2023年6月29日木曜日

第3号被保険者制度

配偶者の扶養に入ることで保険料なしで国民年金に加入でき第3号被保険者制度は、年収が増えて扶養からはずれる時に年収の壁ができます。この日本特有の壁をなくすには第3号被保険者制度を廃止するのが自然で、逆に年金を配偶者と山分けするのがアメリカ方式です。つまり年金をもらい始める時点で、自分の収めた保険料から得られる年金と、配偶者が収めた保険料から得られる年金の半額とを比較して、多い方をもらう事ができます。この方式なら自分が払った保険料は無駄にならず、また共稼ぎでない場合にも多い方の年金を山分けしてもらえます。途中で離婚すると条件が変わるので、あくまでも年金をもらい始める時点で選びます。昭和の専業主婦を前提にした第3号被保険者制度はとっくに時代遅れです。

2023年6月28日水曜日

室内の象

英語には「elephant in the room」という表現があります。誰もが知っているのに、見て見ぬふりをしている大問題という意味です。日銀の国債保有率が過去最高の53%[^1]を越え、この「室内の象」となっています。昨年始めまでは50%を天井としてきた国債保有率が、YCC維持のためその天井を越えました。さらに恐ろしいのは、誰もその異常さを理解していない事です。日本の経済は一見うまくいっているように見えます。でも表面下では巨額の財政赤字を日銀がお札を刷って補填しており、実態は砂上の楼閣です。この楼閣を支えているのは経常黒字なので、経常黒字が日本の命運を握っています。50%というタガが外れてしまい、事実上の国債発行額上限が消えました。この財政赤字が政治問題にならない日本は異常です。

2023年6月27日火曜日

漢字の問題

日本が中国から輸入した漢字のおかげで、日本は中国から多くの事を学びました。その利点は認めるものの、漢字にはまた多くの問題があります。まず第一に読み方が複数あり、音読み(中国語読み)と訓読み(日本語読み)があります。また音読みにも複数の音があり、これは本家中国で音読みが時代とともに変化した結果です。日本語を当てはめた訓読みも漢字にひとつとは限りません。そのうえ漢字二文字の単語だと、音読みだけでなく重箱読みや湯桶読みのような例外があり、それぞれ覚えるしか手がありません。次に文字数がやたら多く、小学生で千文字、中学性で三千文字を覚える必要があります。第三に似た形で同じ意味の漢字が多数あります。これは昔手書きで文書を複写した時に、人により細部の書き方がバラバラだったためです。日本の戸籍には手書きの文字が使われたので、こうした細部まで一致しないと戸籍上の文字と同じとは認められません。行政のDXにあたって表示出来る文字には限りがあり、戸籍上の漢字が表示できないという問題もあります。本人確認に使う名前の表記が揺らぐというのは致命的なので、人を番号で識別するマイナンバーは行政のDXに不可欠です。名前に使う漢字の読み方も自由なので、漢字の名前だけでは読み方が分かりません。これも日本特有の漢字にまつわる問題です。

2023年6月26日月曜日

小学校の科目

東京でも少子化のため小中学校の統廃合が起きています。ましてや人口の少ない地方では当然です。この記事[^1]には小学校の統廃合が限界に来ており、この先はネットを使った遠距離学習になると予想しています。それは仕方ないとしても、生の先生が目の前で授業し生徒から質問できる環境は、子供のやる気に必要不可欠です。それを実現するカギは、学校の分校を利用する事です。フルサイズの小学校ではなく、先生が1人に教室がひとつでも分校として認めます。遠隔学習も併用して、合理的でコストの少ない学校を実現します。ネットを使って各種の手続きを行い、校長が分校にいなくても許認可ができるようにします。家でも学習できるので、分校には体育や音楽はなくても構いません。小学校としての中心的科目と、なくても良い選択的科目の区別をしましょう。国語・算数・理科・社会の他はすべて選択的科目です。教育にかける予算が少ないので、科目に対する考え方を変えましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE134BC0T10C23A2000000/

2023年6月25日日曜日

AIとアート

筆者は「アート=メッセージ」という考えなので、機械学習ベースのAIにアートは求めません。もちろんAIがアートを創造できるとも思いません。AIがアートっぽいものを作れるのは確かです。それは他の誰か(あるいは別のAI)が作ったものを改変したものです。そのAIがなぜそのアートっぽいものを作ったかを説明できるようになれば、そこにはメッセージがあると認めます。ただ人間に言われたから、では理由になりません。ではAIを利用して人間がアートを作るのは可能でしょうか。もし人間にそれなりの理由があれば、そのアートにもメッセージが込められています。なのでそれをアートとしても良いでしょう。つまり道具としてのAIとメッセージの送り手としてのAIは別物という事です。メッセージの送り手となるAIは自由意思を持つので、人格が存在します。ただし、そのようなAIはまだ世の中にありません。

2023年6月24日土曜日

人間対機械

AI技術のおかげで、チェスや将棋、囲碁などのボードゲームは機械が人間に勝つようになりました。ただしこれはあまり公平な勝負ではありません。ネットワークでつながる機械はメモリーや計算能力に制限がないので、人間で言えば超巨人と戦うようなものです。人間の消費エネルギーは100ワットぐらいなので、冷却装置も含めて100ワットで動く、外部とのネットワークなしの機械を使えば公平になります。ただし学習時には、どれだけエネルギーを使っても良い事にしましょう。そうして出来上がったモデルを実行する機械として、100ワットで動くコンピューターを使うという制限です。つまりデスクトップ・パソコン1台分のエネルギーでどの位の実力が出せるかという勝負です。そういう制限があれば、人間が勝てそうな気がします。

2023年6月23日金曜日

2%のインフレ目標

黒田元日銀総裁が述べたインフレ目標2%の理由は「他の国がそうだから」[^1]というものです。ではなぜ他の国が2%を目指すかというと、最近の世界人口の増え方が1%強[^2]だからです。人口の伸びと経済の規模を合わせるため、インフレ目標は1%では足りず、切りの良い2%となりました。つまり人口が増える国では需要も増え、供給が時間的に遅れるためインフレが起きます。その数値が2%なら良しとしようという考え方です。黒田氏の講演には「人口」という単語は一度も出てきません。日本は人口が減る国であるのにも関わらず、人口が増える国と同じインフレ目標で良いのかという疑問は封じられています。日本も貿易を通じて世界とつながっているから、世界の人口が増えて重要が増えればインフレになるという理屈です。実際には異次元緩和により円安になり、ドルベースでは日本製品はデフレになりました。円安を実現したという意味で「成功」した異次元緩和は、日本で2%のインフレを起こす事には失敗しました。ところがコロナで生じた世界のインフレは円安で増幅され、日本に2%を越えるインフレをもたらしました。ここで実質賃金が低下すると需要が減ります。年金はインフレ率ほど上がらないので、消費の中心である中高年は支出を減らします。つまり異次元緩和を続けても、いずれ日本はまたデフレに戻ります。それだけ人口減少の圧力は強いというのが現実です。

2023年08月12日追記
「国内の消費支出は65歳以上世帯が4割」なので、インフレは今年一杯でしょう。

2023年09月04日追記
輸出がGDPに占める割合は15%程度ですから、世界の需要が日本に与える影響もその位です。

2023年6月22日木曜日

手遅れの少子化対策

以前にも書いたように、日本の少子化対策はもはや手遅れです。1990年代に期待された第3次ベビーブームが起きず、その後は年々生まれる子供の数が減っています。すると子供を産む女性の数も減るので、この減少は複利で効いてきます。今や合計特殊出生率も1.26となり、過去最低レベルです。トッド氏[^1]に言われるまでもなく「人口減少こそ日本の唯一の課題」です。国民が移民を否定する以上、もはや少子化を止める手立てはありません。将来の年金を稼ぐのは今の若者や子供なので、増税してでも若者や子供に投資すべきです。その一方で、少ない人口で国を回すための投資も必要です。介護のロボット化、行政のデジタル化、無駄な仕事の廃止など課題が山積みです。

^1: https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230619/med/00m/100/014000c

2023年06月26日追記
少子化は反転できないとした上で、毎年の高齢者の死亡数が子供の出生数の倍になります。

2023年07月14日追記
50歳時点で子どもがいない女性の割合を指す「生涯無子率」も3割に近づいています。

2023年08月09日追記
「生涯無子率」は今後さらに上昇し、少子化が加速します。

2023年6月21日水曜日

大学と人口

日本の少子化により、中小大学が淘汰されつつあります。この記事[^1]は地方大学の淘汰が地方の人口減少を招き、負のスパイラルに入る事を「じり貧」と表現して警戒しています。でも人口が減る国は大学の数も減ります。根本原因を解決できない以上、競争力のない大学が閉校するのは当然です。予算もないので、どう上手に縮むかという問題です。留学生を増やしたくても、経済的に魅力が薄れた日本に来る学生は将来的に減ります。病院と同じく、大学にも選択と集中が必要になっています。都会の大学ですら中小では生き残れず、大学の合併や学部の再編が当たり前になるでしょう。教育投資に見合う結果が出なければ、大学も淘汰されるのは当然です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE066XI0W3A300C2000000/

2023年6月20日火曜日

コメの輸出競争力?

日本の食料安全保障を考えるこの記事[^1]は米の輸出を主張しています。記事の最後まで読めないので、日本の米に輸出競争力がない事についてどう考えているのかは不明なものの、実現できれば素晴らしいでしょう。日本の米は生産コストが高く、アメリカと較べると7倍[^2]ほどあります。東南アジアと較べればもっと差が開きます。それだけの価格差を埋めるだけの味や品質が日本の米にあるとは思えません。一部の海外富裕層は10倍の値段でも買うでしょうけど、それでは年間1000万トンもの輸出はできません。税金で農家を保護するのが食料安全保障ですから、輸出米に補助金を出したいところです。でもそれは保護貿易となりWTOが黙っていません。日本は米をある程度輸入しなければならず、休耕田が増えるのは問題です。農業従事者も高齢化しており、農業を個人経営から法人経営に変えるべきでしょう。

^1: https://www.jiji.com/jc/v8?id=20230215yamashita01

2023年10月15日追記
農業を個人経営から法人経営に変える試みが成功しています。良い方向です。

2023年6月19日月曜日

主権国家

「ロシアは日本を主権国家として見ていない」[^1]という指摘はその通りです。「主権国家」を派閥の親分だとすれば、日本はアメリカ派閥に属しています。世界には他にロシア派閥、中国派閥などがあります。派閥の親分になれる条件は、まず第一に核兵器を持っている事、次にエネルギーや食料を自国でまかなえる事、さらに強大な経済力がある事です。その上で国連の常任理事国であれば、怖い物知らずになります。日本は核兵器を持たず、ロシアに近いという意味で、ウクライナに通じるものがあります。ロシアにとって最大の軍事的脅威はNATOなので、そのウクライナがNATOに加盟する事を許容できず、ウクライナをロシア派閥に取り込む計画が「特別軍事作戦」でした。地球上に主権国家は数カ国しかなく、それ以外の国はどこかの既存派閥に入るか、または非主権国家どうしで新たな派閥を作るしかありません。国家予算の半分を軍事費に使うアメリカは最大派閥の親分と言っていいでしょう。

^1: https://www.yomiuri.co.jp/world/20230617-OYT1T50103/

2023年6月18日日曜日

死の商人

日本の武器輸出を可能にする法案に関する記事[^1]を読むと、日本は大人の議論をしていない事が分かります。武器の輸出入や売買で儲ける人を「死の商人」と呼び、倫理的な問題として議論しています。日本の憲法は戦争そのものを否定しており、既に世界の現状に合っていません。でもその憲法ですら武器の輸出入や売買は否定していません。つまりこれは憲法問題ではなく、「平和国家」である日本が「死の商人」になるのはけしからんという問題です。では日本は平和国家でしょうか。日本は太平洋戦争を始めてアメリカに負けました。その当時の日本は明らかに平和国家ではありません。では今の日本はどうでしょう。ロシアとは北方領土問題をかかえ、北朝鮮とは拉致問題、韓国とは竹島問題、中国とは尖閣諸島の領有問題をかかえています。戦争はしていないけど、まったくの平和でもありません。海の国境付近ではつばぜり合いが毎日起きています。つまり日本はすでに平和国家ではありません。次に「死の商人」の何が問題なのかと言うと、人を殺す兵器を輸出入するのが倫理的に悪いことだという主張です。ところが日本は戦闘機をアメリカから輸入しているので、戦闘機は機関銃やミサイルで人を殺す兵器ですから、アメリカの「死の商人」から殺傷兵器を買っています。買うのは良くて売るのは悪いというのは偽善です。つまり他国から兵器を買う時点ですでに日本は「死の商人」となっています。日本は「平和国家」ではなく、既に「死の商人」として兵器を買っているという現実を前提にしないと、大人の議論はできません。専守防衛は絵に描いた餅であり、兵器を殺傷性の有無で区別する事は無意味です。ウクライナのように他国から侵略されたら、日本も自衛のための戦争をする必要があるという前提から議論を始めましょう。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/255094

2023年06月29日追記
日本は戦闘機を輸入しているのに、輸出は禁止というのは矛盾しています。兵器は誰が誰に対して使うかが問題で、日本製の部品が含まれた兵器は既に世界中に普及しています。

2023年6月17日土曜日

水産物輸出

北海道のホタテ貝が国内で加工されず、冷凍ホタテとして中国に輸出される事が多いという記事[^1]です。その理由は国内で加工するための人手が不足し、加工技術も失われているからで、それまで海外からの技能実習生で回していた仕事ができなくなっています。技能実習生頼みの仕事はコロナで打撃を被りました。コスト的に日本人では回せない仕事を日本で続けるのは無理があります。中国で加工されたホタテは欧州に輸出されるそうで、これも時代の流れです。人件費のかかる海産輸出品を日本で製造するのは、高級品以外では無理という話です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC30A110Q3A530C2000000/

2023年6月16日金曜日

タバコ公害

マンションのタバコ公害の記事[^1]を読んで筆者は思いました、これはマンションあるあるだと。筆者は人がタバコを吸う権利は認めるものの、その煙を吐く権利は認めません。都会でたき火が禁止されているように、タバコの煙も公害です。吸った煙は吐くなという事です。空気清浄機付きの自室でタバコを吸い、外部に煙りがもれないマンションなら問題ありません。人にはタバコを吸う権利があると同時に、タバコの煙に汚染されていない空気を吸う権利があります。タバコの吸い殻をポイ捨てする人も後を絶たず、喫煙者にマナーを求めるのは無理です。法律がないなら、マンションの権利規約で禁止するべきです。自治体も路上タバコ禁止条例がある場所でタバコを吸う人をもっと取り締まったらどうでしょう。

^1: https://mainichi.jp/articles/20230609/k00/00m/100/116000c

2023年6月9日金曜日

正義とは

「ウクライナに兵器を供与し続けることが正義なのか」[^1]と問われれば、「はい、そうです」と答えます。それが日本の立場です。過去に2度もロシアと戦争した日本にとって、ロシアの他国への軍事侵攻は「またやったな」という事件です。戦争は始めた国が悪いのです。戦争を始めた国を勝たせると、外交で解決できない問題は戦争で解決して良いという前例になります。国連には常任理事国が始めた戦争を止める力がありません。でもこのままウクライナが負けるのを座視すると、次は日本が狙われます。自分たちが戦争に巻き込まれたくないとロシアの戦争を容認すれば、いずれ弱体化した日本にもロシアが攻めてきます。日本にとって最も近い外国がロシアである事を忘れてはいけません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/254504

2023年6月8日木曜日

自動運転車の誤解

自動運転車の開発が鈍化しています。研究者やエンジニアが期待したほど自動運転は簡単ではなく、たとえ自動運転を使ってもビジネスモデルとして利益が得られていません。まず誤解を解くために、自動運転には人工知能が使われていない事を指摘します。人工知能が使われている部分はセンサーの情報から車の周りに何があるかを認識する部分で、その情報をもとに車をどう動かすかという部分はロジックで記述されています。事故が起きた時なぜ自動運転車がそういう運転をしたかを説明できる必要があるので、機械学習のような人工知能は使えません。交通法規がロジックで記述されているのはもちろん、どうすれば安全に運転できるかもロジックで記述されています。ところが事故をゼロにするのは難しく、その一方で自動運転車の事故はすぐ報道されるので、自動運転車の事故は誰が責任を取るのかが問題です。自動運転タクシーも試験的に運行されているものの、黒字化できていません。ウーバーと競争した場合、自動運転タクシーにあまり経済的利点がないからです。事故の可能性がゼロでない自動運転車を消費者が受け入れるには、まだ相当時間がかかりそうです。ただし高速道路など限られた場所での運転アシストは実用化されており、これは自動運転ではありません。

2023年6月7日水曜日

脇の甘い国

日本のオンライン本人確認は脇が甘い[^1]という話です。新たに銀行口座を開いたり、携帯電話の契約をするにはオンラインでも本人確認が必要です。日本では運転免許証やマイナンバーカードの写真を送るので、偽造した写真を使えば本人確認をすり抜ける事ができます。写真では名前の確認しかできないので、オレオレ詐欺の温床になっています。本来は免許証番号やマイナンバーと名前の突き合わせをオンラインでできるようにするべきですが、それぞれ番号の使い道が法律で限られているため実現していません。警察や役所ならできる確認も民間の銀行や携帯業者にはできません。せっかく保険証や運転免許証をマイナンバーカードに一本化するなら、それを民間でのオンラインの本人確認にも使えるように急いで法律とシステムを整備すべきでしょう。

^1: https://www.yomiuri.co.jp/national/20230604-OYT1T50174/

2023年6月6日火曜日

下水処理水

下水処理水をサツマイモ栽培の液体肥料に使うと生産量が10倍になるという報道[^1]がすごいです。酸素を加えるだけで微生物が処理水を良好な肥料にするそうで、まさに一石二鳥です。世界的な食糧不足とCO2問題に役立ちます。そのうえサツマイモからメタンを作る微生物もあるので、発電燃料にもなりそうです。空気を処理水中にボコボコ入れるだけで酸素を加える事ができるので、コストはかかりません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2209J0S3A520C2000000/

2023年6月5日月曜日

針小棒大的報道

今のマイナンバーカードの誤登録問題は針小棒大的報道[^1]となっています。マイナンバーカードの交付は8,440万枚を越え、その中で誤登録されたカードは100枚を越えていません。割合からみれば84万分の1以下です。登録は人間がやる事なので、誤りがあるのは当然です。紙の保険証には顔写真がないので、簡単に不正使用できます。これをマイナンバーカードに置き換えるのは不正防止に役立ちます。ただし、このカードを使った場合に他人の情報が出てきたり、医者の受付で保険証として使えないというのは致命的なので、次の1年でそうした不具合を修正する必要があります。マイナンバーは行政の合理化に役立つので、大幅に税金を減らせる可能性があります。スマホから大半の行政の各種手続きができるようにすれば、マイナンバーカードの利便性が理解されるでしょう。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/254192

2023年07月06日追記
「ノーミス社会」では、イノベーションが進まなくなってしまうのです。

2023年6月4日日曜日

教育費格差

ご存じのように教育費格差は日本にも存在します。収入が多い家庭ほど、子供の教育にも多くの教育費を使えるのは当然です。このため国立大に行くのは収入が多い家庭の子供が多く、収入格差が固定化します。ただし、この記事[^1]にあるスウェーデンの例には大事な情報が欠けています。スウェーデンの税率は高く[^2]、消費税が25%(食品12%)となっています。国民負担率も日本の44%に対して、スウェーデンは56%です。北欧は高負担・高福祉なので、低負担・中福祉の日本とは直接比較できません。教育費が高いと子供の数は少なくなり、教育費を低く抑えるには増税が必要です。政治的に増税が難しい日本は、赤字国債という形で次世代に増税を押し付けています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD161CK0W3A210C2000000/

2023年6月3日土曜日

解雇の金銭解決

大いに賛成です。時代に合わない終身雇用を無理に維持しようとするから問題が起きます。この記事[^1]にもある「解雇の金銭解決」つまり手切れ金による指名解雇を日本でも法律で認めるべきです。ただし同時に年齢や生年月日による就職差別と解雇を違法にする法律も必要です。このふたつは同時に成立させる必要があり、その結果年功序列や定年制度が違法となります。こうした法律なしではジョブ型雇用は不可能です。社会の変化に応じて会社が変わるとき、法律も変える必要があります。こうした法律なしでは日本は海外との競争に勝てません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD24DS20U3A520C2000000/

クルド人難民

日本はクルド人をテロリストと見なしています。このためクルド人難民を受け入れる事に消極的で、事実上門戸を閉ざしています。もし難民に就労ビザを与えて日本に入れた後、その人が犯罪を起こせば入管当局の責任が問われます。非難を避けるにはなるべく難民認定をしなければよく、入管当局の対応は当然です。入管には矛盾した責任が与えられており、問題を起こしそうな人を入国させない責任と、庇護を求める外国人が難民かどうかを判定する責任を持っています。この二つを満足させるには、なるべく難民を追い返すのが一番簡単です。庇護を求める外国人が難民かどうかを判定する責任を入管当局から分離して、法相ではなく外相に監督責任がある役所に移すべきです。難民認定は外交問題かつ人権問題であり、入管には荷が重すぎます。憲法上、日本の領土にいる外国人にも日本人と同じ基本的人権がある事を忘れてはいけません。では受け入れた人が犯罪を起こしたらどうすれば良いでしょうか。それは他の日本人と同じ対応で十分です。日本人にも犯罪を起こす人はいます。それぞれの事件について再発防止策をそのつど考えるという事です。難民の犯罪率が高いという事実はありません。

2023年08月04日追記
日本生まれの難民の子供に在留特別許可という事で、一歩前進です。

2023年6月1日木曜日

夜も眠れない

日本が年間100%ぐらいのハイパーインフレになる条件は、経常赤字が定着して円安が進む事というのが筆者の意見です。日本の輸出競争力が落ち、高齢化で預金を引き出す人が増え、国債の現金化が進みます。すると海外への投資も減るので、経常赤字は避けられません。円の信用が低下し、円安が進みます。これはインフレを加速し、景気を冷やします。インフレを抑えるために金利を上げるので、不景気とインフレが同時進行するスタグフレーションになります。少子化も進むので、ますます税金が足りなくなり、巨額の財政赤字になります。そのためさらに円安となり、ハイパーインフレになるという経過を辿ります。日本がこれを回避する道はあるでしょうか。これを考え出すと夜も眠れません。過去に同様の経過を辿った国は増税と支出カットで財政を黒字化し、通貨安を止めました。理屈から言えば、それしか出口がありません。消費税を倍増し、すべての国家支出を半分にする位の大ナタが必要です。問題先送りが恒例の日本で、そんな思い切った改革が出来るとはとても思えないので、ハイパーインフレ退治にIMFが乗り込んで来ます。現金の価値は下がるので、さらに不動産や株、貴金属への投資が進むと予想します。