2019年8月25日日曜日

国別高齢化率

総人口に対する65歳以上の比率を高齢化率と呼びます。2018年の世界銀行の統計データでこれを日本と他の国で比較[^1]すると、まず第1位は日本27.47%です。第2位はイタリアの23.31%、第3位がポルトガルの21.89%、第4位がドイツの21.66%とヨーロッパ諸国が続きます。アメリカは15.80%で36位、韓国が14.42%で50位、中国は11.19%で65位です。ただし中国は今後40年で35%を超え、日本に追いつくと予想[^2]されています。これに対してアメリカは40年後でも25%を下回り、先進国の中でも最下位に位置しています。これはいったいなぜでしょう。筆者はアメリカの高齢者があまり医療費を使えないからだと見ています。国民皆保険制度のないアメリカだと、65歳以上で会社の保険に入っていない人は、国が主導するメディケアという保険に入ります。この保険はカバーする額が低いので、65歳以上で大病すると医療費で破産する事もあります。日本ほど高齢者に税金を使わないので、高齢者は金の切れ目が命の切れ目になります。お金がある人は長生きできるし、ない人は早く死にます。健康保険は自己責任の世界なので、アメリカだと大部分の人は老後に医療費の少ない人生を選び、日本ほど長生きしません。そこには「長生きが善」という発想はありません。神様が決めた寿命まで生きたら死ぬという死生観があり、お金のかかる延命医療は家族が良しとしません。

^1: https://www.globalnote.jp/post-3770.html
^2: https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/gaiyou/s1_1.html

2019年8月18日日曜日

日本の高齢化と現役世代

日本の高齢化はびっくりする程進んでいます。2018年の高齢社会白書[^1]によると、「総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は27.7%」となっていて、さらに総人口から15歳未満人口を引くと11,112万人ですから、16歳以上に占める割合は31.6%になります。いわば大人の3人に1人が65歳以上というとんでもない数字です。国内の介護は外貨を稼げる仕事ではないので、1人の高齢者に1人の介護者がつくと残る1人しか外貨を稼げません。つまり高齢者の介護に時間やお金を使えば使うほど、現役世代の暮らしが悪化するという計算になります。しかも人口は減る一方で高齢者の数はむしろ増えるので、高齢者が日本を食いつぶすという未来は目前に来ています。日本にいる現役世代にできる事はより高い賃金の仕事に就くことで、増税や社会保障費の増加と将来の年金の目減りを補うためには、もっと多くのお金を稼がなければいけません。

^1: https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/gaiyou/s1_1.html

2019年8月5日月曜日

敗戦と被害者意識

毎年8月になると太平洋戦争で日本国民がどれだけひどい目にあったか、というテレビ番組が放送されます。そこには日本国民が戦争の被害者であるという視点しかありません。どうして国の指導者はあの戦争を始めたのか、日本国民はなぜこの戦争に加担したのかという視点はありません。アメリカに対して戦争を始めたのは日本です。敗戦の結果、日本国民が被害者であると同時に加害者でもあるという事実は時間がいくら経っても消えません。独裁者ヒトラーだけ悪者にすれば良かったドイツと違って、日本は東條英機だけを悪者にしてお終いとはいきません。東條英機は独裁者ではなく、間接的に全国民の信任を受けていました。国のトップである昭和天皇も戦争には同意していました。命をかけて、当時の空気に逆らってでも戦争反対を主張しなかった人は、この戦争に加担した加害者である事を免れません。当時の新聞や大学も戦争を煽ったという意味では加害者です。現代において被害者の視点で作られた番組ばかりではなく、加害者の視点で作られた番組も同数ないとバランスが取れません。被害者意識だけでは次の戦争を避けることはできません。戦争に負けたから被害者なのであって、次の戦争に勝てばもはや被害者とはならないからです。侵略されたら戦争してでも国民と国土を守る、でもこちらから戦争を始める事はない、という国の方針をあなたは支持しますか。

2019年8月3日土曜日

アパート過剰の東京

駅近の古い家を壊してアパートに建て替える事例が東京で増えています。そのアパートは明らかに独身者用で、普通の一軒家のスペースに8世帯が入るように作られています。敷金や礼金がゼロというのが売りで、駅から徒歩5分以内に集中しています。使わなくなった古い家の土地を利用する方法としては分かります。でもワンルーム・マンションのような狭い部屋が建物に8個も入っていて、あきらかに無理をしています。そうして作ったアパートにもほとんど人が入っている気配がなく、すでにこの手のアパートは東京で過剰になっているようです。