2021年12月31日金曜日

成果主義の前提

京セラの稲盛和夫さんは立派な経営者です。彼が言う言葉には納得できる点も多く、尊敬できる日本人だと思っています。でもこちらの意見[^1]には考え込んでしまいました。成果主義は日本以外の国では成功しています。ではなぜ日本では失敗したのかというと、日本は雇用がメンバーシップ型だからです。個人の仕事の範囲やKPIがきっちり定義されていないと、成果主義は使えません。それぞれが適当に目標を自分の都合の良いものだけ選べる日本では、成果主義を使うと小ぶりな成果しか得られません。これに対して日本以外はジョブ型なので、初めから個人の仕事の範囲やKPIが決まっています。上司との面接でどの程度の成果を目標にするかを数値で決められるので、成果主義以外の評価は不要です。成果主義を使わないと、本当は無駄な仕事を一生懸命やる従業員まで高評価されてしまいます。成果主義の前提はジョブ型[^2]であり、それが分かっている経営者は日本にはいません。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/3ffef90a3120db16c6a7cf92f09acb2089ec820d

2021年12月29日水曜日

先進国のエゴ

先進国は歴史上早くから自国の木を切って、畑を作ってきました。ドイツ、フランス、イギリスが農業国なのも、森を切り開いて畑を作ったからです。また木は燃料として貴重で、ギリシャの古代建設に石造りの建物が多いのは、木を建物に使えなかったからです。船は木で作る必要があり、燃やして調理にも使います。だからインドネシアやブラジルが経済発展のために自国の森を畑に変えるのは、当然の権利と言えます。それに対してCO2が増えるから森を伐採するなというのは、先進国のエゴです。自分たちが過去にやった事を棚に上げて、発展途上国を非難しています。もしアジアや南米の森を保護したいのであれば、それにお金を払うべきです。実際には日本を含む先進国がパーム油や牛肉という形でインドネシアやブラジルから森を奪っています。先進国は資金を出して砂漠を森に変えるとか、発展途上国の森に対して現地の人々が豊に暮らせるだけの対価を払うべきです。

2021年12月28日火曜日

森を燃やす

お金がからむとロクな事がないという実例が、バイオマス発電[^1]です。CO2を減らすために始めたバイオマス発電が、その反対にCO2を増やしています。木を切って燃やすけど、植林はしない業者。インドネシアの森を燃やしてアブラヤシを植え、そこから採れるパーム油で発電する日本の施設。木や森はCO2を吸収します。それを伐採した時点で既にCO2を増やしています。そこからバイオマスを化石燃料を使って運ぶわけですから、さらにCO2は増えます。結果的にCO2を増やすバイオマス発電からはしっかり炭素税を取るべきです。


2022年01月29日追記
バイオマス発電が燃料費の高騰で採算が取れず、中止となるそうです。そもそも廃材ではなく海外から輸入したバイオマスを使うという点が間違いの元です。ゴミ発電であるべきです。

2021年12月27日月曜日

ストライキのない日本

アメリカではこのところストライキが盛んです。インフレやコロナ対策でお金がかかる庶民が賃金アップを求めて、数ヶ月に渡るストライキをする事も珍しくありません。有名なところでは食品メーカーのケロッグ、病院チェーンのカイザー、農機具メーカーのジョン・ディアなどでストライキがありました。会社がコロナで儲けたお金を従業員にも配分しろという当然の要求です。先手を打って最低時間給を15ドルに上げたアマゾンのような会社もあります。会社のトップとボトムで収入が大幅に違うアメリカでは、ストライキはいつでも起こりうるイベントです。これに対して日本ではあまりストライキのニュースを耳にしません。雇用がメンバーシップ制のため、給料よりも雇用を重視する労使協調の結果です。年齢による就職差別がまかり通る日本で、首をかけてストライキをするには勇気が要ります。正規だけでなく非正規労働者にもストライキ権はあるので、法律上は誰でも労働組合を作って団体交渉することができます。ストライキがないという事は、その賃金で満足しているという証拠です。

2021年12月26日日曜日

高度人材の日本語能力

日本の企業はメンバーシップ型のため、外国人の高度人材に高い日本語能力を求め、結果的に高度人材を採用できない[^1]というのが本日のお題です。つまり「つぶしのきく人材」をもとめるから、外国人の専門職を雇えないという実態です。せっかく日本に留学してある程度の日本語会話ができるようになっても、専門の能力ではなく日本語の能力で足切りするから、高度人材を逃しています。IT企業の公用語は英語なので、英語で仕事の会話ができれば十分です。雇う側に英語力がないとITエンジニアを日本に呼べないという深刻な問題です。会社をジョブ型の雇用に切り替えるか、またはジョブ型の子会社を作って外国人を雇うなどの解決策が必要です。給料の安い日本で働きたい高度人材は少ないので、人材獲得の面で日本は欧米に負けています。思い切って英語特区を作り、そこでは英語を公用語にする位の変化が必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE048YY0U1A800C2000000/

2021年12月25日土曜日

イスラエルが4回目接種へ

イスラエルが60歳以上を対象に新型コロナの4回目接種[^1]を始めました。つまり1年間で4回接種という事です。予防接種だけでは新型コロナに勝つ事はできず、ウイルスの増殖を阻害する飲み薬やウイルスを中和する抗体薬と合わせて治療可能な病気として扱うのが良さそうです。新型コロナへの抗体は半減期が1ヵ月しかなく、予防注射で重症化は押さえられるものの、感染そのものはなくなりません。そのうえ予防注射に反対する人も多いので、新型コロナと共存するには予防接種の義務化も必要です。

^1: https://www.cnn.com/2021/12/21/middleeast/israel-fourth-covid-vaccine-booster-intl/index.html

2021年12月24日金曜日

目元口元

先日のテレビ番組で、日本人は相手の目元で感情を読み取り、欧米人は相手の口元で感情を読み取ると知りました。つまりマスクで口元を隠すと、欧米人は相手の感情が読み取れなくて困るという事です。これが欧米でマスクが嫌われる理由のひとつかと思います。もともと多民族国家が大半の欧米では、相手の感情が読めないと危険を感じます。だからアメリカなどでは、不意に目が合った時に微笑んだりハローと言って敵意がない事を表します。マスクをしてるとよそよそしい感じになるので、欧米人は本能的にマスクをいやがる可能性があります。その不快感を正当化するのに政治を利用しているのが欧米の姿なのでしょう。

2021年12月23日木曜日

オミクロン化

伝染性のウイルスには一般的に「毒性と感染性が反比例する」という経験則があります。たとえばエボラ・ウイルスは死亡率が50%以上と高い反面、感染者がすぐ発症して動けなくなるので、パンデミックにはならずに済みました。新型コロナ・ウイルスはご存じのように死亡率は1%を下回るものの、感染者が無症状のまま歩き回るので世界中に感染が拡がり、パンデミックを引き起こしました。新型コロナのデルタ株は日本の2021年夏の感染爆発[^1]の原因となり、東京を中心に医療崩壊を招いた一方で、それ以前の感染のピークと較べると死亡率は下がっており、「毒性と感染性が反比例する」状況になっています。もちろんこれには抗体カクテルのような治療薬の進歩のおかげという可能性もあります。そこにオミクロン株が加わり、さらに「毒性と感染性が反比例する」傾向が南アフリカから報告[^2]されています。オミクロン株はデルタ株より数倍感染力が強いため、ワクチン未接種でも症状が軽症で治まるという報告には勇気づけられます。オミクロン株がパンデミックを終わらせるカギになる事を期待します。

2021年12月22日水曜日

アベノマスク

税金の使い方としては最悪の部類に入るでしょう。アベノマスクの費用対効果を表す数値をどこかで見た事がありますか。こちらの記事[^1]によると「マスク調達費は約184億円。このほか配送費などで約76億円」で合計「契約総額260億円」だそうです。また「アベノマスクの在庫15%は不良品 検品費に20億円超」という数字[^2]もあり、「保管費用が6億円以上かかっている」という記事[^3]もあります。ここまでの合計で286億円です。これを日本の人口1億2千5百万人で割るとひとり当たり229円となり、それだけの価値があったのか検証が必要です。ちなみに筆者はマスクがあまりに小さいので使わず、他に欲しい人もいないので捨てました。これは無駄金のひとつだと思います。納税者としては、誰がこんなアホな事を提案したのかぜひ知りたいところです。


2022年02月07日追記
”アベノマスク、雑巾への転用は「有用とは少し違う」 厚労相” 無駄は減らそうよ。

2021年12月21日火曜日

スマートテレビ

インターネットで番組や映画を視る事が普通になったので、アメリカの安いテレビにチューナーは付いていません。当然そうしたテレビには録画機能や番組表もありません。いわゆるスマートテレビで、インターネットにつなげて各社のアプリを使うように設計されています。日本はまだ放送局が広告収入を使って無料放送をしているので、チューナーレス・テレビは一般化していません。そんな中ドンキがチューナーレス・テレビを発売[^1]したそうで、中国製の安価な製品を日本でも売り出したという事かなと思います。アメリカの場合だと広告付きで放送局の番組をネット経由で無料視聴できるアプリもあります。その結果ケーブルテレビや衛星放送を解約する人が増えているそうです。

2021年12月19日日曜日

謎のルール

国の統計の信頼性がまた揺らいでいます。建設業の受注実態を示す数値が二重計上により過大となっていた[^1]そうで、どのくらいの金額が上振れしたのかも分かりません。業者が受注実績を毎月記し、提出する調査票の数値を消しゴムで消して、別の数値を記入していたそうで、その理由は「業者が提出期限に間に合わず、数カ月分をまとめて提出した場合に、この数カ月分の合計を最新1カ月の受注実績のように書き直させていた」ということらしく、その一方で「未提出の業者でも受注実績をゼロにはせず、同月に提出してきた業者の平均を受注したと推定して計上するルール」があるため、二重計上になったという事です。このルールの意味が分かりません。後から合計を記入するなら提出期限に間に合わない分をゼロにしても良いはずです。誰がこんなバカなルールを決めたのでしょう。統計は単なる空欄の穴埋めではありません。政策を決める数字がこの有様では、予算がどんぶり勘定になるのも当然です。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASPDG64YYPDGUTIL03X.html

2021年12月18日土曜日

韓国台湾に抜かれる日本

 日本経済研究センターの予測[^1]によると、「個人の豊かさを示す日本の1人あたり名目国内総生産(GDP)が2027年に韓国、28年に台湾を下回る」そうです。「行政などのデジタル化が遅れ、労働生産性が伸び悩むことが主因だ」とも述べています。無駄な仕事を効率良くマジメにやる日本は、労働生産性が上がらず平均賃金も低いままです。小泉政権時代に非正規労働者の1年という勤続期限を撤廃したのが最初の間違いでした。メンバーシップ制の日本で労働生産性を上げると社内失業者が生まれます。手切れ金による指名解雇ができない日本では、労働生産性を上げる理由がありません。公務員ではもっと顕著で、マイナンバーカードがあってもスマホで投票すらできません。いいかげん韓国や台湾を見習ってほしいと思います。国としても昭和と同じ仕事をしていては他の国に負ける[^2]のは当然です。

2021年12月17日金曜日

韓国も再びコロナ

上手に対処してきたはずの韓国でコロナが急拡大[^1]しています。それに比例して死亡者も増えており、2021年夏の日本の感染と同じパターンになっています。これは恐らくデルタ株が市中感染しているものと思われます。コロナ禍が長く続くと油断するのはどこも同じです。これからクリスマスに向けて人が集まる機会の多い韓国としては、ここで一段踏み込んで感染を抑える必要があり、飲食店の時短営業を復活[^1]させました。イギリスと同じく、ウィズコロナで経済を回すのは難しいという事です。

2021年12月16日木曜日

イギリスの現状

ウィズコロナで経済を回してきたイギリスで、新規感染者が急増しています。このままでは2020年12月に記録した過去最高の新規感染者数を抜きそうです。イギリスのコロナ・ワクチン接種率は約70%[^2]と高いのに、これはどうした事でしょうか。ひとつにはイギリスで主流のアストラゼネカ製のワクチンの感染予防効果が低く、その効果も数ヶ月で消えるからです。もうひとつはオミクロン株がデルタ株を駆逐しつつあるからです。でも幸いな事にイギリスの死亡者数はそれほど増えていません。これは抗体薬やワクチンが重症化を防いでいるからだと見られます。一方ジョンソン首相はコロナのブースター接種を勧めていて、接種完了から3ヵ月経てばブースターを打てる[^3]と言っています。つまりそれだけアストラゼネカ製のワクチンの感染予防効果が速く消えるという事です。専門家の予想通りコロナ・ウイルスは感染や予防注射による抗体が長持ちしないので、オミクロン株が新型コロナの「終わりの始まり」となるかどうかに注目が集まっています。オミクロン株がワクチンなしでも軽症で済むのであれば、ワクチン代わりにオミクロン株に感染するのも手です。

^1: https://www.worldometers.info/coronavirus/country/uk/

2021年12月15日水曜日

平均寿命

日本人の平均寿命は2020年(令和2年)において男性が81.64歳、女性が87.74歳[^1]となっています。つまり2020年に生まれた日本人の平均余命がこれだけという事です。これは将来の見込みであって、今の老人が死ぬ平均年齢ではありません。2020年において80歳の男性は8.5年の平均余命があるし、女性は11.4年の平均余命があります。2020年において60歳の男性は22.5年の平均余命があるし、女性は28.1年の平均余命があります。2020年に60歳の人は1960年生まれですから、その年の男性の平均寿命65.3歳と女性の70.1歳から較べると、寿命は過去60年で17年以上伸びています。年齢別の死亡率で見ると、男女とも最初と最後が高く真ん中が低いというバスタブ型のカーブを描きます。そこで0歳の平均余命は低めに計算され、中年期を過ぎた人の平均余命は高めに出ます。2020年において60歳まで生きた人は、おそらく平均であと30年は生きるでしょう。

2021年12月14日火曜日

ブースター接種

新型コロナのブースター接種が今日のお題です。65歳以上または免疫不全の人、及び医療関係者などはブースター接種が必要となっています。3回目が必要という事は、おそらく毎年ブースター接種が必要という事です。つまりインフルエンザと同じです。期待したほど抗体が長持ちしない[^1]のでブレークスルー感染が起きます。でもほとんどは無症状で済むので、予防注射は大切です。体の免疫が続くためには定期的に病原体と接触する事が必要で、コロナも例外ではありません。毎年ブースター接種をしなくても、知らずに新型コロナに毎年感染してブースター接種と同じ効果を得られる可能性もあります。

2021年12月13日月曜日

人口減少

2020年に行われた国勢調査の結果、その年の10月1日時点での日本の(外国人を含む)人口は1億2614万人と確定[^1]しました。5月の速報値とは0.1%も違いません。5年前の調査から94万人の減少です。これは人口の減少分であって、日本人に注目すると178万人[^2]も減っています。そのかわり外国人が84万人増えたので、差し引き94万人の減少という数字が出ています。これから減少幅は毎年増えて、30年後の2050年には日本の人口は1億人を切ります。その頃には毎年100万人の減少となる予想です。これは人口の1%にあたり、もはや避けられない未来です。それにともない税金の払い手も大幅に減る[^3]ので、未来の税収は激減します。今の日本に税収に合わせて国家予算を減らすという発想はなく、それまでに財政赤字が大幅に増える事は確実です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29AND0Z21C21A1000000/

2021年12月12日日曜日

スタバの服装規定

服装規定を英語で「dress code」と言います。スタバの2016年アメリカ版[^1]服装規定では、当たり前ですが髪の毛の色については規定がありません。アメリカではいろいろな国の人が働いているので、髪の毛の色もまちまちです。衛生上問題がなければ毛染めもかまいません。2021年8月には日本のスタバも髪の毛の色を制限しなくなった[^2]そうで、そもそもそうした制限は日本ぐらいしか見かけません。これは日本人の閉鎖性を表す典型的なエピソードです。髪の毛の色をどうするかは基本的人権に含まれ、学校や会社が制限するのは憲法第十四条違反です。


2021年12月11日土曜日

南アのオミクロン株

どうやらオミクロン株はデルタ株よりも毒性が低く、普通の風邪として扱っても良さそうです。南アフリカ[^1]ではコロナ感染者がすごい勢いで増えているものの、死者は増えていません。WHOもオミクロン株による死者はいない[^2]と言っています。南アフリカでの感染者の増えるスピードから、オミクロン株はデルタ株の数倍の感染力があると考えられます。その一方で感染者は無症状が多く、あっても発熱、喉の痛み、鼻水が一日続くなど軽症がほとんどです。オミクロン株に感染して回復すればデルタ株にも免疫ができると考えられ、オミクロン株が拡がるのは南アフリカにとって吉と出そうです。

2021年12月10日金曜日

上司ガチャ

新しい日本語を覚えました。「上司ガチャ」というもので、上司の当たり外れを指す言葉です。同じ会社でも上司によりテレワークができる部署とそうでない所があって不公平と言う部下の話が記事[^1]になっています。この場合部下はまず上司にテレワークをお願いし、その理由と利点を挙げて上司の説得を試みます。これが不成功の場合、次に人事に相談します。これも失敗の時は、他の部署に移るか上司の上司に相談します。この時点でもうこの上司はダメだと見切りを付けているので、最後の手段は転職です。優秀な部下を失う上司は評価が下がるので、ダメ上司を減らすには部下がダメ出ししないといけません。筆者の経験で言うと2割の上司はダメです。そういう人に当たったら、アメリカならすぐ部下が辞めます。日本は転職が難しいので、ダメ上司の割合はもっと高いでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC258HM0V21C21A1000000/

2021年12月9日木曜日

無症状感染

コロナ対策の難しい点は、無症状感染が多いという事です。これには感染初期でまだ症状が出ていないという場合と、感染しているけど免疫のおかげで症状は出ていないという場合が含まれます。デルタ株では3割から4割は無症状感染となっており、オミクロン株だともっと割合が多いと予想されます。日本は濃厚接触者以外の一般の人が無症状のままコロナの検査を受けられる体制にはなっていないので、オミクロン株の市中感染を検出するのが難しくなっています。その反面それほど無症状の割合が多いなら、普通の風邪の原因となるコロナ・ウイルスと同じ扱いで良いという判断にもなります。今はオミクロン株に過剰反応している国々も、年が明ける頃には渡航制限を廃止する可能性が高いとみています。

2021年12月8日水曜日

衰退する国

技能実習生という名前の外国人労働者[^1]がコロナのせいで日本に入国できず、彼らに頼っていた農業や産業が困っています。そうした農業や産業は給料が安すぎて日本人がやらない仕事なので、技能実習生という現代の出稼ぎを利用しています。つまり生産性が低すぎる農業や産業を無理に維持しようとすると、外国人労働者が必要になります。彼らの出身国と較べれば、日本の安い給料も本国だと十分な収入になるから[^2]日本に来ます。日本の農業や産業が外国人頼みとなると、現場の大切なノウハウが日本人に継承されず、長い目でみると国は衰退します。これは日本だけではなく他の先進国でも起きている問題です。生産性を上げたければ給料を上げるのが一番です。すると日本人にも魅力的な仕事となり一石二鳥です。経営者は低い生産性のままでは仕事を続けられないので、高い生産性を持つ経営者に仕事を奪われます。現状維持では生き残れないため、常に機械化や規模の拡大といった合理化を考えるようになります。こうして日本の生産性は上がって行くのです。生産性が低すぎる農業や産業には退場してもらわないと、日本は衰退していきます。

2021年12月7日火曜日

アルバイト

正社員制度を年収ベースの無期雇用と有期雇用のふたつに解体すると、残るのはアルバイトです。アルバイトは時給ベースで、短期間だけ雇用するのに適した労働者で、農作業とかスキーシーズンのスキー場や夏の海の家などを想定しています。これが短期間ではなく常に仕事がある場合、それにアルバイトを当てるのは低賃金の雇用につながり、問題です。そこで最低賃金として時給を決め、これを高めに設定する事で対処します。この最低時給はアルバイトだけに適用され、年収ベースの労働者には関係ありません。最低賃金を上げれば物価は上がります。でもアルバイトの雇用が減る事はありません。

2021年12月6日月曜日

生き締め

「イカやタコも苦痛感じる」[^1]という当たり前の事が話題になっています。キリスト教では人と動物を区別し、神は人に動物を含む自然を自由に利用する事を認めたとなっています。動物を殺す事を宗教が正当化したわけです。そこで何をもって人と動物を区別するかが問題となり、「知能」であったり「知覚」が使われます。ところが生物はすべて「苦痛を感じる」はずです。なぜなら生存の危機に苦痛を感じない生物は生き残れないからです。少し前までは魚も苦痛を感じない[^2]と誤解されていました。イギリスの動物福祉法では、苦痛を感じる生物を生きたまま茹でるのは不適切となるそうで、すると生きたイカやタコを茹でるには、直前に神経を切り離す必要がありそうです。これは日本の「生き締め」技術を世界に広める良い機会かと思います。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/fe0394b3f3f8d2e1e3ae2054946db2ffbf64b812

2021年12月5日日曜日

オミクロン免疫

コロナのデルタ株より感染力が強いとされるオミクロン株が、もしワクチン未接種者に感染しても軽症で済むのであれば、これはパンデミックを終わらせるカギになる可能性があります。一度オミクロン株に感染して回復すればコロナへの免疫ができ、次にコロナに感染しても無症状か軽症で終わるなら、コロナは普通の風邪となります。今のところ南アフリカの感染者は若者が多いので、高齢者がどのくらい重症化するのかというデータがなく、オミクロン株をワクチン代わりに使えるかどうかは分かりません。

2021年12月4日土曜日

温泉権買い取り

このコロナ禍で廃業寸前の温泉宿は多いと思います。そうした温泉の温泉権を国が買い取って、宿のかわりに小型地熱発電所を作るのはどうでしょう。発電に必要なのは熱だけなので、発電に使った温泉水はまた地中にもどします。ちょうど不人気なゴルフ場が太陽光発電所になったように、人気のない温泉地は地熱発電所に最適です。また国立公園内の開発でも、法律を変えて地熱発電所の設置を可能にしたら良いと思います。日本の電力の3割は石炭火力で作っているので、これを地熱発電におきかえたら良いと思います。

2021年12月3日金曜日

変異株流入

空港の検疫でオミクロン株が見つかり、日本でもオミクロン株を使った実験ができるようになりました。コロナ・ウイルスはほかの細胞に感染しないと増殖できません。ようやくオミクロン株を手に入れた事で、今後はオミクロン株がワクチンや薬に対してどう反応するか調べる事ができ、日本の製薬会社に役立ちます。オミクロン株をターゲットとした試薬を開発して、変異株のスクリーニング[^1]を再開する事もできます。空港の検疫で新しい変異株が見つかるのは良い事でもあるのです。

2021年12月2日木曜日

ウイルスのゲノム解析

日本のコロナウイルスは、その5%から10%しかゲノム解析[^1]されていません。大半の検体はゲノム解析に回されないので、最初に変異株が見つかるのはもっぱら空港で陽性となった検体です。空港検疫での陽性検体は必ずゲノム解析に回すので、あたかもそこが最初の検出場所のように見えます。でも南アフリカがオミクロン株を公表する前に、オランダでそのウイルスに感染した人がいた事[^2]が分かっています。日本の変異株スクリーニング検査で使っている試薬ではオミクロン株を検出できないので、最近の国内検体をゲノム解析すればオミクロン株が見つかる可能性があります。ただし今のところこの変異株による重症化は世界的に報告されていません。

2021年12月03日追記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC034VK0T01C21A2000000/
「東京都、オミクロン対応のPCR検査開始 1日以内で判別」朗報です。

2021年12月1日水曜日

家庭内感染

日本の水際対策では海外からのウイルス流入は防げません。一般に変異株が生まれてから検出されるまで数週間から数ヶ月の時間がかかります。変異株が発見された時には、その変異株はその国では相当拡がっているので、ほかの国[^1]にもうすでに入っています。それに感染して間もない場合PCR検査でもウイルスを検出できないので、海外旅行者が知らずにウイルスを持ったまま空港から自宅に戻り、そこで家庭内感染を起こします。無症状感染なので本人はもとより、家族も知らないまま感染を拡げます。コロナと共生すると決めた以上、変異株の市中感染は避けられません。国民にできる事はワクチンで自分と家族を守り、感染しても軽症で済む体にするだけです。デルタ株の時と同じく日本にも新しい変異株は当然もう入っているはずです。


2021年12月06日追記
上記の穴をふさぐため、指定地域からの帰国者はコロナ陰性でも指定施設での3日間の隔離が必要になりました。その後のPCR検査で再度陰性なら自宅に戻る事ができます。この指定地域というのがくせ者で、空港のトランジットでも感染するオミクロン株の場合、指定地域以外の国から帰国した人も対象にしないと穴は残ります。

2021年12月11日追記
指定地域以外の国から帰国した人で自宅待機中にオミクロン株の感染が分かった事例です。

2021年12月19日追記
空港検査で陽性が分かるのは3分の2で、残りの3分の1は検査をすり抜けています。

2021年11月30日火曜日

日本の双子の赤字

日本の財政赤字を表す表現が「ワニの口」[^1]です。それは収入と支出の差を表し、この差は1990年のバブル崩壊のあと常に拡がっています。赤字国債の発行と日銀の買い入れでこの赤字を埋めるので、2020年度を除くとこの10年で毎年40兆円ぐらいの赤字額となっています。2020年度はコロナ対策のため、その赤字額が倍以上に膨れあがりナント100兆円を越えて過去最高となりました。日銀による買い入れとマイナス金利には限度があり、どちらも限界に近づいています。アベノミクスは不発に終わり、時間稼ぎをしていた日銀もガッカリです。JT株やNTT株[^2]を売る事で赤字を多少減らす事は可能でも、その売却可能額は数兆円しかありません。しかも赤字は毎年発生するのに、株は一度売ったらそれでおしまいです。税金で経済を活性化するという方法はバブル崩壊のあと30年間にわたり失敗が続いています。つまり税金を使った以上に税収が増えていません。しかも増大する国民健康保険や国民年金保険の赤字にまで税金を投入しています。少子高齢化という人口赤字と財政赤字(日本の双子の赤字)は今までの方法では解決できません。すると円安が続くので、輸入物価はじりじりと上がります。収入が増えずに物価だけが上がる「悪いインフレ」[^3]の到来です。

2021年11月29日月曜日

地球温暖化と油断

まことに見事なブーメランとなっているのが、地球温暖化対策と原油不足です。化石燃料への投資を止めれば、原油不足は免れません。今まで石炭を使ってきた国が石油やガスを使うので、その分石油やガスが不足します。ところが化石燃料への投資は抑圧されているので、原油やガスを増産する事はできません。バイデン大統領が産油国に増産を要請しても、産油国は「まずアメリカがシェールオイルを増産するのが先」[^1]と動きません。当然ですね。世界一の産油国はいまやアメリカです。そのアメリカが地球温暖化対策のために化石燃料への投資を止めているので、誰も動けません。アメリカに残された道は緊急事態という理屈でシェールオイルを増産するか、あるいはサウジアラビアに投資して原油増産を助けるかです。備蓄原油の放出は焼け石に水ぐらの効果しかなく、それはバイデン大統領も承知しています。安い石炭を禁止するなら、エネルギー価格が上がるのは仕方ありません。その結果再生可能エネルギーが相対的に安くなるので、日本は再生可能エネルギーに投資する良い機会になります。湯水のごとく化石燃料を使えた時代は終わりました。

2021年11月28日日曜日

オミクロン株

新しいコロナ変異株のオミクロン株が南アフリカで増えています。デルタ株を凌ぐ勢い[^1]なので、その感染力は相当なものです。南米に多かったラムダ株やガンマ株[^2]は結局デルタ株ほどには広まらず、世界的に生き残ったのがデルタ株でした。ところがオミクロン株には多くの変異が見られるそうで、いわばコロナのラスボス登場です。こうした複数の変異はウイルスが長く体内にとどまり数多くの増殖を繰り返した結果とされ、免疫不全者の慢性感染が原因と考えられます。南アフリカにはHIVに感染した人が多いので、その可能性はあります。香港ではブレークスルー感染も確認されており、ワクチンがどれだけ重症化を防げるかは各国で調査中です。デルタ株の時と同じく、ニュースになった時点でもう既に日本にも入っていると考えるべきです。でも基本的なマスク着用と3密回避で再度の感染爆発は防げると期待されます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB00017_W1A121C2000000/

2021年11月27日土曜日

みずほ銀行

最初に言っておくと、筆者はみずほ銀行の利用者ではありません。旧富士銀行にあった口座はとっくの昔に閉じました。そのみずほ銀行でCIOを勤めているのが人事畑出身者[^1]というのが今日のお題です。システム部門の軽視がみずほ銀行の根本的な問題であり、銀行業務がシステム業務だという認識がトップにないのは問題です。アメリカの銀行はアプリでほとんど何でもできるように進化しました。小切手の現金化ですらアプリで小切手の写真を撮ればおしまいです。このため窓口がどんどん減って、浮いた人件費をシステム強化にあてています。少額送金にはVenmoとかZelleといった無料サービスが登場し、銀行からは小口送金業務が減っています。日本も銀行間の小口送金業務を早く無料化しないと、ナントカペイという無料サービスに食われてしまいます。するとペイアプリが銀行になるので、そこが顧客との接点になり従来のビジネスモデルは崩壊します。銀行に残る仕事は企業相手の融資だけになり、自前のATMや窓口を持たない銀行が繁栄します。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB262120W1A121C2000000/

2021年11月26日金曜日

アメリカの大問題

歴史が浅いアメリカには意外としぶとい保守層があり、いまだにヤード・ポンド法を使っています。温度は華氏だし、長さはインチとフィートです。まるで19世紀のような度量衡がまかり通るのは、輸入が輸出より多かったので相手の国に合わせる必要がなかったというのも理由です。そのうえ大きな格差問題があり、信心深くて科学を無視する底辺の保守層がコロナ・ワクチンの接種に反対しています。神様が守ってくれるからワクチンは要らないとか、エリートの言う事は信用できないからワクチンを接種しないと否定する人たちです。その保守層を支持基盤として大統領になったトランプが、まだ大統領のうちにこっそりコロナ・ワクチンを接種していたのは皮肉です。

2021年11月23日火曜日

雇用改革

日本にはびこる「無駄な仕事」については、この記事[^1]と筆者は同意見です。雇用がすべてに優先する日本では、無駄な仕事をなくすと社内失業者が増えるので無駄な仕事がなくなりません。生産性は上がらず、対外競争力の欠如から現状維持も難しくなっています。国家公務員も無駄な仕事[^2]で残業に追われるし、いくら効率良くやっても無駄は無駄です。そこで法律を変えて定年制度と年齢(生年月日)による就職差別を禁止するとともに、手切れ金による指名解雇を合法化して変わり身の速い日本に変わる必要があります。さらに正社員制度を解体して、雇用をジョブ型の有期雇用と無期雇用のふたつに分けます。有期雇用は最長1年までとし、無期雇用は年収制にすることで残業を減らします。この雇用改革で失業率は一時的に上昇するので、それを正当化できる政治家が日本にいるかどうかは疑問です。

2021年11月22日月曜日

100年に一度

コロナ・パンデミックが100年に一度の災厄とすれば、2011年の東日本大震災も100年に一度の大地震・大津波でした。事故を起こさないはずの原発が事故を起こし、これも100年に一度の大災害に含まれるでしょう。こう100年に一度が続くと、またすぐ次の「100年に一度」級の災害が来るのではないかと思ってしまいます。それは首都直下地震や南海トラフ巨大地震でしょう。それぞれの出来事は無関係ながら、100年に一度はこの10年間で2度起きています。「二度ある事は三度ある」という諺もあるように、もし次の大地震が今から10年以内に起きると、日本経済にはほぼ回復不能なダメージ[^1]になってしまいます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD171180X11C21A1000000/

2021年11月21日日曜日

赤字国債

日本の財政法において「赤字国債」は禁止されています。ところが政府の支出は収入の倍近いので、特例法を作って毎年の「赤字国債」を正当化[^1]しています。背に腹は替えられないというわけです。子供や孫の世代が増税という形で返さなければいけない赤字国債を正当化する理屈はただひとつ、こんなに便利で住みやすい国になったのだから、その費用を払えという事です。つまりインフラ利用料です。この理屈に対する反論は、まず子供や孫の世代には選挙権がないのに負担だけ押しつけられているという事と、インフラの保守費用を払うのは子供や孫の世代だという事です。また大人は子供により良い国を残すのが義務だとすれば、国債残高が無制限に積み上がる現状はその義務に違反しています。コロナにより誰も「赤字国債」に反対出来なくなった日本で、円安だけが確実に進みます。


2021年12月17日追記
「国債発行残高、1000兆円突破へ 財政悪化の底見えず」もう誰も責任を取りません。

2021年11月20日土曜日

抗原検査とネット販売

日本ではコロナ抗原検査キットをネット販売[^1]できません。「無症状感染者を誤って陰性判定するリスク」があるというのがその理由です。でも自宅で手軽に検査できるキットを薬局で対面販売で手に入れないといけないという規制があると、検査そのものを省いて「無症状感染者が知らずに出歩くリスク」もあります。コロナ抗原検査キットを無料で配布する英国のような国もある中で、日本は相変わらず及び腰です。アメリカでは症状がなくても無料でコロナのPCR検査を受けられます。岩盤規制が強い医療分野で規制改革が進まない理由は、医師会の政治力と厚労省の不作為です。国民が不満の声を上げないと規制改革は進みません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA179HG0X11C21A1000000/

2021年12月24日追記
わざわざ出歩いて薬局に行かないと検査キットを買えません。矛盾してます。

2022年08月12日追記
やっとネット販売を解禁するとのこと。半年おせーよ。

2021年11月18日木曜日

衣食住から住食衣へ

日本でのお金のかけ方は「衣食住」つまり衣類、食事、住居の順です。最後に住居が来るため、けっこう狭くて住みにくい家に住んでいる人が少なくありません。いわゆる「ウサギ小屋」です。食事にお金をかけるのは「医食同源」だから当然として、最初に来る衣類がくせ者です。こちらの記事[^1]によると、日本に輸入される年間80万トンと国内で生産される年間2万トンの合計82万トンの衣類のうち、51万トンが廃棄されるそうです。リサイクルされるのは27万トンで、残りの4万トンは在庫になります。何回か着た後で廃棄される衣料がこんなに多いのは問題です。流行遅れとかサイズ違いで着ない服は邪魔なので、廃棄されるのは当然です。売れ残りの衣類も最終的には廃棄です。つまり燃やすか埋めるかです。なんともったいない事か。流行を追わずに定番の衣類を着ていればいいのに、販売店の売り込みに釣られて流行の衣類を買う人が多いのでしょう。着道楽という言葉もあるように、日本には衣類にたくさんのお金をかける人がいます。それが回り回って地球温暖化を促進しているので、廃棄される衣類はもっと減らす必要があります。そこでお金をかける順番は「住食衣」に変えましょう。法律で住居にひとり当たりの最低面積を設定し、極端に狭いアパートや家を禁止します。長持ちする家に住めば、それだけ木材やエネルギーの節約になります。

2021年11月16日火曜日

ポスト・コロナ

日本の2021年7月から9月のGDPがその前期と比べてマイナス[^1]となり、東京オリンピックがコロナ禍の景気にあまり影響しなかった事が分かりました。もちろん半導体の不足やエネルギーの高騰など他の要因もあり、コロナだけが原因ではありません。原因がコロナだけではない以上、コロナが終わっても景気がすぐ良くなるとは期待できません。その中で飲食店を中心にアルバイトの時給が上がっているのは朗報です。今までが安すぎたので、アルバイトや介護職、保育職の給料はもっと上がって良いと思います。昭和にできた紙とハンコの制度が今でも続く日本で、ポスト・コロナの経済は行政の合理化が進むかどうかにかかっています。以前の経済に戻るという後ろ向きの発想では前に進めません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/142837

2021年11月15日月曜日

革新的イノベーション

この日経の記事[^1]では「革新的イノベーション」は(既存の)企業の業績に寄与しないとなっています。むしろ「漸進的イノベーション」の方が企業の成長に関係するそうで、納得できる内容です。なおアップルのiPhoneは「革新的イノベーション」ではありません。それまでにBREWというアプリ環境[^2]が走る携帯電話が既にあり、またBlackBerry[^3]というキーボード付きの携帯電話もありました。もう誰も覚えていないでしょうけど、その数年前にアップルが出したNewton[^4]というPDAが失敗し、アップルは会社として追い詰められていました。ところがソニーのWalkmanが大ヒットとなり、それにヒントを得てアップルがiPodを出しました。デジタル化された音楽をインターネット経由でiTune Storeから買うというビジネスモデルと、CDの音楽も取り込めるという操作性の良さから、iPodはWalkmanを駆逐してアップルの成長に貢献しました。この延長線上にiPhoneがあり、タッチスクリーンを使ってキーボードをなくした携帯電話として大ヒットしました。「革新的イノベーション」だったNewtonが失敗して、「漸進的イノベーション」だったiPodとiPhoneがアップルを大躍進させたのは事実です。それまでの世の中にないNewtonのような製品は、消費者にとって使う意味が分かりません。iPhoneはNewtonの持っていた機能まで取り込んで、まさに「利口な電話」(スマートフォン)として売れたのです。だから10歩先をいくような製品ではなく、1歩先を行くぐらいのイノベーションが(既存の)企業には必要です。テレビならスマートテレビ、掃除機ならルンバのようなスマート掃除機、いずれ自動車もスマートカーになるでしょう。「革新的イノベーション」で成功したのはSNSで、これはスタートアップに適した製品です。もし既存の企業が「革新的イノベーション」をやりたいなら、子会社を設立してそこに任せるのが一番です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC26BP50W1A021C2000000/

2021年11月14日日曜日

外資系のジョブ型雇用

外資系に勤める理由の一つが高給[^1]です。でも外資系だとある程度の英語が必須となり、純日本的な会社から転職する人は躊躇します。このサイトを訪れる方は外資系で働く事に興味がある人もいるので、外資系特有のジョブ型雇用[^2]を説明します。日本以外の国ではジョブ型雇用が普通で、仕事の中身や責任範囲、予想される出張の量や必要な学歴などがあらかじめ決まっています。これらを記述した書類が職務記述書で、雇用契約の一部となります。ただしその仕事が何らかの都合でなくなると、手切れ金で解雇される事もあります。そうした解雇条件は雇用契約に書いてあり違法ではありません。職務記述書に書いてない仕事をやる義務はなく、会社都合での転勤もありません。定年も終身雇用も年功序列もなく、採用時の年齢制限はもとより就職希望者に年齢や性別を尋ねるのは違法です。結婚しているか、子供がいるかも尋ねてはいけません。この制度で働く人は「正社員」ではなく「無期契約勤務者」として年収をもらい、年齢ではなく仕事の経験で年収[^3]が決まります。ひとつの会社に一生勤める人は珍しく、数年で新しい経験やより高い収入を求めて転職するのが普通です。その道のプロとして雇われるので、経験者が優遇され学卒の未経験者は敬遠されます。そこで学生はインターンで経験を積み、自分のプロとしての価値を高めてから大学を卒業します。

^1: https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM058I7005102021000000

2021年11月13日土曜日

かもしれない

最後が「かもしれない」で終わる意見はゴミです。最後にちゃんと言い切れないのは、自分の意見に自信がないか、または反対意見を恐れて自分の立場を曖昧にする意図があります。つまり「かもしれない」は逃げです。明日の天気は「晴れかもしれない」とか「雨かもしれない」という天気予報を信じますか。どうしても言い切れない時は、せめて「という可能性がある」という言い方で終わりましょう。説得力のある意見を述べたいなら、最後に「かもしれない」を使ってはいけません。特に結論の文章を「かもしれない」で終わったら、腰砕けもいいところです。

2021年11月12日金曜日

エネルギーの自給自足

日本にはエネルギーの自給が必要です。日本の太平洋側は年間を通じて日照時間が長く、すべての家の屋根で太陽光発電が可能なので、電気の自給自足ができます。問題はコストなので、税金による低利の融資で自家発電を後押しすれば、日本の将来にとって良い投資となります。電池も低価格化が進み、それぞれの家で電気の自給自足が普通になります。それでも熱源としての水素は必要で、これは風力発電や潮力発電、地熱発電や水力発電で作った電気で水を分解する事で自給自足ができます。50年後の日本は再生可能エネルギーで自給自足できる国になるというビジョンを国のトップが宣言するべきです。真夏の太陽も発電に役立つと考えれば、日本には緯度の高い欧州に較べエネルギーの自給自足に有利な条件が揃っています。

2021年11月11日木曜日

抗体検査

日本のコロナ感染者数が激減した理由について専門家の意見[^1]は分かれています。インドの感染爆発が収束した理由については、あるインドの専門家は国民の9割以上がコロナの抗体を持っているから[^2]と言っています。日本は抗体検査が不十分なので、国民の何割がコロナに感染したのか不明です。若者は無症状感染が多いので、報告された感染者の何倍もの人数が実際には感染したはずで、1万人ぐらいのサンプリング検査をすればあまりコストをかけずに国民の抗体保有率が分かります。その結果若者の抗体保有率が少なければ、この年代のワクチン接種をさらに加速する必要があるので、この検査は一石二鳥です。

2021年11月10日水曜日

どっちやねん

日本政府が新たに示した外国人入国の条件[^1]が細かすぎます。素直にみれば誰も日本に来て欲しくないのかと思えて、来て欲しいのか欲しくないのかどっちやねんとツッコミたくなります。ワクチン接種完了者で空港の抗原検査で陰性ならフリーパスにすべきところを、恐ろしく細かい活動計画だの宣誓書だのを要求しています。自分たちの責任を回避したい意図は分かりますが、やり過ぎです。国内ではワクチン接種完了者に行動の自由を与えているので、これでは外国人差別です。同じ条件なら数の多い日本人入国者がワクチン変異株を日本に持ち込む可能性が高いのが現実です。ここは日本人と外国人で入国時の条件を同じにすべきです。「羮(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く」のは止めましょう。

^1: https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/cp/page22_003380.html

2021年11月27追記
海外から戻るとワクチン完了者でも感染者扱い。非科学的です。

2021年11月9日火曜日

東京のコロナ増加

前の週と較べて東京の11月8日と9日の新規コロナ患者数[^1]は増えています。つまり次の波が始まったという事です。でもワクチン接種率が7割を超えているので、この波は第5波のような大きなピークにはならないと思われます。冬に向けて経済再開は慎重に進めるべきで、ワクチン完了者を中心に徐々に制限を緩めるのが肝心です。去年は秋に感染が終わったと勘違いしてGoToプログラムを一気に始めたため、冬の感染拡大を招きました。そこから学んで、GoToの利用者をワクチン完了者に限定し、ワクチン未接種者が無症状感染を拡げないような方法が必要です。日本の強みは全員がマスクに賛成している事で、このまま人流を抑えれば冬の感染爆発は避けられます。その間に子供へのワクチン接種を加速し、人口の9割がワクチン接種を終えるまではマスクと3密回避を続けましょう。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/141796

2021年11月8日月曜日

シリコン・バレー

この記事[^1]を読んで思い出したのは、アメリカのシリコン・バレーと日本のビット・バレーの違いです。シリコン・バレーの強みは①世界最高の頭脳が集まるスタンフォード大学やノーベル賞受賞者が二桁もいるUCバークレー校があること、②風光明媚で夏は涼しく冬は暖かいSFベイエリアが移民者に優しいこと、③ビジネスで成功した金持ちがベンチャー・キャピタルを通じて新しいビジネスに投資する文化があること、の三つというのが定説です。ところが日本と較べるともっとも大きな違いは④雇用形態がジョブ型なので人材の流動性が高く、⑤有名大学を出ても大企業には行かずにベンチャー企業で一攫千金を狙うのが若者の常識であり、⑥賃金も「医者、弁護士、エンジニア」の順でとても高いという事です。こうしてみると、日本が逆立ちしてもシリコン・バレーには勝てない事が分かります。日本には世界最高の頭脳が集まる大学はないし、気候は雨が多くて夏は蒸し暑く移民はほぼゼロだし、雇用形態はメンバーシップ型で流動性が低く、エンジニアの賃金もつい最近まで「士農工商エンジニア」と言われるほど低いものでした。特に雇用形態の差が大きく、ジョブ型ならたとえ勤め先のベンチャー企業が潰れても、その経験を生かして他の企業に入る事は簡単で、しかもアップルで働いていた人がグーグルに移り、数年して今度はフェイスブックに移動して、さらにネットフリックスに移るというような高い流動性のおかげで、技術がひとつの企業に偏る事がありません。この豊富な人材を求めてシリコン・バレーで起業するベンチャーが多く、世界中から人と金が集まる仕組みがあります。

2021年11月7日日曜日

石炭だけじゃない

化石燃料はすべて燃やすとCO2を出します。同じ燃焼カロリーあたり[^1]でみると石炭のCO2排出量が一番多いので、排出係数の比として石炭を10とすると原油が7.5で天然ガスが5.5です。つまり石炭火力発電[^2]だけを止めてもCO2はあまり減りません。石炭は安いので、発電コストまで考えると植林の方がCO2を減らすには効果的です。炭素税を導入して排出するCO2に応じた税金をかけ、そのお金で再生可能エネルギーや植林に投資した方がお金が生きます。炭素税があれば自然に石炭の利用は減ります。若者だって電気のない世界に戻りたいわけではありません。すべての国が十分な炭素税を導入するまでCO2の排出量は増加します。石炭を追放すれば済む話ではなく、どれだけ高い電気代なら許されるのかという話です。石炭を止めようと言う前に、炭素税[^3]を増やそうと言うべきです。

2021年11月6日土曜日

1家に1台

日本の(自動2輪と軽自動車を含む)自家用車の保有率をみると、平成28年度のデータ[^1]で1家に1.06台、人口ひとり当たり0.47台となっています。1家に1台になったのは平成8年(1996)で、令和3年には1家に1.04台という数値もあり、ここ数年で車の保有率は下がる傾向にあります。都道府県別では福井県がトップで1家に1.71台、最下位は東京都の1家に0.42台です。全国平均だとふたりに1台という割合です。東京や大阪などでは日常生活に車はほぼ不要なので、公共交通手段が少ない地方で複数の車を所有する家があります。今後は電気自動車の時代になるので、日本は電気の自給自足を目指しましょう。

2021年11月5日金曜日

コロナ飲み薬

これは朗報です。ファイザーのコロナ飲み薬が入院・死亡リスクを9割下げる[^1]そうで、ワクチンに匹敵する効果です。これが普及すればワクチン反対派の人も死ななくて済みます。もちろん薬に副作用は付きものなので、新しい飲み薬に反対する人もいるでしょう。それは個人の選択なので、コロナによる死亡がゼロになる事はありません。でも$700で済むこの治療がワクチンに次ぐコロナへの切り札になる事は間違いありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB05BNW0V01C21A1000000/

2021年11月4日木曜日

自己矛盾

元皇族の眞子様を追う報道はもう止めたらと思います。結婚で普通の人になったのだから、その動静を報道するのはプライバシーの侵害です。この報道[^1]は自己矛盾もいいところで、「もう一般人だから手を振る必要はない」と言いながら、その一般人の様子を事細かにニュースにしています。視る方もこうした報道にはダメ出しをするべきでしょう。この調子ではこの先皇族と結婚する人はいなくなります。皇族は芸能人ではありません。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/c49c51b8d95a3d702ba07b39c2d43f1951f5b25a

2021年11月3日水曜日

正社員問題

日本の会社には「正社員」という制度があり、メンバーシップ型雇用の中核をなしています。基本的に「正社員」は何でもやる人であり、定年があってそれまでの雇用が保障されています。会社側が指名解雇する事は判例上できません。この制度には法律上の裏付けはなく、ただ今まではそうだったという事です。先進国の真似をしていれば経済成長できた昭和の時代には、この制度が日本の役に立ちました。既存の製品をより安く作って輸出するというモデルがうまく機能した時代です。でもこれは他の国でも可能なモデルなので、中国、韓国、台湾、ベトナム、インドネシアなどアジア諸国が日本を真似した今では、日本は外需による成長ができていません。内需も人口が減るので毎年減少しています。経済成長には無駄な仕事をやめて、お金になる仕事に人を割り当てる必要があり、その過程で失業者が増加します。会社内で失業者が出た場合、指名解雇はできないのでなかなか無断な仕事が減りません。これを打開するにはメンバーシップ型雇用をジョブ型雇用に変える必要があり、それは「正社員」制度の廃止と同じ意味を持ちます。「正規」と「非正規」の区別や定年がなくなる代わりに、手切れ金による指名解雇ができるようになります。労働者は「有期契約」か「無期契約」を選ぶ事ができ、法律で「有期契約」は最長1年までと決めます。でも日本のメンバーシップ型雇用が成長の足かせだという認識を持つ政治家は少ないので、メンバーシップ型雇用をジョブ型雇用に変える法改正は議論にもならず、「非正規」が賃金の重しになっています。無駄な仕事をたくさん抱え込んだ日本が他の国に負けるのは、正社員制度が原因なのです。

2021年11月2日火曜日

景気回復?

日本の人が「景気回復」と言う場合、どのレベルまで戻る事を期待するのでしょうか。コロナで潰れた経済は、今後ワクチンの普及とともに数年で2019年のレベルには戻ります。インバウンド観光も復活するし、円安で海外のお客も増えます。ただし昔のレベルに戻っても、何もかもが以前と同じとはなりません。消費者物価は高いし、消費税もまた上がります。少子高齢化もいっそう進んで、財政赤字は今より増えます。つまり時代は変わり、かつての状況には2度と戻りません。だから「景気」は「回復」ではなく「好転」すると考えた方が間違いありません。海外との競争は進むし、韓国、中国、台湾に日本の産業が負ける場面も増えるでしょう。人口が減少する日本で需要は時間とともに減ります。昔と同じでは衰退するだけなので、先に進むにはどうすれば良いかを考えましょう。

2021年11月1日月曜日

水素とエネルギー源

水素はエネルギー源ではありません。それはエネルギー媒体[^1]であり、水素を水から生成するには電気が必要です。石油や天然ガスと違って、水素は地中から手に入れる事はできません。そのかわり太陽光発電で余った電気で水から水素を生成するとか、人工光合成で水と太陽光から水素を生み出す事はできます。つまり蓄電の難しい電気を水素に変え、これをエネルギー媒体として使う事はできます。水素は酸素と合わせて発電に使え、また熱源としても利用できます。化石燃料から水素を抽出すると二酸化炭素が残るので、地球温暖化という観点からは利点がありません。既存のガス管を使ったりガス用内燃機関の手直しで水素を使うのなら、変更に必要なコストはだいぶ少なくなります。ただし理想は電気をそのまま使う事で、電気を水素に変えると効率が落ちるし、再び水素を電気に変えるとまた効率が落ちます。なお運搬の難しい水素を液体アンモニアの形で運搬する方法もあり、遠くからエネルギーを移送する場合に使えます。日本はまずエネルギーを自給できるようにすべきで、すべての屋根に太陽光発電パネルを置くとか、遠浅の海に風力発電プロペラを置く、さらに瀬戸内海で潮流発電を行うとか、国立公園内での地下地熱発電所を可能にするなどで、コストを上げずにエネルギーの自給は可能です。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/4b48fc593dd227a1a03f43e712f5188d1ccc1dc4

2021年10月30日土曜日

パン屋の朝

偶然「パン屋開店時間問題」なるブログ記事[^1]を読んだので、パン屋ではない筆者の意見を書きます。確かに出来たてのパンを朝食に食べたい人にとって、10時開店では遅いでしょう。でもこの記事にあるように開店4時間前から仕事となると、手仕事の多い町のパン屋には無理な話です。でも需要はあると思うので、どうしたら朝6時に仕事を始めて7時に開店できるかを考えてみました。いろいろな店がある中で、こんな店が一軒あってもいいんじゃないかという提案です。まず朝7時の段階で売るパンは一種類だけにします。開店時にすべての商品がそろっている必要はなく、朝食で食べるパンだけに限ります。それが食パンなのかバゲットなのかベーグルなのかは、お店によります。そしてパン生地は前の日に仕込んでおき、冷蔵庫に保管して朝に焼きます。総菜パンは傷みやすいので、小さなパン屋は手を出さない方が良いと思います。コストをかけず、廃棄するパンの量を減らして利益を得るには、合理的な考え方[^2]も必要かと思います。

^1: https://matyunao.exblog.jp/27879222/

2021年10月29日金曜日

畳の輸出

これは良いニュースです。日本の畳が輸出され好評[^1]だそうです。畳だけでなく、ほかにも日本独自のクラフトで海外に売れる物があるはずです。ぜひ英語のホームページを作って世界に紹介してください。少子化により国内市場は先細りですから、海外に直接売るのが生き残る道です。中小企業は人員不足で躊躇するので、そこを助ける企業が必要です。

2021年10月28日木曜日

国債と円安

国債が負債であると同時に資産であるというのは本当です。でも資産だと言えるのは、この借金が焦げ付かないという保証があるからで、もし国債の利払いや元本の返済が止まれば資産とは言えなくなります。もちろん日銀は好きなだけお札を刷って国債を買い支え、焦げ付かないようにすると思います。すると市場に出回るお札の量が増えるので、円安になります。つまり今後日本はどんどん円安になるので、コロナ後はインバウンド観光が増えて景気は上がります。ただし円安は止まりません。それにつれて輸入物価も上がるので、エネルギーや食料品が値上がりします。つまり国債の残高が増えると庶民の支出が増えるという図式です。輸出企業の儲けから、使った国債以上の税金を回収する仕組みが必要です。

2021年10月27日水曜日

地震が心配

日本の地震が心配です。このところ大地震の前触れのような地震が続いています。周期的にも関東大地震や駿河湾沖での大地震が起きそうです。昭和後期は比較的地震が少なく、結果的に地震への備えが手薄になりました。平成には東北で大地震が起き、令和となったいま更に大きな地震が心配されています。日本は3枚のプレートがぶつかり合う場所にあり、地震は必ず起きます。同じくプレートがぶつかるハイチのような大地震は避けられません。棚から物が落ちてこないようにするとか、家具を壁に固定するとか、水と食料を数日分は用意するといった対策は今すぐ取ってください。足腰を鍛えて、たとえ電車が止まっても徒歩で家に帰れるようにするのも良い考えです。

2021年10月26日火曜日

10代と新聞

この総務省のデータ[^1]によると、10代で(紙の)新聞を読む人はほとんどいません。調査方法や分類の定義が分からないので、インターネット上で読む新聞がどっちに入るのかという点を除けば、新聞離れが加速している印象です。国語や社会において新聞記事を題材に討論をしている学校が少ないのでしょうか。親が読む新聞を子供が読まないとすると、世代間の情報格差は拡大します。国債という借金を増税という形で払う次の世代がその現実を知らないと、国債が増える事に反対する人はいません。地球温暖化、財政悪化、少子高齢化は次の世代により影響するので、インターネット上で読む新聞をもっと増やす方策が民主主義にとって必要です。例えば学校が新聞の購読者となるように、学校のパソコンからインターネット上の新聞が無料で読めるようにするなど、将来の購読者につながるマーケティングを望みます。

2021年10月25日月曜日

コンテイジョン

今のコロナを予見したような2011年の映画「コンテイジョン」(感染)[^1]を10年後の今になってようやく視ました。その当時の科学者の予想はほぼ正しかったというのが素直な感想です。唯一の違いは映画のウイルスMEV-1がコロナよりもはるかに致死的である事で、コロナでは1%と見積もられる死亡率がMEV-1では20%ないし30%とされています。実在するCNNの医療通信員(Dr. Sanjay Gupta)まで登場し、現実と映画の区別が消えてしまいます。病気に乗じて金儲けをたくらむブロッガーとか、偽情報に接してパニックを起こした人々の様子も描かれています。なるほどパンデミックは人災だ、というのがよく分かりました。また同じような病気が世界のどこかで発生するのは時間の問題です。科学者の警告を無視してはいけません。それは地球温暖化についても同じです。

2021年10月24日日曜日

博士号と英語力

博士号の取得には英語も必須にしましょう。その基準はTOEFLで100点以上です。人口当たりで日本の博士号取得者が諸外国に較べて少ない[^1]のは、その後の就職が不安定だからです。博士号があっても大学の教授になれる人はわずかで、大半は企業で働きます。研究者も論文を英語で発表しないと井の中の蛙で終わります。海外の大学に勤めるならもちろん英語は必須です。英語力のない博士はつぶしが効かないので、日本の博士の数は増えません。これを逆転させるには、博士号の取得にTOEFLで100点以上の英語力を必須にすることです。大学院への入学条件にTOEFLで100点以上を加えましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC118D70R11C21A0000000/

2024年01月02日追記
日本は高齢者が牛耳っているので、若手研究者はどんどん海外に出ましょう。

2021年10月23日土曜日

麻薬財政

日本の国債は明らかに麻薬化しています。過去20年で政府債務はほぼ2倍[^1]になりました。その一方で潜在成長率は1%未満と変わりません。つまり日本の成長につながる支出ができていないという事です。「賢い支出」という言葉があります。無駄に税金を使うのではなく、将来への投資として有望な税金の使い方をするという考え方です。日本の公共事業は仕事のない地方に仕事を回すという発想から抜けきれず、「車が通らない自動車道」[^2]を作りがちです。赤字国債を毎年積み増す日本では、誰も離脱症状が怖くて国債から抜け出せません。財政の単年度黒字化は蜃気楼のように毎年先送りされ、選挙権のない子供や孫世代が犠牲になっています。このコロナ禍で財政再建も棚上げとなり、さらに麻薬依存が悪化します。税金が無駄に使われる以上、国民にできる事は節税して将来への投資を続ける事です。それは教育や株式投資を含みます。ゼロリスクが好きな日本人は銀行にお金を預けてしまうため、それが国債に回って「死に金」となっています。

2021年10月22日金曜日

駅前無料PCR検査

コロナ・ワクチンが普及するにつれて新規感染者は減ります。だからこそ手軽に無料でPCR検査を受けられる制度が必要です。人流が増えるにつれて無症状感染者も増えます。抗ウイルス薬は体内のウイルスの複製を阻害するので、まだ体内のウイルスが少ない感染初期に効きます。発症してから七日以内というのが普通です。「あれ、風邪かな」と思った時にすぐPCR検査を受けないと間に合いません。主な駅前に献血の車があるように、PCR検査ができる場所が必要です。空港の水際対策は費用の割に効果が低いので、コロナ陰性でワクチン接種完了者のみ入国できるというルールにして、水際対策の費用を街中のPCR検査に回すべきです。

2021年10月21日木曜日

働くことの意識

2019年のデータ[^1]によると、新入社員にとって「働く目的」は「楽しい生活がしたい」がトップになっており、2001年を境にそれまで拮抗していた「自分の能力をためす」は、2019年には「社会のために役立ちたい」と並んで最下位になっています。2001年はインターネットバブルが弾けた年で、ここから「失われた20年」が続いています。この経済状況では親が保守的になるのも当然で、おまけに少子化のためひとりっ子に冒険は勧められません。海外にいくなどもっての外で、日本の内向き指向は2001年のバブル崩壊から始まったと分かります。生まれた場所で就職して家族を持ち一生を終えるという人が日本の主流になります。それは仕方のない事なので、それを踏まえて経済成長するにはどうするかを考えなければいけません。これから段階的にどんどん円安になり、収入が増えない中で輸入物価だけが上がります。でもコロナで潰れたインバウンド観光には円安が追い風になるので、時代の変化を捉えた人には収入増となるでしょう。

^1: https://www.atpress.ne.jp/news/187156

2021年10月20日水曜日

ロシアの憂鬱

ロシアのコロナ感染者が過去最大[^1]になっています。ロシアのワクチン接種率は3割と低く、これが原因と思われます。一方WHOのワクチンリスト[^2]を見ると、モデルナ、ファイザー、J&J、アストラゼネカ、インド製のアストラゼネカ相当品、中国のシノファームとシノバックの製品が認可されています。ここにロシアのスプートニクVはありません。ロシア国内ではスプートニクV以外の接種は難しいので、ロシア国民が自国のワクチンを避けている[^3]と考えられます。WHOの認可を受けるには詳細な治験結果を報告する必要があり[^4]、ロシアはこれを怠っているようです。この冬のロシアはコロナが猛威を振るいそうで怖いです。

2021年10月19日火曜日

ワクチンの実力

コロナ・ワクチンの実力が見えてきました。mRNAワクチンの場合、接種完了後にコロナ感染を予防する割合が9割で、残り1割は軽症または無症状感染します。この1割の人が1人あたりワクチン未接種の3人に感染を拡げます。つまり10人の接種完了者が3人のワクチン未接種の新規感染者を生みます。ブレークスルー感染者から人への感染は、ワクチン未接種の人と較べて半分から3分の1になるもののゼロにはなりません。この割合でいくと、人口の7割がワクチン完了者となれば新規感染者の数はもう増えません。全人口に対する日本のワクチン接種完了率は65%ぐらいなので、11月には7割を越えると期待できます。ただし、時間ととも低下する免疫力を補うブースター接種は65歳以上の人に必要なので、7割を越えても油断できません。しばらくマスクと3密回避は続きます。

2021年10月18日月曜日

令和4年4月

日銀の国債保有割合が48.2%[^1]と最高値を更新しました。国債残高は9月で1056兆円あり、来年の4月から始まる令和4年度中に、確実に日銀の国債保有割合は50%を越えます。今の黒田総裁の任期は令和5年3月末までで、次の日銀総裁は火中の栗を拾う事になります。2%のインフレを目標に掲げたアベノミクスが時間切れとなり、首相の経済運営は一段と難しくなります。国債が資産と言えるのは焦げ付かないという保証があるからです。誰がいつこの借金を返すのかというメドはありません。財源のないバラマキで選挙を乗り切ろうという政党ばかり目立ちます。

^1: http://www.garbagenews.net/archives/2126503.html

2021年10月17日日曜日

ワクチン義務化

職場でのコロナ・ワクチン義務化が今日のお題です。日本の法律上ワクチンの義務化はできない[^1]そうなので、運用を工夫するという事になります。つまりワクチン完了者のみ会社に出社できるとか、ワクチン完了者のみ接客できるという方法です。ワクチン未接種の人は自宅勤務を続けるか、直に接客しない職種に変わることになります。リモートで接客するのは安全なので、落としどころとしては悪くないと思います。パンデミック時のワクチン接種は社会的要請であって、個人の都合だけでは決められません。本人は感染を気にしないと言っても、回りの人は感染したくありません。そこでワクチン未接種の人を職場で他の人から隔離するルールが必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC226JP0S1A920C2000000/

2021年10月16日土曜日

成長か雇用か

この日経の記事[^1]によると、日本の(平均)年収はこの30年で上がらず、他の先進国の上がり方と乖離しています。これは日本の労働者が正社員と非正規に分かれているためで、正社員の年収は上がったものの非正規の増加が平均値を抑えています。昭和の仕事のやり方を踏襲している日本には無駄な仕事が多く、合理化により労働生産性を上げたくても失業者が増えるためできません。企業が内部にお金を貯めるのは合理化による解雇が難しいからで、成長か雇用かという二者択一の結果です。でも問題を先送りにしている間に国債残高が無制限に増えています。日本に明るい未来はないというのが真実です。国民もそれに気付いてはいるけど、見えないふりをしています。成長も雇用も実現するには、正社員制度の廃止が必要です。それは全企業がジョブ型に移行する[^2]という事です。手切れ金による解雇を認め、定年制度と年齢による就職差別を法律で禁止します。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA068F10W1A001C2000000/

2021年10月15日金曜日

大衆を見くびるな

こちらの論文[^1]によると、パンデミックに対して正直に国民に現状を話した政府ほど国民に信用され、その結果ワクチンの接種率が高いそうです。大衆を無知蒙昧な烏合の衆とみなす政府ほど「大丈夫だ」とか「ただの風邪だ」と言うので、すぐそれがバレて国民が政府を信用しなくなり、ワクチンの回避につながるとか。「無用なパニックを避ける」という理由で本当の事を言わないトップはアメリカにも日本にもいました。それが結果的にコロナの収束を遅らせているという指摘は正しいと思います。インターネットの時代に政府は情報を制御できません。だから日本も国民を信用して正しい情報をどんどん出す政府にならないといけません。デマがパニックを引き起こすので、正しい情報をたくさん出してデマを押し流せばいいという事です。信頼は双方向に働くので、政府が国民を信頼すれば国民も政府を信頼します。大衆を見くびってはいけません。

^1: https://www.nature.com/articles/d41586-021-02758-2

2021年10月14日木曜日

東京のコロナは底

東京のコロナ[^1]は陽性率が1%を下回り、重症者も50人を切りました。つまり今は波の底にいます。このまま秋冬に入るのか、それとも人流の回復と同調して感染者の次の波が来るのかはまだ分かりません。3ヵ月ごとのピークという経験則が成り立つのであれば、この先1ヵ月でまた感染者が増えます。ワクチンの接種率が伸びている日本で、新たな感染をどこまで減らせるかは外出する人の意識次第です。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

2021年10月13日水曜日

北欧型社会民主主義国家

筆者は日本がアメリカではなく北欧型社会民主主義国家を目指す事に賛成です。戦後の日本はアメリカの影響もあって小さなアメリカ[^1]を目指しました。でも天然資源やエネルギーに乏しい日本は小さなアメリカにはなれません。日本の大きさはカリフォルニア州とほぼ同じ。そのカリフォルニア州では石油が取れます。アメリカは食料も自給しており、大豆や小麦、牛肉を日本や中国に輸出しています。ドルが基軸通貨で英語が公用語です。そのうえ世界一強力な軍隊を持っています。アメリカに肩を並べるのは諦めて、日本は日本のあるべき姿をちゃんと決める必要があります。石油が取れない日本で今のような低負担・中福祉は続けられません。中福祉を続けるなら消費税が20%になり、北欧の国々とほぼ同じ税負担になります。所得税も累進的に大幅に増えます。そのかわり社会格差の少ない、慎ましい暮らしを良しとする日本になります。あなたは2050年にどんな国に住みたいですか?

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/2e02f3e3c88272213de21f55e36729a04168b5b1

2021年10月11日月曜日

天然水・天然酵母

「天然」の定義はJAS(日本農林規格等に関する法律)にはありません。つまり「天然水」や「天然酵母」には企業が決めた定義しかありません。それによると「天然水」とは、地下水を薬品以外の方法で濾過し殺菌したもので、普通は井戸水を加熱消毒したものとなります。水道水は塩素を添加しているので、天然水ではないという理屈です。また「天然酵母」はブドウなど果物の表面に付く自然の酵母という意味で、工場で培養された酵母ではないという意味です。生き物なので「野生酵母」と言ってもいいかもしれません。「天然酵母」には色々な種類の酵母が含まれているので、パンの味を安定させるには「天然酵母」を培養して使う必要があります。すると工場で培養された酵母を何種類か混ぜて使うのと大差なくなり、「天然酵母」だからパンが美味しいという理屈もないので、パンが美味しければその酵母が天然か培養かは気にする必要はないと思います。なお人造水・人造酵母はありません。

2021年10月10日日曜日

デジタル化とDXの違い

紙を郵便で送るのがアナログ
紙の代わりにPDFをメールで送るのがデジタル
何も送らず、必要な情報をクラウド上で共有するのがDX

2021年10月9日土曜日

Facebookをどうするか

最初に言っておくと、筆者はFacebookを使いません。アカウントはあるものの、乗せる話題がないので使っていません。今週はアメリカでFacebookへの風当たりがだいぶ強くなりました。内部通報者により、Facebookが収入のために子供の安全性や社会の安定性を犠牲にした[^1]という事実が明らかになったからです。アメリカには公共のために内部通報者が会社のルールに背く事を正当化する法律があります。Facebookは2018年にアルゴリズムを変更し、より怒りを招くコンテンツを上位に表示するようになりました。For-profit compayとしては当然です。怒りは利用者の感情を利用してより長い時間Facebookを使うように仕向けます。エコーチャンバー効果により、利用者は似たようなコンテンツだけを視聴します。広告の表示回収が増えるので収入が増えます。でもその結果として偽情報が蔓延し、アメリカ国民が分断されました。これは国の安全保障に関わる問題で、Facebookをこのまま放置してはいけないという世論が生まれています。アメリカの通信品位法230条は利用者が乗せた情報にFacebookのような会社は責任を負わないとしており、これが変わる可能性が出てきました。またFacebookはpaid political advertisementを容認しており、これを禁止しいているTwitterとは立場が違います。言論の自由と世論操作はコインの表と裏で、民間会社としてどこまで自己規制できるかは疑問です。なんらかの法的規制が生まれると予想されます。

2021年10月8日金曜日

合理化対効率化

日本の生産性が低いのは合理化が進んでいないからで、政治家もこの点は理解しています。でも合理化を進めると失業者が増えるので、票に敏感な政治家は合理化とは言わず効率化と言っています。しかし合理化と効率化は似てるようで、実は違います。無駄な仕事をいくら効率化したところで、無駄である事は変わりません。たとえば自動車の運転免許更新手続きです。昭和の頃から同じ事をやっています。このコロナ禍でもわざわざ遠くの免許試験場にいく必要があります。オンラインで講習を受けてオンラインで更新する事ができません。免許の更新など2回に1回はオンラインでやれば十分です。視力検査も毎回やる必要はありません。新しい免許は郵便で送れば良く、費用はクレジットカードで払えばいいのです。免許試験場で働く人も減らせます。マイナンバーカードが運転免許証になる令和の時代に、合理化に反対する組織が日本をダメにしています。

2021年10月7日木曜日

憲法と国籍

日本国憲法は日本にいる外国人にも適用されます。文面上は日本人のみを対象にしているように見えるものの、では逆に日本にいる外国人には適用されないと考えると、日本の法律も外国人には適用されないという理屈になるので矛盾が生じます。たとえばこの判例[^1]では、難民不認定処分を受けたスリランカ人にたいして憲法が適用されると判断しています。そこで人権はもとより生活保護なども日本にいる外国人に提供する必要があります。でも現状ではそうなっていません。日本に出稼ぎに来た外国人がコロナで仕事を失っても、生活保護の対象とはなりません。これは行政の不作為です。

2021年10月6日水曜日

ワクチンとGoTo

いずれGoToトラベルとかGoToイートが再開されます。去年のGoToによる感染拡大という失敗から学べば、今年はこうした割引が利用できるのはワクチン完了者のみに限定すべきです。その時は沖縄の試み[^1]が参考になります。無症状感染者が感染拡大の原因なので、ワクチン完了者なら感染拡大を起こしません。まだ12歳未満の子供にワクチンを接種できない以上、秋冬の感染拡大はぜひとも回避する必要があります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE301IJ0Q1A930C2000000/

2021年10月5日火曜日

出口戦略

何事も始めるより終える事の方が難しいもの。例えば日本は真珠湾攻撃でアメリカと戦争を始めたけど、その戦争を終わらせる出口戦略を欠いていました。山本五十六は日本がアメリカに勝てるとは思っていなかったので、緒戦で大打撃を与えて和平交渉に持ち込む[^1]つもりでした。でも軍人である山本に外交責任はなく、結果は彼の予想通り日本の敗戦です。アメリカもアフガニスタンでタリバンと戦ったけど、その戦争を終わらせる出口戦略を実現できないまま逃げ出す事になりました。日本のコロナ対策では出口戦略を示せなかった首相が退陣し、日銀ですら金融緩和の出口戦略を公開できずにいます。財源の当てのない政策[^2]を打ち上げる政治家も多く、原発にも出口戦略がありません。元寇の頃から続く根拠のない楽観論が日本を支配しています。目を背けても現実は変わりません。

2021年10月4日月曜日

ゼロコロナは無理

新型コロナウイルスを地球上からなくす事(ゼロコロナ)は不可能です。それはこのウイルスが人だけでなく動物にも感染するからです。人だけに感染するなら世界人口のワクチン接種率を100%にすれば根絶できます。でも動物にも感染する場合、すべての動物にはワクチンを接種できないからです。感染するのは野生のコウモリだけではありません。ペットの犬や猫、動物園の猿や飼育されたミンクにも感染が確認されています。幸いコロナに対する免疫があれば死亡率は低いので、新型コロナもいずれインフルエンザのひとつになります。ウィズコロナの世界では子供の頃にワクチン接種で免疫を付けるので、コロナ前の生活が復活します。そこまであと1年ぐらいです。

2021年10月2日土曜日

行政の合理化

少子高齢化で国債残高がうなぎ登りの日本に明るい未来はあるでしょうか。税収を増やすために国債を増やしても、人口が減るので期待したほど税収は増えません。かといって支出を減らすのも簡単ではなく、健康保険、年金などは明らかに今後も増え続けます。そこでより少ないコストでより多くの行政サービスを回すという合理化が必要です。なるべく人手をかけずにより良いサービスを実現する手段がデジタル化なので、日本の未来を救うのはDXによる合理化です。すべての行政サービスで、そのコストとメリットを金額として可視化する所から始めましょう。コストには利用者が使う時間や払う手数料、それに行政側の経費(給料など)が含まれます。メリットは、もしそのサービスがないとしたら国民がいくらお金を失うのかという視点で計算します。行政の合理化抜きで日本が良くなる道はありません。

2021年11月24日追記
おそらく最強の抵抗勢力は行政です。どこまで役所の仕事を見える化できるでしょうか。

2021年10月1日金曜日

再生産数とワクチン

こちらの記事[^1]によると、ファイザー製のワクチン完了者がデルタ株を拡げる割合はワクチン未接種者と較べて35%に減るそうです。つまり65%の有効率となります。ワクチンがアストラゼネカ製の場合、この有効率は36%に落ちるとなっており、ワクチンの効果に大きな差があります。接種から経過する時間によっても効果が減るので、子供などワクチン未接種者をワクチン完了者で囲んでも感染予防には限界があります。なるべくワクチン未接種者を減らす以外にコロナに勝つ方法はありません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC019OT0R01C21A0000000/

2021年9月30日木曜日

シートベルトと予防接種

コロナの予防接種とシートベルトの対比が最近よくアメリカで話題になります。車を運転する時にシートベルトをするのは法律で義務化されていて、罰則もあります。シートベルトにより交通事故での死亡率が大幅に下がるので、自分を守るために必要と理解されています。コロナの予防接種も同じ事なのに、どうしてその義務化に反対する人がいるのでしょうか。ポリオやハシカの予防接種は受けたのに、コロナの予防接種はどうして避けるのでしょうか。医療従事者へのコロナ予防接種が義務化されたアメリカで、少数の人が義務化に反対[^1]しています。宗教上の理由とされているものの、バチカンの法王はワクチンを接種していて、彼はコロナの予防にワクチンが有効だと公言しています。医学教育を受けたナースでさえも新しいワクチンを信用できないのは、SNS上の偽情報が原因だと思われます。

2021年9月29日水曜日

物価と賃金

日本の失われた20年は、物価と賃金が変わらなかった20年[^1]でもあります。賃金が上がれば需要が増えて、もし供給が同じなら物価は上がります。物価は消費者心理ではなく需要と供給で決まります。だから人口が増えた東京のマンション価格が上がりました。ところが少子高齢化で国の人口が減る日本では、何もしなければ需要が減ります。賃金を上げるには合理化が必要で、無駄な仕事をなくすと同時に必要な仕事を効率化します。アベノミクスでは非効率な会社が生き残り、非正規雇用が増えました。賃金も上がらず国の赤字を増やしました。非正規雇用は賃金が安いので、これでは物価も上がりません。正社員と非正規の区別を禁止する代わりに、手切れ金による解雇を認め、年齢による就職差別をなくす法律が必要です。合理化は失業者を生みます。これを容認できるかどうかは国民次第です。格差の是正は税制の仕事であり、正社員制度を廃止する理由でもあります。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASP970GSYP8JULFA00R.html

2021年9月28日火曜日

QRコード決済

10月からPayPayが小売店に2%弱の利用料を求めることになり、最寄りのスーパーは現金払いの会員客に与えている3%割引をPayPay払いには適用しない事にしました。このため筆者はまた現金払いに戻るつもりです。QRコードを使ったキャッシュレスもこれでおしまい。PayPayがビジネスモデルとして決済手数料を取るのは誤りだと思います。小売店はまだ売り上げの半分以上が現金払いなので、キャッシュレスとは言っても小売店にメリットはありません。消費者が手数料を払ってまでPayPayを使う理由もないので、客は他の手数料無料の決済サービスに流れます。消費者に広告を見せたり、お金に関する他のサービスを売るなど、小売店と消費者の両方に役立つビジネスモデルは不可能でしょうか。

2021年9月27日月曜日

1億人維持?

日本の人口を1億人程度に維持出来るでしょうか。結論から言うと無理です。内閣府の高齢社会白書「将来推計人口でみる50年後の日本」[^1]によると、2045年あたりに日本の人口は1億人を切ります。この時期には毎年百万人(1%)ぐらい人口が減ります。つまり毎年百万人の移民を日本に入れないと人口を1億人程度に維持できません。外国人恐怖症の日本で毎年受け入れられる移民は千人程度と見積もられています。これは技能実習生や留学生とは別枠です。技能実習生や留学生は短期滞在者であって、移民ではありません。今から24年後の日本が、毎年百万人の移民を受け入れたら国が持ちません。それだけの人数に日本語教育を施し、仕事と住む場所を与え、年金や生活保護まで払うお金の余裕がありません。百万人のうち労働者はその半分ぐらいで、残りの半分は引退した親や学童期の子供です。今やるべき事は少ない人数で社会を回す方法を見つける事で、人口を1億人程度には維持できないと覚悟しましょう。

2021年9月26日日曜日

紙はやめよう

郵便の土曜配達がなくなる[^1]そうです。当然ですね。これだけ電子メールが普及すると、急ぐならメールです。ラインもあります。どうしてわざわざコストのかかる紙を使うのでしょうか。筆者は極力郵便を受け取らなくて済むようにしています。紙のカタログを送ってくる業者には、それは紙の無駄だから要らないと拒否し、通帳を電子化した銀行にも、入金を知らせる葉書を送らないよう設定しています。最後に残るのは行政です。ここは何でも紙とハンコなので、やたらと郵便を送ってきます。でもマイナンバーカードとスマホがあるから、紙とハンコは廃止できるはずです。住所、氏名、生年月日で行う本人確認は、マイナンバーカードとスマホで置き換える事ができます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA227LR0S1A920C2000000/

2021年9月25日土曜日

原発電力は高い

もうこういうゴマカシはやめませんか。日本の原発電力は原価が高いので、再生エネルギーと較べても競争力がなく、そのうえ実現不可能な「原価」を出して、それを最低線とするやり方[^1]はゴマカシです。実際の原価が計算できないという段階で、もうすでにエネルギーの安全保障ができていません。福島原発事故の処理費用は見積もりより当然増えるし、放射性廃棄物の最終処理費用も未定です。既にある原発を最長60年使い続けて、その間に安い再生エネルギーを大幅に増やすのが正解です。コストの高い日本の原発には退場してもらいましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC066070W1A800C2000000/

2021年9月24日金曜日

誤解を招く報道

相変わらず誤解を招く報道[^1]があります。この「25人中24人がブレイクスルー感染 群馬の病院でクラスター」という見出しは、「25人のワクチン接種者のうち24人がコロナに感染した」という誤解を招きます。統計を知らない記者が書いたとしか思えません。この報道で大事なのは「24人のうち、2人が中等症で、22人が軽症だ」という事です。群馬県全体で何人がワクチン接種を完了したかが分かれば、この24人が意味のない数字である事が分かります。ワクチンは治験の結果、1割のブレイクスルー感染が起きる事が分かっています。つまり感染を予防する効果は9割です。だから群馬県の人口を190万人とすれば、その半分がワクチン接種を完了したと仮定しても、9万5千人がブレイクスルー感染します。そのうち24人がこの病院にいたという事です。統計では母集団として何を取るかで数字の意味が変わります。統計と確率は中学で習う教科なので、常識として持っておくべき知識です。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/5f88bb12f239aad0d00ec8fd9bad10ec07a7217d

2021年9月23日木曜日

システムと火災訓練

アメリカのIT企業では、システムのバックアップがちゃんと働くかを時々テストします。このテストを fire drill(火災訓練)と呼び、技術的な面だけではなく運用や報告といった部分もテスト対象にします。ネットワークのケーブルを抜いたり、重要な装置の電源を切ったりします。さすがに昼間の時間には行えないので、夜中や休日を選んでテストします。どんなハードウェアもいずれ故障するので、バックアップが設計通り動くかどうかは大切なテストです。どうも日本の銀行システムは、こうしたテストをやっていないように見えます。システム・ダウンが怖くてテストできないのであれば、本当の故障には耐えられません。銀行はIT企業です。外部のSIベンダーに頼るようではダメです。

2021年9月22日水曜日

コロナ免疫の朗報

コロナ免疫の朗報をふたつ紹介します。ひとつめは抗体が減っても免疫は残る[^1]という報道で、ワクチン接種で作られたコロナ免疫が何年も続きそうです。またワクチン接種前にコロナにかかって回復した人は、ワクチン接種によりスーパー免疫が得られる[^2]という報道もあります。たとえ1割のブレークスルー感染があっても、それによる重症化や死亡は「万が一」と少なく、むしろ免疫が強化されると見られます。ワクチン接種が完了していれば、感染しても軽症か無症状で済むのがコロナの特徴です。これは毎年予防接種が必要なインフルエンザとは違います。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/ff2ae2baa1cb84856662979b3f34b3d3e47945ff

2021年9月21日火曜日

アメとムチ

コロナ・ワクチンの接種率を上げるのにアメとムチが必要[^1]という意見に賛成です。アメはポイント付与や割引、ムチはイベント参加や飲食店での店内飲食です。9割の接種率を実現するにはワクチン・パスポートが必要で、早いとこスマホに搭載できるようにしてほしいです。1割ぐらいのブレークスルー感染は残るものの、重症化や死亡を大幅に減らすワクチンに勝る予防方法は他にありません。医学的にワクチンを接種できない人はステイホームで買い物はオンラインです。「自分を守り、家族を守り、社会を守る」ワクチン接種を義務化する法律も考えましょう。自衛隊、警察、公務員、医師、看護師、医学生などにワクチン接種を義務づけるのは当然です。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4b3a95c9d9a6f4d7ea527d09c8c26f4427c7b3

2021年9月20日月曜日

コロナと診断書

日本入国時に見せるコロナ検査の結果には医者の署名が必要で、ここには検査結果は診断書だという建前があります。医者がやっている事は検査結果を目で見ているだけで、なんの付加価値もありません。例えばコロナ検査が陰性でも潜伏期間中なら感染は分かりません。こうした医者の署名には何の価値もないのに、厚生労働省は医者に気兼ねしてルールを変えません。これでは何を診断したのか不明です。コロナに感染していないという事は誰にも診断はできません。検査でコロナ・ウイルスが検出されなかったとしか言えないのです。診断に値しないので、これを診断書と呼ぶのは間違いです。日本行きの飛行機に乗るにはこの「診断書」が必要で、無料で受けられるコロナ検査の結果のみでは搭乗できません。その結果、検査結果にゴム印の署名が機械的に押された「診断書」に1万円以上を払うというバカな事をしないと日本に行けません。たとえその医者が実在しない人物でも分かりません。ここで必要なのは書式に沿った紙であり、検査結果そのものではありません。たとえこの紙が偽造されていても誰にも分からないのです。今だにこんな事をしているのは日本だけです。ここは検査結果を記したメールで十分だと思います。

2021年9月19日日曜日

経済成長と雇用安定

経済成長と雇用安定は両立しません。経済成長には新しい試みが必要で、そのすべてが成功するとは限らないからです。失敗する投資もあるし、倒産する会社もあります。すると雇用は安定せず、敗者から勝者に人が移ります。ところが日本の昭和にあった高度成長期には、例外的に経済成長と雇用安定が両立しました。それはアメリカという自由で大きな市場があったからで、アメリカで売れてる製品を日本でより安く作り輸出する事で成長しました。すでに売れている製品なので、大きな失敗もありません。自動車、テレビ、半導体メモリなどがその例です。ところが人口が減少する令和では、経済成長と雇用安定が両立せず日本は雇用安定[^1]に傾いています。日本が雇用安定を重視する限り、経済成長は起こりません。そこで経済成長を実現したい人は、海外に活路を求める事をすすめます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC253VM0V20C21A8000000/

2021年9月18日土曜日

ゼロリスク信奉

物事には常に「リスクとベネフィット」があります。飛行機に乗れば落ちるかもしれないけど、移動時間が減ります。自動車で移動すれば事故に遭うかもしれないけど、重たい荷物を持って歩く必要はありません。電車だって事故確率はゼロではなく、道を歩くだけでも自転車にぶつかるリスクがあります。これらのリスクは「有るか無いか」[^1]ではなく「どれだけ有るか」なのです。大地震のリスクがあっても人が日本に住み続けるのは、そのリスクを上回るベネフィットがあるからです。ワクチンの副反応というリスクより、コロナによる重症化や死亡を防ぐベネフィットが大きいからワクチンを接種します。コロナは全員が感染するかワクチンを完了するまで続きます。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/11c17cecd85cca2088f17a6aabc34ab601c47273

2021年9月17日金曜日

難民受け入れ

日本にはアフガン難民を受け入れる義務があります。アメリカに同調して自衛隊を送るなどアフガン支援をした以上、その結果には責任があります。それに日本は人口が減る国なので、積極的に難民を受け入れる余地もあります。難民は「避難民」です。彼らには人権があり、日本人と同様に扱うべきです。日本語教育を行い、住むところと仕事を用意し、自立できるよう手助けするのがスジでしょう。日本なら年間千人程度の受け入れは十分できるはずです。テロや犯罪を防止するには、こうした難民がタリバンやアルカイダに加入する理由を無くす必要があります。それにはアフガン人の経済的自立が必要です。タリバンの収入源は麻薬栽培と聞きます。国内への麻薬流入も、元はアフガンの貧困が原因です。難民問題は人ごとだと思っていると、日本は世界から嫌われます。

2021年9月16日木曜日

ふるさと納税の愚

「ふるさと納税」とは、消費者が2000円を負担するだけで、納税先の自治体から無料で食品やサービス(お礼)を手に入れられる制度です。納税分は地元の自治体にとって減収になるので、地元の自治体の公共サービスにただ乗りする人が増えています。本来の趣旨から大きく外れてしまったこの制度は、早急に制度設計をやり直さないと大変な事になります。納税先の自治体から受け取るお礼の値段は納税額から差し引くべきで、この値段をいくらにするかが新しい制度設計の要になります。お礼という曖昧な位置づけではなく、ふるさとの産業を助ける意味で、その地域の食品やサービスを買ってもらうという考え方です。その値段にはふるさとでの卸値と小売値があるので、その平均値が妥当でしょう。それでも小売値よりは安くなるので「ふるさと納税」の動機付けには十分です。たとえば10万円の仮納税額に対してお礼の値段が4万円なら、ふるさとに入る税額は残り6万円で、地元の税収も6万円減るだけです。そのかわり2000円の控除は撤廃します。

2021年9月15日水曜日

ワクチンの効果

コロナのワクチンには複数の種類があり、アメリカだけでもファイザー、モデルナ、J&Jと三種類が使われています。これらをひっくるめてワクチン接種完了済みの人が、ブレークスルー感染でコロナで重症化または死亡する割合が分かりました。それは1万3千人にひとり[^1]となっており、65歳以上の高齢者が大部分となっています。つまりこうしたワクチンが重症化または死亡を予防する割合は99・99%であり、ほぼ100%と言えるレベルです。ただし、65歳以上の高齢者は糖尿病や高血圧といった既往症のある人が多いので、心配な人はワクチンを完了していても三密を避けましょう。

2021年9月14日火曜日

第5波は終了

東京の陽性率[^1]がやっと10%を切りました。夏休みやオリンピックも終わり、感染の山は越えたという事です。次は3ヵ月後の11月に再度ピークが来ます。緊急事態宣言をやめると人流が増えて感染が増える、というサイクルは今後も続きます。ただしワクチン接種のおかげで次のピークは夏より低くなると予想します。今は学校を通じて子供の感染が増えています。11歳以下はまだワクチンを接種できないので、子供を守るために大人全員が11月までにワクチン接種を完了する必要があります。「自分を守り、家族を守り、社会を守る、それが予防注射」です。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/monitoring

2021年9月13日月曜日

ワクチン完了者と水際作戦

この1年でコロナ・ウイルスについての知識が大幅に増え、空港などで行う水際作戦が無駄である事が分かりました。例えばデルタ株は水際作戦をすり抜けてインドから日本に入ってきました。日本行きの飛行機に乗るには72時間以内のPCR陰性という検査結果が必要で、この時点で陽性者は乗れません。もちろんこの検査結果を偽造する人もいるので、日本に着いてから空港で再度コロナ検査があります。この検査で陽性なら国の費用でホテルに隔離されます。陰性なら自宅に帰れるものの、14日間の自主隔離を求められます。このときワクチン接種を完了しているかどうかは問われません。ワクチン完了者にコロナ検査を求めるのは無駄で、14日間の自主隔離も無駄です。その反面もし入国者が陰性でもコロナに感染しているなら、その人は自宅で家庭内感染を拡げるので、水際作戦でも感染拡大は防げません。ワクチン完了者とそうでない人を区別しない日本の水際作戦は無意味で、予算のかけ方として間違っています。費用対効果に頭を使いましょう。

2021年9月20日追記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN203QF0Q1A920C2000000/
アメリカは11月から外国人はワクチン完了者のみ入国を許すと決めました。さて日本は?

2021年9月12日日曜日

自然淘汰とワクチン

コロナ・ワクチンを拒否してコロナに感染し、亡くなる人がアメリカの南部で増えています。ワクチンが余っているアメリカでワクチンを接種しないのは自殺行為であり、デルタ株に感染して死ぬのは一種の自然淘汰と言えます。人とウイルスの戦いで生き残るのは体力がある人ではなく、ウイルスに免疫がある人です。生存に有利となるワクチンを拒否するなら、もう医者にできる事はありません。バカに付ける薬はないという事です。

2021年9月11日土曜日

9/11と3/11

2001年のアメリカ同時テロ攻撃9/11から20年たち、アメリカのテレビは朝から犠牲者の追悼番組が続いています。この事件が起きた時、筆者は日本にいました。2011年の東日本大震災3/11の時は逆に、筆者はアメリカにいました。どちらの災厄も現地で経験していない筆者は、当時の人の反応を想像するしかありません。テロ攻撃も津波も予想だにしない事だったので、それで亡くなった人にとっては納得のいかない死でしょう。9/11では三千人、3/11では一万八千人が犠牲になりました。この二つの出来事が筆者に教えた教訓は、人間いつ死ぬか分からないという事です。いつ死んでも後悔しないように、ささやかな楽しみを後回しにするのは止めました。

2021年9月10日金曜日

効率的に無駄な事をする日本

アメリカから飛行機で日本に入国する時、たとえアメリカでコロナ・ワクチンを接種完了していても、まずPCR検査を飛行機に乗る前に受けて、その陰性証明書という紙を航空会社の社員に見せる必要があります。これは必ず紙でなくてはならず、その書式も厚生労働省が決めていて、スマホの中のPDFファイルではだめです。次に日本国内の空港で再度コロナの検査を受けなくてはなりません。そしてたとえこの検査結果が陰性でも、日本において14日間の自主隔離が必要です。その隔離をリモートで監視するためにMySOSというアプリをスマホに入れる必要があり、空港で係員が見張っています。またMySOSは一日一回ビデオ通話をするので、相手の顔は見えないものの向こう側では人間がこちらを一方的に見ています。これらはワクチン完了者に対してすべて無駄な作業です。日本は効率的に無駄な事をするのが好きなので、いまだに水際作戦という無駄な仕事をしています。いくら効率的にやっても、無駄は無駄です。ワクチン完了者にはコロナの検査は不要だし、検査結果が陰性なら自主隔離は不要です。そのお金で無料のコロナ検査を街中で実施する方がましです。

2021年9月9日木曜日

遅い日本

「石橋を叩いて渡る日本」の原因は何でしょう。コロナ・ワクチンの国内承認が遅れた理由は「日本とアメリカでは食べ物などが違う」[^1]からでした。ワクチン・パスポートの導入もようやく議論が始まったばかりで、日本のワクチン接種証明書を日本入国時には使えない[^2]という冗談のような状況があります。まず人口に占める高齢者の割合が多いと社会の変化は遅くなります。高齢者は本質的に保守的で新しい事を学ぶ意欲に欠けるからです。次に「安心・安全」を求める国民が多いのも原因のひとつです。新しい事が「安心・安全」となるには時間がかかります。さらに政治家に高齢者が多いのも政策の保守化につながります。小手先の変化で切り抜け、大きな変更を避けるのは公務員の習性で、「無謬性」を求められる以上なるべく決断を遅くするのは当然です。何事もスマホひとつでできる時代に、選挙すらスマホで投票できない日本は、確実に後進国へと転落しつつあります。

2021年9月8日水曜日

食品に勝機

日本の強みは食品産業です。食品の輸出はもとより、現地生産や飲食店の進出も可能です。日本の食品産業は国内での熾烈な競争で強くなっており、円が強い今のうちに海外進出するべきです。例えばビーガン料理など、野菜だしをうまく使う事で日本食を現地化すれば新しいもの好きのアメリカ人が飛びつきます。減塩でも美味しい料理を作るノウハウを持つ日本の食品産業には、健康志向の高収入顧客を味方に付ける素地があります。スシ、ラーメンの次はビーガン料理です。魚のダシを使わずに大豆料理を提供すれば、高い顧客単価が期待できます。油が少ない日本料理はカロリーも少なく、ダイエットに熱心なアメリカで健康食として売り込めます。

2021年9月7日火曜日

SNSの欠点

自分の意見を拡げる場としてのSNSには致命的な欠点があります。それは質問や反論に答える必要がないという事です。言いっ放しで一方通行です。このため嘘を言っても誰にも止められません。言論の自由には責任があります。自分の言った事に対して責任を持つという当たり前の事が実現できていません。質問や反論に答えるのは発言者の責任なのに、SNSではこれが無視されています。質問や反論に答えないと次の投稿ができないというような仕様は可能でも、その結果起きる投稿数の減少は収入の減少となるので、営利企業であるSNSには無理な選択です。

2021年9月6日月曜日

デマの価値

デマは英語の「demagogue」(扇動者)から来ており、主に嘘で大衆を扇動する人を指します。ではなぜデマがSNSなどで簡単に拡がるのでしょう。それはデマに情報としての価値があるからです。情報の価値はそれを知っている人の数に反比例します。世界中で1人しか知らない情報は、それがたとえ嘘であっても、最大の価値を持ちます。逆に誰でも知っている情報は最小の価値しかありません。新しい情報には価値があり、特にそれが常識に反する嘘である場合にデマとなります。従ってデマは必ず少数派の人から発生します。SNSは情報の価値を再生回数で判断し、情報の提供者にお金を払います。つまりデマを流せばお金が稼げるのです。なるべく常識に反するデマほど情報の価値が高いので、たくさんのお金になります。SNS上のデマは視聴者を欺く事で儲けているのです。

2021年9月5日日曜日

財政赤字と税金

今年の日本の国家予算は300兆円ぐらいです。この予算の内訳は一般会計に100兆円、目的が決まっている特別会計に200兆円です。ブラック・ボックス化している特別会計は後回しにして、毎年の支出である一般会計の100兆円[^1]に注目します。毎年これだけ使うお金を日本政府はどうやって手に入れるのでしょう。それは主に税金と国債です。100兆円のほぼ半分は消費税と所得税と法人税でまかない、残りを国債という借金で手当しています。この国債を買っているのは主に日本の金融機関で、間接的に日本人がほとんどの国債を所有しています。国債はいずれ返さなければならない借金で、子供や孫から借りたお金です。一部の政治家や大学教授は、毎年国債残高が増える事に対して日銀がお札を刷って国債を買うから問題ないと主張しています。でもそれが本当ならどうして国民から税金を取るのでしょう。消費税と所得税と法人税をなくして、日銀がお札を刷って国債を買う方法のどこに問題があるのでしょう。それはお札の信用には限度があるからです。1ドルが100円ぐらいなのは、外国が日本のお札にそれ位の価値があると信用しているからです。もし日銀がお札を刷って一般会計をすべて国債でまかなうと、日本のお札の信用がなくなります。国債を無限に増やす国のお札の価値は無限に減るからです。日銀はもうすぐ国債残高の半分を所有する法人になるので、日本のお札の信用はこれからゆっくり落ちていきます。すると円安が続くので輸出企業や海外の投資物件を持っている人は嬉しいでしょう。でも電気代やガス代、それに小麦粉や油の値段が上がるので生活費がどんどん上がります。賃金や年金が物価より上がれば良いのですが、そうなる理由はありません。デジタル化により日本の生産性が上がるとしても、一部の人の賃金が上がってそれ以外の大多数の人の賃金は下がります。年金はすでに赤字なので、少子高齢化の日本で年金はむしろ下がります。歯止めのない国債発行は生活費のインフレを招き、多数の貧乏人を生みます。

2021年9月4日土曜日

高齢者の運転

自動車は一歩間違えば走る凶器です。酒酔い運転、居眠り運転、その次に危険なのが高齢者の運転です。アクセルとブレーキを間違える事故は5年間で2万件超[^1]起きており、高齢者の認知機能不足が疑われます。そもそも右足でアクセルとブレーキの両方を担当するという運転方法に問題があり、パニックを起こしてブレーキのつもりでアクセルを踏む高齢者が後を絶ちません。オートマ車ならクラッチがないので、こうした事故を避けるために普段から右足でアクセル、左足でブレーキと使う足を分けておく事を勧めます。こうするといざという時にブレーキを踏むタイミングも早くなり、足の負担も分散するのでより安全な運転が実現できます。安全な所で半日ぐらい練習すれば、誰でも左足ブレーキは可能です。

2021年9月3日金曜日

手作り信仰

日本には「手間暇をかけるほど良い」という信仰があります。これを筆者は「手作り信仰」と呼びます。2008年に中国製の「手作り餃子」が、実は農薬まみれ[^1]の原料を使っていたという事件がありました。餃子がおいしかどうかは原料や味付け、それに作り方で決まります。その中で作り方の一部だけを取り上げて、手作りだからおいしいと考えるのは誤りです。機械化するよりコストが安いから中国では人手を使っていたのが真相です。これは料理に限らず、合理化して機械化されたものを見下すという日本の風潮につながっています。日本のデジタル化が遅れているのは「手作り信仰」が原因で、合理化して機械化することに反感があるからです。選挙すらスマホでできない日本は、まだ昭和の時代に生きています。昭和生まれが日本の進歩を止めているのです。

2021年9月2日木曜日

9割の壁

コロナのmRNAワクチンは9割の効果があります。すると1割の人はブレークスルー感染して症状が出ます。ブレークスルー感染そのものは最初からこのぐらいあると分かっていたので、これは問題ではありません。感染した1割の人も重症化しにくいので、ワクチンは想定内の働きをしています。例えばアメリカの感染爆発はワクチン未接種者の間で起きており、コロナやワクチンを否定した人が犠牲になっています。日本はワクチンが絶対的に不足しており、学校が始まると子供を中心に家庭内感染が増加します。ワクチンの効果が時間とともに低下するのは新たな問題で、低下した時に感染すると重症化するのか、あるいは軽症で済み抗体も増えるのかはまだ分かりません。

2021年8月31日火曜日

インフル化するコロナ

猛威を振るっているコロナのデルタ株には、集団免疫を得るために90%のワクチン接種率が必要と見積もられています。ワクチンが任意接種である限り、この接種率には到達しません。自然感染によりこれに近い状態になる可能性はあるものの、実際には毎年変異株が出現するので感染は続きます。ただし重症化する人は少なくなり、死亡率も下がります。つまりあと1年もすると普通のインフルエンザのようになるという事です。心配な人はワクチンを毎年受ければ良く、今ほどコロナを恐れる必要はなくなります。

2021年8月30日月曜日

MTBと夏のスキー場

オレゴン州に旅行してきた折りに日本でも使えそうなアイデアを見つけたので、ご紹介します。夏のスキー場は集客に苦労するものですが、マウント・フッドではマウンテン・バイクでスキー場を駆け下りるというスポーツをやっており、リフトの一日券で何度でもコースを自転車で降りる事ができます。マウンテン・バイクはレンタル出来るし、持ち込みもできます。リフトに工夫して自転車を運べるようになっており、人が乗るリフトと自転車が乗るリフトが交互にやって来ます。コースも難易度でスキーと同じく簡単な緑から難しい青、さらに上級者向けの黒まで色分けされています。林の中を通るコースと開けたスキー場を下るコースがあり、ヘルメットを付けたバイカーが何度も自転車で山を降りていました。マウンテン・バイクの講習会もあり、冬はスキー夏はマウンテン・バイクで賑わっていました。

2021年8月22日日曜日

ピークを打った東京

夏のコロナ感染者数のピークを迎えた[^1]東京は、この後しばらく感染者は横ばいとなる見込みです。陽性者の割合も下降に転じており、東京オリンピックの影響はこれでおしまいでしょう。今後はお盆休みの影響とパラリンピックがどう関係するかにかかっており、まだまだ要注意です。帰省する人も去年より増えているので、東京以外の場所で感染爆発が起きる可能性があります。これから秋にかけて若者の足を止める手段がない以上、東京にもう一段上のピークが起きる可能性は否定できません。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

2021年8月15日日曜日

借地に公園

東京は木が少ない大都市です。皇居と明治神宮、代々木公園と新宿御苑ぐらいしか大きな公園がなく、ビルとビルの間は道路で、その道路には日陰を作るほど大きい木は数える程しかありません。木がたくさんあると気温が下がります。森の中は外と較べて5度低くなります。東京の夏の気温を下げるには、都心の空き地に木を植える必要があります。道路は車が通るので、他の場所に木を植えるしかありません。建物の屋上は空調機器を置いたり太陽光発電装置を置くので、そこには木を植える場所がありません。せめて空き家になった古い住宅地を東京都が借り上げて、そこに林を作るのが現実的です。借地に公園を作って木を植えるという発想です。東京都がこの公園を管理し、借地料を地主に払います。

2021年8月14日土曜日

深刻化する日本のコロナ

日本のコロナ感染が悪化の一途[^1]です。特に大都市圏で感染者と重症者が増えています。[^2]6月と較べて感染者数は10倍、重症者数は5倍です。入院すべき人が入院できないという、医療崩壊の状況です。重症者は40代と50代に多く、この年代のワクチン接種が不十分とみられます。感染経路も複数あり、危ないのは飲食店に限りません。国内のデルタ株のまん延を止めるには、今以上の思い切った措置が必要です。例えば出社できるのはワクチン完了者に限るとか、飛行機や新幹線の利用にはワクチン接種証明が必要といった措置です。

2021年8月13日金曜日

国際空港ベスト10

Skytraxが発表した2021年の国際空港ベスト10[^1]には、日本から東京羽田空港、東京成田空港、関西国際空港が入っています。ひとつの国から3つもベスト10入りするのは快挙であり、東京羽田空港がシンガポールのチャンギ国際空港を抑えて2位となっているのも立派です。1位に輝いたのはカタールのハマド国際空港で、国を挙げての投資活動が実ったもようです。最近パッとしない日本の観光業界には良いニュースになりました。

^1: https://www.cnn.com/travel/article/skytrax-world-best-airport-2021-intl-hnk/index.html

2021年8月12日木曜日

新型コロナ収束への道

日本全体に新型コロナのデルタ株が拡がって[^1]います。一方ワクチン接種により死亡率は減少しており、もうすぐインフルエンザと同じ0.1%になります。子供の頃に新型コロナにかかると軽症で済むのであれば、新型コロナも普通の風邪と同じ扱いになります。新しいウイルスのため人類に免疫がなく、2020年の死亡率は1%ぐらいでした。高齢者からワクチン接種が進み、今後ワクチン接種済みの人が増えればコロナは収束します。このウイルスは主に子供の頃にかかる風邪のひとつになり、もし変異が収まれば新たなワクチンも不要です。今が一番しんどい時期[^2]で、主にワクチン未接種者が犠牲になっています。ワクチンが普及するまで人流を抑えるために、今すぐワクチンパスポートを使いましょう。

2021年8月11日水曜日

ブースター接種

モデルナ[^1]とファイザーは3回目の接種に必要なFDAの認可をアメリカで申請中です。免疫抑制剤を使用中の人や医療従事者を対象にしています。米CDCは今のところ3回目の接種は不要という立場です。イスラエル、ドイツ、イギリスは3回目接種の実施を予定しています。コロナの予防接種のあと時間とともにコロナ抗体の量が下がるのは普通で、これだけでは予防効果が落ちるとは言えません。またブレークスルー感染者は抗体量が上がるので、毎年1回コロナにかかって軽症で済むという事を繰り返す可能性もあります。WHOは先進国の3回目より途上国の1回目の方が大事という立場です。インドのように大規模な感染がおきるとそれだけ変異型ウイルスも生まれやすいので、普通の人の3回目が必要かどうか科学でしっかり結論を出す必要があります。新型コロナは人獣共通感染症なので、人間の側でコロナウイルスをなくしても動物から再度感染する可能性があり、世の中からコロナウイルスが消える事はなさそうです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05DEN0V00C21A8000000/

2021年8月10日火曜日

40年で1度上昇

この気象庁のデータ「世界の年平均気温偏差の経年変化(1891〜2020年)」[^1]によると、1980年を境に気温上昇が顕著になっています。北半球を例にとると、1940年から1980年までの40年間には温度変化がほとんどなく、1980年から2020年までの40年間で1度の温度上昇になっています。気象庁のグラフには1本の赤線しかなく、その0・72度/100年という直線回帰の上昇率には無理があります。ここは2本の直線が必要で、1980年の前と後ではグラフの傾きが違います。北半球の温度バランスが崩れたのは1980年前後と見るべきで、そこから急速な地球温暖化が始まっています。一方南半球のデータはより緩やかな温度上昇を示しており、1980年から2020年度までの40年間で0・5度の上昇になっています。北半球に人口の多い国が集中しており、地球温暖化の悪影響はまず北半球に出ています。40年間で1度の割合だと、温度上昇を1・5度に抑えるにはあと20年[^3]しかありません。アメリカ、中国、欧州、ロシア、日本で7割[^2]の温室効果ガスを出しているので、こうした先進国が率先して温暖化対策を行わないと自分の首を絞める事になります。

2021年8月9日月曜日

止まらないデルタ株

東京都のコロナ感染者[^1]が指数関数的に伸びています。緊急事態宣言の効果がなく、デルタ株の感染力が高いからです。6月に較べて新規感染者数は10倍、重症者は3倍、陽性率も22%と高止まりです。米フロリダ州ではワクチン未接種の子供の感染が急増しており、東京都も今度そうなる可能性があります。感染経路の大半は家庭内で、旅行や帰省にともないデルタ株が全国に拡がると予想します。国内へのワクチンパスポート導入が急務です。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

2021年8月8日日曜日

コロナ感染対ワクチン

米CDCのデータ[^1]によると、2020年に新型コロナに感染して回復し、2021年の5月から6月にかけて再度新型コロナに感染した人の数は、ワクチンを接種しなかった方が接種した方の2倍以上となっています。コロナに感染して回復した事である程度の免疫が出来ており、さらにワクチン接種を加えると2倍以上の予防効果があるという事です。コロナに感染しても再度の感染はあり得るし、症状が軽く済むという保証はありません。でもワクチン完了者なら重症化や死亡の恐れはなく、感染予防にも効果があります。

^1: https://www.cnn.com/2021/08/06/health/us-coronavirus-friday/index.html

2021年8月7日土曜日

オリンピックの意義

人により「オリンピックの意義」は違って当然です。でも筆者にとっては、それは「人種差別の否定」です。いろいろな人種のアスリートがオリンピックで戦い、世界の頂点を目指します。そこには人種差別はあり得ず、実力だけの世界です。身体能力の高いアフリカ勢が有利かと思えば、必ずしもそうではありません。移民の多い国では人種もまちまちで、選手村にも色々な人がいます。そうした大勢の人間が集まって同じ事をするのがオリンピックの良さです。

2021年8月6日金曜日

日本の第5波

日本のコロナ感染者数をこの1年間で比べると、第5波の数は最速で過去最大[^1]になっています。緊急事態宣言の効果が慣れで薄れた事、飲食店が生き残りのために営業自粛をやめた事、オリンピックのために人流が増えた事などが原因です。でも医療関係者や高齢者へのワクチン接種が進み、重症化する人はあまり増えていません。ワクチン接種は加速しているので、なんとしてでも人の動きを止めなければなりません。高速バス料金を8月中は倍にするとか、飛行機や新幹線の料金を8月中は倍にするなど、思い切った方法が必要です。

^1: https://www.worldometers.info/coronavirus/country/japan/

2021年8月5日木曜日

日本のワクチンパスポートの愚

日本の外国用ワクチンパスポートが日本入国時に使えない[^1]という、悪い冗談のような現実があります。つまり日本政府は自国のワクチンパスポートを信用していないという事で、これでは他国に使えと言う方が無理です。ワクチンパスポートは、入国に際して14日間の自主隔離を不要にする道具で、2回目のワクチン接種後に地方自治体が発行する紙の書類です。どうしてこれが日本入国時に使えないのでしょうか。国民はバカにされています。

2021年8月4日水曜日

東京都のコロナ陽性率

東京都のコロナ陽性率[^1]が20%を越えました。陽性率の伸びは鈍化しているものの、デルタ株の感染率が恐ろしく高い事と、緊急事態宣言の効果がなくなっている事を表しています。ワクチンは供給が制限されているので、接種を受けたくてもなかなか進みません。ここに夏休みと帰省が重なると、このデルタ株が全国に拡がります。若者の足を止めるには思い切った手段が必要です。早く国内向けワクチンパスポートを実現して、すべての飲食店への入店に必須にしましょう。番号をCOCOAアプリに打ち込んで、それをQRコードとして表示するだけで十分で、その番号を自治体のデータベースと付き合わせるのは来年で構いません。ワクチンパスポートがない人は持ち帰りのみ可能とします。そのかわり飲食店の営業時間と酒提供の制限は撤廃します。いままでと同じ方法では感染爆発を止められません。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

2021年8月3日火曜日

医師でも誤解

コロナワクチンの有効性と副反応[^1]については医師でも誤解しています。まず第一に、年齢が若ければ重症化しないから接種しなくてい良いという主張は、そうした(無症状を含む)感染者が知らずに回りの人にコロナを拡げる危険を無視しています。またそうした感染者の体内で新たな変異株が生まれる可能性もあり、二重の危険があります。次にワクチンがコロナの発症を防ぐ効果について、母集団の中でみれば0・84%と小さな差だと主張しています。ところがこの治験は3ヵ月という短い期間での結果であり、予防接種なしではコロナは人類全体に拡がります。全人口が感染するまで日本のコロナは終わらず、それまでには人口の1%がコロナで死亡します。またmRNAワクチンは10年かけて開発されており、それをコロナに応用するのに1年かかったという事を誤解している人もいます。今までにmRNAベースのコロナワクチンが原因で死んだ人はいません。既存のインフルエンザ・ワクチンよりはるかに効果的なワクチンであるが故に、発熱などの免疫反応が強く出ます。もし何も副反応が出なければ、そのワクチンには効果もありません。「自分を守り、家族を守り、社会を守る、それが予防注射」という公共広告が必要です。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/6e9ab65488bd8f6f19bed566a315960abb6cd80a

2021年8月2日月曜日

大事な数字

ようやく大事な数字[^1]がアメリカから出てきました。米NBCによると「ブレークスルー感染」の割合は、データのある38州で感染者が12万5682人で、7月末時点で接種を完了している1億6400万人超のうち0・08%未満にあたります。また米CDCによると、接種完了後に感染して入院した人は接種完了者の0・004%、死亡した人は0・001%となっています。アメリカはファイザーとモデルナとジョンソン&ジョンソンのワクチンを使っており、デルタ株が拡がる中での数字です。感染者数に無症状感染者が含まれているのかは不明ながらも、「ブレークスルー感染」の割合はかなり低い事が分かります。また重症化や死亡を防ぐ効果も抜群で、ほぼ100%となっています。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN020370S1A800C2000000/

2021年8月1日日曜日

無自覚差別

この記事[^1]にある「日常化した差別」に近いものが「無自覚差別」です。これは日本にもあり、例えば外国人を「ガイジン」と呼ぶ事です。外国人を「ガイジン」と呼んで何が悪いのかと納得できない人も多いでしょう。だからこれが「無自覚差別」なのです。イジメと同じで、ある行動を差別される側が差別と感じれば、それが差別です。

2021年7月31日土曜日

ワクチン未接種者の危険

東京都の新規感染者数は8月中に5000人を越える[^1]と予想します。それでも重症者数と死亡者数が6月の数字と較べて倍ぐらいの増加でとどまっているので、明らかに高齢者へのワクチンが効いています。デルタ株に感染するのは主にワクチン未接種者なので、40歳以上のワクチン未接種者が危険にさらされています。コロナで死にたくなければ出歩かないことです。ワクチンは2回接種して2週間経たないと最大の効果がでません。1回接種では予防には不十分なので、2回接種して2週間経つまではガードを下げてはいけません。

^1: https://www.yomiuri.co.jp/national/20210729-OYT1T50419/

2021年8月5日追記
もう5000人を越えました。恐ろしい程の増加率です。

2021年7月30日金曜日

デルタ株の脅威

こちらの記事[^1]によると、感染者の鼻腔にあるデルタ株のウイルス量はアルファ株の1000倍だそうです。つまりそれだけ感染しやすいので、ショッピング・モールで無症状感染者とすれ違っただけでも感染します。また感染してからの潜伏期間も二日ほど短いそうなので、これはもう別物といってもいいほどの違いです。そのうえデルタ株に感染するワクチン完了者もゼロではないので、感染が拡大している地域でCDCはワクチン完了者にも屋内でのマスク着用[^2]を勧めています。ただしワクチン完了者がデルタ株に感染しても重症化しないので、コロナによる重症者はほぼ全員がワクチン未接種の人たちです。ワクチンが余っているアメリカで、今だにワクチンを接種しない人がコロナの犠牲になっています。まだ認可されていない12歳未満の子供を除き、自分の意思でワクチンを拒否する人は社会を危険にさらしているという意見もあります。

2021年7月29日木曜日

コロナワクチンの義務化

アメリカは医療機関や州レベルの公共機関において、コロナワクチンを義務化しつつあります。特にニューヨーク州とカリフォルニア州で顕著です。連邦レベルでは、退役軍人省が傘下の病院の従業員に対してコロナワクチンを義務化[^1]しました。新たに入院するコロナ患者のほとんどがワクチン未接種なので、何としてでもワクチンの接種率を夏の間にもっと上げないと、冬にまた都市のロックダウンが必要になるという予想がでています。テキサスの病院で医者や看護師を含む数千人の従業員全員にコロナワクチンを義務化したところ、それに反対してこの病院を辞めたのは数人にとどまったという話もあり、少なくとも民間企業がコロナワクチンを義務化するのは仕方ない[^2]と受け止める人が増えています。もちろん南部の保守的な州では、企業が従業員にワクチン接種済みかどうかを尋ねる事を法律で禁止した所もあり、プライバシーや自由を重んじる州で、デルタ株による新規感染者が増えているのも事実です。

2021年7月28日水曜日

加害者化する若者

ワクチン接種をためらう若者[^1]がコロナに感染すると、ウイルスの変異株がそうした若者の体内で生まれ、周りの人に移ります。もしその変異株がデルタ型のような危険なウイルスだと、たとえ若者自身は無症状で済んでも、周りの人が重症化する可能性があります。つまりワクチンを接種するかどうかは個人の自由、とは言っていられない事情があります。そこで若者へのメッセージは高齢者へのメッセージとは異なり、「接種できない人を守るのは接種した人」という視点が必要です。「自分を守り、家族を守り、社会を守る、それが予防接種」という公共広告でも流してくれないかな〜

2021年7月27日火曜日

シールド注射針

アメリカの予防接種でよく使われている注射針[^1]です。注射後は針に付属のシールドをかぶせるので、使用済みの針を誤って自分の手に刺すとか、別の患者に再度使用するミスを防ぐことができます。ただし価格が少し高くなるので、日本では使っていないと思います。人間は疲れると必ずミスを起こします。でも使う器具を工夫する事で、そうしたミスを減らせます。

2021年7月26日月曜日

予防注射は医療行為か

日本の法律では「医療行為をやっていいのは医師だけ」となっています。このため薬剤師がコロナの予防注射を打つ事ができません。そもそも「医療行為」とは何でしょうか。日本の法律にその定義がないので、判例を積み上げて外堀を埋めているのが現状です。たとえば「イレズミ」を施すのは医師法違反かどうかが問われて、2020年に最高裁[^1]までいって「イレズミ」は医療行為ではないと判断されました。予防注射を打つのはどうでしょうか。医者は接種希望者が特定の予防注射を打っても良いかどうかを判断します。実際に注射を打つ人は看護師でも救命士でも良く、それならトレーニングを受けた薬剤師でも良さそうなものです。基本的に健康な人に打つので、予防注射は病を治すという医療行為ではなく、医師でなくてもやっていいはずです。アメリカだと予防注射を打っても良いかどうかの判断は注射を受ける本人に任されていて、薬剤師は書類の確認と本人確認だけで注射を打てます。この緊急事態でイギリスでは一般人でもトレーニングを受けたあと予防注射を打っています。こう考えると、予防注射は医療行為ではないというのが筆者の意見です。

2021年7月25日日曜日

アメリカのデルタ株

アメリカでワクチン未接種者を中心にコロナの感染がまた増えています。ワクチン接種が進み人口の半分以上がワクチン完了者となったにも関わらず、感染力の強いデルタ株がワクチン未接種者の多い南部の州で特に感染を拡げており、マスクの着用を求める声も増えています。5月から6月にかけてワクチン接種が進み、ガードが下がっていたところにデルタ株が入ってきて、主に若者と子供を狙い撃ち[^1]しています。マスクを着けなくても良いのはワクチン完了者だけなのに、ワクチン未接種者もマスクを外してしまったので、コロナの反撃が始まりました。デルタ株は無症状感染者とすれ違うだけでも感染するほど強力なので、ワクチン未接種者には勝ち目がありません。共和党支持者に反ワクチン派が多いので、危機感を持った共和党上院トップが支持者にワクチン接種を勧めたほどです。

2021年7月24日土曜日

手詰まりの東京

こちらの記事[^1]によると、東京の対策は手詰まりのようです。協力金の支給遅れ[^2]で飲食店の離反が相次ぎ、ほぼ半数の店は通常通りの営業をして酒も出し、生き残りに必要な収入を得ています。東京都ですら行政がIT化されていないという悲しい現実です。ここは頭を切り換えて、ワクチン完了者のみに飲食店の中での飲食を許して、その代わり店は通常通りの営業に戻すのが正解です。ワクチンパスポートは経済再開の鍵で、これなくして安全な日常は戻りません。PCR陰性者や抗体保持者もワクチン完了者と同等の扱いにします。それ以外の人は持ち帰りかデリバリーを使えばいいのです。ほぼ実効性のなくなった飲食店への営業妨害はやめて、ワクチン接種への利益誘導を導入しましょう。スマホのCOCOAアプリにワクチンパスポート機能を付ければ十分です。外国向けのワクチンパスポートは、国内向けのワクチンパスポートと違うアプリで構いません。一刻を争う事態ですよ。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC197590Z10C21A7000000/

2021年7月23日金曜日

貧乏くじ

正直いって日本はオリンピックに関して貧乏くじを引いたと思います。夏の気候について嘘をついてまで手に入れた夏期オリンピックも、コロナのおかげで大赤字のイベントになりました。最初のもくろみではインバウンドの旅行客が増えてお金がたっぷり入るはずだったのに、無観客のせいで国民ひとりあたり1万円の大赤字です。欲をかくとしっぺ返しをくらうという典型的な状況です。もうあと50年は夏期オリンピックを日本でやろうという声は出ません。でも今回の反省点を他の国際大会に生かせれば、無駄ではなかったと言えるでしょう。福島の復興は表向きの理由で、本当の理由は観光収入をもっと増やしたいという事でした。コロナで収入格差が広がる中で、この赤字イベントが国民に教えた日本の本当の姿を記録し次の世代に伝える事ができれば、赤字でもやって良かったと言えるでしょう。

2021年7月22日木曜日

ブレークスルー感染率

コロナのmRNAワクチン完了者でもデルタ株に感染するという報告があります。例えばファイザーのワクチンは、去年の治験で症状を抑える効果が95%、感染を抑える効果が90%、重症化を抑える効果が100%となっていました。流行のデルタ株でも大きな変化はないとされているので、ブレークスルー感染は10%のワクチン完了者に起こり、そのうちの半分には症状が現れて、残りの半分は無症状感染者になると仮定します。東京オリンピックのために来日する人数は最大で105,000人[^1]と見積もられ、開会式までにそれだけの人数が集まると仮定すれば、今までに空港や選手村でのコロナ検査で陽性となった人は90人ぐらい[^2]なので、割合だと0.09%となります。これはブレークスルー感染率の10%に較べるとはるかに少ないので、それぞれの選手や関係者が出身国のバブルで守られていた証明となります。なおブレークスルー感染率が10%なので、コロナ検査で陽性となる人数は最悪10,500人と考えられ、もしバブル方式を使わなかったらその位まで増えると考えられます。実際にはバブルで守られているので、大きめにみて1%がブレークスルー感染すると仮定すれば、バブルの中で最大1,050人程度のコロナ陽性者が出そうです。


2021年8月9日追記
来日した選手と関係者の総数が4万2681人で、そのうち空港での検査でコロナ陽性が判明したのは37人、大会の管轄下で行った検査では138人の感染が判明しました。合計175人で4万2681人に対して0.4%にあたり、最大1%という見積もりは妥当でした。これを見る限り、バブル方式での東京オリンピックは成功したと言えます。

2021年7月21日水曜日

アストラゼネカ製ワクチン

日本はアストラゼネカ製のコロナワクチンを5月に薬事承認したのに、予防接種法に基づいて公費で受けられるワクチンとするかどうかの結論[^1]を7月になってもまだ出していません。アストラゼネカ製ワクチンには稀に血栓症を起こす副反応があり、せっかく国内に在庫があっても使えない状況[^2]が続いています。予想通り国内のワクチンは需要に供給が追いつかず、自治体によっては接種予約を取り消すところも出てきました。血栓症は主に妊娠可能な女性に多いので、男性や高齢者にはアストラゼネカ製ワクチンを控える理由はありません。このままではワクチン在庫が期限切れになるので、せっかく手に入れたアストラゼネカ製ワクチンを日本国内でも積極的に使いましょう。

^2: https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK174HQ0X10C21A7000000/

2021年7月29日追記
40歳以上に限って公的接種が認められました。