2010年2月17日水曜日

地デジと複製保護

マサはソニーのロケフリで日本のアナログテレビを見ています。日本のアナログテレビが来年で終わるので、地デジに対応するための調査を始めました。なんでも日本の地デジは複製保護がかかっているとのことで、B-CASカードなるものが要るとか。有料放送に複製保護をかけるのは理解できるのですが、無料の放送を国民の財産である電波を使って流しておきながら、複製保護をかけるのは理解できません。すくなくともアメリカの地デジは複製保護がありません。無料放送をわざわざ暗号化して複製保護をかけるのは日本ぐらいではないでしょうか。繰り返しますが、無料の放送を電波で流しているのですから、明らかに不特定多数の人に見せたいわけで、複製保護は視聴者への嫌がらせとしか思えません。放送局もDVDなど放送外収入を得たいのは分かりますが、無駄なコストを国民に払わせていると思います。大体の番組は見たら消すという状況で、複製保護が必要なほど価値のある番組が今の民放にそれほどあるのでしょうか。コマーシャルを観ることと引き換えに視聴者は番組を見る権利を持つはずで、いちど放送されたものは複製されて当然と思うべきです。また複製された結果より多くの人に見てもらえるでしょう。ダビング10という妥協案で解決したように見えますけど、これは放送された番組を複製する権利が視聴者にあるかどうかという法律論争ではないかと思います。放送局は今まで放送免許という参入障壁に守られてきた業界です。一方インターネットはそうした参入障壁をつぶす存在です。日本の放送局がインターネットでの番組の無料配信をしないため、地デジに複製保護が必要となっています。農業や銀行など保護主義に走る業界が自滅するのは歴史が証明しています。もし本気で放送外収入を増やしたいなら、日本の放送局はインターネットをもっと積極的に利用して、海外からの視聴も可能にしたらどうでしょうか。GoogleがYouTubeでやろうとしている事を放送局自ら始めたらどうでしょうか。既存の放送ビジネスが限界を迎えつつある今、新しいビジネスモデルに挑戦する局は生き残るでしょうし、逆に保護主義に走る局はゆっくりと淘汰されるでしょう。

2010年2月15日月曜日

映画とテレビ

アメリカの場合、映画俳優はほとんどテレビドラマに出ません。テレビは映画に比べて一段レベルの低い媒体と見られています。逆にテレビドラマで人気の出た俳優がもし映画に出るようになると、それはすごい出世です。テレビ俳優の登竜門はまずテレビのコマーシャルで、そこでプロデューサーの目にとまればテレビドラマの端役がもらえます。その演技がよければ今度はテレビドラマの脇役にありつけます。それからテレビドラマの主役になる人もいます。映画俳優の場合は、舞台俳優などがオーディションを受けて抜擢されるケースが多く、テレビと映画の間を行ったり来たりする俳優は珍しい存在です。アメリカは日本ほどテレビコマーシャルにお金をかけないので、シュワルツネッガーが日本のテレビコマーシャルに出たのはアメリカではありえない話です。よほどギャラが良かったのでしょう。アメリカの映画俳優のギャラは有名な俳優になると相当高いので、映画のコストを下げるためにわざと無名の俳優を使う監督もよくいます。日本のように同じ俳優がコマーシャルに出たりテレビドラマに出たり映画に出たりすることはありません。コマーシャルに出るのはほぼ無名の俳優です。そこまでいかない俳優は、エキストラとしてドラマの通行人をやるなどまずセリフはもらせません。テレビドラマには主にプライムタイム(ゴールデンタイム)に放送される局の冠番組と、昼間に放送されるソープオペラのふたつがあります。前者は日本でも放送されることがあり、ERとかヒーローなどが有名です。後者は数人の決まった俳優が何年も同じ役をやるドラマで、内容は大したことはないのに毎日同じ時間に放送される1時間番組です。洗剤の会社がスポンサーとなっているので、ソープ(石鹸)オペラと呼ばれます。でもアメリカの日常会話が学べるので、キャプション(字幕)を付けてソープオペラを見るのは英語の勉強にとっても役立ちます。映画はセリフが短く言い回しも速いのに比べて、テレビドラマは比較的セリフが長くて英語の勉強に向いています。

2010年2月4日木曜日

無料テレビ放送

アメリカの地上波では複数の民放を無料で見ることができます。もともと国土が広くケーブルテレビや衛星放送が発達している国ですから、無料のテレビ放送を受信できるのは都市部に限られます。CBS、NBC、ABCといった3大ネットワークが有名ですね。あまり面白い番組はありません。お手軽なドラマとかクイズ番組、トーク番組とニュース番組が中心です。スポーツの中継は大きなイベントの時に限られます。アメフトのスーパーボウルとか野球のワールドシリーズです。こうしたイベントには、大手のスポンサーが付いて立派なコマーシャルを流します。普段のスポーツはもっぱら有料のチャンネルで放送していて、スポーツの好きな人はそれこそ24時間スポーツだけを観ることができます。またNHKのような放送局はないものの、一般人と企業からの寄付で運営される公共テレビ局(PBS)がいくつかあります。そこで放送される番組は文化的あるいは教育的なものが多いです。3大ネットワークは良質な子供向けの番組が少ないので、マサの家でも子供が小さいうちはサンフランシスコの公共テレビ局KQEDにお世話になりました。セサミストリートをやってましたので、親子ともどもこれで英語の勉強をさせていただきました。あとビルナイ・ザ・サイエンスガイも好きで毎回観てました。コンサートやオペラなどもありました。ケーブルテレビに加入すると、地上波の放送局に加えてCNNとかフードチャネル、ディスカバリーチャネルなども基本の料金で楽しめます。それなりに内容のある放送を観るにはお金を払うという意識が強く、無料のテレビ放送には多くを期待しないようです。アメリカ人の同僚と映画の話はしても、テレビ番組の話はあまり話題になりません。タダなんだからあまり期待するなという感覚で、マサは朝のニュース以外は観ていません。テレビコマーシャルも安っぽいものが多く、間違っても有名な俳優がコマーシャルに出ることはありません。駆け出しの俳優かエキストラぐらいです。無料のメディアというものは結局スポンサーの意向に逆らえないわけで、民主主義の国では無料のメディアだけに頼っていては危険です。特にニュース番組はスポンサーや政府と対立することもあるので、CNNのような有料のニュース番組が国民に必要とされています。日本のテレビも、最近はアメリカの無料テレビ放送のようにコストを切り詰めた、お手軽な番組が増えているように思います。若い人だとテレビよりインターネットを使う時間の方が長いぐらいでしょう。おそらく日本の無料テレビ放送は今後ますます低品質化していくと予想します。

2010年2月3日水曜日

車検

日本の人はびっくりするかもしれませんが、アメリカには車検がありません。車の維持管理は持ち主の自己責任で、そのため車が道の途中で止まってしまうこともあります。マサも自分の車が交差点で信号待ちしていたときに、バッテリーが昇天してエンジンが止まってしまったことがあります。車のバッテリーは突然ダメになるので、もうこうなるとエンジンもかかりません。ディーラーの定期点検を受けていればいいのですが、車が中古だったので故障しない限り点検は受けていませんでした。さすがにそのあと年に1回は点検を受けるようにしています。ですがそれだけです。車検のような大掛かりな点検ではなく、日帰りで済みます。最近の車は故障しないので費用もあまりかかりません。これに慣れてしまうと日本の車検制度が実に無意味なものに見えてきます。どうして自己責任にしないのか。ディーラーの定期点検だけで十分ではないか。自分で点検できる人は自分でやればいいじゃないか。昔のトヨタパブリカのころは車もよく故障したので車検制度も意味あったと思うけど、今は不要な制度ではないかしら。車は車検がなくても走ります。車がないと生きていけないアメリカでも、車検はありません。日本は既得権益を保護する行政が中心なので不思議はないのですが、官僚の天下りと同じくらい無駄な車検制度も廃止する時期ではないかと思います。車の整備不良では運転者が法律違反に問われます。そこは自己責任なのですから、車検はもはや不要かと思います。点検を法律で義務化するのではなく、結果としての整備不良を取り締まれば済むことです。これには車の所有者が団結して立ち上がらねばなりません。