2024年5月16日木曜日

賃上げの実態

この記事[^1]は大企業の賃上げがミドル層に薄いと指摘しています。初任給は人手確保のため大きく上げて、他社に行く心配のないミドル層はあまり上げないという方法です。この世代はローン返済や教育費がかかるので転職には消極的であり、実質賃金が下がれば消費を抑えざるを得ません。60歳以上のシニア層は定年延長や再雇用で賃上げの恩恵を受けており、ミドル層が狙い撃ちされている構図です。夏には減税があり平均的には実質賃金が上がるという予想もあります。でもミドル層の実質賃金がプラスになるのは難しいと見られます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2279H0S4A420C2000000/

2024年5月15日水曜日

海外すしシェフ事情

この記事[^1]は、海外のシェフがジョブ型雇用である事を表しています。つまり皿洗いは皿洗い専門で、シェフが皿洗いをする事はないという指摘です。日本はメンバーシップ型雇用なので、何でもできるシェフを育てます。ところが海外は専門職の集まりであり日本式は通用しません。これをスポーツに例えると日本はサッカーで海外は野球です。サッカーはどのポジションも守備と攻撃を担当します。ゴールキーパーですらいざという時は攻撃に参加します。でも野球では捕手は捕手として働き、投手になる事はありません。大谷選手のような投手で指名打者という二刀流は例外です。どちらもチームワークが大切で、それぞれが面白いゲームとして成立します。もちろんそこには監督がいて、それが料理長というポジションです。メンバーシップ型は長期雇用が前提なので、人の流動性が高い海外ではジョブ型雇用が普通です。どちらが良いというものではなく、それぞれに一長一短があるので、海外では地元のシェフの働き方に順応すれば良いというのが結論です。

^1: https://shuchi.php.co.jp/article/10971

2024年5月14日火曜日

島根県

これは別に島根県に限った話ではありません。人口減少で「消滅可能性自治体」とされた場所は多く、東京一極集中を制度的に是正せよという島根県知事の提言です。その意味で「東京で20代、30代を雇用する企業の法人税を上げる」というのはアリだと思います。ただし、先進国はどこも人口減少問題[^2]を抱えています。出生率が高いとされるフランスでも1.88と人口置換水準(2.1)未満であり、移民がなければやっていけません。年金保険や健康保険が充実している先進国では老後を子供に頼る必要がなく、教育費や子育てコストを考えて子供を持たない選択をする人が増えています。日本では老人中心の社会保障や、女性の所得を抑える企業制度がそれに輪を掛けています。社会を子供中心に変える(老人より子供優先)とか、企業の役員や国会議員の半分を女性にする割り当て制の導入を考えてもいい状況です。でも最も緊急度が高い施策は、人口が少なくても回せる国づくりです。東京一極集中を是正しても、若者が東京・名古屋・大阪に移住する現実は変わりません。教育の機会、就職の機会、出会いの機会を考えたら、そうした流れは止められません。東京一極集中も人口減少も根は同じなので、それに逆らうよりも受け入れてその次を考えた方が合理的でしょう。

2024年5月12日日曜日

クレカとJR

JRはキャッシュレスに消極的です。券売機は現金のみで、クレカを使いたければ、混雑する事で悪名高いみどりの窓口か、指定席券売機もしくは多機能券売機[^1]を使う必要があります。Suicaカードを使えという事かもしれませんが、そのSuicaもクレカでの課金はできません。この記事[^2]には地方の駅で切符を買うのに現金のみで困ったという話がでており、JRの後進性をよく表しています。近くにコンビニが無ければ電車にも乗れないでしょう。私鉄はクレカで電車に乗れる路線もある[^3]というのに、JRはどんだけ現金が好きなんだと呆れます。

^1: https://jreastfaq.jreast.co.jp/faq/show/1183

2024年5月11日土曜日

内戦の徴候

国が内戦に至る徴候を調べた人によると、人種や宗教で国が分断され、それまで国を支配していたグループが権力を失う時に内戦が起きやすいそうです。その意味で最も危険だったのが2020年のアメリカで、2021年1月には連邦議会が市民に襲撃されるというプチ内戦が起きました。またある人は政治を「流血のない戦争」と定義します。民主主義とて万能ではなく、報道が偏ればたちまち権威主義になってしまいます。逆に言論の自由、報道の自由をねじまげて嘘で人を欺く指導者が国のトップに立つと何が起きるかは、アメリカ、ロシア、中国を見れば明らかです。平和よりも野心を満たす事を優先する指導者がこの世の地獄を生み出しています。人類の愚かさは国連では解決できません。

2024年5月10日金曜日

プレス機CM

アップルのプレス機を使ったCMが物議をかもし、アップルが謝罪したという報道[^1]があります。楽器に愛着のない筆者は映像的に面白いCMだと思いました。ただ、どんなCMにも賛否両論はあるので、これが気に入らないという人がいても当然だと思います。アップルは担当者が謝罪したものの、そのウェブサイトからまだこのCMを見る事ができます。映像を削除するほどの問題ではないという判断でしょう。以前からYouTubeには色々な物をプレス機で押しつぶす映像があり、人気があります。アップルの「的を外した」という自己批判はこのCMが気に入らない人向けであり、元エンジニアの筆者には関係ありません。そういえば、ステージでギターを壊したロックバンドとか、コートでラケットを壊したテニスプレーヤーとかいましたね。

2024年5月9日木曜日

トランプ人気

コロナ対策で失敗したトランプ元大統領がなぜアメリカで支持されるのか[^1]は数々の分析があります。白人が少数派になる事への恐怖や、銃規制への反対、アメリカで最大となったキリスト教福音派への傾倒などです。でも最大の理由は貧富の差が開きすぎた事です。アメリカのジニ係数[^2]は以前から4割を超えており、革命が起きるレベルとされています。内陸部の農業や鉱山、また古い製造業に従事する労働者の賃金は相対的に低く、収入の少ない人が「革命的」な変化を期待してトランプを支持しています。「ディープステート」というトランプの主張も、連邦政府は高学歴で高収入のエリートが支配しているという不満を利用しています。ここでトランプが大富豪だという矛盾は問題にならず、コロナ後のインフレで困っている労働者や高齢者がトランプを支持しています。ただし、妊娠中絶問題は貧富の差にかかわらず女性を直撃しており、これがトランプのアキレス腱となる可能性があります。

^1: https://jp.reuters.com/economy/X5HESKWKSBM5PJTNOGFM4BUOLQ-2024-05-08/

2024年5月8日水曜日

建設国債と防衛費

建設国債で防衛費の一部(施設整備費や艦船建造費など)を払う事[^1]に筆者は反対です。建設国債は高速道路など利用料金で国債という借金を返せる物に限るべきで、投資に対して回収が見込める物のために存在します。施設整備費や艦船建造費は利用料金を取りませんから、借金を返せる見込みはありません。防衛費は所得税を増税して払うべきで、名目は何であれ国債で払う物ではありません。

https://www.asahi.com/articles/ASS561VPLS56ULFA001M.html

2024年5月7日火曜日

祝日廃止

「デンマーク、祝日を1日廃止 労働時間を延ばして国防費増額」という2023年の記事[^1]に行き当たりました。日本も祝日が多すぎるので、そろそろ祝日廃止を検討するべきです。天皇が変わるたびに祝日を増やすのはどうかと思います。休みは個人で時期をずらして取るべきで、そのためには祝日は少ない方が好都合です。国防費増額=増税のために祝日を1日廃止するのは思い切った施策で、よく議会が賛成したなと感心します。国民の既得権益を取り上げる訳ですから、議員にはよほど勇気がないと無理でしょう。日本でできるでしょうか。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASR31349VR31UHBI00J.html

2024年5月6日月曜日

転勤とジョブ型雇用

転勤はジョブ型雇用にはありません。どこで働くかはジョブの詳細の中に含まれており、従業員の同意なしに変える事はできません。そこでアメリカの会社では、従業員に転勤を打診する場合まず会社のお金で家族を連れて現地に下見に行ってもらいます。そこで本人が気に入らなければ転勤はありません。でも転勤しないと仕事がなくなる場合、手切れ金をもらって退職するのがジョブ型雇用です。会社には仕事が無くなった従業員を雇い続ける義務はありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD115EM0R10C24A4000000/

2024年05月13日追記
候補地が47都道府県なら実質どこにでも動かせます。それはジョブ型雇用ではありません。

2024年5月5日日曜日

膨潤化

ホタテの貝柱は寿司ネタとして人気です。この記事[^1]によると去年まで日本産のホタテは中国で膨潤化という加工を受けており、生で食べるものではなかったとの事です。中華系レストランに加熱用として売っていたという事で、あえて品質を落として安物として中国から再輸出していました。それが福島原発の処理水放出を受けた中国の禁輸により、日本で冷凍したホタテをメキシコで解凍して貝柱を取り出し、冷蔵のままアメリカに輸入して生で食べる方式にしたら高価格で売れたという報道です。ホタテから貝柱を取り出すのは人手なので、人件費が安いメキシコで行うそうです。日本国内では国産のホタテ貝柱を生で食べるので、わざわざ中国を経由して品質を落としていたのは誤りでしょう。その誤りに気付いたという事で、中国の禁輸は日本にとって「災い転じて福となす」結果になりました。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN190D10Z10C24A4000000/

2024年5月4日土曜日

自宅介護

高齢者のお一人様が増えるにつれて、自宅に住み続ける要介護者も増えています。近くに頼れる人がいないと早めに介護保険を使ったサービスを購入する必要があり、自分から地域包括支援センターに出向くことになります。自分の足で歩いて買い物や通院ができるうちは、自宅に住み続ける事は可能です。訪問医療もあるので、通院ができない人は医者や看護師の訪問サービスが要るでしょう。自宅に子供など介護者が同居する場合は、その同居者が音を上げるまで自宅での介護が可能です。でも高齢者が自分の足で歩けなくなると、ひとりでのトイレや入浴が難しくなり同居する介護者に大きな負担がかかります。たとえ訪問医療があっても、自分の足で歩けなくなったら専門の介護施設に入るのが周りの人のためになります。死ぬまで自宅で暮らしたいという希望は分かるものの、実際にはそれは周りの人に大きな負担となります。ましてやお一人様では誰も知らないうちに死亡する事があり、すると変死扱いとなってその家は事故物件となってしまいます。自分の足で歩けるかどうかは、介護において大きな違いとなります。若者なら車椅子で動き回れても、力のない高齢者にはそうした生き方はできません。いざという時に救急車を呼ぶかどうか、人工呼吸器を付けるかどうか、自分の口で食べられなくなったら点滴で延命するのかも元気なうちに決めておく必要があります。もちろん、自筆で遺書を書くのも元気な時でないと無理です。体が元気でも頭が認知症になると、介護はいっそう難しくなります。家族の介護者はタダ働きですから、家族の犠牲を前提とする介護は長続きしません。

2024年5月3日金曜日

オーバーツーリズム

コロナが終わってオーバーツーリズム[^1]という問題が起きています。これは日本だけではなく、ベニスのオーバーツーリズムも有名です。ホテルの宿泊税とか国立公園の入園料といった課金である程度減らす事は可能です。京都などはもっと多額の宿泊税をかけても良いでしょう。国内的には休日の分散も考えましょう。5月の黄金週間を4月後半から5月後半まで3回に分けて、西日本は4月後半、東日本は5月前半、北海道は5月後半に休むというアイデアです。他の会社と時期を合わせないと休めない日本の現状を変えずに、国内旅行のピークを分散するのが目的です。旅行産業そのものは重要な成長分野なので、その場所ごとに解決策は異なります。各地の自治体が早めに手を打つのが肝心です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD028TG0S4A400C2000000/

同日追記
休みを分散させるには、自動車のナンバーが奇数か偶数で分けるとか、個人のマイナンバーが奇数か偶数で分けるという方法もあります。5月の連休だけどこも大混みで旅館代も高いという不合理な休み方を続ける日本はどう見てもアホです。

2024年5月2日木曜日

外国人恐怖症

言い間違いが多くて有名なバイデン大統領のこの発言が話題です。日本経済が低迷している理由として「外国人恐怖症で移民を望んでいないからだ」[^1]と述べたそうで、これは不都合な真実だと筆者は思います。もちろん移民推進派のバイデン大統領がそう言いたくなる気持ちは分かります。ただロシア、インド、中国と並ぶ移民後進国として名前の挙がった日本について、あえてこの時期に名前を挙げなくても良いのにと思う日本の政治家もいるでしょう。それほど日本人には危機感がありません。このまま人口が減れば社会保障が崩壊すると分かっているのに、移民には踏み切れません。それはアメリカの失敗や欧州の失敗を見ているからで、経済が低迷しても社会の安定と安全を優先するのが日本の選択です。でも日本人人口が減れば社会の安定と安全は維持出来ません。人口の1割を外国人が占めたら、その政治的圧力は移民と同等になります。所得税や消費税を払う彼らは、その税金の使い道にも口を出すようになります。もし外国人が参政権のために団結してゼネストを行えば、日本経済が立ち往生してしまいます。つまり日本が移民を受け入れるのは時間の問題です。

^1: https://www.yomiuri.co.jp/world/20240502-OYT1T50130/

2024年05月05日追記
長居しないお客さんとしての外国人は大歓迎ですから、日本は外国人嫌いではありません。でも隣人としての外国人(移民)は拒絶しているのが日本です。難民の受け入れも相対的に少数です。多様性より均質性を好み、安全安心を重視する保守性が原因です。数値を見る限り、日本がxenophobicであるという指摘に間違いはありません。

2024年05月07日追記
外国人なしでは回らない「移民社会」となっている現実を日本人は早く認めるべきです。

2024年5月1日水曜日

空き家問題

人口減少のため日本で空き家[^1]が増えています。空き家は持ち主が老人で施設に入っているか、または持ち主が死亡して管理する人がいない場合などに発生します。その空き家に不動産としての価値がない場合は、遺産相続もされずに放置される事もあります。2024年4月から遺産相続人には不動産登記が義務づけられました。でもそれ以前には登記が不要だったので、日本中に持ち主が分からない空き家がいっぱいあります。また土地税制そのものが古いので、更地だと高い固定資産税も空き家があればその十分の一になるため、たとえ相続しても節税のため空き家をそのままにしておくのが普通です。不動産の価格は需要と供給で決まり、空き家が増えている場所は需要が少ない場所となっています。空き家を減らす妙案はなく、高齢化のため東京ですら空き家が増えています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA266JV0W4A420C2000000/