2019年1月24日木曜日

ボイジャーとオポチュニティ

1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャー(1号2号)と、もっと最近の2004年に打ち上げられたオポチュニティは対照的な探査機です。前者は木星を含む火星より外の惑星を探査する人工衛星なのに対して、後者は火星に着陸して14年にわたり火星の地表を観測してきた探査車です。両者には27年近い年の差があり、生き残りの方法も違います。ボイジャーはプルトニウムを熱源とする原子力電池を使い、40年以上も宇宙を旅しています。でもオポチュニティは太陽の光を太陽電池で電気に替えて、電池に貯めて使うロボットです。プルトニウム238の半減期は87年なので、その崩壊熱を使うボイジャーの発電量は2018年には当初の半分以下になっており、無線通信の他にはプラズマ検知器が働いているのみです。そのため2025年頃には発電量が足りなくなって、無線通信が止まるかもしれないと予想されています。一方オポチュニティは2018年に火星の大規模な砂嵐に巻き込まれて、太陽の光が届かなくなったので冬眠モードに入り、2019年1月現在通信が途絶しています。どちらのロボットも内部の電子機器を室温で動かすには熱源が必要で、ボイジャーはプルトニウム238を熱源として、またオポチュニティは電池に貯めた電気を熱源として内部を室温に維持しています。オポチュニティは長い間太陽の光を遮られたため、熱源となる電気が足りなくて電池や内部が凍ってしまった可能性があります。火星で砂嵐に巻き込まれたオポチュニティは寿命かもしれません。でもボイジャーは打ち上げから50年後の2027年になっても活動を続け、太陽系外のプラズマの様子を人類に教えてくれるものと期待します。

2019年1月14日月曜日

4年分のブログを本に

このブログの2015年から2018年までの4年分の内容を、キンドルの電子本にまとめて出版しました。右のリンクから「外枠文化」をクリックすると日本のアマゾンに飛びます。18日の金曜日まで無料ですので、良かったらダウンロードしてみてください。