2014年5月18日日曜日

STEMに力を入れるアメリカ

教育分野でアメリカが最近特に力をいれているのがSTEM、つまり Science, Technology, Engineering, Math です。Stem には幹という意味もあるので、うまい表現だと感心しました。日本語で言うと科学、技術、工学、数学です。頭文字を取れば「科技工数」という新四文字熟語に相当します。半導体大手のインテルが、大人の研究者顔負けの成果を出した高校生に大学で学ぶための多額の奨学金を出しています。政府だけでなく企業もSTEM教育の重要性を理解している点が、教育を政府に丸投げしてしまった日本との違いです。これはまた即戦力を求めるアメリカと、何でも言われた事をやる人を求める日本との違いでもあります。

2014年5月11日日曜日

シリコンバレー盛衰記 2014

また小さな本を出しました。今度はシリコンバレーの変遷が主題です。1986年から始まるマサの滞米生活も25年を超え、その間にあまたの会社が生まれては消えていきました。この本ではそうした会社の歴史をながめ、スタンフォード大学とパロアルト市がハイテク産業の発達をうながした経緯を振り返ります。マサの会社内部での経験も入ってます。お求めは下記のURLをご覧ください。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00K4PXL66

2014年5月4日日曜日

進化論とアメリカ

進化論を生み出したのは、キリスト教徒で地質学者のイギリス人、チャールズ・ダーウィンです。アメリカは科学の発達した国というイメージがある反面、筋金入りのキリスト教徒が住む国でもあります。最近のアメリカ政府の調査によると、国民の約半数は進化論を信じていません。そのかわり聖書にあるように神がこの世を創ったと信じています。保守的な南部の州では、よく学校で進化論を教えるのは止めようという訴訟が起こされます。聖書を信じている人にとって進化論は単なる仮説であり、誤った考え方だというのが彼らの主張です。マサのモルモン教の同僚も進化論には証拠がないと主張してました。ポケモンみたいに目の前で生き物が進化しない限り、自分は受け入れないという主張です。キリスト教徒が作った国なので、いくら政治と宗教を分離しようとしても限界があります。この世は創造主が創ったと主張する宗教は何もキリスト教だけではありません。自分に分からない事をすべて神や創造主といった自分に理解できない存在のせいにするのは、ある意味とても楽な生き方です。理解できない事に悩まなくて済むからです。アメリカの科学者は常にそうした宗教と対立しながら生きてきました。宇宙の始まりも創造主のおかげと考える人は国民の半数を越えています。アメリカはキリスト教に関してはとても保守的な国なのです。