2022年2月28日月曜日

北方領土

もうこれでロシアの意図[^1]は明らかです。ロシアが日本に北方領土を返す事はありません。北方領土は日本から有利な交渉条件を引き出すためのカードでしかなく、戦争で手に入れた領土をロシアが手放す事はありません。もしそれが起きるとすればロシアという国が崩壊する時で、それはあり得ません。日本は現実を見つめて、北方領土をあきらめるべきです。おなじく竹島も日本は実行支配しておらず、韓国のものとあきらめましょう。それで失うものはささいな面子だけです。外交では解決しない問題もあるという事です。

2022年2月27日日曜日

軍対市民

ウクライナの戦争は、首都キエフをめぐるロシア軍対キエフ市民の戦いになっています。すべての18歳から60歳までの男性国民が動員され、武器を持ってロシア軍と戦うという構図です。これはロシアとして予想外の出来事で、ウクライナ軍と戦うつもりだった前線の兵士に混乱をもたらしています。ロシア兵士はロシアとロシア人および親ロシア派ウクライナ人を守るためにウクライナに侵攻しました。ところがウクライナの正規軍と戦うつもりのロシア軍の前に立ちはだかったのは、武器を持ったキエフ市民です。軍服も着用せず、孫がいてもおかしくないような中高年までロシア軍と戦っています。もともとロシアとウクライナは同じ民族なので、言葉も服装も顔つきも似ている相手を殺さなければなりません。ロシア兵の混乱と葛藤はキエフの陥落を遅らせています。

2022年2月26日土曜日

経済制裁

経済制裁では戦争を止められないというのが、ロシアのウクライナ攻撃で分かった事です。もちろんかつて日本もABCD包囲網[^1]という経済制裁を受けており、その結果として日本が太平洋戦争を始めたので驚きはありません。アメリカは「SWIFTからの排除」を制裁のひとつにあげていたものの、ドイツの反対にあって実現できていません。言い換えるとエネルギー資源をロシアに頼るドイツの弱点が際立っています。ドイツはメルケル首相の時代に原子力発電を廃止し、ロシアの天然ガスに頼る決断をしました。それが裏目に出ているという事です。もともと経済制裁に即効性はなく、ロシアにとっては痛くも痒くもありません。何かをしているというアピールにとどまり、西側の無力さを際立たせています。中国にとっては良い実験になったという事でしょう。


2022年02月27日追記
日本を含むG7がロシアをSWIFTから排除する事を決めました。

2022年2月25日金曜日

憲法9条

ロシアのウクライナ攻撃は、現実の国際情勢がどんなものかを日本人に知らせました。この記事[^1]にあるように、日本国憲法第9条は日本の軍隊を否定しています。軍隊を持たない事が平和を生むというのは、日本から始めなければ戦争は起こらないという理屈です。この理屈が成り立たない事は今回のウクライナ攻撃で証明されました。ロシアや中国のような権威主義の国は、隙あらば資源と領土拡張のために周りの国を攻撃します。憲法9条は時代遅れです。現実問題として、いつロシアや中国が日本に攻めてくるか分かりません。軍拡に進む国々に近い日本が生き残るには、自衛隊と同盟国アメリカが必要です。憲法は現状に合わせて変えるものであり、歴史は国際情勢に疎い国が滅びると教えています。

2022年2月24日木曜日

欧州戦争

欧州で第二次世界大戦後、内戦ではなく国と国とが戦争するのはロシアとウクライナが初めてです。プーチンは2024年に大統領選挙を控えており、再選を確実にするための手柄を必要としています。おそらくウクライナに親ロシア派の傀儡政権を立てるでしょう。欧州は長い戦争の歴史があるので、日本と違って勝ち目がない戦争には早めに降伏して、国民の犠牲を避ける傾向があります。ロシアとウクライナの戦争は数日で決着し、今のウクライナ大統領は国外に逃げるかロシア軍に逮捕されると思います。経済制裁には戦争を防止する力はありません。次は中国が台湾を占領します。アメリカは同盟国でない台湾を守る義務はなく、中国が台湾を手に入れるのは時間の問題です。そうなると日本も無傷ではいられません。中国から他のアジアの国へ投資先を移す必要があります。中国にいる日本人が人質として拘束される可能性もあります。

2022年2月23日水曜日

口先介入

ウクライナ東部にロシア軍が入り、ロシア軍がウクライナ軍と直接戦う可能性が出てきました。ここまではアメリカは口先介入だけで実効的なロシア制裁は何もしていません。お金のかからない脅しだけです。でもウクライナ軍とロシア軍が直接戦うと、アメリカは思い切った経済制裁をしなければなりません。さもないと結局アメリカは口先だけで、本気でウクライナをロシアから守る気はないとばれてしまうからです。もしそうなると台湾もアメリカに頼れなくなります。安保理事国であるロシアとアメリカの全面対立が起きるかどうか、今週のウクライナ状勢は目が離せません。株式市場は大幅安になりそうです。

2022年2月22日火曜日

観光客争奪戦

オーストラリアは海外観光客の全面受け入れ[^1]にカジを切りました。唯一の条件はコロナワクチンを2回接種してある事で、外国人の入国に際して何の制限もありません。観光がオーストラリアの重要な産業であるため、これは当然とも言える決断です。イギリスも国内でのワクチン接種と感染によりほとんどの人が免疫を持っているため、早めの規制撤廃[^2]に踏み切りました。これから諸外国がコロナ規制を撤廃するにつれて、海外観光客の争奪戦が始まります。2年分の旅行予算を持つ旅行客がまず向かうのは感染が収まって規制もない国です。この点で日本はほぼ2ヵ月ほど出遅れており、この争奪戦には敗退します。日本が規制を撤廃するのは早くても4月と予想され、桜の時期は過ぎてしまいます。日本も観光が重要な産業なので、今から海外観光客の全面受け入れ計画を作り3月には発表した方が良いでしょう。

2022年2月21日月曜日

賞味期限

日本の法律では、賞味期限を過ぎた食品を販売しても違法ではありません。賞味期限とは殺菌等により保存が効く食品に付けられた「美味しく食べられる期限」であって、製造日から3ヵ月とか1年という具合に付けられています。缶詰など賞味期限が1年と長いものは、たとえ2年たってもほぼ美味しく食べられます。食品ロスを減らすという意味からは、賞味期限切れの食品でも値段を下げれば販売して良いと思います。同様に自治体が確保している備蓄食料も長持ちするので、賞味期限切れでも工夫して食べるべきです。

2022年2月20日日曜日

コロナウイルスの家系

こちらのウイルス家系図[^1]が示すのは、オミクロン株はデルタ株とは無関係という事です。これによれば、2020年2月ごろに枝分かれしたウイルスがそのあと別々にデルタ株とオミクロン株になった事が分かります。デルタ株はインドで最初に見つかり、オミクロン株は南アフリカで最初に見つかりました。このふたつの株にあまり共通点はなく、別の病気といってもいいくらい症状が違います。BA.2も同じくらい変異しており、オミクロン株BA.1とは別物[^2]とする意見もあります。

2022年2月19日土曜日

雇用を守るのは誰か

電機大手を中心に「ジョブ型」雇用[^1]へのシフトが起きています。「ジョブ型」と従来の「メンバーシップ型」との違いは単に職務記述書の有無だけではありません。「ジョブ型」では雇用を守るのは国の責任であり、企業の責任ではありません。日本が法律で性差別や年齢差別を禁止せずに「ジョブ型」を進めると、企業はリストラ策として「ジョブ型」を利用するようになります。そこで「手切れ金による指名解雇」を許すかわりに、就職時の性差別や年齢差別を禁止する法律が必要です。労働形態を海外に合わせるなら、法律も海外に合わせる必要があります。法律上規定のない年功序列や定年制度がなくなる代わりに、本人の能力以外での就職差別を徹底的に排除しなければ労働者を守れません。民間企業は利潤のためにリストラします。国は雇用を増やす政策で国民を守り、雇用の責任を民間企業に押しつけてはいけません。「ジョブ型」では必要な人間を必要な分だけ雇うので、人材の無駄がなくなるという利点があります。その反面、仕事がない人を雇い続ける義務は企業にありません。

^1: https://news.yahoo.co.jp/pickup/6418469

2022年2月17日木曜日

半鎖国

日本は3月以降も半鎖国[^1]を続けるようです。日本は現時点でアメリカから「コロナ感染国(レベル4)」[^2]として「行くべきでない国」となっています。つまりもともと観光客が来る国ではないので、日本が観光客を拒否しても効果はありません。ワクチンを3回接種してあれば空港での検査も自宅待機も不要です。でなければ国内で3回目のワクチン接種をすすめる理由と矛盾します。3回目のワクチン接種が新型コロナに効果的なら、外国人にも同様に効果があるはずです。日本がなぜ鎖国を続けるのか、外国人が納得できる理由はありません。日本は不合理で非科学的な国だと自ら宣言しています。デルタ株もオミクロン株も国内に入りました。無駄な検疫はもう止めましょう。今の「G7で最も厳しい検疫」が何の役に立っているのか疑問です。

2022年2月16日水曜日

ウイルス進化

20世紀後半からウイルスの遺伝子を解析できるようになり、ウイルスの進化をたどれるようになりました。たとえば、スペイン風邪のウイルスは進化してA型インフルエンザ(H1N1亜種)になった事が知られています。ウイルスの遺伝子は無作為に起こるので、その中からウイルスにとって有利な変異だけが伝搬します。ウイルスにとって有利な変異は、より感染しやすくなる事と、より軽症になる事です。とくに無症状で感染だけ拡がるウイルスは、誰にも気付かれずにその数を増やします。新型コロナはまさにこの変異を持ち、オミクロン株はその9割が無症状と考えられています。そこでオミクロン株の次に出てくる変異株は、さらに症状が軽くなると予想されます。症状が重くなる変異は患者が家にとどまるので他に感染せず、最終的に残るのは感染しやすくて症状がない変異だけです。そうしたウイルスが人や動物の間をぐるぐる回る間に、また変異してその一部は重症を引き起こします。ロシア風邪のウイルスは進化して今のヒトコロナウイルスOC43になったと考えられ、オミクロン株の次の変異種もヒトコロナウイルスになると予想されます。

2022年2月15日火曜日

やっかいな小銭

郵貯銀行が硬貨のATM入金に手数料を取ると宣言しました。民間銀行ですら硬貨のATM入金には手数料は取らないのに、かなり思い切った決断です。それだけ競争力があるという自負があるのでしょう。硬貨は一種類につき20枚まで支払いに使えます。また公金(税金)の支払いには制限がありません。なので一円玉がたくさんある人は、それで税金を払うという手があります、ただし窓口の人には嫌われると思いますが。庶民にできる事は民間の銀行を使うか、または少しずつ毎日の買い物で使っていくという方法です。スーパーのレジで列に並んでいる間に財布の中に小銭がいくらあるかを数えておくと、金額が決まった時に小銭を使うのが速くなります。もう硬貨を貯金箱に入れておく時代ではないという事ですね。買い物のキャッシュレス化が進むきっかけになると思います。

2022年2月14日月曜日

電子投票

マイナンバーカードとスマホがあれば、技術的には電子投票ができます。マイナンバーカードで本人確認できるので、それを読み取るスマホとアプリがあれば、安全な電子投票システムは1年で開発可能です。健康保険証や運転免許証は既存のカードを置き換えるだけで、マイナンバーカードの大きな利点にはなりません。でもスマホで海外からでも投票できれば、マイナンバーカードを作る大きな理由[^1]になります。選挙日の3ヵ月前までに登録してアカウントを作れば、電子投票を選ぶ事ができるようにしましょう。もし気が変わって既存のやり方で投票したければ、選挙日の3ヵ月前までに電子投票システムにログインして既存投票を選びます。電子投票を選んだ人には投票案内はがきを送らないので、電子投票と既存投票の二重投票は排除できます。投票案内はがきを紛失したと偽って既存投票を行う人には投票所でマイナンバーカードの提示を求め、電子投票システムとの突き合わせで二重投票かどうかを判断できます。投票案内はがきを持っている人の投票方法は変わりません。

2022年2月13日日曜日

独身の大誤算

独身のまま人生を終える事についての日経の記事[^1]で大事な事が欠けていると気付いたので、捕捉します。それは次世代への影響です。一言で言えば、子供が減ると国がなくなります。「動けなくなったら老人ホームに入ればいい」ではありません。もちろんお金があれば別です。でも次世代がいなければ、老人ホームに入ったあなたの世話をする人がいません。あなたの年金を払ってくれる労働者もいません。いまの国のシステムが30年後もそのまま続くと思ったら大間違いです。少子化は止まらず、年金や健康保険は支払いができなくなります。自分だけの人生を楽しむ権利には、最後まで自分で自分の面倒を見るという義務が伴います。次世代を作らないなら、次世代には頼れません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK311OV0R30C22A1000000/

2022年2月12日土曜日

ピンピンコロリ

老人の理想の死に方はピンピンコロリです。昨日までピンピンしてたのに、今朝様子を見たら死んでいたというのが最高です。つまり寝たきりなって何ヶ月とか、認知症を煩って何年ものあいだ人の世話になったあげくの死を望む老人はいません。そのピンピンコロリをコロナ禍で実現した人が何人もいます。昨日まで元気だったのに今日連絡したら死んでいたという人です。理想の死に方を実現できた幸運な人だと思います。まわりの人が、あの人は昨日まで元気だったのにと不思議がるような死に方です。誰でもそうした死に方が出来る方向に医学は進むべきです。

2022年2月11日金曜日

高齢者介護施設

アメリカでも高齢者介護施設のコロナ感染はやっかいな問題となっています。でも日本との違いをあげるとすれば、高齢者介護施設でのコロナ感染者は高齢者介護施設にとどまるという事です。もともと病院で面倒を見れないから高齢者介護施設にいる人たちなので、病院に移すという選択肢はありません。認知症の人にマスクは無理だし、部屋に閉じ込める事もできません。人生の最後を自由に生きている人たちなので、コロナに感染して死ぬのも運命だという見方です。デルタ株やオミクロン株のようなウイルスは必ずどこからか入ってきます。自由と引き換えに感染リスクを負うという考え方です。それがいやなら家族が引き取ればいいだけで、それもまた家族の自由です。公的介護保険はないので、費用対効果を考えて介護にどれだけのお金を使うかは本人次第となっています。高齢者は体力がないので、たとえワクチンを2回接種してあってもコロナに感染したり死ぬ事[^1]があるのは避けられません。特に90歳を越えたらいつ死んでもおかしくないのが高齢者です。死因がコロナかどうかとは無関係に、人は年老いたら死ぬ事で次世代に貢献するのです。


2022年02月16日追記
高齢者がオミクロン株に感染しても、それが死因になるとは限りません。

2022年04月08追記
「高齢者の治療の問題だけでなく、みとりのあり方を含めた踏み込んだ議論が必要だ」

2022年2月10日木曜日

病院バイアス

オミクロン株はデルタ株と較べて軽症が多く、重症化は少ないと報告[^1]されています。でも病院の医師に言わせると、決してそんな事はなく、重症者も多いとなっています。ではどうしてこうした違いが生まれるのでしょう。それは「病院バイアス」というもので、もともと症状がないかごく軽症の人は病院に来ないからです。オミクロン株でも免疫の弱い人には重い症状となります。特に高齢者は免疫が弱いので、そこに基礎疾患があれば死ぬ事もあり得ます。そうした危険な患者だけが病院に集まるので、病院の医師からすればオミクロン株も怖いよとなります。今は検査も追いつかず、どれだけの無症状感染者がいるのかすら分かりません。東京都の陽性率が40%近いので、もう誰が感染してもおかしくないレベルです。とくに冬は締め切った空間を人と共有する時間が長いので、マスクをしていても感染します。東京は都民全員がかかると思って間違いありません。集団免疫獲得までもう少しです。

2022年2月9日水曜日

養殖アサリの産地

熊本産アサリが実は中国産アサリを国内で養殖したもので、国内産として売るのは産地偽装だ[^1]という話です。こうした養殖アサリは「養殖アサリ(熊本)原産国:中国」のように表示して、天然ものと分けて販売したらどうかと思います。ウナギもシラスウナギを台湾から輸入して浜名湖で養殖して日本産ウナギとして売っているので、国内での養殖は許されておりで、どこで養殖したかを明示すれば元は中国産でも日本産アサリになります。天然ものはその産地特有のDNAを持っているので、調べれば天然か養殖かは分かります。産地の定義が生まれた場所ではなく育った場所で決まる[^2]というのが日本の法律です。天然ものは「天然アサリ(熊本)原産国:日本」という表示になります。

2022年2月7日月曜日

検査目詰まり

東京都のコロナ陽性率[^1]が40%に近づいています。ところが検査人数そのものは減っており、ふたつのグラフが乖離しています。これは検査の目詰まりを表しており、検査せずに陽性と診断する「みなし陽性」を導入した理由です。アメリカでも検査キットの不足で同じように検査の目詰まりが起きています。そのためバイデン政権は税金で自己検査キットを大量に買い付け、無料で希望者に送り始めました。学校を再開するにあたって、生徒は検査で陰性でないと教室に入れません。民間企業は需要がない平時には検査キットをたくさん作らないので、政府が買い付けると約束しないと半年の有効期限がある検査キットをそこまで用意できません。N95マスクも希望者には薬局で配っています。今週には東京都も感染のピークを迎えると予想されており、これが最後の波になってほしいと願います。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/monitoring

2022年02月07日追記
東京都が新型コロナ感染者の濃厚接触者に、無料で抗原検査キットを配送するそうです。
岩盤規制のためネットで抗原検査キットを販売できず[^2]、苦肉の策です。

2022年2月6日日曜日

成田空港検疫

成田空港の元検疫所所長が書いた本「成田空港検疫で何が起きていたのか─検証 新型コロナウイルスの水際対策」[^1]を読みました。新型コロナで検疫所は大変だと聞いていたので、その実態を現場にいた人から知るためです。上からの無理難題に現場が知恵を絞ってひとつひとつ解決していった様子が分かります。でも著者も指摘しているように、水際対策は病原体の国内への流入を防ぐのが目的ではなく、流入を遅らせる、つまり時間稼ぎをするのが目的です。デルタ株もオミクロン株も水際対策では流入を防止できず、国内の市中感染を起こしました。つまり水際対策が突破された段階で、同じ水際対策を続ける事の是非については何も記述がありません。もちろん首相や厚労省の大臣が決めた事を実行するのが所長の仕事なので、そこは上の人に言ってくれという事なのでしょう。第一防衛ラインが突破されたら、第二防衛ラインに第一防衛ラインのリソースを回すか、または第一防衛ラインを縮小するという判断もありだと思います。でもその判断は首相と大臣が行うので、この本では話題にしていません。検疫の目的が病原体の国内への流入を防ぐのであれば、デルタ株やオミクロン株の流入についての元検疫所長としての意見もあるかと期待したものの、それはありませんでした。日本の細かい検疫とアメリカのおおざっぱな検疫の両方を経験した人間としては、次のパンデミックに備えて空港検疫の目的と方法について国レベルでの見直しが必要だと思っています。費用対効果を無視した検疫は誰のためにもなりません。酷使される検疫所員も気の毒だし、ワクチン済みで検査結果陰性でもホテルに監禁される旅行者にとっては人権侵害となっています。

2022年2月5日土曜日

昭和ひと桁世代

昭和ひと桁世代の平均寿命[^1]は50歳を下回っていました。またこの世代は戦争の影響を強く受けており、他の世代との単純な比較はできません。平均寿命が50歳を越えるのは昭和22年生まれからで、その後の60年で男性は28年、女性は31年寿命が延びています。この男女差は毎年数%あり、最近では8%まで差が開きました。男性は女性ほど健康に気を使わないという説と、男性は女性より生物学的に弱いという説があります。生物学的な差は60年であまり変わらないので、前者が的を得ていると思います。

^1: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/20th/p02.html

2022年2月4日金曜日

シンガポール

香港からシンガポールに人が移動しているという記事[^1]です。香港の中国化とゼロコロナ政策によって、香港からシンガポールにアジアの拠点としてのビジネスが移っています。せっかくの機会なのにふたつの理由で日本にはこのビジネスは来ません。まず第一に日本では英語を公用語として使えません。第二に日本はコロナによる外国人の入国制限を続けており、日本語が話せる華僑も日本には入れません。第一の問題は日本の中に英語特区をつくれば解決します。でも第二の問題はいつまで続くか分かりません。非科学的な入国制限を続ける日本はますます孤立し、いずれ日本からシンガポールにビジネスの拠点が移るでしょう。このままでは日本資本の会社ですら、アジアの拠点を日本ではなくシンガポールに移しかねません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM28BPH0Y2A120C2000000/

2022年03月31日追記
香港のトップも香港からの人材流出を認めています。チャンスです。

2022年2月3日木曜日

非科学的態度

新型コロナのオミクロン株をインフルエンザと同等に扱う事への反論は、「悪性の変異株が出たらどうする」というものです。新型コロナそのものは現在第2類感染症で、結核と同じ扱いです。しかしそのオミクロン株は変異株とはいいながらも、別の病気といっていいほど症状が違います。さらにワクチンが普及し、飲み薬や抗体薬も使えるいま第2類感染症という分類を続けるのは非科学的です。オミクロン株は別の病気として第5類感染症と分類し、保健所や病院の仕事を減らすべきでしょう。「悪性の変異株」が出たら、その株を第2類感染症に分類すればいいだけです。新型コロナの変異株を全部同じ物として取り扱うから問題が起きます。オミクロン株をインフルエンザと同等に扱えば経済を回し、失業者も減らせます。今まで毎年インフルエンザで1万人の死者を許容してきたのに、それより少ない死亡者数の新型コロナを日本は怖がりすぎです。しかも国の基準では死因が何であるかに関わらず、死者がコロナ陽性であればコロナの死亡者数に含めています。高齢者はもともと病気に弱いので、コロナが陽性でも陰性でも高い確率で死にます。ワクチンを2回接種した人に行動の自由を与えて、ワクチン2回接種済みの外国人も自由に入国させるべきです。今こそワクチン・検査パッケージの出番です。

2022年02月09日追記
外国人入国制限は外国人差別でもあります。無意味な検疫は税金の無駄です。

2022年2月2日水曜日

コロナ後

世の中が変わった事に気付かない人が日本に沢山います。いずれコロナはなくなり、コロナ前の日本に戻ると信じている人たちです。でもコロナはなくなりません。このまま世界的な風邪になって、毎年インフルエンザと同時期に流行するコロナ風邪になります。鎖国を続けた日本を訪れる外国人観光客は減り、国内の旅館や飲食店もコロナ前の半分に減ります。行政のデジタル化は進むものの、その目的がデジタル化にとどまるので合理化には至りません。財政赤字は減らず、プライマリー・バランスは達成できません。東京都ですら人口が減り始め、空きアパートや空き家が目立つようになります。また消費税増税が必要となり、10年かけて今の10%から20%に税率が上がります。経済回復したければ、一刻も早く鎖国を止めることです。入国時にコロナのワクチン接種を必須にするだけで、出発前のPCR検査や入国後の抗原検査を廃止します。今の一日あたり3500人という入国人数の制限もやめます。国内人口が減る日本は、インバウンド観光なしでは栄えません。コロナと上手に付き合う国になりましょう。

2022年2月1日火曜日

汎用コロナワクチン

変異があっても新型コロナのウイルスに効くワクチンを開発中という記事[^1]です。それ自体は正しい方向だと思います。でもコロナワクチンにはもうひとつ課題があって、抗体が長持ちしない、つまり免疫が続かないという問題があります。毎年ワクチンを打つインフルエンザのようになる可能性があり、今まで症状が軽いからと見過ごされてきたコロナウイルスによる風邪に、一生続く免疫を得られるようなワクチンの開発も望みます。ワクチンが一生ものかどうかは何で決まるのでしょうか。ウイルスが変異しにくいなら一生続くのか、それともワクチンとして使うタンパク質の性質で決まるのか。もっと基本的な事として、抗体が時間とともに大きく減るのはコロナワクチンに限らない普通の事なのか。疑問は尽きません。3回打って効果抜群だとしても、それから半年経つと元の木阿弥となるのでは困ります。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/bcea8b227c3b850a474550897268289aafdaed2e