2018年9月23日日曜日

芸術の存在理由

長いこと2カ国語の生活を続けていると、言葉の大切さがよく分かります。特に新しい表現を生み出すのは誰にでも出来る事ではないので、いっそう大事な行いです。世の中が変われば新しい表現が必要になります。何を表現するかと、どうそれを表現するかの両方において新しさが問われます。人類には常に新しい表現が必要で、芸術家以外の人は芸術家が創造した新しい表現を真似します。時代と共に新しい考えが生まれると、それに対応した新しい表現が必要となり、そこに芸術の存在理由があります。これは言葉に限らず、音楽でも絵画でも演劇でも同じです。芸術には「コロンブスの卵」のような性質があります。それまでにない新しい表現も、出来た物を見ると誰でも出来そうに思えます。でも2番手には価値がなく、始めてやるから価値があります。だからこそ芸術家は人類に必要であり、その著作権は利用者からの報酬として尊重しなければいけません。もし芸術家が芸術で食べていけなければ、新しい表現は生まれなくなってしまいます。そうなると今後は新しい考えを伝える手段がありません。人が人に新しい考えを伝えられなければ、そこで人類の進歩は止まります。

2018年9月9日日曜日

通年採用

日本の就活もおかしな制度です。世界標準は「通年採用」なのに、日本だけが3月大学卒業、4月就職という古い制度のままです。もはや終身雇用でもなければ年功序列でもなく、大学後の人生にレールはありません。海外に打って出ないと企業は成長できないのに、いつまで日本独自の時代遅れな制度を続けるのでしょうか。これも変われない日本の象徴のひとつです。日本の大学は海外との競争から9月入学を始めています。企業も通年採用に切り替えないと海外の優れた人材に来てもらえません。アメリカの場合、どの学期で卒業するかは学生が選べます。また6月に卒業したとして、それからすぐ企業に就職するとは限りません。通年採用が当たり前の国なので、お金が欲しい人はすぐ就職するし、学生時代にお金を貯めた人は別に急いで就職しません。海外にいる留学生にも不便な日本の就活は、さっさと通年採用に切り替えて欲しいですね。

2018年9月3日月曜日

日本はどこまで借金できるか

日本の国債残高[^1]は毎年増えています。では日本はどこまで国債残高を増やせるでしょうか。今や売り出される国債を買うのは主に日銀です。ところが日銀も過半数の国債を所有するのは避けています。日本の国民が持つ預貯金の総額は1000兆円あまりで、2018年度末の国債残高は883兆円、これに地方の長期債務を足すと1107兆円となります。つまり今年で国民の預貯金の総額と国の借金の総額がほぼ同じになります。この先さらに国債を発行しても、これを購入できるのは自分でお札を刷れる日銀か、あるいは外国の投資家だけになります。日銀が過半数の国債を所有すると国債の信用がゆらぎ、その利率の上昇を招きます。これに対して日銀は長期利率の上昇を抑えるためにさらに国債を買うので、悪循環となります。海外投資家は日本国債の利回りと円レートの両方を秤にかけて国債を買うので、日本の経常収支が黒字なら日本の国債を買う可能性があります。つまりこの先どれだけ日本が借金を続けられるかと言えば、日本の経常収支が黒字を続ける限りとなります。もし対外債務(海外投資家が買った国債)が対外資産を上回ってしまえば、円の暴落とハイパーインフレが起き、国家財政が破綻します。

2018年9月1日土曜日

高校還暦クラス会

高校卒業後始めて高校のクラス会に出ました。何でもこれで5回目だそうで、日本にいない事で3回ぐらい知らずに過ごしてしまいました。55人いた高校のクラスのうち既に4人が死亡しており、クラスのほぼ一割はいなくなっています。残りの九割の約半分が先日早稲田に集い、旧交を暖めました。もう一目で分かる年ではありません。白髪になったり太ったりと人それぞれです。でも生きているクラスメートの半分が参加できた事はすごいと思います。声を聞くと名前が浮かんできます。今60歳の我々はあと平均で30年生きると人口問題研究所の予想に出ています。その30年を健康で惚けずに生きる事が何よりも大事になりつつあります。最新の研究によれば、惚けないコツはよく眠る事です。