますが、それはアフガンのテロリストがアメリカ本土を狙っているとアメリカ国民が信じているからです。中国が日本に脅しをかけてきても、アメリカへの直接の危険はないので話題にもなりません。日本が中国や北朝鮮からの圧力をどう跳ね返すかは、自国をどう守ろうとしているかに関係します。経済力だけでは太刀打ちできません。もし安全保証に必要な軍事力をアメリカに依存するなら、国内にあるアメリカ軍基地をなくす訳にはいかないでしょう。逆にアメリカ軍基地を日本からなくすには、日本が自前の軍事力をもって日本の国民とその財産を守ることが必要です。原理原則がない日本でも、国家の安全保証については立場を明確にしないと容易に他国につけ込まれてしまいます。

2011年9月13日火曜日

建前と本音その2

NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」によれば、日本が第二次世界大戦前夜にアメリカとまともに戦ったら勝てないことを当時の日本軍上層部は知っていました。石油がなくお金もない日本が物量で勝るアメリカに勝てない事を軍のトップは知っていたのです。にも関わらずアメリカと戦争した理由は、陸軍あるいは海軍として自分の口からはアメリカに勝てないとは言えなかったからだそうです。建前として軍人は戦争で負けるとは言えません。戦って勝つために存在している組織のトップとして理屈では負けが予想できても、実際に戦争をせずに負けを認めるわけには行かなかったのです。これはトップが建前を振りかざし本音を言わないと国がひどい事になるという良い例です。原発事故もそうです。人間が作って運用しているものですから壊れることもあれば作業員が誤操作することもあります。放射能事故のときには人間にかわってロボットを事故処理に使えば良いのに、原発では事故は起きないという建前を振りかざしたために、日本はせっかく作った事故処理用のロボットを廃止してしまいました。本音ではスリーマイル島原発のような事故は十分起こりえると分かっていても、トップの人間にそれを口に出す勇気がなかったのでしょう。建前は鎧みたいなもので、人はそれに隠れることができます。本音を言う勇気がない人間が組織のトップに立つと、今回の福島原発のような事故が起きます。iRobot社は軍事用ロボットの草分けで、福島に送られたロボットも元は軍事用ロボットです。日本はバイオリンを弾いたり歩いてみせたりと物の役に立たないロボットを作るばかりで、原発事故や災害救助で使えるロボットを持たないことが海外にバレてしまいました。ロボット産業の方にお願いします。今後は趣味で作るのではなく、3K仕事を人間の代わりにやってくれるロボットを開発してください。そして今後日本のトップに立つ人は、建前を捨てて本音を言う勇気を持たなければなりません。

2011年9月11日日曜日

学級崩壊

日本のニュースに登場する学級崩壊という言葉をマサはごく最近知りました。生徒が先生の言ことを聞かないため、授業にならない状況をさす言葉らしいです。不思議なのは、どうしてそんな生徒を退学にしないのかという点です。アメリカにもそうした問題児はいます。まず親に連絡して学校に来てもらい、担任と校長が子供と親に学校のルールを守れないなら退学になると警告します。そうした警告のあと改善がみられないなら、公立校であっても即退学となります。いじめにも断固とした強い態度を学校は取り、加害者は退学です。毎年学年の始まりに学校に出す書類には、親の緊急の電話番号とメール先、それにどんな場合に退学処分になるかの説明とそれへの同意のサインが要ります。サッカーのようにイエローカードが何枚でレッドカードという仕組みです。また予算の少ない学校では先生の代わりに親がボランティアとして教室に入り、先生の目の届かない場所を守ります。予算がある学校なら先生がふたり教室に入って、メインとサブという形で授業を進めます。メインの先生が黒板に向かっていても、サブの先生が目を光らせているのでワルはできません。学級崩壊は生徒のためになりませんので、授業の邪魔をする生徒は退学で良いと思います。先生の能力が低くて生徒に尊敬されない場合もあるでしょうが、日本のいじめのニュースを聞くたびになぜ加害者を退学にしないのかと思ってしまいます。アメリカには、そうして退学になった生徒を専門に受け入れる私立の学校もあります。共働きの親が多いので、子供が退学になると親は仕方なくそうした専門の学校に子供を入れることになります。よほどのことがない限り警告の段階で親は子供といっしょに問題を解決します。でも学校に銃を持ってきたり麻薬を持ってきたりする子はいますので、見つかったら即退学です。教室に二人の先生を入れるには予算が必要でしょう。教師ひとり当たりの生徒数を20人にするにもお金が要ります。でも授業の妨げとなる生徒を退学させるにはお金はかかりません。毎年の学年の始めに親から同意書を得るだけです。同意書を出さない場合はクラスに入れてもらえません。簡単で効果的だとは思いませんか。加害者が未成年者の場合、その親または保護者に連帯責任があります。学級崩壊は仕組みにより防げる人災です。

2011年9月5日月曜日

仕事のゆくえ

人にとって大事な仕事は、まず第一に食料の確保です。農業や漁業などの第一次産業を国から無くしてはいけません。国家の安全保障にとって食料の確保は軍事以前の問題です。食が確保できると、第二次産業である製造業が人の生活を豊かにするために必要になります。これで衣食住がそろいます。ここまでくると国にゆとりが生まれ、旅行や映画といった第三次産業が伸びて行きます。理想的にはこの段階で農業や漁業の工業化が進み、製造業ではロボット化が進んで、人は主に第三次産業に従事することになるのでしょうが、人はそう簡単に職業を変える事ができません。工場で野菜を作ったりマグロを養殖したりする試みは農業や漁業の工業化です。製造業でのロボット化は、円高で人件費が相対的に高くなった日本でのひとつの解決策です。こうなると人手は要らなくなるので、労働人口が減りつつある日本でロボット化は今後ますます進むでしょう。最後に残る第三次産業でも、コンピュータができることはコンピュータがやるので、人間でしかできない仕事が残ります。つまり、これからの日本で大事な仕事は、ロボットやコンピュータにはできない事をやる人間を育てるということです。それはロボットを開発する仕事であったり、コンピュータを開発する仕事であったり、そのコンピュータで動かすプログラムを開発する仕事かもしれません。あるいは医療や介護のようなサービス業での人と関わる仕事かもしれません。第三次産業には金融や保険業も含まれます。そうした仕事に就く人を育てる教育も大事な第三次産業です。今後は第三次産業が日本の経済の中心となることは間違いありません。そうなった時、世界レベルで戦える人材をもつことが日本にとり必要です。頭を使う仕事において世界レベルで戦える人材を生み出すには、スポーツと同様に子供の頃からの教育が大切です。日本の公立教育の目標はここに置かなければなりません。将来の日本にとって必要な人材を生み出すことが、税金で教育をおこなう理由です。ロボットやコンピュータにはできない事をやる人間を育てる、そして頭を使う仕事において世界レベルで戦える人材を生み出す、このふたつは日本が今すぐ始めなければいけない事だとマサは考えます。