2018年8月25日土曜日

なぜ日本で少子化が進むのか

東京医科大の女子学生むけ入試減点事件が表すように、日本では女性の社会進出に多くの壁があります。働く女性に必要な保育施設も不足しています。こうして女性の収入を下げてしまうと、夫婦としての収入も減ってしまうので、子供の数が減ってしまいます。子供を持つ夫婦の収入と子供の数には明らかに正の相関があり、子育てにお金のかかる日本では収入が少ないと子供は増えません。そもそも女医が長時間働けないと言うなら、医者が長時間働かないと回らない現場の仕組みを変えなければいけません。医者は人の命を預かる仕事です。働き過ぎの医者にかかりたい患者はいません。頭の硬いオジサンが政治を牛耳っている限り、日本の少子化は進みます。

2018年8月18日土曜日

海上バスと英語

このあいだ隅田川の海上バスに乗りました。ここは浅草に近い土地柄、海外からの観光客もたくさん利用しています。ところが船上の英語のアナウンスがほんの少ししかありません。日本語だと川にかかる橋の名前をいちいち説明してくれるのに、英語だと番号だけです。英語のパンフレットに番号と説明があるのでしょう。生の英語は無理としても録音を流すだけで良いので、もっと英語の説明を増やしてほしいですね。日本語と同じ情報量の英語アナウンスが観光客には必要です。相手の身になって考えれば分かると思います。これは不親切を超えて不便という話です。英語の他に中国語と韓国語もあれば、なお良いでしょう。

2018年8月5日日曜日

人口と需要

経済学者がよく見落としがちな点が、ある国の人口増加率と需要の関係です。日本で言えば、高度経済成長の時期と人口が増えていた時期は一致しています。財務省統計局のグラフ[^1]によれば、人口増加率がピークに達したのは1973年頃で1・4%ほどありました。人口が増えるという事は需要が増えるという事ですから、何もしなくても売り上げが伸びます。よほどの事がない限り、誰が社長になってもその会社は売り上げを伸ばせた幸せな時代です。今のアメリカの人口増加率は0・7%位なので、日本の1982年頃に相当します。アメリカの需要は人口と共に増加しており、IT企業の躍進もあって景気は上向きです。ところが今の日本は人口増加率がマイナス0・2%となって、需要は毎年減っています。何もしなければ売り上げが減るので、雇われ社長には厳しい時代です。人口が減る中で需要を増やすのは難しいため、政府は海外から観光客を呼んだり、海外への農産物の輸出を増やそうとしています。しかし日銀がいくら国債を買ったり金利を操作しても、人口増加率は変わりません。

^1: http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2017np/