2022年12月30日金曜日

地熱発電と法律

日本のエネルギー安全保障を考える上で自然公園法(旧国立公園法)の変更は避けられません。地熱発電の適地は国立公園内にある事が多いので、そうした場所であっても発電所を作れるような立法をしましょう。大部分の施設を地下に造れば景観への影響は最小限で済みます。国立公園だからと思考停止に陥るのではなく、国立公園は国民の財産だから有意義に利用しようと発想が必要です。CO2も出さない地熱発電を積極的に利用しない国は日本だけです。

2022年12月29日木曜日

中国コロナ

何事にも無茶をする中国らしく、ゼロコロナをあきらめた結果急速にコロナ感染が拡がっています。変異株の民間検査も禁止しており、危険な変異株の出所が中国だという報道の可能性を消そうとしています。日本は12月30日からコロナ検査を、米国は1月5日から陰性証明を求める水際対策[^1]を復活させます。感染データに透明性がない中国なので、各国が水際対策を取るのは当然です。イタリアの報道によれば中国からの乗客の半分がコロナ陽性らしいので、年末から旧正月にかけて人の往来が増える以上、この時期に日本を守るのは当然です。感染の輸出国となりかねない中国の姿勢には、かつてのインドやイタリアの失敗に通じる物があります。

2022年12月28日水曜日

単元株数

日本の株式売買には不思議な慣習があり、通常の株式取引では売買される株式の単位 (単元株数) が1株ではありません。これは上場企業だと100株となっており、最低100株分の資金がないと上場企業の株を買えないという決まりです。オリエンタルランドのような著名な会社だと株価が2万円なので、このままででは最低200万円ないと株式投資ができません。これでは手元資金の少ない若者には敷居が高くて無理です。なぜ1株から買えないかという理由は、手続きがアナログだったからです。株式が紙で管理されていた時代は、手間賃のかかる証券会社が単元株数を設定する意味がありました。もうひとつ後から付けた理由が「株主優待」で、最低100株ないと株主優待が付かないという決まりです。でもこのふたつの理由にはもはや意味がありません。そこでネット証券だと株主優待が付かないけど、1株から買えるという決まりになっています。また株主優待は日本にいないと利用できない物が多く、ネットで海外から株が買える時代に合っていません。株式投資に資金を誘導するには、こうした時代に合わない習慣を廃止すべきでしょう。

2022年12月24日土曜日

人口減少と予算増加

日本の来年度の国家予算が過去最大額[^1]になるそうで、人口減少が続く日本で国家予算が増加する以上、1人当たりの税額は増えます。ところがそのままでは次の選挙で負けるので、予算の3割強を国債でまかなう事で逃げています。具体的に言うと114兆3812億円の国家予算に対して、35兆6230億円の新規国債を発行する方針です。国債とは次世代からの借金です。それを返す気は皆無で、さらに借金を増やすという悪循環が続きます。次世代に選挙権がないためにこうなります。金利が1%上がると3.7兆円の元利払いが発生する[^2]ので、その分さらに国債を増やすか増税するか、あるいは支出を削るかという判断が必要になります。もちろん単年度の黒字(プライマリー・バランス)など絵に描いた餅です。

2022年12月23日金曜日

反捕鯨

映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」のサブテーマは反捕鯨です。もちろん映画の設定は地球ではなく、他の星の惑星を巡る月となっています。でもその地球は死につつあり、その原因はいずれ明かされると思います。自然に逆らう人類の生き方と、自然と共生するナヴィの生き方が争いの源になっており、そのひとつが鯨のような生物を利己的な理由で殺す人類として描かれています。現代の地球で捕鯨を続けている国は日本とノルウェーだけになり、いくら「日本は鯨を無駄にせず100%利用している」と主張しても、そもそも鯨を捕る理由はないだろうという諸国の声に押されています。この映画は世界中で大ヒットすると予想され、反捕鯨の圧力もそれに比例して高まるでしょう。水族館にいるイルカと海にいる鯨は基本的に同じ生物で、ただ大きさが違うだけです。そのイルカまで食べてしまう日本は、この映画に対してどんな反応をするのでしょうか。海の哺乳類を捕まえて食べる必要が今の日本にあるとは思えません。映画評論家はこの点について何も言わないので、触れたくない問題だという認識はあるのでしょう。

2022年12月22日木曜日

危険な賭け

日本が原発推進[^1]という危険な賭けに出ようとしています。60年を越える古い原発の継続利用や、解体した原発跡地に新しい原発を建てる計画です。福島原発事故を受けて原発を段階的に減らす方針だったため、地球温暖化対策という理由で方針をひっくり返した形です。原発の本質的危険性や高レベル放射性廃棄物の問題には何の解決策もないまま、日本が古い原発を使い続ける事には反対です。安全保障上の弱点ともなる古い原発は、むしろ減らさなければいけません。政治家が楽な方向に流れるのは当然で、これに反対の声を上げるのが国民の勤めです。

2022年12月21日水曜日

営利企業?

営利企業が借金(投資)によりお金を儲ければ、そのお金で借金を返すことができます。投資家はその投資から元金と利益を得て、再度他の営利企業に元金を投資する事ができます。これが経済成長です。ところが国の借金は営利企業と違い、お金を儲けて返すという事はできません。できるのは建設国債に対して道路や橋の使用料を取ったり、空港の使用料を取ったりする事ぐらいです。もし建設国債で自衛隊の施設を作れというなら、自衛隊から施設の使用料を取って建設国債の穴埋めをせよという事になり、営利企業ではない自衛隊には無理な提案です。MMTという財政ファイナンスを是とする理論には但し書きがあり、「インフレにならない限りは」赤字国債を中央銀行がお札を刷って穴埋めしても良いという主張です。今の日本はインフレになっており、経常赤字も慢性化しています。すると政府・日銀に残された手は増税と利上げしかありません。

2022年12月17日土曜日

国債で国防?

ウクライナ戦争で日本もやっと目が覚めたのか、国防費の増額が話題になっています。GDPの2%を目指すとかで、その財源をどこから持ってくるのかという話題です。隣に中国、ロシア、北朝鮮をかかえる日本の国防が難しい事は自明です。仮にGDPの2%が妥当だとして、年間数兆円の増加になります。ただでさえ国債という借金で毎年の支出をやりくりしている日本にお金の余裕はありません。そこで首相が1兆円の増税を打ち出したところ、来年に選挙を控える議員から反対の声が出ています。でも国防費すら税金から払えない国は長続きしません。こんな簡単な事すら有権者に納得してもらえないとしたら、その議員は仕事に必要な説得能力を持っていないという事です。税金の無駄を省くのは当然です。でも何が無駄かは人により意見が違います。そのお金を受け取っている人にとっては無駄ではありません。このため会計検査院の指摘以外では、なかなか無駄が減りません。何が無駄かを議論をしているうちに周囲の軍事的脅威はどんどん高まります。いいかげん現実を直視しましょう。戦争防止には相手に勝てないと思わせる軍事力が必要です。もちろん、それと平行して時代に合わない憲法の変更も必要です。

2022年12月18日追記
日銀の財政ファイナンスは実質的にもう始まっています。土手に開いたアリのひと穴です。

2022年12月15日木曜日

過去2年のコロナのピーク

東京都の2021年と2022年のコロナ感染者のグラフ[^1]によれば、だいたい半年ごとにコロナのピークが来ています。2021年の1月、同年の8月、2022年の2月、同年の7月という具合です。言い換えると寒さや暑さのピークにほぼ一致しています。いくつか原因が考えられる中で、暖房や冷房で室内にいる機会が多い事と、免疫が半年しか持たないという事が有力です。抗体の数も半年で半減するし、その間にウイルスが変異して抗体をすり抜けるという現象もあります。なおピークの絶対値は過去3回で増加しているものの、次の1月と予想されるピークの絶対値はおそらく減ると思われます。もう全数把握はしておらず、漏れが大きいからです。そこで感染者数よりも重症者数に注目すると、2022年は激減しています。おそらくワクチンが普及した事と、オミクロン株が主流となった事が原因です。有効な抗ウイルス薬もあるので、発熱やせきなどの症状があれば休むし、心配な人は有料のワクチンを接種するという対応で十分です。

2022年12月14日水曜日

ローチケ問題

ローソンのチケット販売サイト[^1]が海外からの利用を拒絶しています。「三鷹の森ジブリ美術館」の予約をしたいのに、海外からだとシステムエラーとなって予約ができません。そのくせ利用者登録だけはできるので、宣伝メールは毎日送られてきます。これを止めようにもログインができないので、まったく不親切です。海外の観光客を自由に受け入れている国のサービスとはとても思えません。最初はバグかと疑ったものの、これはローソン側の問題だと分かりました。海外に販売しないのなら、最初にその旨を表示すべきでしょう。

2022年12月12日月曜日

ゾンビ企業

コロナ禍で商売ができなくなった企業にゼロゼロ融資の期限がせまっています。その中でも返済ができないゾンビ企業がついに倒産[^1]となるのは避けられません。儲からない企業にはここで退場してもらわないと、税金の無駄遣いになります。これには良い点もあり、人手不足解消に役立つとともにリスキリングへの動機が生まれます。人間は退路を断たないと変われません。自分を含めすぐ楽な方に流れる生き物なので、ゾンビ企業を退場させる事は一時的に失業率を上げるものの、長期的には国民全体の利益になります。もし日本でジョブ型の雇用が普通だったら、そもそもゾンビ企業は生まれなかったので、これを機会に雇用体系も法律もジョブ型に変えていくべきでしょう。不要な人員を手切れ金で解雇できないと、ゾンビ企業を増やす事になります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB094NM0Z01C22A2000000/

2022年12月9日金曜日

住民投票

この報道[^1]を見て残念に思うのは、なぜ住民投票で決めないのかという事です。長野市で遊園地が廃止される事になり、その理由が「子供がうるさい」というものです。もちろんそれだけが理由ではなく、ボールが飛んでくるとか花火がうるさいとか理解できる理由もあります。借地料がかかるから長野市としても管理しきれないという事らしいです。ただこうした事を決める手続きとして住民投票がないのは問題です。もともとは地元の住民の要望で作った遊園地なので、メリットとデメリットを開示したうえで、民主主義の手続きで決めて欲しかったと思います。子供は将来の年金の稼ぎ手です。こうして子供の居場所を減らすという事は、子供の数が減ってもかまわないという大人の意思表示に見えます。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/26f7435e3667c22c35fe337dd55682faecbb6ec2

2022年12月7日水曜日

103万円の壁

昭和の規則ですぐ廃止すべきは「103万円の壁」[^1]です。配偶者の年収が103万円を越えると所得税や社会保険料を払う義務があるため、パートの主婦がこの壁を越えないように労働を減らしてしまい、人手不足を悪化させています。もう専業主婦は過去のものとなったのに、日本は今だにこのバカげた規則を廃止できません。もともと労働者全員に社会保険料を払う義務があるので、こうした規則は今すぐに廃止すべきです。そうすれば人手不足は緩和され、所得税や社会保険料の支払いも増えます。こんな簡単な事が分からない程、国民はバカなのでしょうか。


2023年02月19日追記
高齢者や女性の労働者が年金財政を破綻から守るという記事です。

2022年12月5日月曜日

不動の日本

この場合の「不動」は「変化しない」という意味で、日本の可処分所得が2000年からの22年間で増えていないという事[^1]を表しています。同じ22年間で米国が2.5倍、欧州が1.5倍を超えているのとは大違いです。まず収入がほとんど増えてないし、たとえ収入が少し増えても、それ以上に社会保険料が増えているのが原因です。この間に消費税も増えたので、実質的には日本の可処分所得が減っています。国民はそれを実感しているから、ますます財布のひもが固くなります。量的緩和で国債を増やし、無理矢理インフレを導いてもこの有様です。物価を上げれば購入量を減らすしか手がありません。生産性を上げるには規制をなくして競争を増やすべきで、そうすると勝ち負けがはっきりします。今のような護送船団方式だと、いずれ全部の船が沈む事は避けられません。ウーバーができない国、ネットで診察ができない国、役所の手続きが24時間いつでもネットから出来ない国に明るい未来はありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA287850Y2A021C2000000/

2022年12月3日土曜日

コロナのワクチン

コロナのワクチン接種が今日のお題です。日本でも4回目のワクチン接種が始まり、3回で十分だと思っていた人は悩んでいます。その反面4回ワクチンを接種してもコロナにかかる人はいるので、4回接種するのは必要でしょうか。実際こう思っている若者は多いので、4回目の接種は主に高齢者が中心となっています。基礎疾患があったり免疫力が低い人はワクチンで身を守るべきでしょう。でも3回ワクチンを打ってあれば重症化しないオミクロンの場合、もう感染は仕方ないと諦める時期に来ています。死なない病気にそこまでリソースを費やすのも無意味です。コロナと共生するという事は、感染しても驚かないという事です。コロナを普通のカゼと同じとみなすという事です。マスクも要らないしPCR検査も不要です。熱があれば薬を飲んで寝るという当たり前の行動を取れば良いのです。

2022年12月16日追記
尾身茂会長が5回目のワクチン接種の1ヵ月後にコロナに感染し、軽い自覚症状を報告しています。感染症専門家であり5回もワクチンを打った人でも感染するという事です。

2022年12月1日木曜日

負け組日本

現状で良いと思う人が大多数の日本は、すでに負け組に入っています。ここ数年の出生数の減少[^1]は予想より悪化し、人口が1億人を切るのもそれだけ早まります。これは年金や健康保険にも影響し、そうした社会保険の保険料を想定より早く上げる必要が生じます。人口の減少は国力の減少です。大都市に住む人は毎日多数の人を見かけるので気付きませんが、円安のため日本で働く外国人も減っており、介護など賃金の低い労働は慢性的な人手不足です。政府が国民を甘やかしてきた日本では、人口減少の危機感が国民に理解されていません。そのため事態はもう手遅れとなっています。

2022年11月30日水曜日

コロナとの戦い

医療従事者から見れば、新型コロナとの戦いは引き分けです。ワクチンを開発したものの、その予防効果は長持ちせず、4回接種しても感染する人は感染します。ただ重症化しないだけで、感染予防効果はあまり期待できません。でも新しいウイルスに対して、これだけ短期間でワクチンを開発した事はノーベル賞ものです。人間の体はコロナウイルスが変異しやすい事を知っており、抗体を作り続けても無駄だと分かっています。感染を防ぐのではなく、ワクチンで重症化を防いだ上で普通のカゼとして扱うのが得策だと人類は学びました。共存するという事は、生物学者から見れば戦いに共に勝利したという事です。人類はたちの悪いウイルスを人間界から排除し、ウイルスは人間界を無症状のまま動き回る術を身に付けました。

2022年11月28日月曜日

コロナ5類化

報道は中立であるべきで、新型コロナを2類相当から5類に変える事で起きる良い事と悪い事は同じ重みで紹介すべきです。その意味でこの報道[^1]には問題があります。医療費負担の増加だけに重点を置くと、もちろんワクチンやPCR検査が有料になるのは消費者にとってマイナスです。でもその費用は税金で支払うので、この先の増税でまかなう事になります。お金に余裕のある高齢者が重症化しやすいので、受益者負担で高齢者が自分のPCR検査代や今後のワクチン接種代を負担するのは理にかなっています。重症化しにくい若者にはPCR検査も今後のワクチン接種も不要です。医療機関や高齢者施設が独自に感染予防策を採るのは自由なので、インフルエンザと同様に個人が必要に応じてワクチン接種代を払う制度で不都合はありません。


2022年12月22日追記
ようやくオミクロン株とインフルエンザの致死率比較が厚生労働省から公表されました。コロナ対応を5類化する前触れと見られます。正常化への現実的な第一歩です。

2022年11月26日土曜日

企業年金

会社員が受け取る企業年金には確定拠出型と確定給付型のふたつがあります。日本ではまだ確定給付型が主流で、低金利のため会社の運用では利回りが足りず、補填が必要になっています。これを避けるには企業年金を確定拠出型に変えて、会社員に運用主体になってもらうという方法があります。確定拠出型は転職時にも会社員にとって有利なので、今後は確定拠出型が増えていくと予想[^1]されます。筆者はアメリカで最初からずっと確定拠出型だったので、そのメリットを生かして3度の転職をしました。転職により会社が変わっても年金で損をする事はありません。個人として運用の勉強が要るものの、それは社会人の常識として当然持つべき知識です。年金には節税作用もあり、給料から税引き前で年金に回せる金額を自分で選びます。どれだけの運用リスクを取るかも選べるので、国債と株の組み合わせで確定拠出型より有利な利回りも可能です。終身雇用ではないジョブ型の雇用には確定給付型が最適です。

2022年11月24日木曜日

アメリカの課題

コロナはアメリカの課題をくっきりとあぶり出しました。その課題とは貧富の差をどう縮めるかという事です。アメリカのジニ係数はコロナ以前から0・4を越えており、歴史的にみて革命が起きてもおかしくない水準にあります。共和党の大統領は小さな政府を目指すので、減税により金持ちはより金持ちになり、規制緩和により貧乏人はより貧乏になりました。もともと税金は貧富の差を縮める道具なので、これを減らすと貧富の差が広がるのは当然です。そこにコロナが襲いかかり、財政バブルによる株式価格の上昇で資産家はますます資産を増やしています。そこでアメリカの大多数の国民は、民主党の大統領が貧富の差をどこまで減らせるか見張っています。民主党左派が押す国民皆保険や大学無料化は若者に人気があるものの、そのコストを負担することになる中高年には嫌われているので、実現は無理です。昔の東ヨーロッパを始めキューバやベネズエラのように、アメリカには失敗した社会主義国から逃げてきた移民が多いので、社会主義に対する嫌悪があります。民主党中道派のバイデン氏が、増税対象の金持ちを敵に回して次の2年間でどこまで貧富の差を縮められるかで、次の大統領が決まります。

2022年11月21日月曜日

機械学習の限界

面白いニュース[^1]を見つけました。科学記事を自動で生成するAIが、入力内容次第でウソ記事を生成してしまうという問題です。このAIは機械学習ベースで、たくさんの論文や教科書、百科事典などからモデルを作り、入力欄で指定した記事形式や質問に対して、文献や数式を引用しながら科学記事や解説文を自動で生成できます。ところが質問された内容が科学的に正しいかどうかを判断していないため、明らかに非科学的な問いに対しても肯定的な文章を生成するケースが報告されています。いわばフェイクニュース製造機になってしまったので、わずか3日間で非公開になってしまいました。開発者としては「悪用された」という気分でしょう。でも一般に公開したモデルがこうした「意地悪な使い方」[^2]をされるのは、これが始めてではありません。人がAIを批評する時に「善悪を含む質問」をするのは当然であり、機械学習と言えども倫理観が必要です。そうしたセーフガードを持たない機械学習モデルに実用性はありません。

2022年11月20日日曜日

消費税インボイス制度

売り上げ1000万円未満の事業者から消費税を納付してもらうため、インボイス制度が来年から始まります。そこでフリーランス(個人事業主)が多いアニメや声優業界から反対の声[^1]があがっています。これは事務手続きの増加と益税がなくなる事への不満が原因です。消費税を導入した時から分かっていた事ながら、いざ目の前に来ると反対するのもどうかと思います。益税の解消は公平な税制という点から切実な問題です。事務手続きの増加は個人事業主を法人化して協力者を従業員にすれば解決します。もちろん運営コストは増えるので、益税がなくなる事と合わせればサービスの値上げが必要です。つまりアニメや声優業界の低賃金が根本問題なので、インボイス制度はそれを表面化させたきっかけにすぎません。法人化して複数のアニメ作家や声優を束ねる会社ができれば、値上げも容易になります。この業界も値上げができるサービス業に進化しないと生き残れません。益税はあくまでも人から預かった税金ですから、それをネコババするのは納税者として問題です。消費税額を8%と10%に分けたから、納税手続きが難しくなりました。

[^1]: https://news.yahoo.co.jp/articles/bac1d46378d1340537aef748cbdde91c4ba7a15e

2022年11月17日木曜日

仮想通貨

仮想通貨のブームが去りつつあります。ビットコインから始まった仮想通貨は似たような物が乱立していて、正確にどのくらいの種類があるのかも分かりません。そうした仮想通貨の交換所のひとつがFTXで、この会社が倒産した事で仮想通貨市場に大きな疑問が湧いています。そもそも筆者には仮想通貨に価値があるとは思えず、仮想通貨を買ったことはありません。株とちがい仮想通貨には値段の裏付けがなく、人が仮想通貨に価値があると思えばその価値がある、という循環論法で成り立っています。だから一度その価値が揺らぐと歯車が逆転して価値はゼロになります。国際送金の手数料低減が目的だった仮想通貨の終わりが始まっています。

2022年11月15日火曜日

スパコン1位

日本で民主党が政権党だった時にスパコンの開発が予算削減の対象になり、ある議員から「2位ではダメなのか」という質問がありました。これは国民目線のまっとうな質問であり、これにちゃんと答えるのは科学者の義務です。ところがこの質問に当時の議会では満足な答えがなく、その場で予算削減が決まりました。その後の科学界からの要請で予算は復活したものの、科学者はこうした質問に普段から答えを用意しておくべきだという教訓になりました。スパコンを使った研究や技術開発は国民から遠い所で行われているので、その効用が問われるのは当然です。2位のスパコンでもできる研究や技術開発は当然あります。逆に言うと1位のスパコンと2位のスパコンの違いは計算速度なので、もし1位のスパコンを使えば1年かかる研究が2位のスパコンだと3年かかるとすれば、1位のスパコンで研究した方が2年早く研究成果を得られます。その差はノーベル賞または世界特許を得られるかどうかという違いになり、1位のスパコンを使うのは時間をお金で買うためだと言えます。でもその金額をいくらにするのが適切かという問いに簡単な答えはありません。教育にかける金額と同じで、リターンがいくらかという計算は難しいからです。産業に道路や空港が必要なように、研究には速いスパコンも必要です。ただしスパコンは戦略物資なので、他国から簡単に買えるものではありません。

2022年11月13日日曜日

米国のマスク事情

久しぶりのアメリカです。こっちの人はあまりマスクしてません。もう飛行機でも不要となっており、心配な人だけがマスクを着けています。アジア系とか高齢者がマスクをしている傾向があります。お店でもマスクは不要です。以前の状況にもどったという事です。2019年はこうだったかと思い出してます。日本にいるとマスクが普通なのに、アメリカだとマスクが不要というのは何が違うのでしょうね。筆者は社会の死生観とか自己責任といった文化の違いを感じます。老人が死ぬのは当たり前と思うかどうか、自分の身の安全は自分で守るという常識があるかどうかといった違いが大きいと思います。日本のように安心安全を追求すると個人の自由を制限する他なく、行政コストが増大します。アメリカにもまだコロナの感染者はいるものの、その数はもはや話題にはなっていません。かといってアメリカが良いとも言えず、人口より銃の数が多いアメリカでは、銃によるテロ行為が増えています。銃を規制したカナダとの差は歴然です。

2022年11月10日木曜日

子は社会の宝

当たり前の事を書きます。このブログを読んでいる人の年金を稼ぐのは今の子供です。「子は社会の宝」という言い方もできます。だから社会全体で子育てを手伝うのです。車を持たない親にとって、日本のバスや電車は乳児を連れての移動が難しく、子供が社会に拒絶されていると感じます。とくに双子だとベビーカーも倍の大きさになるので、他人の助けなしにバスに乗るのはほぼ無理[^1]でしょう。ところが「手伝ってもらう前提で行動するな」という意見が必ず出てきます。自分で子育てした事がない人や、「子は社会の宝」という発想がない人です。そこでそういう人に尋ねます。あなたの年金を稼ぐのは誰ですか?

2022年11月9日水曜日

賃金を上げるには

リクルートが2022年に卒業予定だった大学4年生を対象に行った調査[^1]によれば、「できれば新卒で入社した企業・組織団体等で、ずっと勤めたい」が58.6%と6割近くで最も高く、「新卒入社した会社で勤め上げたい」という伝統的な価値観の強さが明らかです。でも裏を返せば「転職せずに済むならしたくない」と考える若者が過半数を占めるという事でもあるので、雇用主から「雇用か賃上げか」と二者択一を迫られたら「雇用」を取る人たちが過半数とも言えます。だから日本の賃金は上がりません。これを打破するには、年齢(生年月日)による(就職)差別を法律で禁止しなければなりません。すると定年制度が違法となり、転職が容易になります。ただしバランスを取るため、手切れ金による解雇も法律で認める必要があり、仕事に必要な人を雇い不要な人を解雇するジョブ型雇用が実現します。会社都合による解雇を容易にする事で企業内失業者を減らし、筋肉質の会社にする事で海外との競争に勝てるようになります。経済成長を求めれば競争は激しくなり、勝ち負けがハッキリします。負けた会社は人を解雇せざるを得ず、転職が容易な社会でないと困ります。終身雇用はもはや絵に描いた餅なので、現実に合わせて法律を変える時期に来ています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD261F10W2A021C2000000/

2022年11月8日火曜日

中間選挙とインフレ

アメリカの中間選挙で、バイデン大統領はインフレを起こした張本人として共和党から攻撃されています。でも実際は誰が大統領であってもインフレとなっていたと思います。日本ですらインフレになった位なので、エネルギー価格の上昇や物流の目詰まりといった外部要因は大統領と言えども解決できません。アメリカ人はアメリカ以外のニュースに興味がないので、そもそも他の国がどれだけインフレになっているかも知りません。ロシアのウクライナ侵攻が悪化させたエネルギー価格の上昇でガソリンが値上がりすると、バイデン大統領は石油の国家備蓄を一部放出して値上げを抑えました。中国のゼロコロナによる物流の乱れは全世界に影響を与えており、アメリカだけが突出してインフレなのではありません。中国からの輸入品に高い関税をかけたり、コロナ前に減税で消費を増やそうとしていたのはトランプであり、彼が大統領だったとしても同程度のインフレは起きていただろうと思います。

2022年11月6日日曜日

どうすれば

日本は変われるのか、それが今日のお題です。大多数の日本人は今の日本に満足しており、そもそも変わる必要があるとは思っていません。財政赤字には慣れっこになっていて、何が問題なのかも知りません。平和な暮らしがこれからも続くと信じており、ほとんどホームレスも見かけません。気候変動は困るといいつつ、ガソリン車には乗るし断熱性の劣る古い家に住み続けています。マスコミだって経済成長しない日本が今後どうなるかまでは教えてくれません。老人の多い日本は自然と保守的になり、ますます世界から取り残されます。つまり老人が減るまで日本は変われません。それにはあと30年はかかるというのが筆者の予想です。ちなみに経済成長しない日本で可処分所得は毎年減っていきます。大幅な円安を避けるには増税しか道はなく、消費税率をもっと上げる必要があるからです。

2022年11月5日土曜日

トランプと日本人

米国元大統領のトランプについて多くの日本人は好意的です。その最大の理由は彼が中国を敵視した事と、メキシコ経由の不法移民を減らそうとしたからです。では今のバイデンはどうでしょう。彼も中国を敵視しており、半導体技術の中国移転を防止する法律を作りました。この8年くらいで米国の中国に対する態度は逆転しており、それまでの「中国は最大の貿易相手国」から「中国は最大の軍事敵国」になりました。そのきっかけは2014年から始まった香港の「雨傘運動」で、中国が香港の民主派を武力により排除して香港を中国化した事です。つまり中国は経済的に豊かになっても民主化せず、日本のようにはいかないと米国は悟りました。だから誰が大統領になっても今の米国は中国を敵視します。内政から国民の目を逸らすために中国をたたくだけでなく、実際に米国は太平洋で中国と敵対しています。またトランプは公約で、メキシコに費用を払わせて国境に壁を作ると約束しました。しかし実際には軍の予算を流用してわずかな壁を足しただけで、リオ・グランデ川しか国を隔てる物がない部分は残り、メキシコからの不法移民は続いています。不法移民に対する米国の立場はトランプとバイデンで大差なく、そもそも日本とは無関係な問題です。ではなぜトランプが2020年の大統領選で負けたのでしょう。日本であまり報道されないトランプの問題点は、彼が白人至上主義者を擁護している事です。大統領選での負けも認めていません。根拠のない嘘をつき続けるトランプにうんざりしている人がバイデンに投票しました。コロナをただのカゼと言ったり、漂白剤を飲めばコロナが治ると言ったので、さすがにこれはダメだと気付いたからです。気候問題を否定したり大企業への減税を進めたトランプは、パリ協定に復帰し大企業への増税を進めたバイデンとは正反対です。日本語になったニュースだけを視ていると、本当の米国の様子は分かりません。

2022年11月4日金曜日

トヨタと円安

円安の恩恵を一番受けそうな製造業のトヨタが、2023年3月期の業績見通しとして意外にも増収減益[^1]を発表しています。円安で円換算の収入は増えるものの、輸入原材料の価格も上がるためかえって減益になるという事です。半導体の納入遅れもあって製品を出荷できず、価格を上げて収入を確保するも追いつかないという状況です。ウクライナ戦争によりエネルギー価格が上がった事も要因のひとつで、円安がすべての原因ではありません。ただし加工貿易の典型であるトヨタですら円安を味方に出来なかった事は事実で、日本の製造業が必ずしも今の円安で増益となっているとは限りません。物価上昇を賃金の上昇が越えない限り、実質賃金の低下は止まりません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD319720R31C22A0000000/

2022年11月3日木曜日

睡眠時間

これは深刻な問題です。日本の労働者の睡眠時間が6時間半を下回り[^1]、その一方で1人当たりの労働生産性も低いという報道です。合理化できず労働時間が長いと、睡眠時間を削って労働する事になります。そのうえ基本給が安いので、時間外労働で稼ぐというサラリーマンも多いでしょう。社畜という言葉も日本でしか聞きません。睡眠不足はパワハラの原因にもなるらしいので、お互いに足を引っ張っているのが日本の会社員です。国民の貧乏化は止まらず、少子化が進みます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF05CCQ0V01C22A0000000/

2022年11月2日水曜日

冷食輸出

日本の冷凍食品は安くて美味しいので、もっと冷凍食品の輸出が増えても良さそうなものです。でも例えばアメリカは肉類の輸入が禁止されていて、たとえ調理済みでもダメなので、肉類を含む冷凍食品は輸入できません。肉のエキスが使われているだけでもダメなので、輸入できるのは野菜か海産物を使った物に限られます。海産物は海がひとつにつながっているからという理由で許されています。冷凍餃子とか冷凍チャーハンはまず無理です。なので現地生産すれば良さそうですが、それには最初に大きな投資が要るので、食品会社としては躊躇します。それでも大きな市場が海外にあると思います。和食もアメリカなら現地の材料でかなり作れるので、今こそ冷食というブルーオーシャンに乗り出す時期です。

2022年11月1日火曜日

第8波への対応

新型コロナがこの冬に再度感染者を増やす事は確かです。つまり第8波は必ずやってきます。でももう感染者の数を数えても無駄です。ネットで買った抗原テストで陽性になっても、いちいち保健所に報告する人はいません。それにオミクロン型の亜種は肺炎を起こさないので、無症状もしくはただのカゼで済みます。ただのカゼでも高齢者の中には死ぬ人もいます。でもそれはコロナが原因ではなく、もともと持っていた基礎疾患が原因です。第8波への対応はインフルエンザと同じでかまいません。発熱すれば家で休む。薬が必要ならリモート診療で医者に処方箋を出してもらうか、OTC薬をネットで買う。高齢者や基礎疾患のある人のみ病院に行くという対応で十分です。もう日本人全員が一度はコロナに罹っており、自然に又は予防注射によって免疫を獲得しています。新型コロナはもはやパンデミックではありません。

2022年10月31日月曜日

増税の道

借金大国日本は、税金を増やして借金を減らさないと円安から抜け出せません。それは増税と円安のどちらを取るかという選択です。この記事[^1]にある退職金への増税もそのひとつで、人材流動性を高めるためにも必要な変更です。ひとつの会社に20年以上勤めると増える控除は、もう時代遅れという事です。相続税への課税もたくさん抜け穴があるので、例えばタワマンを使った節税は不可能になりました。何の問題もなく国の借金をいくらでも増やせるというのは嘘で、外部要因によるインフレを抑える事はできません。インフレを抑えるには金利を上げる必要があり、そうすると借金額も増えます。借金を借金で返す自転車操業に近づき、日銀にも制御できないインフレになる恐れがあります。

2022年10月30日日曜日

地方こそウーバーとエアビーが必要

地方の路線バスが赤字だとか人口が減って空き家が増えるとか言っている割に、日本のウーバーとエアビーが自由化されません。路線バスが無理ならウーバーでしょう。空き家が多いならエアビーでしょう。どうしてこんな簡単な事ができないのでしょうか。鉄道や路線バスを維持するだけの人口がないなら、地元の人にウーバーをやってもらえばいいのです。空き家はエアビーに最適です。一般人がITを使って仕事を増やすのに何の問題があるのでしょう。既存のタクシーやホテルがない場所なので、もっと柔らかい頭で経済を回しましょう。日本は無駄な規制が多すぎます。日本に残された有力な産業は旅行業だけですから。

2022年10月29日土曜日

煎茶の死

煎茶を殺したのは他ならぬ生産者と消費者です。使った武器は「深蒸し」で、味も香りも色まで殺しました。煎茶は80℃のお湯で3分待つ必要があり、これを知らない消費者が「深蒸し」を選んだ結果です。蒸しが深いので茶葉がボロボロにくずれており、これならポットの湯を入れてすぐ色がでます。不気味なほど深い緑のお茶に味も香りもありません。ところがお茶のプロは「深蒸し」の茶葉を使いません。例えばペットボトルのお茶は「普通蒸し」の茶葉を使っています。その色は緑色ではなく、いわゆる萌葱色(もえぎいろ)です。大多数の日本人は正しいお茶の入れ方を知りません。それは生産者が正しいお茶の入れ方・飲み方を世の中に広める努力をしなかったからです。本当のお茶を飲みたければ「深蒸し」を買ってはいけません。緑茶とは茶葉が緑色という意味で、抽出したお茶の色は黄色です。湯飲みの底に緑色の茶葉が溜まる「深蒸し」は掛川の茶葉だけに必要な製法で、それはこの地の茶葉が他の産地のものより硬いからです。掛川以外の茶葉を「深蒸し」にすると味も香りも色も死にます。

2022年10月22日土曜日

金融教育

日本の合法的な節税と今の消費税の抜け穴がこの記事[^1]で話題になっています。こういうのは「知っている人は知っている知識」なので、学校で常識として教育した方がいいでしょう。タワマンを使った相続税の節税はようやく税務署が阻止しました。でも税理士に聞けば他にも色々な節税方法があります。富裕層に有利な税制というのは当然で、富裕層は投資家でもあるので他の国でも大事にされています。累進課税の最高税率が45%で良いのかというのは政治問題で、民主国家なら国民に変える権利があります。ただし合法的に所得税を節税する方法は必ずあるので、税率を上げたから税収が増えるとは限りません。北欧諸国のように50%を越える税率をかけると、居住地をほかの国に移す富裕層が出てきます。消費税が益税になる抜け穴はインボイス制度で塞がれるので、来年からは問題になりません。輸出品に消費税がかからないのは輸出を促進するためで、エネルギーと食料を輸入しないと生きていけない日本では輸出が生命線だからです。株式収入が分離課税で最高税率20%というのも、経済成長につながる株式投資を促すためです。資本主義では投資する資本家が優遇されます。子供でもスマホから株式に投資できるので、ぜひ小学生から金融教育を始めるべきです。

2022年10月21日金曜日

専門家が言わない事

この記事には「日本が借金で破綻するのはあり得ない」と書いてあります。それはその通りです。政府と日銀は際限なく国債を発行して日銀が刷ったお金でそれを買い取り、国の借金を増やす事ができます。もし「破綻」が公務員の給料を払えない事だとすれば、それは起こりません。ところがそこには「専門家」が言わない事があります。経済が必要とする以上にお金を市中に出すと、お金の価値が下がって物価が上がります。今は物価上昇率2%が日銀の目標なので、これを越えたらお金の価値が下がりすぎ(円安)という理由で、逆に市中のお金を減らす必要があります。つまり増税するか、国債を減らすという事です。ところが現在の日本でこのふたつは不可能です。政府は景気腰折れが怖くて増税できず、同じ理由で国債も減らせません。すると物価の上昇(インフレ)を止める手段がありません。普通この場合は日銀が利率を上げて物価を抑えます。それには国債の購入量を減らす事が必要なので、市場で余った国債の価格が下がり日銀が大量に保有する国債が含み損になると同時に、日本の株価が下がります。これも政府が嫌うので、日銀はどちらにも動けません。特に海外に原因があるインフレの場合、政府には介入により円レートをいじる位しか出来る事はありません。つまり景気悪化を伴わずにインフレを止める手段がないので、日本はこの先も借金を増やし続け、円安とインフレが際限なく続くという運命です。「破綻」はしないけど、国民が貧乏になるのは止められません。「返す当てのない借金=赤字国債」は、今の国民と未来の国民の可処分所得を減らすというのが、「専門家」が言わない事です。

^1: https://gendai.media/articles/-/100785

2022年10月20日木曜日

財源なき減税

英国が「財源なき減税」[^1]でコケました。トラス首相の目玉政策だったので、面目丸つぶれです。英ポンドや英国債が売り込まれ、英国の年金基金が英国債を使った投資で大損したとか。赤字国債を増発する日本で同じ事が起きなかった理由は、曲がりなりにもこの数年で消費税率を10%まで上げたからです。財政赤字を減らすには支出を減らすか収入を増やすしかありません。収入を増やすとはつまり増税です。消費税率を上げるとか、新しい税金を作るという事です。今ならインバウンドを狙って、入国税・出国税とかホテル税などが候補になります。そのほか各種入場料金を住民と海外客で分けるのも途上国でよく見かける方法です。海外客は土産物にかかる消費税を免除されるので、その分を他で補いましょう。

2022年10月19日水曜日

ウエスチングハウス

東芝が2018年に1ドルで手放した米原子力発電大手ウエスチングハウス社を、カナダのウラン採掘大手カメコが45億ドル(負債を除く)で買ったという報道[^1]がありました。大儲けしたのはブルックフィールド・アセット・マネジメントという投資会社で、ウクライナ戦争によるエネルギー価格上昇に便乗しています。2018年に赤字続きのウエスチングハウス社を東芝が売却した事は当然としても、それが45億ドルで転売されるとは誰も予想しませんでした。さてウエスチングハウス社はこれから黒字化できるでしょうか。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12DGR0S2A011C2000000/

2022年10月17日月曜日

人工妊娠中絶

 アメリカで人工妊娠中絶が中間選挙の争点になっています。日本の法律では妊娠21週台[^1]まで中絶手術ができます。これに対してアメリカは6月に出た連邦最高裁判決で、人工妊娠中絶が適法かどうかは州ごとに決めるとなったので、それまであった連邦レベルでの「中絶する権利」が否定[^2]されました。これによりまったく中絶を認めない州も出ると予想され、例えば共和党が強いオハイオ州では妊娠6週[^3]までしか人工妊娠中絶を認めていません。もしこれに違反すれば、本人と手術した医者の両方が訴追されます。これに反発しているのが若い女性で、学生などそれまで投票に行かなかった中間層が民主党支持に回るとみられます。どの州でも党の岩盤支持層は3分の1ぐらいで、中間層が3分の1を占めます。周りの意見に流されやすい3分の1がどちらに投票するかで、その州の支持政党が決まります。妊娠中絶とインフレのどちらが中間層を獲得するか、劣勢のバイデン大統領と元大統領トランプの戦いはいかに。


^1: これ以降だと胎児が母体の外で生きていけるというのが理由です。

^2: キリスト教福音派は以前から妊娠中絶に反対で、これを支持母体とするトランプ元大統領が指名した複数の最高裁判事が、1973年に出た判決を覆しました。それまではアメリカでも「妊娠22~24週」までは中絶できました。米国憲法はプライバシーを人権として認めており、妊娠はプライバシーに含まれるというのがそれまでの理由でした。

^3: 妊娠6週以降となると胎児の心音が聞こえるというのが理由です。ただし、ほとんどの女性は妊娠6週目で自分が妊娠しているとは気付きません。

2022年10月14日金曜日

タイムズ誌世界大学ランキング

イギリスの会社が評価するので、このランキングでは必ず英語国の大学が上位を占めます。今年は1位がイギリスのオックスフォード大、2位がアメリカのハーバード大、3位がイギリスのケンブリッジ大という具合です。注目すべきはアジアの順位で、16位が中国の清華大、17位が中国の北京大、19位がシンガポールのシンガポール国立大、そして39位に日本の東大、68位に日本の京大が入っています。英語での授業や論文の引用数が評価されるので、日本の大学は基本的に不利です。でも中国やシンガポールに負けているのは事実なので、東大や京大ですらアジアの中でトップではないという事は深刻な問題です。順位も昨年より下なので日本の将来が心配になります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE120PC0S2A011C2000000/

2022年10月13日木曜日

FFHSとHER-SYS

筆者も知らなかったFFHS(症例情報迅速集積システム)についての日経の記事[^1]があります。厚労省が泥縄式に慌てて2020年に作ったHER-SYSと同じ目的で10年前から地道に作ってきたシステムらしいです。厚労省の副大臣にはFFHSの存在が伝わっておらず、誰かが何かの目的で隠蔽していた可能性もあります。累計50億円以上を投じたHER-SYSが実は不要だったという事になると政治問題です。納税者としては、ぜひ会計検査院による調査と報告を望みます。なお別の報告書[^2](COVID-19 パンデミック対応における情報システムの評価 )では「パンデミック初期より FFHS を導入していれば、保健所側に過度の負担を掛けずに国は全国レベルでの発生動向を継続してモニタリングできた」となっているので、FFHSとHER-SYSの比較には大いに意味があります。総花的なHER-SYSは、素人の思いつきをIT会社が形にしただけという印象が導入当初からぬぐえません。あれもこれもと欲張って使い勝手を損ない、失敗するシステムは珍しくありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC052QA0V01C22A0000000/

2022年10月12日水曜日

円安進行

今の円安の原因は主に米国金利と日本金利の差と言われています。円を売ってドルを買い、そのドルで米国国債などを買えば金利の差だけ儲かるという理由です。筆者は英国債の最近の暴落騒ぎから、金利だけでなく日銀が国債の半分以上を所有している事も円安の原因のひとつと考えています。つまり日本は自力では財政再建できず、円の価値はもっと下がるという見方です。アメリカが日本政府に許した為替介入は恐らく一回だけで、今日の円レートは146円を超えて上がっています。我々は、円安を逆手にとってインバウンド観光で儲ける人がお金持ちになる国に住んでいます。

2022年10月11日火曜日

愚か者

地球温暖化が人類を脅かしているというのに、隣国と戦争してさらに温室効果ガスを増やしている愚か者がいます。温暖化が進んでも自国は寒い場所にあるから、むしろ好都合だと思っているのでしょう。シベリアはアラスカと同様に永久凍土が溶けつつあり、地滑りや地盤沈下が頻発しています。それとともに未知のウイルスが地表に出てきて、また新たな病気が拡がる心配があります。永久凍土に含まれている有機物は微生物により分解され、温室効果ガスとなって拡散します。まったく愚か者には付ける薬がありません。「絶対的な権力は絶対的に腐敗する」という格言の通りです。

2022年10月10日月曜日

あべこべ

日銀がインフレと賃金上昇をねらって量的緩和を続けている以上、日本の円安は止まりません。世界的なインフレと円安で日本の物価が2%を越えて上がっており、政府はインフレ対策を考えています。税金でガソリンの値段を下げたり、低収入の人に5万円を支給するなど、バラマキが中心です。アクセルとブレーキを同時に使っても、時間を浪費するだけです。ここは企業の内部留保と自社株買いに税金をかけ、賃金上昇を促しましょう。

9月22日には、円安を止めるために政府が為替介入をして、円レートを145円から142円ぐらいに下げました。でもその後またすぐ145円に戻っており、このまま年末にかけて150円に近づくという予想もあります。政府が日銀に為替介入を指示したので、日銀としてはまさに「あべこべ」の仕事をしています。国債の大量購入で金利を下げて円安を誘い、その一方で円買いで円高を誘うという無駄な事をやっています。

2022年10月9日日曜日

サービス業の賃金

クリーニング業、小売り、飲食業などの賃金は最低賃金とほぼ同じです。非正規が多いため労働組合の保護がなく、また日本の労働組合は会社ごとなので、業界全体で賃金を上げる事ができません。すると他の会社に合わせた賃金となり、最低賃金に収束します。非正規が多いのも問題で、社会保険がないため使い捨ての危険性があります。非正規は1年未満とするルールを復活させて、非正規の数を減らす事が大切です。また業界を横断する労働組合を容認し、ストなどの手段で業界全体で賃金を上げる事も必要です。その結果クリーニングの料金、小売りの値段、飲食業の代金は上がるでしょう。でもこうした業界で働く人たちにとっては、まともに生活できる賃金の方がもっと重要です。

2022年10月8日土曜日

ロシアの核攻撃

追い詰められたプーチンが核攻撃をする可能性は低いものの、ゼロではありません。そのうえウクライナのどこに核攻撃を行っても、放射性物質がロシアを含む周辺国に流れます。ロシアとロシア軍への被害を考えると、可能なターゲットはキーウしかありません。それでも大きな戦果は得られず、ロシアはますます孤立するでしょう。もしウクライナ国内で核が使われると、ウクライナの農産物が放射性物質で汚染されてしまいます。それはアフリカや中東への食料危機となるので、結果的にロシアの仲間は北朝鮮だけになるでしょう。核は脅しにしか使えない武器です。

2022年10月7日金曜日

マスクを外す時

若い人がマスクを外すと恥ずかしい言うのは面白い話です。自分で思うほど他の人はあなたの口元に興味はありません。それでも人の目が気になる人のために、日を決めて一斉に外せばいいでしょう。例えば今月の11日とか。この日から外国人の個人旅行が解禁になるので、それに合わせてマスクを不要にすればいいと思います。交通機関や屋内のマスクもおしまいにしましょう。マスクは医院や病院、高齢者施設だけで十分です。

2022年10月6日木曜日

リスキリング

またまた意味不明なカタカナ語が出てきました。「学び直し」というのは誤訳で、「再びスキル(技術)を身に付ける」という意味なので、「学び足し」というのが良いでしょう。「学び直し」では今までの知識や経験を捨てるような印象があり、反発する人もいます。筆者の意見では、「デジタル道具の使い方を学んで、今までの仕事の範囲を拡げる」のがリスキリングだと思います。スマホを使えない人は、まずスマホの使い方を学びます。すると動画を作ってユーチューバーとして稼ぐ事ができます。今までの仕事で得た知識や経験を不特定多数に拡げるという仕事です。ズームを学んで、地元にない企業からの仕事を請け負うという事も可能です。決して「コードを書く仕事をする」のがリスキリングの目的ではありません。コードを書くのは若者の仕事です。中高年は「デジタル道具の使い方を学んで、今までの仕事の範囲を拡げる」のがリスキリングだと思って下さい。スマホは万人に使えるように出来ているので、まずスマホの使い方を学びましょう。自分では何の特技もないと思っている中高年でも、売りになる知識や経験は必ずあります。ただし、それなりの努力をしないと大きな収入にはなりません。

2022年10月14日追記
スマホ普及率は40歳以上で低下し、女性よりも男性の普及率が低くなっています。

2022年10月5日水曜日

経済成長は必要?

「経済成長なくして財政再建なし」という理由で、政府は赤字国債を増発しています。でもその効果がいっこうに上がりません。そもそも国民は経済成長を望んでいるのでしょうか。日本はホームレスの少ない国です。経済格差が少なく治安の良い日本は住みやすい国といっていいでしょう。国民皆保険だし、生活保護もあって最低限の暮らしに困りません。高望みさえしなければ、それなりに楽しく暮らせる日本で満足と思う人が大半です。こうした保守的で内向きの国で、賃金と雇用のどちらかを選べとなったら、雇用を選ぶのは当然です。国民に経済成長する気がない国で、トップがいくら旗を振っても何も起きません。財政再建が国政選挙の争点にならない日本では、国民は失業を招く経済成長を望まないでしょう。

2022年10月4日火曜日

介護ロボット

ソニーのAIとアシモのロボットを組み合わせれば、介護ロボットができそうな気がします。介護のすべてをロボットに任せる事は無理としても、中には定型業務もあるので、例えば夜中の見回りとか、シーツの取り替え、話し相手、食事の補助などはロボットに向いています。介護は基本3K仕事です。100人の介護者に本音を聞いたら、過半数の人はそう答えると思います。だからこそ日本はロボットを介護に使うべきで、将来の有力な輸出産業にもなります。我慢強いロボットなら認知症の患者に腹を立てる事もありません。ホテルがロボットと人間で運営できるなら、介護もできるはずです。

2022年10月3日月曜日

名寄せ

日本の税務署は、銀行口座から特定の個人の所得をすべて捕捉する事はできません。これはアメリカと違って銀行口座と個人暗号がひも付いていないからです。日本の個人番号はマイナンバーといい、銀行口座を作るのに必須とはなっていません。また過去に作った口座にもマイナンバーは付いていません。日本の場合プライバシーよりも脱税がバレることの方が問題なのではと思うほど、個人番号に反対する人がたくさんいます。マイナンバーは社会福祉・税・災害対策にのみ使えると法律で決められているので、本来は所得税の捕捉のためすべての口座にマイナンバーを付けるべきです。日本の税務署は今だに氏名・住所又は性別・生年月日の組み合わせで名寄せ(個人識別)しており、複数の口座を持っていれば簡単に脱税できる国となっています。脱税が多いと真面目に税金を払っている人は損します。サラリーマンはマイナンバーを職場に届けているので、その情報は税務署に通知されています。

2022年10月1日土曜日

アイボとアシモ

ソニーに続いて今度はホンダがロボット開発を諦めました。この両社に共通する過ちは、諦めたロボット技術を会社として切り出して売るという知恵がない事です。ソニーやホンダがロボットを諦めるのは普通のビジネス判断です。ところがせっかくの技術を人材とともに倉庫にしまい込んではいけません。小さな会社として切り出して売れば、その技術が人類の役に立つ可能性が高まり、売却益がソニーやホンダに入ります。テスラが人型ロボットに投資[^1]しているのは、長い目でみればロボットが人類に必要な製品だからです。ホンダがアシモを開発した会社を売りに出せば、中国や韓国の会社が買うでしょう。日本の大企業にはできない製品開発というものがあり、ロボットはこれに相当します。今からでも遅くはないので、アシモを開発チームごと子会社化して、外部に売るのが正しいビジネス判断です。子会社の社長が出資先を集めて独立するのもアリでしょう。

2022年9月30日金曜日

LGBTQと少子化

本来LGBTQと少子化は無関係なのに、これを無理に関係付けようとする人がいます。LGBTQだって子供は欲しいし、養子を育てるカップルは米国で珍しくありません。日本国民を増やすには子供の教育費を減らすとか、児童手当を増やす、さらに保育園にいつでも子供を無料で預けられるという方法の他に、移民を増やすという方法もあります。独身税を新設して児童手当を増やすとか、子供のいない夫婦の税額控除額を下げるなどの方法もあります。子供の養育にお金がかかる以上、少子化はお金の問題であって、LGBTQが原因ではありません。

2022年9月29日木曜日

ビタミンB12

ビタミンB12はDNAの合成に必要であり、これが欠乏すると貧血や神経障害[^1]を起こします。このビタミンは動物由来のため、ビーガンの人はサプリで補います。ただしヒトの肝臓には数年分のビタミンB12が蓄えられているので、肉食を止めてもすぐに欠乏する事はありません。サプリは主に酵母菌から抽出したビタミンB12を使っており、ビール酵母のような産業廃棄物をうまく利用しています。酵母は動物ではないので、植物とは言えないもののビーガンでも食べられます。つまりヒトは植物だけでは生きられないけど、植物と微生物を食べれば生きられます。なおヒトは植物のセルロースを分解できないので、デンプンや油でカロリーを取る必要があります。

2022年9月26日月曜日

自分のため

安部さんは国のために働いたという人がいます。ところが、それと反日的な旧統一教会と安部さんの関係は矛盾していると思います。結局安部さんは自分のために働いた人で、血筋から政治家となり首相になった人だと考えれば納得できます。自分にとって得になるなら、旧統一教会だろうが何だろうが利用します。日本で寄付金を集めて韓国に送っていた団体が旧統一教会であり、その教義には「日本はイブの国だからアダムの国である韓国に貢ぐべし」とあります。そこには反日思想が含まれており、安部さんがこれを知らなかったとは思えません。北朝鮮と仲の良い旧統一教会が反共というのも矛盾しています。票につながるなら何でもするのが政治家です。アベノミクスが中途半端に終わったのも、自分にとって得にならないと分かっていたからでしょう。

2022年9月25日日曜日

理解

理解するとは、頭の中にモデルを持つという事です。経済を理解している人は、頭の中にある経済モデルを使って先の予想ができます。それで儲ける人もいれば、モデルの質が悪くて損する人もいます。つまり理解には質が伴います。人を理解している人は、頭の中にある人モデルを使ってシミュレーションし、どうすればその人が喜ぶのか予想します。頭の中に良質なモデルを持つには多くの経験が欠かせません。学校では既存の事実を教えるだけで、どうしたら良質なモデルを持てるかまでは教えてくれません。毎日の経験が積み重なって「現実のモデル」が頭の中にできます。モデルはいろいろなルールや法則の集合です。そのほとんどは明文化されておらず、良質な「現実のモデル」を学習抜きで創る事は事実上不可能です。ただし小説や映画、ドラマなどで人間社会のルールを学ぶ事はできます。

2022年9月24日土曜日

DXは合理化

日本にいると不思議と「合理化」という言葉を聞きません。DXは手段であり、その目的は合理化です。合理化とは、付加価値の少ない仕事から人手を減らして、全体のコストを下げるという行為です。部分最適ではなく全体最適を目指すと、合理化に行き着きます。ところが日本人は全体最適が苦手なので、当然DXも遅れています。書類をFAXではなくメールで送るのはDXではありません。書類という紙をなくして、電子的な書類をクラウドで共有するのがDXです。同じデータを二度入力しないのがDXです。システム保守という付加価値の少ない仕事から人手を減らすには、システム保守のいらないクラウドに乗り換えて、カスタマイズの少ないシステムを使えばいいのです。行政のコストを下げれば減税できます。民間のコストを下げれば従業員の給料を上げられます。DXはデジタル化が目的ではありません。

2024年02月05日追記
筆者と同意見です。合理化にはやはり日本の労働法が壁になっています。

2022年9月23日金曜日

農業問題

日本の農業問題は根が深いです。この記事[^1]は米余りなのに転作が進まないと指摘しています。自由経済なら需要と供給が一致する値段付けとなるはずですが、農業は食料安全保障と票田というふたつの理由から補助金漬けとなっており、自由経済下にありません。また農家としても収入を上げるために単価の高い米を作るので、そこそこの値段でそこそこの味を求める消費者と方向が合いません。農家の高齢化とともに、農地の集約が進むと良いのですが。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC05BL30V00C22A9000000/

2022年9月22日木曜日

質問はひとりでひとつに

要人の記者会見で記者が質問する時、1人がふたつの質問をする事がよくあります。記者としてはなるべく多くの質問をしたいという理由でしょうが、聞いている方からすると迷惑です。答える方もどっちの質問に答えているのか不明となり、ふたつの質問にひとつの答えしかないという事がよく起きます。答えが曖昧になるので、1人ができる質問の数はひとつに限るべきです。そのかわり1回だけ追加質問ができるというルールの方が良いでしょう。答えが的を得ていない場合、記者はさらに突っ込んだ質問する必要があります。説明責任とは説明する責任ではなく、聞き手を納得させる責任です。記者から質問が出なくなるまで会見する義務があります。

2022年9月21日水曜日

宗教と詐欺

旧統一教会問題というパンドラの箱が開きました。元首相の暗殺という結果を招いた不作為はもう隠せません。これは実は「宗教と詐欺」は紙一重ではないかという問題提起です。「今の不幸を先祖のせいにして、お金でその不幸から逃れる」というロジックで旧統一教会は日本で資金を集め、韓国に送っています。「不幸が先祖のせい」という主張も、「お金でその不幸から逃れる」という主張も正しいとは証明できません。キリスト教の免罪符と同じで、お金を集めたい団体が宗教を隠れ蓑に詐欺をはたらいたのが実情です。でもほとんどの宗教には類似の詐欺の要素があります。神社のお賽銭、おみくじ、それにお祓いは詐欺でしょうか。仏教のお彼岸、戒名は詐欺でしょうか。全知全能の神が存在するという主張は詐欺でしょうか。御利益を期待して寄付したのに、何の御利益もない時は詐欺でしょうか。日本は古くからある宗教が弱いので、新興宗教がつけ込みやすい下地があります。どうやって「お金を集めたい団体が宗教を隠れ蓑に詐欺をはたらく」のを法律で防げるか、ここは政治の力が必要な場面です。

2022年9月20日火曜日

国債は財源じゃない

日本の国防費を増やすにあたって、どこに財源を求めるか[^1]という論議が進行中です。国債は財源ではないので、増税が必要です。所得税、たばこ税などが候補に挙がっています。国防費すら税金でまかなえないとしたら、そんな国は長続きしません。国民に増税の必要性をちゃんと説明できる首相の出番です。日本の赤字国債は法律で禁止されており、毎年「今年だけ」という建前で臨時の法律を通して大量の国債を発行してきました。このからくりを知らない人は、第二次世界大戦で敗戦国となった日本が戦後にハイパーインフレになった事を学びましょう。物の値段が100倍以上になり、お金の最小単位が銭から円になったのは、軍事国債で戦費をまかなっていたからです。敗戦によりこの国債が無価値になり、不動産を持っていなかった人はすべてのお金を失いました。この経験から、日銀が国から直接国債を買う事も禁止されています。ただしアベノミクスで日銀はそれに近い事に手を出しており、貯金しか資産がない人はインフレの犠牲者となります。

^1: https://www.jiji.com/jc/article?k=2022091600981

2022年9月19日月曜日

バカ丁寧

「おっしゃってくださる」という言い方はまちがいです。日本語の文法には「二重敬語」つまり尊敬語を重ねる事はかえって無礼になるという考え方があります。「おっしゃる」と「くださる」はそれぞれ独立した尊敬語なので、このふたつをつなげて使うのは誤用です。他にも「亡くなられる」もまちがいです。「亡くなる」と「られる」というふたつの尊敬語が重なっています。こうした誤用は最近よく聞くので、日本人の国語力が落ちているのかなと思います。バカ丁寧という言葉もあるように、やりすぎはかえって無礼になるという常識すら失われつつあるのでしょう。尊敬語がひとつでは物足りない、だからふたつ重ねちゃえという発想でしょうか。二重敬語は文字数も増えるので、やめた方がいいと思います。

2022年9月18日日曜日

地球画像

iOS16で、iPhoneのロック画面に天気と地球画像を表示できるようになりました。でもこの地球画像にはどうも納得できません。いまなら台風14号が九州に来ているはずなのに、台風らしき雲がこの画像にありません。リアルタイムの画像という触れ込みなのに、どうして台風がないのでしょう。夜は画像が暗くなるので、可視光による画像だと思います。可視光なら昼間は雲が白く写るはずなのに、丸い台風の雲が九州のあたりにありません。それ以外の雲はあるので、実に不思議です。また画像そのものが日本列島の真上から見下ろした様に見えるのは、もし赤道上の静止衛星(ひまわり8など)からの画像を使っているのであれば、視点をずらす画像処理をしているようです。逆にリアルタイムでないとすれば、それなりに毎日画像は変化しているので、いつの画像なのかも知りたい所です。

2022年09年20追記
今日のロック画面には大きな雲が日本列島を覆っている様子が映っています。ひまわり画像と較べると似たような形なので、この雲はそれなりにもっともらしいです。

2022年9月17日土曜日

COCOA停止

厚生労働省が発注したCOCOAアプリが停止となります。あまりコロナの感染防止に役に立った印象はないので、もう役目は終わったという事でしょう。日本では「ワクチン&検査パッケージ」も使わなかったので、スマホの出る幕はありません。厚生労働省は4億円をCOCOAアプリに使ったそうで、今回は試作品を作ったと考えればこの出費も納得できます。次回のパンデミックに向けて、成功した点と失敗した点を報告書にまとめて公表してもらえると嬉しいです。接触時間が15分に満たないと何も警告がなく、せめてCOCOAログをアプリ単体で表示できると感染者が多い場所が分かるため、ぜひこの点は改善してください。COCOAアプリでワクチン接種の履歴を表示出来なかったのは問題です。「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」は紙をスクリーンに置き換えただけで、自治体ごとに接種証明書を表示するという仕様になっており、せっかくマイナンバーカードを読ませても自分の接種履歴を一元的に表示できません。接種履歴をWalletアプリにカードとして登録できないのも不便です。こうした日本のお役所仕事はDXとは相性がすごく悪いというのが現実です。

2022年9月16日金曜日

時間別電気料金

前にも提案したように、日本も時間別電気料金を導入するべきです。平日の夕方は電気の需要が多い反面、太陽光発電が減るので毎年電気が足りなくなります。今のように「お願い」で使用量を減らすのではなく、この時間帯つまり午後4時から6時までの電気代単価を倍にすれば自然に使用量が減ります。今の電気メーターは時間ごとに使用量が分かるので、時間別電気料金を導入できない理由はありません。せっかくの新型電気メーターを生かせていないのはなぜでしょう。

2022年10月06日追記
旧型電気メーターの利用者と新型電気メーターの利用者との間で不公平感を減らすには、時間別電気料金は新型電気メーターの利用者だけ選べるものとし、もしこれを選んでも何もしなければ電気料金が以前とほぼ同じという制度にします。つまり時間別電気料金によって午後4時から6時までの電気代単価を倍にするかわりに、他の時間帯の単価を減らして相殺する料金制度です。例えば朝の6時から10時までは半額にするなどして、電気利用のピークを時間的にずらすという制度です。旧型電気メーターの利用者は少数派ですから、実行できない理由はありません。

2022年9月15日木曜日

地震発生確率

科学的にかなり怪しいのが日本の「地震発生確率」です。こちらの記事[^1]には、南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率についての疑問が取り上げられています。その70%から80%という数字は科学的というよりも政治的であり、一度上げた確率は下げられないというメンツに由来します。今の科学では地震は予知できず、今後30年以内の発生確率はそもそも科学的な数値ではないという事です。つまり次に大地震が起きるのは南海トラフだと考えるのは間違いです。例えば2016年にはノーマークだった熊本で熊本地震が起きています。あてにならない「確率」ではなく、日本中どこでも大地震は起きると考えて対策を進めるのが現実的です。政策の優先順位を決めるのに、こんないい加減な「確率」を使ってはいけません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/201430

2022年9月14日水曜日

倍速人生

「Z世代」は「少しでも早く成長して安心したいとの意識が強い」[^1]そうです。「若い世代が前のめりなのは未来に確信が持てないから」だそうで、「最小の労力で最大の成果を取る」スキルを重視するとか。オイルショックやプラザ合意を経験した筆者も同じでしたから、若者が先を急ぐのは昔から変わりません。違うのは日本の将来が確実に暗いという点です。少子高齢化は止まらず、国債残高も増え続け、政治にも期待できません。この状況で筆者が勧めるのは、ぜひ英語を身に付けるという事です。将来の日本が貧困国になっても、外国で生きて行ければ大丈夫です。「新卒入社後3年を我慢したところで、成長できる確証はない」と言う人は、最低でも1年は外国で暮らしてみたらどうでしょう。閉塞感でいっぱいの日本とは違う国を経験するのは、あなたの人生にとって必ずプラスになります。急がば回れというのは本当です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD067GL0W2A900C2000000/

2022年9月13日火曜日

直流送電

日本は東と西で電源周波数が違うので、電力を融通できません。部分最適が得意で全体最適ができない日本の象徴のような問題です。再生エネルギーは天候にも左右されるので、広域電力網が分断されていては余ったエネルギーを捨てる事になります。その解決策[^1]は本州を貫く直流送電線です。日本はパワー半導体が得意なので、その技術を活用して高圧直流送電を双方向にできる送電線に投資しましょう。保守点検のため最低二系統の直流送電線が必要です。破綻している核サイクルに無駄金を使うのを止めれば、そうした直流送電線をすぐ実現できます。核燃料の再処理をやめて、電力を東西で融通できる量をもっと増やせという提言です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA19BHD0Z10C22A8000000/

2022年9月12日月曜日

大谷とMVP

MLBの大谷翔平選手とホームラン王のジャッジ選手のどちらがMVP(最優秀選手)にふさわしいかという議論が日本とアメリカの両国で盛んです。大谷選手は二刀流なので、本当は他の二刀流の選手と比較するべきです。でもMLBで二刀流なのはほぼ大谷だけなので、これでは比較になりません。そこで二刀流選手を打者として比較するときは、投手の勝利ゲーム数を2倍してホームラン数に足す事を提案します。すると大谷は34+12x2=58ホームランとなり、55ホームランのジャッジ選手と良い勝負になります。逆に投手として比較する時は、打者のホームラン数を半分にして、勝利ゲーム数に足す事にしましょう。すると大谷は12+34/2=29勝利となり、ダントツぶっちぎりです。好調な打者はひと試合で2本のホームランを打つ事もあるので、MVPを決める上で倍半分の換算は妥当だと思います。

2022年9月11日日曜日

東洋の○○

日本には観光客を呼ぶために「東洋の○○」という触れ込みの場所がいくつかあります。その中には海外にある本家本元の「○○」とは比較にならないような場所もあるので、羊頭狗肉のような宣伝文句には要注意です。例えば「東洋のマチュピチュ」、「東洋のナポリ」、「東洋のナイアガラ」、「東洋のドーバー」、「東洋のハワイ」、「東洋のコートダジュール」などなど、「これのどこが?」と言いたくなるような場所です。本家本元を知らない人ならそうした宣伝に釣られて来るかもしれません。でも本場に行った事のある人にとっては「噴飯もの」です。こうした宣伝方法は時代遅れなので、そろそろ卒業したらどうでしょうか。インバウンド観光には逆効果だと思いますよ。

2022年9月10日土曜日

人工光合成

CO2と太陽光からギ酸を作り出す安価な触媒[^1]が発見されたそうで、面白い発見です。植物の光合成を真似た人工光合成では、まず水と太陽光から水素と酸素を作り、その水素からCO2と触媒で有機化合物を作ります。もしこの有機化合物がデンプンなら食料になるし、エチレンのような化成品の素材ならプラスチック製品になります。ギ酸は常温で液体なので、水素を貯蔵するエネルギー媒体として使えば、水素ガスに較べて運搬コストを節約できます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC209AD020052022000000/

2022年9月9日金曜日

二正面有事

この記事[^1]には、中国が台湾と尖閣諸島の二カ所に同時に侵攻する二正面有事という軍事シミュレーションの結果が出ています。そこでの問題点は、自衛隊は相手国の軍隊の攻撃から日本の領土を守るのが最優先なので、台湾や中国にいる邦人の避難はできないという事です。つまり台湾や中国にいる邦人は、民間飛行機が飛んでいるうちに自分のお金で第三国や日本に避難する必要があるという点です。これを認識している邦人は少ないと思います。仕事であれ観光であれ留学であれ、台湾や中国にいる日本人は、やばいと思ったらすぐ逃げ出す勇気を持たねばなりません。中国はまず最初に台湾を包囲するので、空や海が封鎖されたらもう逃げられません。今年のロシアのウクライナ侵攻では、ウクライナに留学していたインド人学生がなかなか避難できませんでした。ウクライナ政府はウクライナ人の避難を優先するし、遠くのインドには何も出来なかったからです。台湾有事でもやはり同じ問題が起きます。そのとき困るのは現地の日本人です。さらに中国の日本人は、出国禁止となる前に中国を出る必要があります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA155RQ0V10C22A8000000/

2022年9月8日木曜日

嘘はもうやめよう

経済的合理性がなく、日本原燃のメンツだけで続けているのが青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の建設[^1]です。すでに税金を14兆円もかけており、完成目標は1997年から26回も延期されています。日本原燃に再処理の能力がないうえに、日本の原発でプルトニウムとウラニウムを混ぜたMOX燃料を使えるものが4基しかなく、それも日本の使用済み燃料をフランスに送ってMOX燃料に処理したもので足りています。むしろプルトニウムは余っている位で、海外にある日本のプルトニウムは外国に買い取ってもらう計画[^2]です。高速増殖炉を実用化できず、再処理するとかえって高レベルの核廃棄物が出るので、再処理工場が核物質で汚染される前に建設を中止して、日本の核サイクルを諦めるべきです。この問題は何回も先送りされてきました。その理由のひとつは、再処理をやめると使用済み核燃料が資産からゴミになるという事です。すると原発をかかえる電力会社はとたんに債務超過になります。でもこれは法律で激変緩和措置を設け、無駄な投資をやめるのが国民の利益になります。再処理しない方が使用済み核燃料は安全です。今まで先送りしてきた最終処分場の問題に向き合う時であり、それなしに原子力発電を続けるのは次世代への犯罪です。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/200709

2022年9月7日水曜日

住宅ローン減税

日本の住宅ローン減税は不思議な法律です。「借入残高の1%を所得税などから差し引く」という決まりになっており、利息として払う分には所得税をかけないという趣旨ならば、固定の1%ではなくその年に住宅ローンで支払った利息分を所得から控除すればよく、この記事[^1]にあるように利息が1%を下回ったから0.7%にするという変更は不要です。アメリカの法律では利息分を所得から控除するようになっており、この利息分はローン会社の所得となるので、そこに税金がかかります。つまり二重課税はしないというルールです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA30D520Q1A131C2000000/

2022年9月6日火曜日

事業停止と撤退

日本企業のロシア事業については、停止にとどめて様子をみている会社と諦めて撤退に踏み切った会社があります。自動車で言えば、トヨタと日産は停止で日野自動車は撤退です。戦争が終わればビジネスを再開したい企業ほど、停止で損失を出しつつ様子を見ています。ところがウクライナ戦争は長引き、ロシアの経済制裁は終わりが見えません。この段階でまだ撤退していない会社は判断を間違えたといっていいでしょう。対ロシアの経済制裁はそう簡単に終わりません。時代が変わったという認識を持たない経営者が多すぎます。

2022年09月24日追記
トヨタがロシアからの撤退を決めました。遅いとはいえ、適切な判断です。

2022年10月11日追記
日産がロシアからの撤退を決めました。この遅さは大企業病ですね。

2022年9月5日月曜日

日本を変えるには

日本のように人口が減る国で経済成長するのはまず無理です。それでも成長したいなら複数の方法があります。まず第一は多くの移民を受け入れる事です。更に二重国籍を許して、普通ならアメリカに行ってしまう優秀な人を日本に引き寄せます。優秀かどうかは学歴と職歴と犯罪歴を点数化すればいいでしょう。人口が増える国になれば、自動的に経済も成長します。第二には法律を変えて、年齢による就職差別を禁止するとともに、手切れ金による指名解雇を許します。人を採りやすく解雇しやすい社会にする事で、臨機応変に動ける会社を増やします。ジョブ型の就職が普通になり、定年もなくなります。年齢ではなく経験が物を言う社会になり、年下の上司が当たり前になります。第三は企業の内部留保に直接課税し、自社株買いにも課税します。これは利益を投資や給与に回す会社を増やすためです。この三つの方法は同時に行う事が可能なので、もし政府にやる気があるのなら今がチャンスです。

オンライン診療

日本で合理化が進まない典型的な例です。こちらの記事[^1]にあるようなオンライン診療は、医師会と厚生労働省が反対していて前に進みません。コロナが疑われる人に抗原検査キットを送って、その結果をオンラインで診断して薬までリモートで送れる仕組みは医者にも患者にも好評です。でも地元の患者を奪われる心配がある医者は、医師会を通じて厚生労働省に圧力をかけており、オンラインの診療報酬をわざと低く抑えています。日本のオンライン診療に反対しているのは年配の医師なので、数で勝る若い患者がもっとオンライン診療を支持する必要があり、オンラインの診療報酬もオフラインと同じにすべきです。ネットを使った合理化は医療崩壊を防ぎ、コストも低く抑える事ができます。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/199855

2022年9月3日土曜日

認識不足

この記事[^1]を読むと日本の認識不足を痛感します。アメリカはベトナム戦争とアフガニスタン侵攻の失敗から、実利のない戦争に米軍を送らなくなりました。アメリカの世論は、オバマ大統領が宣言したように「アメリカは世界の警察ではない」というものです。ロシアによるウクライナ戦争でバイデン大統領が「米軍の派遣」を早々に否定したのは、世論がそれを求めていたからです。またバイデン大統領には、ペロシ氏が台湾を訪問するのを阻止する手立てはありません。自分の意見を曖昧にしたまま、間接的にペロシ氏を批判したのは世論を気にしているからです。もう民主主義や人権のために他国の戦争に米軍を派遣する事はないというのが今のアメリカです。だから日本も国防費を増やして自衛力を強化する必要があります。ウクライナがクリミア半島をロシアに奪われたのは、ウクライナが日本のように平和ボケしていたからです。いくら同盟国といえども、自衛する気がない国に米軍を派遣するほどアメリカの世論は甘くありません。

2022年9月2日金曜日

終わらせるには

新型コロナは待っても「終わる」ことはなく、国ごとに「終わらせる」[^1]時期に来ています。ワクチン接種で重症化や死亡をかなり減らせるので、抗ウイルス薬や抗体薬も併用すれば「死なない」病気となっています。ではコロナによる死亡の原因は何でしょう。それは「持病の悪化」です。ワクチンを接種していないか、または接種していても免疫が弱いといった理由で感染し、発熱や喉の痛みで水分を取れないため「持病が悪化」します。これをコロナによる死亡と数えるのは誤りです。コロナを終わらせるためには、まず「持病による死亡」をコロナによる死亡と区別する事から始めましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK256XK0V20C22A8000000/

2022年9月1日木曜日

不合理

また税金の無駄を続けています。旅行業は自然と回復するのに、わざわざ税金で需要を喚起[^1]しています。需要を喚起したければ無駄な水際対策をやめればいいのです。円安のおかげで日本を旅行したい外国人をたくさんいるのに、政府がその足を引っ張っています。出口戦略なしに太平洋戦争を始めた時と同じで、水際対策をやめる基準がありません。数の上では日本は世界最大の感染者を抱えています。それなのに海外から来る感染者を心配するのはまったく不合理です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC291KL0Z20C22A8000000/

2022年8月31日水曜日

法律変更

ジョブ型の雇用には法律の変更が必要です。ジョブ型の利点は人を採用しやすく、また解雇しやすいという事なので、手切れ金による指名解雇の合法化と、年齢による就職差別の禁止が必要となります。つまり年功序列と終身雇用という今の雇用制度をやめるという事です。これにより定年制度もなくなります。人材の流動性が高まるので、レイオフも増えます。ただ単に職務説明書を作っただけでは、ジョブ型の雇用[^1]にはなりません。労働者にとってのジョブ型の利点は仕事や労働場所が決まっている事で、その変更には双方の合意が必須です。転勤を拒むと指名解雇になり、勤続年数に応じた手切れ金をもらって退職するのが普通です。新しい仕事やポストに就くには転職が当たり前となり、新卒よりも経験のある中途の方が求められる環境となります。すると新卒は仕事の経験を積むため、学生のうちにインターンシップに積極的に応募するようになります。仕事の能力だけで人を評価するので、年齢や生年月日による足切りは違法となります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA088O10Y2A700C2000000/

2022年8月30日火曜日

マイナ選挙

マイナンバーカードとスマホで選挙するシステムが今日のお題です。法律を変えてマイナンバーカードとスマホで国政選挙ができるようにした場合、そのシステムは紙ベースの投票が持つ匿名性と正確性を保証できるでしょうか。まず匿名性はスマホからサーバーに個人情報を暗号化したものを送ります。サーバーには投票結果とこの暗号を記録し、元のスマホは投票にひも付いた個人情報を復号できるけど、サーバーは復号できない仕組みです。これでサーバー上の投票の匿名性を保証します。さらに投票終了後の開票過程をガラス張りにする事で誰でも自分の選挙区レベルの票数がスマホから見えるようにして、投票者を紙ベースの投票をする人とスマホベースの投票をする人にわけて、小さな選挙から始めて選挙実績を積んでいく事で正確性を保証します。紙ベースの投票とスマホベースの投票は共存し、スマホベースの投票は期日前投票に限定します。なお同じ人が紙ベースとスマホの両方で投票できないようにするため、投票方法は前もって選ばせるようにします。紙ベースを選んだ人は今までと同じ紙の選挙通知が郵便で届き、これを持って投票所に行きます。スマホベースを選んだ人には選挙アプリに通知が届き、マイナンバーカードで本人確認をして期日前投票します。選挙アプリによる投票は選挙につき1回のみ可能で、いつどこから投票されたかはサーバーが記録しています。唯一の問題はスマホがハックされて、本人の知らない間に勝手に投票される事です。これを防ぐにはサーバー側で2重投票を受け付けないシステムが必要です。

2022年8月28日日曜日

衰弱死

こちらの記事[^1]によると、オミクロン株では高齢者の衰弱死が多く、発熱や喉の痛みで水分が取れないので、そこから衰弱して持病の悪化で死亡するとの事で、ワクチンを接種していても防げないそうです。肺炎ではないので、従来のコロナ判定では軽症にとどまり、死者数を増やしています。点滴で防げる死亡なら、在宅や高齢者施設内で医者や看護士が点滴で水分補給を行うという療法は可能です。ただワクチンを接種していても防げないとなると、感染防止のために持病のある高齢者や高齢者に接する人の行動制限が必要となります。コロナはきっかけにすぎず、持病の悪化による死亡をコロナによる死者に数えるのも矛盾しています。2年前に決めたコロナの扱いが現状に合っていないという状況です。

^1: https://www.sankei.com/article/20220828-6ZENHOTBGJPW5KOGLM7VFULL3A/

2022年8月26日金曜日

ワニの口

日本で「ワニの口」と言うと、毎年拡がる財政の収入と支出の差[^1]が有名です。コロナで支出が突然増えたため、そのワニにサイのような角まで生えたというのが現状です。これに対してもうひとつの「ワニの口」が発生しました。それは2021年から始まったGDPとGDIの差[^2]です。円安のため輸出企業の見かけの生産高が増える一方、輸入物価も上昇して円建ての所得が減っています。円の価値が減ったため消費者物価も2%を越えて上がり、国民所得が実質的に減っています。円安は日本とアメリカの金利差が原因なので、日銀が国債を買い続ける限りこちらのワニの口も開きます。

^2: https://www.tokyo-np.co.jp/article/197647

2022年8月25日木曜日

コロナと勝利

この記事[^1]には違和感を覚えます。英国がコロナに打ち勝った国で、日本がコロナに負け続ける国という主張には、英国では医療崩壊が起きず、日本では起きているという事がその根拠として書かれています。その一方で、英国の方がコロナによる死亡者が多く、日本は少ないともあります。死者数だけみればコロナに勝ったのは日本なので、「高齢者が病気で死ぬのは仕方ない、それでも医療崩壊を起こさない方が大事」と考えるかどうかで英国が打ち勝ったかどうかが決まります。医療崩壊を避けるためにはトリアージを行えばよく、治療の結果生き延びる可能性の高い若者だけを入院させて、高齢患者は高齢者施設に置いておけば良いのです。でも日本には「高齢者が病気で死ぬのは仕方ない」という考え方はありません。「医療崩壊を避けるためにはトリアージを行う」という考え方もないので、医療崩壊が起きるのは当然です。でも人口あたりの死亡者が少ない日本はコロナに負けた訳ではありません。高齢者を犠牲にしても経済を回すと決めた英国をコロナに打ち勝った国とするなら、記事の中で勝ち負けの定義を明示するべきです。

2022年8月24日水曜日

ちぐはぐ

ウィズコロナと言いながら、新型コロナの扱いを2類相当から変えない政府は矛盾しています。一度決めた事を変えられない日本の弱点が顕著です。こうしたちぐはぐな対応は日本のオハコとなっています。視点が近すぎるため「木を見て森を見ず」状態です。変異が速い新型コロナの集団免疫は得られません。そのかわり肺炎を起こさなくなったので、インフルエンザなみの扱いで十分です。基礎疾患があったり高齢でもともと免疫が弱い人は新型コロナで死ぬ事もあります。それはインフルエンザで死ぬ事があるのと同じです。ウィズコロナに必要なのはどこまでの死者なら許すのかという議論です。医療にかけられるお金には限度があり、死者数をゼロにする事はできません。コロナ前はインフルエンザで年間千人ぐらいの死者がでていたので、インフルエンザと新型コロナの合計で年間千人ぐらいの死者数は許容できるはずです。

2022年8月23日火曜日

6ヵ月

ウクライナ戦争が始まって6ヵ月です。筆者の予想に反してウクライナはよく持ちこたえています。2014年のクリミア半島紛争の時と違い、ちゃんと防戦準備が出来ていたようです。指導者や国民にも「自国の領土」を守るという強い意志を感じます。ロシアの属国になる事を拒否するにはかなりの犠牲を伴う事が分かり、ロシアと国境を接するフィンランドはNATO加入を決めました。外国製兵器のおかげで互角の戦いとなっており、数年にわたり戦争が続くという予想もあります。残念ながら犠牲者が増える事だけは確かです。

2022年8月22日月曜日

かかりつけ医

英語でいうと「primary physician」です。日本の保険制度ではいつでも任意の医者に行けます。これに対してアメリカの主な医療保険だと、患者はまず「かかりつけ医」を決める必要があり、ひとりの医者が「かかりつけ医」として診療する患者の数には上限があるので、新規患者を受付中の近所の医者を見つけて「かかりつけ医」になってもらう所から始まります。緊急時以外の病気やケガはまず自分の「かかりつけ医」の予約を取り、そこで診断を受けます。人気のある医者だと予約は1週間先となり、普通のカゼで医者にかかる事はまずありません。OTC薬も充実しているので、ささいな病気は市販薬で治療します。「かかりつけ医」は専門医への紹介も行い、患者が任意の医者に勝手に行く事はできません。日本で「かかりつけ医」を制度として実現するには、「かかりつけ医」以外の医者に紹介状なしで行くと自己負担額が増えるなどの罰則が必要でしょう。

2022年8月21日日曜日

読み書きスマホ

昔は「読み書きソロバン」が義務教育の最低レベルでした。今はそれが「読み書きスマホ」になったと思います。子供は学校で教えなくても自分でスマホを使えるようになるので、スマホを教える対象は中高年です。生活の道具として必須となったスマホを持っていない人はまだいます。社会の効率化で行政コストを下げ、人手不足を克服するためにスマホの普及が国の課題となりました。ガラケーも廃止される時期に来ているので、無料のスマホ教室や高齢者向けのスマホ割引といったエサで国民全員にスマホを持たせましょう。少子化対策のカギはデジタル化です。

2022年8月20日土曜日

ジョブ型

日本のIT会社の管理職の評価をジョブ型に変えるという報道[^1]がありました。年功序列では先進技術を扱う管理職になれないという理由らしいです。でも日本でジョブ型の管理体系を組むには実は法律の変更が必要です。法律を変えずにただ評価方法だけを変えてもジョブ型の強みは発揮できません。評価が低い管理職を手切れ金で解雇できないと、外部から新しい人を雇えないからです。人を採りやすく解雇しやすいのがジョブ型の強みです。年齢による就職差別を禁止し、手切れ金付きの指名解雇を認める法律が日本には欠けています。職務説明書があるからジョブ型、ではありません。日本には必要な法律がないので、この手の「ジョブ型もどき」もかつての「能力主義」と同じ道をたどる可能性があります。

2022年8月19日金曜日

インフレ3段跳び

この記事[^1]にはインフレが3段跳びの要領で進むとあります。「1歩目は現実の物価上昇。2歩目は民の買い急ぎ。3歩目はインフレの制度化。」という3ステップです。すると日本はまだ最初のステップの段階で、買いだめが起きているようには見えません。家も狭いので、買いだめしても置いておく場所がないという問題もあるでしょう。では日本のインフレは今後あまり悪化しないのでしょうか。こちらの記事[^2]では実質賃金が減少しているとあります。つまりインフレではなくスタグフレーションが起きているという事です。賃金が上がらず物価だけが上がると、買いだめしたくてもお金に余裕がありません。物価が上がっても食品は買わざるを得ず、より安い店を探して遠くのスーパーに行く事になります。つまり日本のインフレは序の口であり、むしろスタグフレーションなので物価はそれほど上がらないと言えそうです。企業間物価は上がっているので、その分だけ労働者にしわ寄せが来ると思われます。最低賃金も3%の上昇なので、エネルギーや食品を含む物価上昇率には遠く及びません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD26B7G0W2A720C2000000/

2022年8月18日木曜日

1000万円

「国の借金、過去最大の1255兆円 1人当たり1000万円超 6月末」というニュースに対して、国民はどう反応すべきか戸惑っています。「けしからん、増税すべき」なのか「コロナもあったし、仕方ないね」なのか「それがどうした、何も不都合はない」なのかという事です。言ってみれば、国が勝手に増やした借金だから自分に責任はない、という反応です。おそらく国にできる事は、さらに借金を重ねて返済を先送りする事です。しかも今の世代は逃げ切れるので、誰も借金を減らそうとは言いません。日銀もお札を刷って国債をいくらでも買うので、量的緩和が続きます。その結果円安は止まらず、実質賃金は下がります。現状維持を望む国民が多いので、これからも国の赤字は増え続けます。

2022年8月17日水曜日

国税庁

国税庁がお酒の消費向上策を募集する[^1]そうです。お酒は健康に悪いとされ、若者にお酒が敬遠される中で、酒税の減収に危機感を抱く国税庁としては、なんとかして酒税を増やそうとしています。税収を増やしたければタバコ税を増やすべきです。もしお酒の消費を増やしたければ、むしろ酒税を減らした方がいいでしょう。以前から筆者はお酒ではなく、含まれるアルコールに税金をかけるべきと主張してきました。つまり濃い酒ほど酒税も高いという税制です。今の酒税は政治の妥協の産物で、ビールが高い一方で焼酎は低くなっています。すると消費者は賢いですから、高いビールを減らして安いチューハイを増やします。実質賃金が減る日本で、お酒に回るお金が増える理由はありません。国民の健康のためにタバコやアルコールの消費量を減らすべきなので、人口が減る日本で税収を増やすには税率を上げましょう。

^1: https://www.jiji.com/jc/article?k=2022081300326

2022年8月16日火曜日

学生ローン

日本では学生ローンを「貸与型奨学金」と呼びます。日本以外の国では「奨学金」とは給付型のお金を指すので、日本も世界標準に合わせて「貸与型奨学金」を学生ローンと呼んだらどうでしょうか。大学進学率が高い反面、お金がない学生は学生ローンを使います。そこで大学を卒業しても十分な収入が得られない卒業生は、学生ローンの返済に苦しむ[^1]ことになります。解決策は「貸与型奨学金」を学生ローンと呼ぶ事です。もちろん、お金持ちの寄付や国の税金で給付型のお金を優秀な学生に出すのもアリですが、もうすでにそれはやっています。「大学を卒業しても十分な収入が得られない卒業生」とは、もともと給付型のお金をもらえるほど優秀ではない人たちです。病気や不可抗力で働けない人は保険で返済を免除すれば良いので、奨学金という名前に騙されないように学生ローンと呼ぶ事を求めます。借りる方にローンという自覚が薄いから返済に苦しむのです。高卒で10年働いてお金を貯め、それから大学に入っても遅くはありません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/195265

2022年8月14日日曜日

4回目

どうも新型コロナワクチンの4回目接種は、BA.5の発症予防には役立たない[^1]ようです。今のワクチンは武漢発の最初のウイルス向けに設計されているので、できた抗体も最新のオミクロン株には中和能力がないのでしょう。でも3回目までの接種で重症化は避けられるので、もし感染しても数日休むだけで済みます。発熱や喉の痛みは免疫がウイルスと戦っている証拠ですから、無症状のまま感染を拡げるよりマシです。ここはオミクロン株向けの2価ワクチンを待ってもいいかなと思います。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/7514c91f70e90967693a901638827960e26af208

2022年8月13日土曜日

全数検査?

新型コロナの全数検査[^1]という建前に疑問符が付いています。そもそも全数検査の目的は何でしょう。感染状況を知るためでしょうか。それとも重症化する人の早期発見でしょうか。前者は感染モデルを作るのに役立ちます。後者は重症化して死亡する人の数を減らします。どちらも感染そのものを減らす効果はありません。感染を減らすのは行動制限なので、全数検査をしてもしなくても無関係です。全数検査のコストは高いので、そうとう大きな見返りがないとやる意味がありません。感染状況を知るためならサンプリング検査で十分なので、重症化する人の早期発見が理由だとしましょう。するとオミクロン株のように重症化率が低い変異株の場合、感染者の自己申告で十分です。具合が悪い人は医者に行く、そうでない人は自宅で治るのを待つという方針です。致死性の低いオミクロン株に全数検査は税金の無駄です。それで儲かる医者や検査業者はいても、国民にとってその出費に見合うだけの効果はありません。

2022年8月12日金曜日

宗教のロジック

世界の主な宗教というと、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教または仏教です。このうち仏教には神がいません。残りの宗教には単数の神がいて、ほぼ共通するロジックがあります。まず創造主という神がいます。この神が世界を作り人間を生かしています。人間は死ぬと天国か地獄に行きます。この3点はユダヤ教からキリスト教とイスラム教に受け継がれています。キリスト教には聖書があり、他の宗教にもそれなりの「聖書」があります。聖書は旧約聖書と新訳聖書に分かれ、旧約聖書にはイエス・キリスト誕生前の神話が書かれています。新訳聖書にはイエス・キリストの弟子がイエス・キリストから聴いたエピソードが書かれています。イエス・キリストは神の子であり、主(ヤハウェ又はエホバ)が人間であるマリアに生ませた息子です。主(ヤハウェ又はエホバ)はユダヤ教における創造主で、全知全能の神となっています。イスラム教においてイエス・キリストは聖人のひとりで、全知全能の神はアッラーと呼ばれます。預言者ムハンマドは、イスラム教においてアッラーの預言を人間に伝えた人です。キリスト教においてイエス・キリストは神ではなく、主(ヤハウェ又はエホバ)から人間界に送られた救世主という立場です。なお創造主が実在するかどうかは証明できません。神が世界を作ったかどうかも証明できません。人間が死ぬと天国か地獄に行くことも証明できません。つまり共通するロジックとしてあげた3点は、証明抜きで「信じるか信じないか」という大前提です。

2022年8月11日木曜日

コロナの出口戦略

変異を続ける新型コロナの出口戦略を考えました。もし病原性のない変異型に変われば一番です。でも過去2年の傾向からみると感染力を増す一方で、発熱や喉の痛みなどの典型的なカゼの症状は残っています。マスクの効果も下がっており、冷房で締め切られた空間で飲食をすれば感染は免れません。そこで新しいカゼのウイルスとどう共存するかを決める必要があります。インフルエンザと同様のカゼだとすれば、毎年のワクチン接種で共存できます。2019年まで日本では毎年1000人ほどインフルエンザによる死者が出ていました。ならば新型コロナとインフルエンザの合計で年間1000人までの死者は許容できるはずです。経済的理由から行動制限はできないので、考え方を変えなければなりません。希望者がコロナとインフルのワクチンを毎年接種するかわりに、新型コロナをインフルなみのカゼとして扱いましょう。それが現実的なコロナの終わり方となります。もし新たに危険な変異型が出てきたら、その時に扱いを見直せば十分です。新しいウイルスはこれからも誕生するので、ウイルスとの戦いに終わりはありません。

2022年8月10日水曜日

お花畑

日本から戦争を始めない限り、日本が戦争に巻き込まれる事はないと信じている人を「お花畑の人」と呼びます。現実からあまりに遠くにいる人です。ロシアがウクライナに戦争を始めた事で、お花畑は消滅しました。世界の核兵器廃絶運動にも大打撃です。そもそも広島と長崎は、いかに核兵器が殺傷兵器として効果的かを証明しました。そのうえウクライナ侵攻は、核兵器を持たない国が核兵器を持つ国にいかに容易に攻め込まれるかを証明しました。もう核兵器廃絶どころか、核兵器による抑止力が話題の中心です。日本はアメリカの核兵器を国内に配備し、それによって北朝鮮や中国やロシアへの抑止力を持とうという考え方です。核兵器を持っている国が核兵器を廃止する理由はなく、北朝鮮や中国やロシアが核ミサイルを日本に撃ち込む可能性はゼロではありません。軍事力があるから話し合いで問題を解決できる、それが現実です。

2022年8月9日火曜日

COCOAアプリ

筆者のCOCOAアプリによると7月は最多検出月となり、ほぼ毎日陽性者の近くにいた事が分かります。ところが濃厚接触者とは判定されないので、アプリ上で警告はありません。このアプリのログをカレンダーやグラフに表すサービス[^1]があり、これをスマホで使うと自分の履歴が分かります。これを見ると今のオミクロン株の場合、もっと濃厚接触者の定義を拡げた方が良いのではと思います。1m以内に15分というのはデルタ株までの話で、感染しやすいオミクロン株なら5分でいいのではと思います。警告がないので自分の周りに陽性者はいないと誤解している人も多いでしょう。もちろんアプリそのものにもこうした履歴表示の機能があるべきです。買い物と散歩ぐらいしか出かけない筆者はまだコロナには無縁です。

2022年8月8日月曜日

過ちとは

原爆死没者慰霊碑に刻まれた「過ち」とは、一般には「戦争」[^1]と解釈されます。「戦争をしたのは失敗だった。だからもう戦争はしない」という意味です。日本国憲法にはさらに「戦争をしないから、軍隊を持たない」とまで書いてあります。この憲法には、日本が再度アメリカに刃向かうのを避ける目的があったので、こうした文言が含まれるのは当然です。でもそれから80年近く経ち、憲法9条と現状との齟齬が無視できない程大きくなりました。アメリカは日本をロシアや中国との防波堤にしたので、日本に軍隊(自衛隊)を作らせました。ロシアのウクライナ侵攻は、核保有国が他国の領土を戦争で奪う現実を見せつけています。もしあくまでも日本が戦争をしないのであれば、ロシアや中国が日本の領土を武力で占領しても甘んじて受け入れるという事です。それは本当に日本人が受け入れる現実でしょうか。アメリカは自衛する気がない日本をアメリカ人の命をかけて守るつもりはありません。日本から始めなくても、他国から戦争を仕掛けられる可能性がある以上、日本に軍隊(自衛隊)は必要だというのが現実です。つまり「過ち」とは「他国に戦争を仕掛けた事」であり、海外に植民地を作ろうとした事です。

^1: https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/faq/9398.html

2022年8月7日日曜日

出口戦略

日本は出口戦略が苦手です。新型コロナ対策に出口戦略はなく、日銀の異次元緩和にも出口戦略がありません。80年前の太平洋戦争にも出口戦略がありませんでした。不都合な事を先送りするのが得意で、少子高齢化問題も先送りが続いています。続く赤字国債にも出口戦略がなく、プライマリーバランスですら無理な事を直視していません。原発にも出口戦略がなく、全国の原発に使用済み燃料が溜まっています。こうした問題が国政選挙の論点にならないのはなぜでしょう?日本人はそこまで無知なんでしょうか。

2022年8月6日土曜日

避けられた原爆

アメリカが沖縄戦の勝利宣言をしたのが7月2日で、広島に原爆を落としたのが8月6日。つまり日本は沖縄を失ってから1ヵ月以上もの時間を無駄にした結果、原爆攻撃を受けたというのが歴史的事実です。これは日本の学校ではまず教えてません。当時は日本のトップが敗戦を認めず「本土決戦」なんて無責任な事を言ってた時期で、ソ連を仲介役にアメリカと講和しようと考えていたアホもいた時期です。もちろんソ連は日本から領土を取り返す絶好の機会とみて、日ソ不可侵条約を破って対日参戦した事ぐらいはご存じですね。この1ヵ月の間にさっさと負けを認めて、無条件降伏してれば広島や長崎に原爆を落とされる事はなかったと筆者は思います。敗戦を認めるべきは当時の首相ですが、そう簡単に敗戦は認められません。天皇も大事な事を知らされていない立場なので、これまた敗戦を認める事ができません。だれも敗戦の責任を取りたくないから、広島と長崎の市民が犠牲になりました。どうすればあの原爆を避けられたのかという視点を持たないと、歴史を学ぶ意味がありません。

2022年8月5日金曜日

宗教と政治

日本は建前上政教分離です。そうは言っても公明党と創価学会のように、宗教団体が支える政党は存在します。宗教が現世の利益を求めれば、政治と方向が同じになるのは避けられません。選挙で票が欲しい候補者が宗教を利用し、その結果当選した政治家はその宗教を無視できなくなります。信教の自由もあるので、政治家がある宗教の信徒となる事は合憲です。ではどういう場合に宗教と政治の結びつきが問題になるのでしょう。それは宗教がその一線を越えた時です。宗教がカルト化して反社会的活動をした場合、それは宗教ではなくヤクザと同じ反社会的勢力になります。団体の目的が金儲けとなり、信徒の心の弱みにつけ込んだ詐欺行為となります。そうした活動をしている宗教に接近する政治家は、違法行為に加担している自覚があるでしょうか。オウム真理教を経験した日本は、カルトがどれだけ恐ろしいかを知っているはずです。

2022年8月3日水曜日

処方せん薬

日本の後進性を表すのが薬の処方せんと薬の受け取りです。まず処方せんという紙をもらって、健康保険証と一緒に薬局に提出すると、薬を受け取るまで30分ぐらい待たされます。待ち時間の間に他の店で買い物する強者もいます。でもそもそも処方せんなど病院や医院から患者が指定する薬局に電子的に送ってもらい、薬が用意できたら患者の電話やスマホに自動で通知が来るというシステムにどうしてできないのでしょうか。マイナカードを健康保険証として使うという小技ではなく、全体として合理化して医療コストを減らすという方向を向いた改革を願います。

2022年8月2日火曜日

観光開国

こちらの記事[^1]によると、6月10日から7月10日までの1ヵ月間で観光のため日本を訪れた人はたったの1500人だそうで、日本はまだ実質的に観光に行く国ではなく、自由な韓国の方が良いよとなっています。入国には観光ビザが必要で、グループツアーに参加しなければならず、直前のPCR検査による陰性証明も必要という日本は海外客から敬遠され、ますます観光収入を失っています。新型コロナを感染症5類相当に分類する場合、同時に観光客の日本入国を自由化して以前のようなインバウンドで稼ぐ国になりましょう。つまり観光ビザ、グループツアー、PCR検査、マスク着用を全部不要にするという事です。新型コロナが怖い人は半年に一度ワクチンを打って、人混みに出かけるのを控えましょう。外貨を稼がないとエネルギーや食料を買えないので、日本は生きるために観光開国する必要があります。

2022年8月1日月曜日

遅い決断

日本の首相がようやく重い腰を上げて、第7波が終わってから新型コロナの感染症2類指定を見直すという方針を示しました。本当は第7波が始まる前に指定の見直しをしておくべきだったので、他の先進国と較べてワンテンポ送れています。これは新型コロナの対策に限った事ではなく、いつも日本は決断がワンテンポ遅れます。これはなぜでしょうか。筆者の意見では、決断する人が高齢だからです。国も会社も大事な決断ほど時期が大切です。60歳を越えたら民間では定年となるのに、政治家は60歳未満では若造扱いです。トップが高齢だから決断が遅くなるのです。

2022年7月31日日曜日

夕立はどこへ

東京から夕立が消えました。筆者が子供の頃は夏の暑い日の夕方には、かなりの確率で夕立がありました。今でいうとゲリラ雷雨です。これがあると気温が下がり、その夜はよく眠れました。令和の今、夕立はありません。これは東京から森林がなくなったためです。森林は水蒸気を出すとともに地面を冷やします。森林のない東京では積乱雲を作る水蒸気が足りず、ただひたすら蒸し暑い夕方しかありません。二酸化炭素を減らすのも森林です。東京は自ら暑い夏を作ってしまいました。これを是正するには、要らない家の土地に木を植えて税金をまけるのがいいでしょう。住宅偏重の税制は時代遅れです。

2022年7月30日土曜日

看護師不足

日本の看護師が足りないという記事[^1]に関して、正規労働と非正規労働のそれぞれの問題が識者により指摘されています。正規の看護師は夜勤などの労働環境が厳しく、非正規になると時給が異常に安いという問題です。両者に共通するのは看護師の給料が低すぎるという事でしょう。日本の健康保険制度が限界に来ており、看護師の待遇を見直す時期に来ています。そのために健康保険料を上げるのは良しとしましょう。自己負担割合もさらに上げる事ができるでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC07D0O0X00C22A7000000/

2022年7月29日金曜日

世界最多?

日本のコロナ週間感染者数が世界一になったという報道[^1]がありました。でもこうした報道にはあまり意味がありません。そもそもアメリカはもう感染者数をマジメに数えていませんし、他の欧州の国々も同様です。たとえ自分で検査キットを使って感染が分かったとしても、こうした国々ではいちいち当局には報告しませんし、コロナを「夏カゼ」くらいにとらえているので、そもそもコロナかどうかを気にしていません。でもそれはさておき、これだけ国内の感染者が多いのに、まだ空港で毎日の入国者数を制限するのも意味がありません。現地でのPCR検査も余計[^2]だし、観光ビザの要求も不要です。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/192312

2022年7月28日木曜日

思考停止

新型コロナの第7波が日本を襲っています。コロナ病床の半分を埋めているのは70歳以上の高齢者で、中等症患者とされています。寝たきりの人も多いらしく、高齢者施設での感染が疑われます。寝たきり患者だと看護する方も人手が要るので、さらに病床を圧迫しています。日本はいまだに新型コロナを2類感染症としているので、感染力の強いBA.5株によりまた医療崩壊に近づいています。いいかげん現状に合わせて新型コロナを5類感染症に指定し、インフルエンザ並みとするべきです。もしそうすれば、中等症患者を入院させる必要はなくなり、感染した高齢者を高齢者施設で療養させる事ができます。また無症状感染者が感染した高齢者の介護に当たる事も許容するべきで、思考停止を止めて合理的な判断をしましょう。

2022年7月27日水曜日

電気対水素

アメリカのトヨタ自動車のディーラーは2021年から2022にかけて品薄で困っており、新車が入庫すると飛ぶように売れていました。そんなディーラーの一番目立つ場所に並べられていたのは燃料電池車ミライです。他の車種はまったく在庫がないのに、ミライだけはいつまでも残っていました。自分の家で充電できる電気と、遠くの水素スタンドまで行かないと手に入らない水素では比べものになりません。脱炭素時代の自動車を何で動かすかは、もう決着が着いた[^1]と思います。移動体のエネルギー源は電気が本命となり、水素は工場の熱源や太陽光発電の蓄電に使われるでしょう。今はガソリンが主流の乗用車もどんどん電化されています。日本の自動車産業は電化に出遅れているので、かなり心配です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA24DAL0U1A221C2000000/

2022年7月26日火曜日

孫がいる世代

小さい孫がいる世代は60歳から70歳ぐらいでしょう。この世代の人は積極的に孫の育児に関わるべきで、少子化を止める大切な戦力です。もちろん親の介護のためにできないという人もいるでしょう。ただし孫は未来の自分や子供の年金を稼ぐ大切な人材なので、もし時間があるなら育児に参加して下さい。たとえ親の介護を施設まかせにしても、孫の育児を優先すべきです。貧困が少子化の原因[^1]なので、先の短い老人よりも先の長い若者に投資しましょう。

2022年7月25日月曜日

交通税

滋賀県が「交通税」を検討している[^1]そうです。これは良い発想だと思います。今まで日本は税金で道路を作り、車社会を目指してきました。ところが人口が減る中で、JRなどの公共交通をどう維持するのかという議論が欠けています。赤字路線を維持するにはお金がかかるので、利用者だけでなく県民全体で支えるというのもアリです。いったい誰が鉄道を必要としているのか、観光需要だけでどれだけ維持できるのかといったデータも必要です。新しい目的税である事が肝心で、国民に今あるすべての赤字路線を維持できる余裕はありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC240R70U2A720C2000000/

2022年7月24日日曜日

人口経済問題

経済専門家、つまりエコノミストと呼ばれる人たちは人口問題を過小評価しています。今あるすべての経済理論は人口が時間とともに増えるという前提のもとで作られており、この前提は20世紀においては当たり前でした。ところが21世紀になって時間とともに人口が減る国がでてきました。韓国、日本、中国などです。こうした国では今ある経済理論は成り立たず、新しい経済理論が必要となっています。でも今のエコノミストは既存の経済理論しか知らないので、いわば無力です。またそれぞれの国で人口の減り方も違うので、日本は日本独自の経済理論を作らねばなりません。なのに今だに「税金をばらまいて消費を刺激すれば支出が増えて景気は良くなり税収も増える」という20世紀の経済理論に頼っています。人口が減る日本では「税金をばらまいても老後に備えて貯蓄する」となり支出は増えません。その結果ますます国債に頼る予算編成となり老後への不安が増大します。人口が減る国がやるべきなのは「人口を増やす」あるいは「新しい事をやる」です。ひとり当たりの生産性を増やせば失業者が増え、人口はそのままなので支出は変わりません。逆に税金を納める人は減るので、税収はむしろ減ります。ここは円安を利用して海外から日本に投資してもらい、海外の投資家に2重国籍を許して日本人になってもらうのが一番だと思います。人口と経済は切り離せません。

2022年7月23日土曜日

賞味期限

日本の「賞味期限」は不思議な制度です。販売期限ではなく「おいしく食べられる目安」だそうで、生鮮食品に付けられる「消費期限」とも違います。賞味期限が切れた食品も販売は可能です。我が家では賞味期限切れ間近の半額引き商品をスーパーのOKでよく購入します。食品ロスと家計に役立つ[^1]ので一石二鳥です。曲がったキュウリとかも売ってれば買います。家で食べるものに見かけは関係ありません。野菜も重さでいくらとすれば、色々な大きさの野菜を販売できるので値段が下がるでしょう。要は合理的な買い物ができる人は節約できるという事です。あなたは合理的な消費者ですか。

2022年7月21日木曜日

コロナと抗体

コロナウイルスは昔から複数あり、その中には風邪の原因となるものもあります。新型コロナウイルスは「新型」であるためにヒトに抗体がなく、高齢者はワクチンなしだと重症化する確率が高いので、ワクチン接種が進んでいます。ところが感染やワクチンで作られた抗体は長持ちせず、筆者はなぜコロナの抗体が長持ちしないのか不思議でした。コロナウイルスそのものが変異しやすいので、昔の抗体は今のウイルス変異株を中和できない[^1]と知って納得しました。ヒトの体はコロナウイルスが変異しやすい事を知っているので、抗体を長持ちさせても無駄だと学習したのでしょう。でもワクチンによる重症化予防は顕著なので、コロナの後遺症が残りやすい若者にもワクチン接種を強く勧めます。

2022年7月20日水曜日

内部留保

日本の大企業は内部留保が大きいとされています。それは主に雇用を維持するためで、コロナ禍でも失業率が大きく上昇しなかった理由[^1]とされています。日本でもバブル経済がはじけた1990年代に倒産する会社がいくつもありました。本当はこうした不景気な時に銀行が企業に融資して倒産を防ぐはずでしたが、銀行も業績悪化を恐れて融資しませんでした。そこで「いざという時に銀行はお金を貸してくれない」と学習した企業は、利益を賃金や投資に回したり株主に還元したりするかわりに、いざという時に雇用を維持するための内部留保として維持しています。敗者復活が難しい日本で労働者が雇用を賃金より重視するのは当然で、企業が未来への投資に消極的なのもうなずけます。革新が起きる社会は不安定な社会で、負け組が失業するのは避けられません。安定を求めれば革新は起きず、海外との競争に負けます。敗者復活を容易にするには、正社員制度の廃止等の労働改革が必要です。

2022年7月19日火曜日

異常気象

大気中の二酸化炭素濃度が400ppmを越えた2016年あたりから、日本でいえば夏の豪雨や猛暑、アメリカでは干ばつや山火事にハリケーン、ヨーロッパだと猛暑と山火事が明らかに増えました。オーストラリアでも干ばつと山火事が猛威を振るい、逃げ場を失ったコアラが人間に救出されるニュースもありました。先進国が過去何十年も化石燃料を燃やして、大気中の二酸化炭素濃度を産業革命前に較べて50%も増やした結果、このような異常気象が毎年起きています。このままではいけないと若者を中心に反化石燃料運動が起き、地球温暖化を止める活動も進んでいるものの、主に経済的な理由からむしろ温暖化は悪化しています。そのうえウクライナ戦争はロシア産天然ガスを止めるので、主に欧州で石炭火力発電が復活し、二酸化炭素の排出を増やしています。確実に異常気象が増えているのに、それを止める術がない状況です。若者でなくても、人類は存続の危機に直面している事ぐらい分かります。ドイツが緊急避難的に原発に頼るのも無理ありません。

2022年7月18日月曜日

冷房ドア

お店の中で冷房をしておきながら、出入り口にドアがない店がけっこうあります。業種でいうと自転車店、菓子店、薬局などです。古くからある店の構造なのでしょうか、店の前を通ると冷房の冷たい空気を感じるので、かなり電気を無駄遣いしているなと思います。こうした冷房の使い方は法律で禁止するべきです。家に断熱を義務づけるのと同じで、店にも断熱を義務づける法律が必要です。古い店でもエアカーテンを付けるとか、空気の流出を止める透明ビニールのすだれ型カーテンを入り口に付ければいいと思います。世界的にエネルギー不足と温暖化のいま、冷房ドアのない店からは罰金を取るぐらいの問題です。

2022年7月17日日曜日

東京の第七波予想

細かいデータが簡単に手に入る東京[^1]のコロナ第七波を調べました。まず新規感染者数のピークは8月中旬より早く、7月下旬となりそうです。2022年2月のBA.2によるピークが2万人で、それは越えると見られます。その一方、入院患者数は2021年9月と2022年2月の2000人を超えないと予想され、さらに重症者数は2022年2月の87人と較べても低く、30人ぐらいで収まりそうです。2021年9月の重症者ピーク297人に較べるとほぼ10分の1なので、ワクチンにより重症化が激減している事が分かります。感染を防げなくても、重症化をここまで減らせれば安心です。陽性率はもうすぐ40%になり、そこでピークとなります。行動制限をしないので、陽性率や新規感染者数は上がります。でも重症者数がこのレベルなら、もうコロナを特別扱いする理由はありません。マスクも不要で、心配な人は4回目のワクチン接種を受けるといいでしょう。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/monitoring

2022年08月09日追記
ピークは7月28日の40,406人で、入院患者数は4320人と2000人を越えました。また重症者数も40人と予想を超えました。感染力が強いため、ピークが早めに来た事で山が前後から圧縮されて人数が多めになったと考えられます。陽性率も52%と予想を超えました。今までで最大の陽性率です。そのかわり重症化率の低さが目立ちます。

2022年7月16日土曜日

外資頼み

日本が自ら労働改革する事は期待できないので、筆者は外資企業が日本に増える事を望んでいます。こちらの記事[^1]にあるような海外ユニコーン企業が日本でビジネスを拡げてくれれば、給料や仕事の進め方も海外レベルに近づきます。日本企業は内部のしがらみで変われないので、若者が外資企業に就職する事で日本が変われば最高です。純血主義で経済成長できるのは労働人口が増えている国だけで、日本はその時期をとっくに過ぎました。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC134K00T10C22A7000000/

2022年7月15日金曜日

科学はプロセス

子供のころ学校では教わらなかったけど、大人になってから知った大事な事のひとつは「科学はプロセス」です。たとえば理科は科学の一分野なので、理科は真理に近づくプロセスを教える教科です。そのプロセスとは「観察して疑問を持ち、仮説を立てて実験し、また観察する」というもので、品質管理で教わる「PDCAサイクル」に似ています。ところが筆者が習ったのはプロセスではなく、そこから得られた知識だけでした。結局、テストで高得点を取るために教科書の中身を覚えるという事が学習でした。本当は夏休みの自由研究もプロセスとしての科学を使う例だったのに、それを知りませんでした。さて今の子供は「科学はプロセス」を習っているでしょうか。このプロセスは誤りを自ら正すので、知っておけばすごく便利です。

2022年7月14日木曜日

成長と不平等

こちらの記事[^1]にある「成長には不平等がつきものだ。新技術を理解して使いこなす人々が生産性を高められる一方、競争から脱落する人も出る。」という指摘が的を得ています。日本は痛みを伴う改革には消極的で、この30年間を浪費しました。実質賃金は変わらず、時給の安い非正規雇用が増え、赤字国債を乱発しました。「賃金か雇用か」という二者択一を打破するという発想がなく、昭和のシステムを温存しています。賃金と雇用の両方を得るには痛みを伴う改革が必要で、どの政治家も怖くて踏み込めません。正社員制度の廃止、つまり年功序列・定年制度・終身雇用を廃止し、年齢による就職差別を禁止するとともに、手切れ金で社員を解雇する事を法律で認めるという労働改革が必要です。昭和の時代に生まれた正社員制度は日本独自のもので、もうとっくに賞味期限が切れています。敗者復活を容易にするには、人を採りやすく辞めやすいシステムが必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA201GC0Q2A620C2000000/

2022年7月13日水曜日

均質と異質

日経の「成長の未来図 識者に聞く」シリーズが始まりました。「日本に閉塞感、海外大へ」[^1]と「賢さの定義再考を」[^2]のふたつには激しく同意します。若者の一部は「国内総生産(GDP)は横ばいで、成長していない。親世代は逃げ切れるかもしれないが、自分の世代はそうはいかないと予想している。」とか、「日本では学生の能力が均質になるよう育てる。社会の安定には役立つが、才能を持つ人は放置されて能力が台無しになる。」といった部分が刺さります。「日本で頭の良い人とは知識の多い人だと考えられてきた。だが西洋では賢さとは、知識や情報がなくても自らの頭で考えて正しい答えを導き出すことだ。」もその通りです。スマホで検索すれば教科書レベルの知識がすぐ手に入る時代に、「賢さの定義」が知識の多い事ではいけません。均質と異質は両立しないので、教育の見直しは喫緊の課題です。安定した社会とは、革新が起きない停滞した社会という事です。


2022年07月21日
IQの高い子を伸ばす教育は日本にありません。それは均質目的に反するからです。

2022年7月12日火曜日

ポストあべ

実は今の日本経済は実力以上に好調です。年間予算のほぼ半分を国債でまかなう日本は、アベノミクスの延長で多額の公共投資を続けており、税金を使って株価を維持しています。この毎年の国債による下駄をはずせば、日本はたちまち大不況になるので国債を前提にした予算は変えられません。つまり今の景気は砂上の楼閣です。国債残高の増加と少子化で日本の未来に希望は見えず、国民にお金をばらまいても貯蓄に消えます。問題山積みの日本[^1]に簡単な解決策はありません。早くコロナ鎖国を解いてビザなしのインバウンド観光を再開しましょう。円安を利用して海外投資を呼び込むのも必要です。賃金か雇用かという二者択一を続ける限り、賃金は上がりません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/188793

2022年7月10日日曜日

要人警護

奈良で起きた元首相暗殺事件のビデオを視る限り、要人警護には穴があったと言わざるを得ません。しばらくこうしたテロ行為が日本で起きていなかったため、警護する側に油断があったようです。要人の背後の道は封鎖するべきなのに、人や自転車が自由に通行できるようになっていました。背後から怪しい人物が近づいてくる事に、事前に気付いた警察官も見当たりません。警護する人は要人に背を向けて周りを見回すべきなのに、ほぼ全員が前を向いていました。選挙カーを背にするとか、壁を背にして演説するという基本が守られていません。今回の要人警護はとてもお粗末なレベルであり、そこを犯人に突かれました。演説場所の選択にも問題があったとみられます。

2022年7月9日土曜日

アベノミクス総括

こちらのBBCのサイトにアベノミクスの総括[^1]が載っていて、結論は「道なかば」だそうです。筆者は三本の矢のうち最初の二本「金融政策・財政出動」のみが実行され、最後の「構造改革」は失敗したと判断しています。既得権益との戦いになる構造改革は最初から苦戦が予想されていました。限られた政治資本を安全保障、憲法改正、構造改革の三分野に振り向ける以上、こうした結果になるのは無理もありません。アベノミクスは国債増発で株価を上げ、非正規雇用を増やしました。少子高齢化という本丸に攻め込めなかった以上、アベノミクスは単に時間稼ぎをしただけと言えます。人口が減る日本が人口が増えるアメリカと同じ量的緩和を実行するとどうなるか、それはスタグフレーションと円安です。さらにコロナ禍はインバウンド経済を破壊し、東京オリンピックによる経済の浮揚も潰しました。単に運が悪かっただけでなく、アベノミクスはスジの悪い政策だったという事です。少子高齢化という根本原因を取り除かない限り、日本が復活する事はありません。高齢化は止められませんから、少子化をどうするかがカギです。経済学者は人口問題を軽視しており、特効薬はありません。

^1: https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-62103859

2022年7月8日金曜日

経常収支

日本の5月の経常収支が1284億円の黒字[^1]となり、1年前からの減少傾向が続いています。エネルギー価格の上昇で5月は2兆円あまりの貿易赤字[^2]があり、海外投資からの収入でかろうじて経常収支の黒字を維持しています。今後も円安で貿易赤字が増えるので、6月の経常収支は赤字になる可能性もあります。インバウンド観光がないと貿易赤字は増える一方なので、国産エネルギーを増やす以外に道はありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA080NB0Y2A700C2000000/

2022年08月08日追記
予想通り6月の経常収支が1324億円の赤字になりました。貿易赤字を海外投資でカバーできなくなったという意味で、大きな転換点となりそうです。もっとインバウンド観光と国産エネルギーを増やさないといけません。

2022年7月7日木曜日

BA.5

新型コロナのBA.5という変異株が世界中で拡がっています。BA.5はBA.2より感染しやすいけど重症化の度合いは同じだそうで、ワクチンを3回接種してあれば心配なさそうです。感染やワクチンで生じた免疫が時間とともに弱くなり、経済の再開にともなって感染増加につながっています。東京都のデータ[^1]でも重症者の人数はまだ一桁です。日本の第7波にあたる今回のピークは、若者へのワクチン接種のおかげで2021年のオリンピックの時よりも低くなると予想します。まだ2回しかワクチンを受けてない人は、今こそ3回目を受けましょう。今ならワクチンは無償です。


2022年07月21日追記
コロナの抗ウイルス薬がBA.5にも有効だという良いニュースです。

2022年7月6日水曜日

天然ガス

ロシアが日本に圧力をかけています。サハリン2の天然ガスに対する権益がなくなる[^1]とみられ、日本を含む西側の経済制裁への対抗措置と考えられます。これは予想された事で、ロシア産のエネルギーから日本はすぐに手を引くべきです。経済制裁は両刃の剣であり、自分にも不利益があります。それでもロシアの横暴をいま認めたら、ロシアはさらに周りの国に軍事侵攻します。日本とは海を隔てた隣国がロシアです。ここは強い態度にでなければなりません。日本は原子力以外のエネルギーの国産化をさらに進めましょう。日本の最大の資源は海なので、海水温度差発電や潮流発電にも投資すべきです。

2022年7月5日火曜日

香港

一国二制度が建前の香港は、実質一国一制度になりました。中国に返還されて25年もたち、軍事力をつけた中国にとってイギリスとの約束など何の価値もありません。言論の自由と報道の自由がない香港は中国そのものです。ではなぜ中国がそうした専政主義を取るかと言えば、それは国が大きすぎるからです。言葉も文化も違う多数の人々をひとつの国にまとめるには、強力な中央集権が欠かせません。中国がもし民主主義国となれば国が3つに割れてしまいます。南の広東語圏、東の北京語圏、あと西のイスラム教圏です。そうなるとアメリカに勝てないので、中国は是が非でも専政主義を続けます。経済発展が続く限り、専政主義に文句を言う中国人はいません。自由よりお金です。

2022年7月4日月曜日

日銀の限界

ついに日銀が保有する国債が発行残高の50%を越えた[^1]そうで、いわゆる財政ファイナンスと呼ばれる状態になりました。日本政府の赤字を日銀がお札を刷って穴埋めするとどうなるかと言えば、円の価値が国内的にも国外的にも下がるのでインフレと円安が進みます。つまり日本の物価はさらに上昇し、日銀の望む2%を恒常的に上回る状況が続きます。でもここで赤字国債の購入を止めると長期金利が上がり、国債の価格が下がって日銀が損失をかかえます。さすがの日銀も手詰まりとなっており、今後は過度なインフレを容認する日銀への風当たりが強まるとみられます。でもインフレ率ほど賃金は上がらないので、経済が縮小するスタグフレーションの時代になります。物価高を抑えるには長期金利を上げるしかなく、国債購入を止めるという事です。つまり量的緩和の縮小です。これは新しい日銀総裁の仕事になるでしょう。

2022年7月3日日曜日

携帯不通

KDDIの携帯が一日半ほど不通になった事で人々がびっくりしています。でも携帯電話が不通になる事は数年に一度は起きています。それに携帯がなくてもWiFiでLINEを使う事もできます。筆者が子供のころは家に固定電話すらありませんでした。ですからたかが携帯、不通になったからといって騒ぎすぎで、特にマスコミが大げさに報道しています。通信ネットワークは時々切れる、電気だって時々停電するといいう想定で社会を運営するべきです。こうしたインフラが途切れないという想定は日本を脆弱にしてしまいます。

2022年7月2日土曜日

家族のために

世の中のオトーサンは時にはあぶない橋を渡る事もあります。目の前で不正行為が行われていても「家族のために」黙っているオトーサンは珍しくないでしょう。倫理的におかしいと思っていても「家族のために」見て見ぬふりをしているオトーサンは少なくありません。でもそれは実はただの言い訳であって、本当は「自分のために」見て見ぬふりをしている人が大部分です。「家族のために」法律違反をしたとして、それを当の家族に知らせたらどうなるでしょう。その家族は喜ぶでしょうか。「法律違反をしてくれて、ありがとう」と言うでしょうか。オトーサンはその答えを知っています。でも収入や地位を手放すのが怖いので、「家族のために」と自分を騙しているのです。それは鏡を見れば分かります。自分の顔には良心の呵責が浮かびます。こうしてオトーサンの顔は次第に険しくなっていくのです。

2022年7月1日金曜日

時間帯別電気料金

夕方に電気が足りなくなるのはアメリカも同じ。太陽光発電の割合が大きいと、日が陰る夕方は発電量が減るのに、夕食の支度や家の冷房に電気の需要が増えます。そこでアメリカは午後4時から午後6時の間、電気代の単価を上げて節電を促しています。ナッジ理論というやつです。日本も夕方の電気料金は単価を上げるといいと思います。ちなみに夜間の電気料金を下げるのは、原子力発電の性質上その発電量を一定に保ちたいからで、夜間の電気が余るからです。そこで逆に足りない時間帯の電気料金を上げるのは合理的だと思います。

2022年6月30日木曜日

思考と言語

ようやく「思考に言語は不要」という事が科学的に証明[^1]されました。言語は思考の結果を人に伝える道具であって、思考に必須の道具ではありません。たとえ何語を話そうと、考えている時に言語は使いません。考えた結果を紙に書き留めたり、それを使って考えを深める事はあっても、「言語がなければ思考もできない」という主張は間違いです。つまり人間以外の動物もそれなりに何かを考えて行動しているという事です。

^1: https://www.livescience.com/can-we-think-without-language

2022年6月29日水曜日

お化け屋敷に

空中ディスプレーが最適です。ハリー・ポッターのテーマパークにも良いと思います。二次元又は三次元の実像を空中に結ぶ装置の使い道は、エンタメしかありません。何もない空間に映像が浮かぶのですから、お化け屋敷に必須でしょう。ディズニーランドのホーンテッドマンションでは、ハーフミラーを使った幽霊の舞踏会があります。これは乗り物に乗って遠くから眺めるだけのアトラクションなので、これに空中ディスプレーを使えば幽霊の中を通過する事もできます。乗り物に乗る順番を待つ間も、目の前の空中ディスプレーに二次元キャラを写せば待つのが苦になりません。タッチレス・センサーというマジメな用途だけでなく、面白いデバイスには面白い使い道を探した方が会社も売り上げを伸ばせるでしょう。

2022年6月28日火曜日

消えた気候問題

地球温暖化のために減らしてきた石炭火力発電をドイツが増やすと決め[^1]、気候問題は吹っ飛びました。ロシアのウクライナ侵攻で世界的にエネルギー危機が起きており、化石燃料が大幅に値上がりしています。これは再生可能エネルギーには追い風となるものの、今年のエネルギーをどうするかという問いには、石炭火力発電の再開が答えとなっています。地球温暖化のために活動してきた若者には逆風です。化石燃料への依存を減らす運動が結果的に化石燃料価格の上昇と世界規模のインフレをもたらしたので、気候問題活動家たちは困惑しているでしょう。ここは地球温暖化を防ぐ事で、化石燃料の輸出に依存するロシアの横暴を止めるという視点を持ちましょう。反戦と反炭素はコインの裏と表にすぎません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR194200Z10C22A6000000/

2022年6月27日月曜日

脱コロナ

東京の新規コロナ陽性者数と陽性率[^1]が上昇しています。これは予想された事で、ワクチン接種の感染予防効果が時間とともに下がるのが原因です。2年間と較べると国民にワクチンが普及し、コロナに感染しても重症化しなくなりました。つまり陽性者数だけ見ていてもコロナの影響は分かりません。コロナとの戦いは新しい局面に入り、国も重症者を減らす事に重点を置いた対策を取っています。重症化しやすい高齢者への4回目のワクチン接種はその一例です。また子供へのワクチン接種を始める事で、症状は軽くてもやっかいな後遺症が残るケースを減らそうとしています。このまま大きな波が来ない限り、年内には新型コロナの感染症分類が2類から5類に変わると予想します。

2022年6月26日日曜日

どんぶり勘定

2020東京オリンピックにかかった費用が当初の見積もりだと7340億円で、最終的に1兆4238億円になったという報道[^1]がありました。公金を使うにもかかわらず、見積もりが大幅に過小評価されていた場合、誰がその差額の責任を取るのかと言えば、それは国民です。こうした見積もりは予算を通すために少なめに計算するのが普通なので、やってしまったもの勝ちで不足分は税金から払うことになります。国民としては議員に働きかけて、なぜ過小評価を見抜けなかったのか、今後同じようなイベントがある場合、どうすれば過小評価を避けられるのかを明らかにしてほしいです。どんぶり勘定で損をするのは国民で、得をするのはイベント屋です。失敗から学ばないと、次にまた同じ失敗を犯します。公金を投資した以上、それがどのように回収されるのかも追跡する必要があります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE1620L0W2A610C2000000/

2022年6月25日土曜日

別シナリオ

アベノミクスと日銀が予定していたシナリオは、「生産性向上=>賃金上昇=>需要拡大=>物価上昇=>生産性向上」というスパイラルです。いわゆる景気の好循環でもあります。ところが今の日本で起きているのは「外的要因による物価上昇」のみです。要因が物流のトラブルや化石燃料価格の上昇、コロナへのリベンジ消費や円安であるため、これを賃金上昇に結びつけるのは高いハードルになっています。賃金上昇には生産性向上が必要なので、政府はDXによる効率化を促しています。ところが国内市場は少子高齢化で縮小しており、その中で効率化を求めれば仕事のない人が増加します。日本では手切れ金による解雇ができないので、効率化は進みません。労働者も賃金か雇用かと二者択一を迫られると、雇用を選びます。つまり日本の雇用制度が前近代的であるため、いつもDXは中途半端に終わります。年齢による就職差別を禁止すると同時に、手切れ金による解雇を法律で認めるという雇用制度の近代化が必要です。つまり雇用制度を世界標準に合わせるという事です。すると定年制度と年功序列もなくなります。雇用制度を世界標準に合わせるには、おそらく10年はかかるでしょう。人口が減少する国では隣国で戦争でも起きない限り、景気の好循環は起こりません。ここで腹をくくって雇用制度を改革するか、それともこのまま少子高齢化を続けて衰退するかは国民次第です。

2022年6月24日金曜日

原発安全神話

化石エネルギーのインフレにより、日本でも原発再稼働を求める動きが活発化してきました。そこで使われるフレーズが「安全が確認された原発」というものです。これは大きな誤解で、日本に「安全が確認された原発」はひとつもありません。正しくは「安全基準に適合した原発」です。では何が違うかと言うと、「安全基準」には前提もしくは想定があります。地震なら最大マグニチュードいくつ、津波なら最高何メートルといった想定です。その想定内なら安全のはずというのが安全基準です。つまり想定外の事が起きれば安全ではありません。想定外の事が起きれば大事故につながるのが原発であり、これは2011年の福島第一原発事故で日本人全員が経験した事実です。それに戦争で原発にミサイルが当たればどうなるか、という想定は今の安全基準にはありません。ウクライナ戦争をみれば分かるように、原発は真っ先に敵の攻撃目標になります。さらに「安全基準」に適合していても、そこで働く従業員にスパイが紛れ込めば簡単にテロ攻撃を起こせます。「安全が確認された原発」など日本にないという事から議論を始めれば、古い原発の再稼働より再生可能エネルギーの強化を優先すべきという結論になります。

2022年07月14日追記
控訴は当然として、日本の原発事故の賠償責任には法律上の上限がないので、たとえ「安全基準に適合」していても経営陣は多額の賠償責任を免れません。これは法律が悪いのであって、いまの無事故を前提とした法律を、事故を前提とした法律に変える必要があります。

2022年6月23日木曜日

手遅れ?

日本政府が遅まきながらAIと先端半導体に投資する[^1]そうです。昭和から平成にかけて日本の自動車やテレビがどんどんアメリカに輸出されていた頃、日本はアメリカから貿易赤字の是正策を求められて、半導体開発への投資をやめました。ソフトウェアへの投資もやめ、パソコンのOSはMicrosoft製を採用し、TRONプロジェクトを切りました。かわりに自動車輸出の継続をアメリカに認めてもらい、今に至っています。日本の半導体産業は時代遅れとなり、ソフトウェアも大部分アメリカ製を使っています。今さら半導体やソフトウェアの部分でアメリカに追いつくのは無理そうですが、AIならデータの量と品質で決まるので、中国やアメリカに勝てる部分もあるでしょう。ただし、優秀なエンジニアに中国やアメリカ並みの給料を出す事が必要条件となります。つまり日本の今の給料の3倍です。それが出来なければ、エンジニアは中国やアメリカの企業で働きます。コロナでリモートが普通になったので、日本にいても外国の企業で働く人が増えるでしょう。人への投資なるものが、日本企業のエンジニアの賃金向上につながるかな?

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODC112YF0R10C22A6000000/

2022年6月21日火曜日

消費税増税

選挙になると各党がバラマキ予算を競います。でも財源をどうするかを言わないまま、ただ支出だけを競っています。例えば防衛費の増額です。年間5兆円を10兆円にするなら、5兆円の新たな収入が必要です。そもそも日本は赤字国債を毎年発行し、未来の世代から借金を重ねている国なので、防衛費を赤字国債で払うなど言語道断です。増税をかかげて選挙に勝てないと言うなら、国民にできる事は財源の当てがないバラマキをうたう政党を落とすだけです。国民は円安を取るか増税を取るかの二者択一を迫られています。「つけ」で飲み食いした費用はいずれ払わねばならず、だとすれば増税を選ぶのが正しい道です。赤字国債を続ければ続けるほど円安が進みます。

ペット販売

ペット販売は賛否両論あります。商売人の自由を優先するか、それとも動物の福祉を優先するかという立場です。とくに犬や猫の場合、アニマル・シェルターに行けば無料で手に入ります。何もしなければ殺されてしまう犬や猫がいるのに、わざわざお金を出してペットショップから犬や猫を買うのは理解できません。それに動物が大きくなって飼うのが大変になり、捨ててしまう飼い主も後を絶ちません。犬や猫だけでなく、インコやラクーンのように外来種が飼い主から捨てられて野生化した場合、国内種にも大きな影響があります。ペット販売は規制を強化し、動物の売買は禁止するべきでしょう。ペットショップは物品の販売とトリミングなどのサービスに限定し、動物は無償譲渡のみにしましょう。製造物責任法を適用すれば、ペットショップには売った動物が起こした損害に対する責任があります。売りっぱなしで後は無責任という現状のペット販売は問題山積みです。

2022年6月19日日曜日

暑い日のマスク

日本人がなぜマスクを続けるのかが今日のお題です。同調圧力のせいとか政府に従順な国民性[^1]とかが原因でしょうか。法律上はマスクを着用するかどうかは本人の自由です。暑い夏に屋外でひとりならマスクを着ける理由はありません。でも日本人はなかなかマスクを取りません。筆者は日本人の「集団(の掟)に従う」という教育が原因だと思います。自分の頭で考えて合理的に行動するという教育を受けていないので、自分だけが他人と違う行動を取る勇気がありません。臨機応変に判断する事もできず、前提が崩れたルールに思考停止のまま従う人間が増えています。これこそが日本が没落している最大の理由です。

^1: https://mainichi.jp/articles/20220618/k00/00m/040/199000c

2022年6月18日土曜日

ホログラフィー

三次元情報を二次元媒体に記録し、それを再生する技術をホログラフィーと呼びます。視点の移動により、それまで隠れていた場所が見えるようになるなど、まるで実物が目の前にあるかのような映像が得られます。これと似て非なるものが、両目の視差を利用した立体(三次元)画像です。ふたつの二次元画像を左右それぞれの目で見る事で、擬似的な三次元情報を得ています。でもこれはホログラフィーではありません。視点の移動によって、それまで隠れていた場所が見えるようになる事はありません。たとえば、一時期流行した3D映画は両目の視差を利用した立体画像で、液晶レンズ付きのメガネで左右の目に入る画像を調節しています。でも劇場の左側にいる人と右側にいる人は、同じ立体画像を見ていました。コーナー・ミラー・アレイを使った空中ディスプレーも、基本的にホログラフィーとは無関係です。光源が二次元なら空中に二次元の実像が浮かびます。コーナー・ミラー・アレイそのものに、三次元情報を記録したり再生する機能はありません。なのでコーナー・ミラー・アレイをホログラフィック・プレートと呼ぶのは誤りで、それはただの販促用語です。

2022年6月17日金曜日

天然水

前にも指摘した表現について再度書きます。「天然水」というのは単なる販促用語です。雨の水も川の水も水道水も天然水です。人工の水は水素と酸素を結合して作るもので、石油などの炭化水素を燃やせば水蒸気として得られます。農林水産省が出した品質表示ガイドライン[^1]によれば、地下水を「沈殿・濾過・加熱殺菌」したものを「ナチュラルウォーター」と呼んでいます。つまり水道水など塩素消毒をした水を除外するための定義です。この「ナチュラルウォーター」を「天然水」として売り出したのがサントリー[^2]で、「加熱殺菌済み井戸水」を「天然水」と名付けたセンスの良さが光っています。水と空気はタダという日本で、有料の水を売るのに使った名前が「天然水」です。

2022年6月16日木曜日

しぶといコロナ

東京都のコロナ陽性率[^1]が10%より落ちません。陽性者では3分の1がワクチン未接種者です。ワクチン完了者の割合は70%ぐらいなので、ワクチンは感染防止というより重症化防止に役立っています。感染者の9割が無症状という報告もあり、しぶといウイルスです。ウィズコロナで日本をコロナ前の社会に戻すには、もっとワクチン接種率を上げる必要があります。その意味で接種率が70%からあまり増えないのは問題です。ワクチンの副反応よりコロナの後遺症の方が深刻なので、子供と若者の接種率を上げるために、この年代のタレントを起用した宣伝を増やしましょう。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/monitoring

2022年6月15日水曜日

米中間選挙

2022年のアメリカ中間選挙では民主党がボロ負けする見通しです。バイデン政権はインフレを止められず、庶民はインフレがバイデンのせいだと思っている[^1]からです。コロナによる需要の減少で、去年の原油価格は一度マイナスまで落ちました。ところがコロナが落ち着くにつれてリベンジ消費が始まり、物流の減少と合わせてインフレを呼んでいます。コロナによる不景気を恐れたバイデン政権が大幅な予算を組んで景気を刺激した事もあり、ウクライナ戦争によるロシアの経済制裁で高まる原油や天然ガスの価格もインフレを後押ししてます。つまりインフレはバイデンのせいではないけど、それを止められないバイデンはダメだという見方です。世界を見渡すと、インフレでない国はひとつもありません。長年デフレだった日本もようやくインフレになりました。誰が大統領でもこのインフレは避けられない災厄です。ついてない大統領ですね。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1327Q0T10C22A6000000/

2022年6月14日火曜日

技術的負債

マイクロソフトのブラウザ Internet Explorer がサポート終了[^1]を迎えています。今だに Internet Explorer しか使えないアプリケーションがあるのは驚きです。でもこれは技術的負債のひとつで、依存するソフトのサポートが終了するたびにアプリケーション側で対策を取る必要があります。こうした作業はあまりお金にならないので、より経験の浅いエンジニアが担当する事が多く、人手の足りない会社では後回しにされます。他にもサーバーOSの更新や処理言語系のバージョンアップがあると、それも技術的負債になります。当然セキュリティー・パッチのように後回しにできない作業を先にやるので、ブラウザの変更は最後のぎりぎりまで手を付けません。かわりに Chrome を使うとなれば相当の変更が必要で、サポート終了には間に合わないという結果になります。もし保守契約を結んでいるのなら、保守費用の中でもっと前から作業すべき変更です。アプリケーション・ベンダーの姿勢が問われる場面です。

^1: https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1416322.html

2022年6月13日月曜日

盛りすぎ

空中ディスプレーに使うパネルを以前から製造販売している会社のビデオが「盛りすぎ」なので、今日のお題にします。コーナー・ミラー・アレイを使うと面対称の位置に実像を結べるため、こちらの会社では印象的な販促ビデオ[^1]を公開しています。まるでSF映画の一場面のようで、未来の女性が空中の映像を操っているようにみえます。ところが光は空間では直進するので、空中の実像の背後には必ずコーナー・ミラー・アレイがあるはずです。つまり彼女の視点から見える空中映像は、彼女の反対側にいるカメラには見えません。空中映像の背後に壁や床や彼女自身が入ることはなく、これはあくまでも「盛った」動画、いわゆるイメージです。その「盛り方」が盛大なので、景品表示法違反になるのではと心配しています。

2022年6月12日日曜日

財源はどこに

「骨太の方針」を実現するために必要な財源をどうするかの議論[^1]が夏の参院選の後に始まります。日本は原油や金がたくさん取れる国ではないので、財源となるのは主に税金です。赤字国債では国民が納得しないので、どこからどれくらいの税金を新たに取るのか、駆け引きが始まります。物価上昇で自動的に消費税額が少し増えるものの、それでは財源として全然足りないので、既存の消費税率を増やすか新たな課税を始める必要があります。コロナで外れた予算のタガを締め直す時です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA091ON0Z00C22A6000000/

2022年6月11日土曜日

内向き指向

コロナ鎖国の結果、日本の内向き指向がさらに増加[^1]しました。ある調査によると「外国語習得への関心」が67.2%から59.8%に減ったそうで、エネルギーと食料を輸入に依存している日本の将来が心配です。確かに街中で外国人を見かけなくなりました。観光地にいってもほとんどが日本人です。周りに外国人の姿を見なければ、外国語を学ぼうという動機もなくなります。スマホで翻訳できるから外国語は要らないという考え方もあります。これからインバウンド観光が復活するので、日本の内向き指向がどう変化するかに注目しています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA24CPF0U2A520C2000000/

2022年6月10日金曜日

新常識

常識は時代とともに変わります。今なら「屋外でひとりならマスクは不要」が常識です。でも新しい常識が普及するには時間がかかります。「いつでもどこでもマスク」という古い常識から抜け出せない人は多く、屋外でひとりで走っている人ですらマスクをしています。スマホを持たない高齢者ほど新しい常識を知らず、古い常識を押しつけてきます。でもそうした高齢者にはやんわりと新常識を教えてあげましょう。昔はそうだったけど、今は違うんですよと若者が教える事で世の中は変わります。常識を変える事が、日本を住みやすい国に変える第一歩です。

2022年6月9日木曜日

判断ミス

「約2カ月間にわたり病院の機能が停止した徳島県つるぎ町立半田病院で、仕様が古い電子カルテシステムを動かすため、セキュリティー対策に必要な機能が意図的に無効にされていた」という報道[^1]がありました。予算不足で電子カルテシステムを更新できなかったのか、それとも問題が起きないからパソコンのウイルス対策ソフトを停止させていたのかは不明です。でもこの病院のIT責任者や安全管理者の判断ミスは明らかです。ネットの安全は普段から対策を取っておく必要があり、その対策がうまくいっている限りこれといった事件は起こりません。そこで素人が「何も問題が起きないから、この対策は無用なのでは」と考えるとスキができます。インターネットにつながった機械は常に世界のサイバー犯罪者から狙われているので、セキュリティー対策に使えるお金がない場合は、病院のパソコンをインターネットにつなげてはいけません。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASQ6731D3Q62ULZU00L.html

2022年6月8日水曜日

国連の終わり

ロシアによるウクライナ戦争は、国連の終わりを象徴しています。第二次世界大戦の戦勝国が常任理事国となって始めた国連には限界があり、それがこのウクライナ戦争で浮き彫りになりました。ロシアや中国が他国を攻めても、国連は何もできません。それはロシアや中国など常任理事国に最終的な拒否権があるからです。これはアメリカやイギリス、フランスなどの国でも同じです。国連は多数決の議決機関ではありません。ロシア、中国、アメリカ、イギリス、フランスのうちたったひとつの国でも拒否権を使えば、たちまち国連は無力となるのです。常任理事国がまるで正義の味方であるかのようなこの制度は時代遅れ[^1]です。国連を置き換える議決機関を拒否権なしで作る時期に来ています。戦争防止が国連の一番の目的でした。でもそれはもはや絵に描いた餅となっています。

^1: https://nordot.app/905011514465632256?c=39546741839462401

2022年6月7日火曜日

失言

これ[^1]は日銀総裁の失言だと思います。「馴染みの店で馴染みの商品の値段が10%上がったときにどうするか」というアンケートに対して、「他の店に行くと解答した人が去年と較べて今年は減った」というデータは色々な解釈ができます。今のように円安で輸入物価が値上がりする時は、どの企業でも同じような物価上昇圧力を受けます。他に選択肢がない商品の場合、物価上昇は我慢して受け入れるしかありません。食品が値上がりしたからといって、食べるのを止めたら死にます。すでに一番安いスーパーで食品を買っていたら、値段が上がっても他のスーパーには行きません。「家計の値上げ許容度」とは何でしょう。あきらめと許容とは違うと言っても、普段スーパーで買い物をしない日銀総裁には区別できません。庶民の感覚に反する「家計の値上げ許容度、高まっている」という発言は、アンケートの結果をただ自分にとって都合の良い解釈したものに他なりません。人口が減る日本でやみくもに物価を上げると、庶民の暮らしはさらに厳しくなります。日銀総裁がやった事は日本のデフレをスタグフレーションに置き換えただけで、それは同時にアベノミクスの失敗を意味します。日銀が円安を放置している以上、輸入物価の値上がりは続きます。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASQ667G0YQ66ULFA024.html

2022年06月10日追記
この質問で6割超の人が選んだ最多の回答は「その商品をその店で買い続ける。ただし、買う量を減らしたり、買う頻度を落としたりして節約する」だった。』とあるように、やはり自分にとって都合の良い解釈をしていたわけです。

さらに日経は、この発言が失言ではなく、意図的なものだと指摘しています。人々にインフレ期待が高まるので、「インフレが賃上げにつながる前向きな循環をつくり出せれば、2%の物価安定目標の達成への道筋が描ける」というわけです。「問題はインフレに賃金の上昇が追いつかないこと」とあるように、実質賃金がどれだけ上がるかは日銀にも制御できません。

2022年6月6日月曜日

運と努力と体力

経済的成功を得るのに必要な3要素とは「運と努力と体力」です。最初の運は才能や親の経済力も含みます。どんな親のもとに生まれるかは自分では選べません。才能も血筋が関係するので運で決まります。その次が努力で、これは本人がどれだけ物事に真剣に取り組めるかで決まり、自分でどうするかを決められる部分です。そして最後の体力は。もって生まれた体の能力をうまく開花させたり、自分の強さをいかに損なわずに生きられるかで決まります。スポーツ選手、映画俳優、起業家、投資家、音楽家、作家、医者など経済的成功を得た人には、とりわけ「運と努力と体力」が効いています。

2022年6月5日日曜日

電気事情

次の冬の電気が足りないという予測[^1]がでています。それなら電気料金をもっと上げて節電を促すとともに、再生可能エネルギーにもっと投資すべきです。送電網の容量が足りないなら、電気が不足する東京で発電と蓄電を増やす事が必要となります。ところが7月に参院選挙があるため、いま政府与党はガソリンに2兆円近い予算をつぎ込んでいます。これは愚かな行為です。ウクライナ戦争により、ガソリン価格は今後さらに上がります。ガソリンの消費量を減らすには、価格を上げるのが一番効果的です。選挙対策に予算を使うのではなく、建物の屋根に太陽光発電パネルを乗せる補助金として使うべきで、屋根を持ち主から借りて発電する会社を増やし、電気の地産地消を促しましょう。エネルギーの国産化を怠った政府の愚策です。