2023年12月31日日曜日

日本の対立軸

政治の世界では保守の反対は革新です。日本も平成の初めぐらいまでは、保守対革新という対立軸がありました。ところが最近の対立軸は保守対リベラル[^1]だそうです。つまり右か左かではなく、法律を変えるか変えないかという選択です。アメリカのような「小さな政府」対「大きな政府」ではなく、夫婦別姓とか同性婚を認めるかどうかという対立です。女性天皇や移民政策もこれに含まれるでしょう。現実に合わせて法律を変えるのは当然なので、問題を認めるか先送りにするかという選択です。そう考えると、少子化や赤字国債の対策が先送りされた理由も分かります。これは不祥事ばかりを追う野党の力不足が原因です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA274SD0X21C23A1000000/

2023年12月30日土曜日

人は城

ハイテク産業を支えるのは人です。今なら半導体産業[^1]やAIで人の取り合いになっています。かつて日本の半導体人材を引き抜いた韓国が、今度は中国に人材を引き抜かれているという現実があります。伝統的に技術者や科学者の賃金が低い日本で、ハイテク産業が低迷したのは当然です。武田信玄でなくても「人は城」が正しい事は知っています。外資と同じ額の賃金を出せないハイテク産業は生き残れません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD085PA0Y3A101C2000000/

同日追記
初任給を上げるのは良いとして、その上も上げましょう。

2023年12月29日金曜日

盗作検査

この報道[^1]は新聞社がコラムの盗作を見逃した事実を指摘しています。新聞社は受け取ったコラムの盗作検査をしないのでしょうか。原稿の文章を使って検索すれば、盗作だかどうかはすぐ分かります。原稿をメールで受け取るなら自動化も可能です。もちろん紙のみで発表されている文章だと検索では分かりません。でもほぼゼロコストでできる検索すらやらないとしたら「性善説は制度設計の手抜き」に他なりません。筆者もかつて自分が翻訳して出版した専門書を盗作された経験があり、日本人の性善説は信じていません。むしろ性善説による制度設計は犯罪の誘因だと思っています。

^1: https://www.jiji.com/jc/article?k=2023120800566

2023年12月31日追記
「政治資金規正法」も性善説を採用しており、犯罪の誘因となっています。

2023年12月28日木曜日

その財源は?

この記事[^1]はフランスの教育制度がいかに素晴らしいかを伝えています。例えば「基本的に大学院まで授業料が無料」であるとか、「入試がないので入試にかかる費用はない」という制度です。でもそれを支える税金[^2]については言及がなく、記事として不十分です。日本の所得税率は会社員で10%ぐらいなのに対して、フランスのそれは20%ぐらいです。消費税も日本の10%に対して、フランスは20%です。それでも日本は赤字国債を増やしており、毎年の財政赤字に厳しい上限があるEUのフランスとは比べものになりません。財源を無視してフランスの教育制度を紹介するだけでは、読者が誤解します。

^1: https://toyokeizai.net/articles/-/722141

2023年12月27日水曜日

成長と平等

こちらの記事[^1]は「Japan as No.1」という本の著者の息子のインタビューです。その中で彼は日本に「平等と成長追う日本流」を求めています。平等には二種類あり、機会平等と結果平等があります。このふたつは両立しないので、文脈から結果平等を求めていると仮定します。彼によると日本に規制緩和は不要らしく、本当にどこまで日本の実情が分かっているのか不安です。でも結果平等を目指すには賃金の二極化是正が必要で、経済成長には生産性の向上と売り上げの拡大が必要です。それに対する具体的な処方箋はなく、他国(アメリカ)の真似ではダメだと説いています。日本の問題は少子高齢化[^2]だと考える筆者にとって期待外れの内容でした。日本独自の成長モデルが必要な事は確かです。

同日追記
国立公園内で地熱発電を増やすには規制緩和が必要です。ライドシェア普及にも。

2023年12月26日火曜日

高校義務化

日本の少子化は高校を義務化するチャンスです。中卒で足りる仕事はロボットやAIに代替されるので、日本の賃金を上げるには教育レベルを上げる必要があります。たとえばアメリカの公立高校は無償で実質義務化されており、先進国のひとつの標準になっています。この記事[^1]では東京都が公立だけでなく私立高校の授業料も無償化するため、他県から通う生徒と差が付くという話を取り上げています。筆者は私立高校の無償化には反対してきました。でも高校の義務化には賛成なので、公立高校だけでは不足する場合、公立高校と同じ額の援助を私立高に出す事には賛成します。これを機会に全国で高校の義務化を進めれば良く、他県から通う生徒は国や自治体に義務化の要望を出しましょう。「米百俵」[^2]は今の日本にこそ役立つ知恵です。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/297967

2023年12月25日月曜日

不正の本質

ダイハツ[^1]といい、三菱電機[^2]といい、不正で自滅する企業には共通点があります。それはトップダウンで物事が決まり、社員の発言に心理的安全性がないという事です。それをうまく言い表したのが「言ったもの負け」という文句です。上の言う事に逆らわず、不正でも何でもいいから欲しい結果だけを上に報告すれば、とりあえず飯は食えるという企業文化です。昭和はとっくの昔に終わって、今は平成の後の令和の時代だというのに、こうした古い管理方法を続ける会社が日本の製造業には残っています。そうしたやり方で成功体験を積み重ねた会社ほど、病根は深いと言えます。それは見せかけの成功であり、東芝のように不正がバレれば砂上の楼閣が潰れます。この企業文化を変えるには、上部管理職を総入れ替えする位の大手術が必要となります。


2024年01月29日追記
今度は豊田自動織機という老舗です。不正の構図は他社とまったく同じです。

2023年12月24日日曜日

働かなくてもいい社会

この記事[^1]は「働かなくてもいい社会は幸せか」と問いかけています。それに対する筆者の答えは「イエス」です。この問いかけには「お金のために」という前半が省略されています。「お金のために働かなくてもいい」ということは、ベーシックインカムのような仕組みで生きていけるだけの収入があるということです。そのうえでさらにお金を求めて働いてもいいし、学校で教育を受けてもいいし、お金にならない仕事をしてもいいわけです。つまり年金生活に似ています。違うのはまだ十分に若くて体力があり、夢もある段階だという点です。ロボットやAIが働いてくれれば、そんな夢の生活が実現する可能性はあります。もちろん何もしたい事がないと悩む人もいるでしょうし、暇を持て余して酒や麻薬に走る人も出るでしょう。だからすべての人に当てはまる答えではありません。なのでベーシックインカムも不要な人は受給を先延ばしにして、そのかわり受け取り額が増えるような仕組みだと良いでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04COA0U3A201C2000000/

2023年12月23日土曜日

生産性と労働法

日本の労働生産性がOECDの中で30位[^1]となりました。円安の影響は除かれており、実質的に低いという事です。実に情けない順位です。デジタル競争力は32位[^2]ですから、似たようなものです。人件費が安いので合理化が進まず、ひとり当たりの生産額が低いのです。言い換えると、お金にならない無駄な仕事をしている人が多いという事です。「解雇しにくい労働法」のもとでは、合理化しても人が余るだけなので無駄な仕事を減らす動機となりません。世の中がデジタルで大きく変わっても、不要となった仕事をなくすのは日本の法律では難しいのです。生産性が上がらないと継続的な賃上げは実現しません。輸入インフレに合わせて内部留保から正規労働者の賃上げを行うだけではダメです。物価はコロナ前には戻らないので、可処分所得の減少を上回る生産性向上が必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA226CD0S3A221C2000000/

2024年01月12日追記
定年廃止は終身雇用とセットなので、「解雇しにくい労働法」のままでは不可能です。

2023年12月22日金曜日

3割が借金

2024年度の予算収入の31%は国債で、予算支出の24%は国債費[^1]です。つまり国債を借り換えるだけでなく、さらに借金を増やしています。どう見ても2025年度のプライマリーバランスは達成不可能です。日本の人口の減り方から予想される低位の財政収支見積もりでは、プライマリーバランスはもう未来永劫不可能となっています。つまり日本の赤字国債は際限なく増えるという運命です。もちろん国際収支が黒字の間は、赤字国債が増えてもハイパーインフレにはなりません。でも国際収支が赤字になると大幅な円安になり、輸入インフレが日本を襲います。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA20BBQ0Q3A221C2000000/

2024年02月02日
この財務省試算によると、名目成長率が3%でも2027年度には国債費が支出の28%に増えます。

2023年12月21日木曜日

社会人学生

日本は社会人学生が他の先進国とくらべて少なく、学生の誤解を生んでいます。この記事[^1]はそうした誤解の典型で、「都会育ちと金持ちしか法曹になれない」と示唆しています。収入のない学生の場合、親がお金を出すか学生がお金を借りるかしないと学費や生活費はまかなえません。でも学生が大学を卒業し、会社員として数年働いてお金をため、また学生としてロースクールに通うという選択肢は無視されています。筆者は日本で会社員として6年半働いてから、アメリカの大学院に留学して修士号を取りました。大学を出て社会人としてしばらく働いてお金を貯め、また大学院にもどって専門性を高めるのは日本以外の国では当たり前です。こうした社会人学生を妨げるものは「終身雇用制度」と「解雇しにくい労働法」であり、政府もリスキリングの旗を振るなら、労働法を社会人学生が増えるような法律に変えましょう。

^1: https://www.bengo4.com/c_18/n_16900/

2023年12月20日水曜日

郵便料金値上げ

郵便料金の値上げが提案[^1]されています。世の中の電子化が進めば郵便の必要性は減るので、値上げは当然です。個人を特定するために住所が必要で、個人情報を含む行政文書には今でも郵便が使われます。でもマイナンバーカードを使えばオンラインで完結する手続きは多いため、今後はデジタル化でさらに郵便が減ります。例えばデジタル競争力が世界一位のアメリカで、行政手続きのほぼ100%はオンラインです。日本も人手不足なのでデジタル化は待ったなしです。高齢者にタダでスマホを配って使い方を説明しても、行政コストの削減でおつりが来ます。紙もFAXも昭和の遺物としましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA180FG0Y3A211C2000000/

2023年12月19日火曜日

国の老化

平均寿命が延びると老人が増えます。特に日本は少子化が同時進行しているので、老人介護[^1]に回せる資金が足りません。つまり少ないパイを介護と医療で取り合う状況です。湿布やヒアルロン酸のような処方箋薬をOTC薬に変えるとか、医者にかかる回数を減らして市販薬で治すという方向への誘導は有効です。でも人件費は上昇し、輸入インフレにより物価も上がります。最終的に介護保険料と健康保険料の値上げは避けられません。それが国の老化です。見たくない未来でも、それを受け入れて国として生き延びる道を見つけなければなりません。国の老化を避ける方法はなく、移民では解決できません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0652G0W3A201C2000000/

2024年02月12日追記
2050年ですら、このありさま。少子化対策は集団移住とロボット化です。

2023年12月18日月曜日

サイエンスとは

筆者が40代になるまで知らなかった世界の常識をひとつご紹介します。それはサイエンスです。日本語だと科学と訳されるサイエンスには基本的なやり方があります。それは「観察し、仮説を立てて、実験によりその仮説を証明または棄却する」という方法です。もちろんそんなの知っているよ、という方は多いと思います。でも筆者はサイエンスの基本がこの「観察・仮説・実験」という3ステップだと知りませんでした。小学校で習ったはずなのに、その記憶がありません。自分の子供が小学生になって学校で何を学んでいるかを知って、やっと自分の常識に穴がある事に気付いた次第です。この記事[^1]にあるデバッグ技法もサイエンスの常識があれば最初からやっていた事なので、常識に穴があるのは自分だけではないと思います。コンピュータ・サイエンスというぐらいなので、プログラミングはサイエンスの一部です。

2023年12月17日日曜日

料金分化

日本でも観光公害対策と観光収入を両立させる方策として、お金持ちや海外旅行者に高付加価値で高額なプランを用意し、地元や国内旅行者には低価格なプランを提供するという料金分化[^1]が拡がっています。選択の幅を拡げる事は客層の拡大につながり、スキー場などでは有効です。公共の美術館や博物館でも料金分化は必要でしょう。住民税や所得税を日本で払っていない海外旅行者は、お土産の消費税も払う必要がありません。そうした人たちが公共施設を利用する場合、多めの料金は負担するのは合理的です。そうなると課題はその支払いに見合う価値を提供する事で、観光地により差が生まれます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC2857B0Y3A121C2000000/

2023年12月16日土曜日

再発防止

東京都教員の懲戒免職[^1]が毎年続くのは再発防止策がないからです。「生徒の人権に配慮する」という理由で、懲戒免職となった教員の氏名や学校名が公表されません。教員不足の東京都では、懲戒免職となってもまたすぐ次の学校に就職できます。刑事事件となって有罪にならないかぎり、内部のデータベースへの登録もありません。「生徒の人権に配慮する」というなら、真っ先に再発防止を図るべきでしょう。氏名が公表されると分かれば躊躇する人も出てきます。同じ人が再度別の学校に雇われる事も防止できます。名前を変えても、戸籍にその記録が残るので追跡できます。公表すると不祥事をもみ消す学校長も出てくるでしょう。それでも、懲戒免職となった教員の教員免許剥奪と氏名の公表は都民の願いです。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASRD65K4SRD6OXIE01G.html

2023年12月15日金曜日

健康保険証としてのマイナンバーカード

マイナンバーカードで健康保険証を代用できるようになったので、その仕組みを調べました。マイナンバーカードにはマイナンバーという個人番号の他に「氏名」「性別」「生年月日」「住所」という個人特定のための「基本4情報」が記載されています。マイナンバーという個人番号を健康保険に使う事は法律上できないので、かわりにカードに特有のシリアル番号を個人番号として使います。このシリアル番号はカードのICチップに格納された「利用者証明用電子証明書」に含まれるもので、カードから読み出す時は4桁の暗証番号が必要です。でもマイナンバーカードを健康保険証として使う場合は、顔認証という方法も使えます。顔認証が可能なICカードリーダーを使い、マイナンバーカードから暗証番号なしで読み出せる顔写真と、ICカードリーダーに付属のカメラで撮影した本人の顔画像を比較します。これが同じかどうかを判定するのはそのICカードリーダーの役割で、この段階では4桁の暗証番号は不要です。ではマイナンバーカードが本人のものと判定した場合、暗証番号なしでサーバー(オンライン資格確認等システム)はどう資格確認するのでしょう。ここで思い出していただきたいのは、マイナンバーカードを健康保険証として使う場合に、最初に一度だけ「登録」という作業が要るという事実です。この登録という作業には、マイナンバーカードの「利用者証明用電子証明書」を読み出すために4桁の暗証番号が必要です。その結果個人番号として使えるシリアル番号が手に入るので、カードに固有の4桁のセキュリティーコードと「基本4情報」に加えてシリアル番号をペアとしてサーバーに登録します。すると4桁のセキュリティーコードに加えて「基本4情報」があれば、シリアル番号がなくてもサーバーで資格確認できます。4桁のセキュリティーコードと「基本4情報」はマイナンバーカードに印刷してあるので、これをカメラで読み取ってサーバーに送れば、本人が登録されているかどうかはわかります。クライアントとしては顔認証だけで健康保険証としての本人確認ができるという仕組みです。なお4桁のセキュリティーコードは顔写真の下に印刷してあり、同氏名、同姓別、同生年月日、同住所の人でも区別できます。今のところ顔認証が使えるのは健康保険だけです。

同日追記
暗証番号のないマイナンバーカードを健康保険証として使う場合は、顔認証のみ使えます。そこでカードを発行した時点で健康保険証としての登録を完了しておく必要があります。おそらく内部のICチップにはシリアル番号と利用者証明用電子証明書が格納されていて、通常の手順では読み出せない仕組みだろうと考えられます。カードの表にある基本4情報とセキュリティーコードは使えるので、今までの顔認証と違いはありません。ただし内部のICチップで動くソフトの変更と、表面にカードを区別できる文言は必要です。

2023年12月14日木曜日

マイナンバーカードの利点

あまりマスコミが報道しないニュースのひとつが、マイナンバーカードの利点[^1]です。マイナンバーカードにはシリアル番号が付加されており、これと利用者証明用電子証明書を使って個人認証ができます。このシリアル番号はマイナンバーとは関係なく、健康保険証もこのシリアル番号を使っています。マイナンバーカードにはICチップが入っており、シリアル番号はこのチップに記憶されています。マイナンバーカードは個人認証に使えるので、このカードを使った色々なサービスが実現しています。例えば引っ越しサービス、パスポート申請、銀行や証券口座開設、ふるさと納税のワンストップ特例制度申請などで住民票等の添付が不要となり、オンライン申請ができます。またマイナンバーカードのICチップには、防衛省を除く国家公務員の身分証明証や学生証、社員証などに使える領域もあり、運転免許証も含まれる予定です。行政のDXに必要不可欠なのがマイナンバーカードなので、その利点が正しく報道されない現状には危惧しています。健康保険証だけでも、マイナンバーカードに置き換える事で行政側では年間100億円のコスト削減ができます。図書館カードやポイント・カードもいずれマイナンバーカードで代用できるようになるでしょう。各種のカードで財布が一杯の人ほど利用する利点があります。


2023年12月16日追記
マイナンバーそのものは、日本で住民登録しているすべての人に割り当てられています。でも2015年以前に国外に転出した人は持っていないので、外国に住む日本人にはマイナンバーがありません。2024年にはマイナンバーと戸籍を紐付ける予定なので、そうなると日本国籍を持つ人は必ずマイナンバーも持つ事になります。

2024年02月04日追記
保育所の入所申請が2026年度からスマホとマイナンバーカードでできそうです。

2023年12月13日水曜日

パスモやスイカとクレカ

東京の鉄道に乗る時に必要なパスモやスイカが入手困難となっています。スマホに専用アプリで仮想カードとして内蔵させる以外に新たに手に入れる方法はありません。ところで現物のパスモやスイカのチャージに現金しか使えないと知ってましたか。クレジットカードではチャージできません。スマホの仮想カードならできるのに、現物のカードだとできないのは自動販売機がクレジットカードに対応していなからです。アメリカのニューヨーク州マンハッタンには古くから地下鉄があり、改札を通るのにICカードの他にクレジットカードも使えます。Apple Payも使えるので、旅行者にはとても便利です。日本の地下鉄はまだクレジットカードで乗れる路線は少なく、クレジットカードでチャージできる現物ICカードも見当たりません。海外旅行者としては東京でATMから日本円を引き出して、現物ICカードにチャージするという手間がかかります。今は現物ICカードが入手難なので、むしろパスモやスイカの仮想カードをスマホで購入する方が便利となっています。

2023年12月16日追記
海外旅行者用に28日間有効の現物スイカならデポジットなしで空港駅で購入できるようです。

2023年12月21日追記
海外旅行客は使用済みICカードを返却するので、コスト的には鉄道会社の損失です。

2024年02月21日追記
能登地震でスイカがID代わりです。一般には発売してないけど在庫があるようです。

2023年12月12日火曜日

消費支出のマイナス

実質の消費支出が8ヵ月連続マイナス[^1]で、実質賃金のマイナスと同じく景気の足を引っ張っています。ちょうどコロナ禍が終わり物価高が始まった頃から実質の消費支出がマイナスなので、値上げが続く限りマイナスも続くでしょう。可処分所得が減る中で食品が値上がりし、代わりにどの支出が減ったかと言うと衣料品のようです。補助金がなければ電気やガス代もさらに上昇していたはずなので、赤字国債に頼る日本経済が人口減を克服する道は見えません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA080ON0Y3A201C2000000/

2023年12月11日月曜日

大阪万博入場券

大阪万博の前売り入場券が発売となり、時期尚早だという報道[^1]です。入場券は電子チケットだという事で、オンライン販売のみ始まっています。ところが「デジタル機器の操作が苦手な人(主に高齢者)」向けの店頭販売がないとか。電子チケットと言いながら、客のためにIDを登録して購入した後に紙に印刷してチケットを手渡すのでは、旅行代理店のコストが多すぎます。そのうえ半年前にならないと入場日時を予約できず、さらに3ヵ月前にならないとパビリオンの入場予約ができないなど不便すぎます。紙はやめて電子チケットに徹底し、スマホを持っていない人は家族など持っている人が代理で買うという方法で十分ではありませんか。紙を受け付けるとなりすましが可能になり、チケットの転売を防げません。また同じチケットがコピー可能となり、詐欺の温床となります。性善説は制度設計の手抜きです。

^1: https://mainichi.jp/articles/20231206/k00/00m/040/319000c

2023年12月10日日曜日

原発の発電コスト

原発の発電コストを語るとき、人は建設費用と運転費用しか計算に入れません。使用済み燃料の処分費用や福島原発事故の処理費用[^1]は意図的に外されています。もしこれらも計算に入れると、原発の発電コストは太陽光発電や既存の火力発電を大幅に超えます。筆者は60年を越える原発の運転には反対で、もちろん新規の原発にも反対です。耐用年数が来た原発は予定通り廃炉にして、再度の原発事故を防ぐべきです。再生可能エネルギーはコスト的にも有利になっており、日本のエネルギー安全保障にも役立ちます。化石燃料はもとより、核燃料も時代遅れです。ましてやガソリンに赤字国債から補助金を出している場合ではありません。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASRD16QB5RD1UTFK008.html

2023年12月9日土曜日

強欲な仕事

この記事[^1]にある「強欲な仕事」(greedy work)は日本では常識でしょう。会社に忠誠を求める「終身雇用」制度の裏返しとして、長時間労働や同意無き転勤がまかり通っています。それが男女の賃金格差の原因である事は間違いありません。これはまた少子化の遠因ともなっています。それは仕事が気に入っている女性に「仕事か子供か」という選択を迫るからです。終身雇用は「解雇しにくい労働法」に原因があります。本来労働者を守るはずの法律が、結果的に労働者に不利に働くという状況です。法律が制定された時代背景と今では事情が違うので、法律が現状に合わないという事です。労働者に「強欲な仕事」を拒否する権利がなく、嫌なら辞めるしか手がありません。もしこれが変わるとすれば、それは会社の方で長時間労働や同意無き転勤を禁止する場合でしょう。人手不足が「強欲な仕事」をなくす方向に働けば労使双方のためになります。古い考え方の経営者や人事部長が考え方を変えるのに何年かかるでしょうか。

2023年12月8日金曜日

解雇しにくい労働法

なぜ「解雇しにくい労働法」が非正規労働者を増やすかを説明します。景気には山と谷があり、海の波のように上下します。景気の山で人手不足となり正規労働者を増やしてしまうと、景気の谷になった時に企業が大赤字になって倒産します。これを防ぐには谷に合わせて正規労働者を雇い、必要に応じて非正規労働者を増やしたり減らしたりします。非正規労働者が雇用の調整弁として使われるのは、非正規なので解雇が容易だからです。本来そうした労働は最長1年までという縛りがありました。でもこれは小泉政権の時に廃止され、非正規を何年でも続けられるようになりました。ちなみにアメリカの非正規労働者は最長1年で、それ以上続けるには正規労働者として雇用する法律があります。そのかわりアメリカの労働法では、手切れ金による解雇が認められています。いつでも解雇できるなら、景気の山で正規労働者を増やす事に企業は躊躇しません。コロナ禍でのメタバースのブームはそうした労働法の結果です。今なら生成AIブームです。日本はこうしたブームに必ず乗り遅れます。それは「解雇しにくい労働法」が原因です。メタバースは水面下で続いており、生成AIもこのブームがどこまで続くか分かりません。解雇しにくい日本では結果的に非正規労働者が労働者の半分近くになっています。こうした非正規労働者は賃金が低いので、日本の平均賃金は物価ほど上がりません。

2023年12月12日追記
政府の仕事は正社員の賃上げではなく、非正規労働者の賃上げだと思います。

2024年01月20日追記
非正規労働は日本の格差を広げ、労働者の4割を占めています。

2023年12月7日木曜日

ダメダメ日本

日本の実質賃金のマイナスが19ヵ月連続しているという報道[^1]と、日本のデジタル競争力が過去最低で64ヵ国中の32位という報道[^2]には心配になります。首位はアメリカで、アジアでは韓国6位、台湾9位、香港10位となっています。デジタル化の遅れと実質賃金のマイナスには共通の原因があり、それは人件費の安さです。人件費が安く抑えられているため、積極的にデジタル化し人を減らそうという発想になりません。何でも紙に記入させる役所も同罪です。人を解雇しにくい労働法の日本では、賃金よりも雇用を望む労使双方に責任があります。正社員は賃金より雇用を選び、非正規は立場の弱さから高賃金を求める事ができません。日銀は物価上昇率2%なら上出来と考えるので、マイナスの実質賃金は続きます。可処分所得はさらに減り、赤字国債(借金)だけが増えるダメダメ日本です。非正規を減らし、正社員を増やすために人を解雇しやすい労働法に変えるべきです。


2023年12月18日追記
政府が「大丈夫」という言うから国民に危機感がありません。赤字国債を増やしても有権者は痛みを感じないし、マスコミも後ろ向きの話題はあまり取り上げません。日本は泥船です。

2023年12月6日水曜日

制度設計

役所が補助金の制度設計をする時に、性善説[^1]で設計するのは手抜きです。コロナ禍で発熱外来を設けると医者に補助金が出ました。でもどこが発熱外来を設けたかは公表しなかったので、当然黙っている医者もいました。これは制度設計のミスです。そもそも人は性善でも性悪でもありません。補助金制度が導く方に人は流れます。公正な制度には公表が必然で、急いでいたからとか医師会が反対したからという理由で必要な公表手続きを省くのは手抜きです。原則としてすべての補助金はいつ誰にどれだけ交付されたか公表すべきで、それを拒む人に税金を使うのは背任です。正直者が損をする世の中にしてはいけません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/294423

2023年12月5日火曜日

憲法と予算

予備費や予算の目的外流用[^1]は確かに問題です。けれども本当の問題は、1976年から長年に渡って日本が赤字国債を発行し続けている事です。これは憲法違反[^2)であると考えるべきでしょう。本来この問題を指摘すべき野党も、赤字国債を否定したら日本の経済が崩壊するので黙っています。かくして次世代への借金は増え続け、税金から補填される年金や健康保険の持続性が揺らいでいます。出生数も減り続け、いずれ限界が来ます。誰がこのババ抜きで負けるかは明らかです。いま選挙権のない子供やまだ生まれてもいない子供たちです。日本は無責任な大人たちの国になりました。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD211ZW0R21C23A1000000/

2023年12月4日月曜日

ジャニーズと宝塚

重い証言です。元宝塚の人が内部の組織的なイジメを暴露[^1]しています。ジャニーズと同じという点が重いです。民間のブラック企業とも共通してる問題です。もしあなたが宝塚のファンであるなら、このイジメの共犯者です。宝塚がブラック企業であると知ってしまった以上、沈黙するあなたは自動的にそうなります。昭和の悪しき慣習が残る企業は宝塚の他にもあるでしょう。でも知名度の高さで言えば、宝塚はダントツ一位です。他の宝塚出身者も声をあげるべきではありませんか。イジメという人権侵害は法律違反であり犯罪です。そこで黙っているのは共犯です。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/291981

2023年12月3日日曜日

Zoom対新幹線

新幹線の利用がコロナ前に戻っていない[^1]そうです。ビジネス客が減ったという事なので、Zoomに客を取られたという話です。ドル箱の東海道新幹線ですら90%なので、この先リニアが開業しても赤字は間違いありません。既存の新幹線と共倒れです。それを避けるには便数を減らすので、少なくともCO2削減に役立ちます。働く人の利便性を優先すれば出張は減るので、これも時代の流れと思ってJRは新幹線以外の収入を増やしましょう。

^1: https://www.47news.jp/10178191.html

2023年12月2日土曜日

固定資産税

賃貸に住む理由の3位が「固定資産税の負担がない」[^1] となっていて、我が目を疑いました。自分の家賃に固定資産税分が含まれている事を知らないのでしょうか。それとも家主はご親切にも固定資産税を負担してくれていると信じているのでしょうか。家主にとって固定資産税は収入から控除できる税金です。ところが借家人にとって家賃は控除できません。つまり借家人は自分では控除できない固定資産税分を家主のために払っている形です。住宅ローンにも減税があり、自宅を購入する理由はまず第一に合法的節税です。年齢が上がると家は借りにくくなります。結婚したり子供ができたら、良い場所に土地付きの家やマンションを買うのが正解です。場所が良ければ将来値上がりし、優良投資先になります。

^1: https://otonanswer.jp/post/142452/

2023年12月1日金曜日

国別CO2排出量

この2020年のグラフ[^1]によると、日本はCO2の総排出量でワースト5位、国民1人当たりのCO2排出量でワースト4位です。排出量で言えば中国が最も多く、次いでアメリカ、インド、ロシア、日本となっています。ところが1人当たりにすると、アメリカ、ロシア、韓国、日本という順になります。いずれの数値でもアメリカとロシアが多いというのは同じです。日本は小さい国の割には排出量が多く、世界の異常気象にしっかり貢献しています。アフリカ全体と日本の排出量がほぼ同じというのには驚きます。エネルギーコストの高い日本が比較的多くのCO2を出すのには理由があり、工業国である事と再生可能エネルギーの普及の遅れが原因です。アメリカとロシアは産油国でもあり、湯水のごとくエネルギーを使うのは想像できます。ところが産油国でもない日本がCO2の排出量で上位に来るのは問題です。まずは住宅の高断熱化と再生可能エネルギーの普及をもっと進めましょう。家の屋根を業者に貸して、そこで太陽光発電をするビジネスも有望です。ガソリンへの補助金をやめ、炭素税を実現する事も必要です。

^1: https://www.jccca.org/download/66928