2014年8月23日土曜日

GEが家電事業を売却

GEの家電事業がついに売却される事になりました。家電の売り上げはGE全体の6%だそうで、中国や韓国の白物家電がアメリカに押し寄せる中、ついに老舗のGEも家電事業をやめて、もっと儲かる分野に資源を集中する事にしたそうです。このニュースを聴いて、9年前にIBMがパソコン事業を中国のレノボに売却した事を思い出しました。儲からないと判断した事業の売却について、アメリカの大企業は躊躇しませんね。日立がパソコンから撤退したのがIBMの2年後で、ソニーがパソコン事業を切ったのは今年なので、ソニーは日立にすら実に7年も遅れています。中国や韓国の追い上げで儲からなくなった商売をさっさと辞められない理由はいろいろあるでしょう。簡単に従業員のクビを切れないとか、トップに大ナタを振るう勇気がないとか、あるいは周りの人間が本当の事を言わないとか。でも経営のプロなら自分で数字をみて現場の人間の言うことを聞けば、それが儲かる仕事かどうかは分かるはずです。儲かる仕事が10年単位でころころ変わる時代に、日本の終身雇用制度はもはや継続不可能です。当たり前の事を言えば、雇用を守るのは「正社員制度」ではなく儲かる仕事です。そこで儲からない仕事から儲かる仕事へ、簡単に人が移れるような仕組みを作るのが政府の仕事です。つまり年齢と性別による就職差別を罰則のある法律で禁止し、人材の流動化を促すため「正社員制度」を解体します。終身雇用を否定してしまえば、正社員制度を続ける理由がなくなります。同時に年功序列も廃止して「人に仕事を付ける社会」から「仕事に人を付ける社会」に変わる必要があります。「正社員」と「派遣社員」という両極端の働き方の間には、実は労使双方に有利な「限定社員」という働き方があります。仕事や場所を限定した「限定社員」であっても、その人が儲かる仕事をしているかぎり会社にとっては必要な人材です。反対に「正社員」でも儲からない仕事をしていると、いつクビになってもおかしくありません。自分の身を守るのは自分であるという自覚を持つ人だけが生き残ります。

2014年8月9日土曜日

学校の夜のお仕事

息子が通っていたアメリカの公立高校では、9月に新学期が始まると平日を選んでBack To School Nightという行事をやります。これは先生が生徒の親に自分の担当する教科を紹介する日です。この教科の目的は何々で、使う教科書はこれ、配点は宿題が20%で中間と期末がそれぞれ40%づつ、などと説明します。また数学だとグラフが描ける電卓を授業で使うので、TI84 Plusを買うか借りるかするよう言われます。平日の午後7時ぐらいから10時ぐらいまでの3時間を使って、親はそれぞれの先生から何をどう教えるかを聴きます。親も質問があればそこで先生にじかに訊く事ができます。なお物理ならここ、英語ならあそこという具合に教科によって教室が決まっているので、息子の選んだ教科の教室を訪れて担当の先生の話を聞きます。アメリカの郊外の平均的な高校は平屋の建物が教科ごとに分かれて建っていて、日本のようにひとつの建物の中にまとまっていません。そのうえ子供により選択科目などの時間割りが違うので、その時間割りに合わせて20分ごとにひとつの教室から別の教室に全学年の親がゾロゾロと移動します。9月はまだ夏時間なので午後9時ぐらいまでは外が暗くなりません。でも9時を過ぎるとさすがに暗くなるので、親は懐中電灯を片手に地図を見ながら目的の教室を探します。学校も敷地が広いので、10分の休み時間の間に次の教室に移動するのは大変です。初めての学校で迷子になった親のために、ボランティアの高校生があちこちで道案内をしてくれます。共稼ぎが普通の国なので、夜にこうした行事をやってくれると親は助かります。でもさすがに先生もこの日は疲れるので、次の日は平日でも学校は午後からになります。