2012年3月16日金曜日

聞くのは恥?

日本語に「聞くは一時の恥聞かぬは末代の恥」という諺があります。これは日本独特の諺です。少なくともアメリカには「聞く事が恥」という認識はありません。分からなければ分かるまで聞くのがアメリカ人です。分からないのは相手の説明の仕方が悪いためだとアメリカ人は考えます。人と話すというのは人間として最低限必要な能力です。人と話すことを避けると疑問があっても質問できません。恥だと思って聞かないと、その場しのぎの解決に逃げてしまいます。日本の教育は人と話す訓練が足りないとマサは思います。人前で話す練習を小学校からやるべきです。人の目を見て話しをする人は説得力を持ちます。ところが下を向いて原稿を読むだけの大人がなんと日本には多いことか。1年前の福島原発事故の時、いくら広報担当ではないといえ東電の発表はいかにも下手でした。話す人には相手に分かるように説明する義務があります。会議において自分の知らない事が出たら、その場で質問するのが正しい参加者のあり方です。ひょっとしたら他の人も分からないのに勇気がなくて黙っているのかもしれません。もしあまりに分かりきった質問ばかりする人は議長が制止します。特に若い人は知識がその分少ないので、分かるまで聞く事が大切です。ちゃんと理解していないと説明できませんから、知ったかぶりする大人は聞かれると困ります。それでも聞く事は決して恥ではありません。

2012年3月8日木曜日

原発パニック

未来を予想する事と、予想した事に対して対応を考える事は別の行為です。後者を「想定する」と言います。昨年の3月11日に日本政府は原発事故でパニックに陥りました。予想はできた事故でしたが、その確率は日本では恐ろしく小さいという根拠のない判断を過去に誰かが行ったため、政府には対応策がありませんでした。当事者である東電も社長と会長が運悪く東京を離れていたので、迅速な意思決定ができませんでした。住民のパニックを恐れて「格納容器は健全だ」とか「直ちに健康に影響はない」と官房長官は発表しました。政府がパニックに陥ったため、肝心の放射性物質の移動方向や圧力容器の損傷はデータがあったにも関わらず隠蔽されました。その結果国民は政府、東電、保安院、原子力ムラの学者たちが信用できないことを知りました。一度失った信用を取り戻すには長い時間がかかります。昨年名前の上がった政府、東電、保安院、原子力ムラの人たちは、自分が間違っていたと謝罪しない限り信用できない人としてインターネット上にその名前が永久に残るでしょう。3月11日のあと飛行機による放射線量の測定をしたのは米軍が最初です。日本政府は文科省と自衛隊の調整がつかず何日も空からの測定をしませんでした。政府がパニックに陥ったのは原発事故を想定しての対応を練習していなかったためであり、「想定外」というのは「これは想定しなくていい」と決断をした人のミスです。庭の土が放射性物質で汚染されていても、他にもっていく場所がないので庭に埋めるしか手がありません。政府が日本国民を守るというのは建前であって、本音では「自己責任」というのが今の日本です。

2012年3月3日土曜日

震災遺産

昨年の東日本大地震による災害は、震災遺産として後世に残せないでしょうか。地震と津波による災害現場のごく一部を残して、日本を始め世界から来る人に見せましょう。災害を見せ物にするのです。災害で亡くなった人たちの死をムダにしないためにも、津波の恐ろしさを現物で残す必要があります。町の一部をそのままで残して、観光資源にしてくれたらと思います。学校の修学旅行先に含めてはどうでしょうか。災害の語り部をつのって、どうやって生き延びたかを子供たちに教えてほしいと思います。災害を無かった事として忘れたい気持ちも分かりますが、忘れてしまっては犠牲になった人たちが浮かばれません。こうした大災害はまた近いうちに必ず日本を襲いますので、その時の犠牲を出来る限り減らすために震災遺産を残してほしいと思います。これは日本のみならず世界中の人々に必ず役立ちます。人々はあの日にそこで何があったのか知りたいのです。その知識が次世代の助けになることは間違いありません。

2012年3月1日木曜日

原発は危険だ

福島原発事故が教えてくれたのは、原発は危険だという事実です。エネルギー密度の高いウラニウムやプルトニウムを燃料とする原発は、些細な事故が大きな事故になります。どうりで人里離れた田舎に作るわけです。納得が行きました。この期に及んでもまだ原発を稼働させたい自治体にはお気の毒でが、100%安全な原発はありません。他に仕事がなくお金がほしい人の気持ちも分かります。でも土地があれば太陽光発電や風力発電は可能です。あまり人手がかからないので沢山の人は雇えませんけど、エネルギーの安定供給には役立ちます。福島原発はもう少しで日本という国を潰すところでした。このまま日本で原発を使い続ければまた同じような事故が起きます。地震と津波の多い日本には原発は向きません。これは管理の問題ではなく、原発の本質的な弱点です。日本にある原発はすべて共通の欠陥があるため、次の大地震と大津波で再度の炉心溶融事故は免れません。電源をすべて失っても炉心を何日も冷却し続けられる設計にはなっていないからです。おまけに燃料プールはひとたび水を失えば、格納容器の外にある危険な炉心と化します。事故による損害は原発の発電コストを一番高いものにしました。さらに放射性廃棄物の問題があります。日本にはどこにも放射性廃棄物を永久保存してくれる自治体がありません。だれも自分のそばにこんな危険なものを置きたくないからです。だからといって国外に廃棄するのは国としてやってはいけない行為です。40年前とちがって今は原子力に替わるコストの安い他のエネルギー源があります。原発をやめることでとりあえず電気代が10%上がるとしても、電気を10%少なく使えばいいだけの話です。ガス発電など他のエネルギー源に切り替えるコストは、原発事故が日本にもたらした損害額に比べれば安いものです。