2019年4月27日土曜日

EHTの快挙

4月10日に発表のあった、M87の中心のブラック・ホールの画像は見応えがありました。このブラック・ホールの推定質量は太陽の65億倍で、そこから事象の地平線までは約120AU(AU=天文単位:太陽から地球までの距離)となります。画像の中心にある丸い穴はブラック・ホールが生み出す影で、事象の地平線の2・6倍と見積もられています。つまりこの影の半径は312AUで、太陽系に置き換えると海王星が太陽から30AUの距離ですから、その十倍以上外側にあります。ボイジャー1号ですら2018年において142AUぐらいの所を飛んでいるので、いかにこの影が大きいかが分かります。ブラック・ホールの強い重力によって周囲の空間が曲がり、それにともなって光が曲がるのでこの影ができます。影を囲む明るい輪には濃淡があり、これが何を示すのか興味津々です。

2019年4月21日日曜日

消費税増税は不可避

今年の日本は消費税増税を控えています。前の時もそうだったように、10月の増税まで半年を切ったこの時期になると人気取りを目的とした増税延期論が出てきます。もちろん誰一人として税金を増やしたい人はいません。でも過去2度も延期したこの増税をまた延期すると、日本は財政赤字を減らすつもりがないと海外から判断されます。すると日本への投資が減ってしまいます。また今年度の予算にすでに10%の消費税が織り込み済みなので、使い道が決まった支出への財源がなくなってしまいます。増税があってもなくても少子高齢化は止まりません。それに米中の貿易摩擦も長くは続きません。日銀だって無限に国債を買い支える事はできないので、ここで増税を延期するのは愚かな判断です。

2019年4月12日金曜日

SpaceXの快挙

日本の新聞が報道しなかった今週のニュースから、筆者がすごいと思うものをご紹介します。アメリカの民間ロケット会社SpaceXがFalcon Heavyと呼ばれる三本のロケットを束ねたものを打ち上げ、三本とも回収に成功しました。つまりこの三本のロケットはまた使えるという事です。三本のうち左右の二本は打ち上げた場所の近くに垂直着陸し、真ん中の一本は海上で待ち受けたドローン船に垂直着陸しました。そのうえ衛星を守っていたフェアリングというカバーも海から引き上げています。つまり打ち上げた衛星と第二段ロケット以外は再使用できるという事です。すごい快挙です。これなら衛星打ち上げのコストが桁違いに下がるのは間違いありません。この打ち上げと着陸のビデオは迫力があります。

4月16日追記:ドローン船に着陸したロケットは、海が荒れたため移動中に海に落ちてしまったそうです。残念!

2019年4月5日金曜日

飛行機のソフトウェア

ボーイング社のジェット機737MAX8が最近続けて2度の墜落事故を起こし、ついにボーイング社がこの飛行機の制御システムの欠陥を認めました。MCASという失速防止装置が誤動作を起こして、2度の墜落を起こしたという話です。問題はこの装置の動作を操縦者が容易に無効化できないという点で、明らかに仕様が誤っています。それにMCASが使う仰角センサーは左右に合計二つあり、そのひとつしか使っていなかったという点で設計にも誤りがあります。こうしたセンサーは間違ったデータを送る事もあるので、左右両方のセンサーを使ってデータが合うかどうか確かめるべきであり、合わなければそのデータは捨てるというルールが必要です。こうした安全装置が誤動作した場合、人間の動作を優先すべきなのは当然です。ボーイング社はついにソフトウェアを変えて、操縦者の動作を優先するそうです。自動化と人間優先は矛盾するので、設計思想としては常に人間優先を貫ぬくべきでしょう。この飛行機に乗った人はソフトウェアのせいで死んだも同然です。仕様が間違っていたら、それを指摘し改善するのがプロです。

2019年4月1日月曜日

どうすれば良いのか

赤字国債という多額の借金を背負わされた平成生まれが現状に気付くにつれて、昭和生まれの「逃げ切り世代」への反感が増しています。それは「失われた平成の30年」という呼び方に対する反発でもあり、過去の日本経済をいくら批判しても彼らの怒りは収まりません。「それならどうすれば良いのか」という今後の話を聞きたい彼らに対して、「平成のこれが失敗だったよね」と言っても無意味です。筆者の意見では、日本人のひとり当たりの収入を倍にするのが解決策です。年収が600万円の人は1200万円にするという事です。労働人口が減る中で未来に希望を持つには、日本に再び所得倍増計画が必要なのです。では具体的にどうすれば所得を倍増できるでしょうか。それには英語等の外国語を仕事の道具として使い、世界の人口が増える国を顧客とします。大部分のアジアの国々、およびインドや南米もこれから人口が増えるので、膨大な需要が発生します。頭を使ってより儲かる仕事をするのが今後の日本の進む道です。もう他の国の真似をしていれば良かった時代ではありません。