2017年10月21日土曜日

日食と天気

皆既日食の時には気温が摂氏で10度ぐらい下がります。1時間ぐらいかけて太陽が月に隠れていくと、肉眼では分からないものの肌に受ける太陽のエネルギーは着実に減っていきます。つまり太陽の光を浴びても暖かく感じなくなっていくのです。これは他にはない体験です。夏の日差しが冬の日差しになるような、明るいのに暖かくない光に変わる現象です。半袖では寒くて仕方ないので、長袖の上着を着ました。それとともに風が吹きます。気温が下がるという事は気圧が下がるという事ですから、周りの暖かい場所から空気が入ってきます。皆既日食ではもちろんそこが一時的に夜になり、真っ黒な太陽が見えるという事は知っていました。でもこれほど気温が下がって太陽の有り難みを感じるとは思いませんでした。何も知らない昔の人はさぞかし日食が怖かったろうと思います。

2017年10月14日土曜日

2大政党制?

アメリカには共和党と民主党という2大政党があり、一般には2大政党制の国となっています。なぜふたつの大政党があるかと言えば、そこには国を2分する課題があるからです。共和党は「小さな政府」と「自助努力」を目標とし、その反対に民主党は「大きな政府」と「社会福祉」を目標としています。「小さな政府」とは税金が少ないし社会福祉も少ない、いわば「究極の資本主義」を表しています。一方「大きな政府」では税金が多いけど社会福祉も多いという「社会主義的資本主義」を狙っています。アメリカはこの「小さな政府」と「大きな政府」の間を常に揺れ動いています。ひるがえって日本の現状はどうでしょう。日本には国を2分する課題があるでしょうか。国民全員が「少ない税金」と「手厚い福祉」を求めていませんか。サウジアラビアのようなオイル・マネーのある国ならいざしらず、日本には無理な相談です。その結果日本の選挙では憲法改正とか原発問題が取り上げられています。でもそれは国を2分するような課題ではありません。憲法改正しなくたって自衛隊は存在するし、原発だってこれから何年も稼働し続けます。すべての政党が「歯止めのない財政赤字」という大問題に背を向ける限り、将来の日本は一部のお金持ちと貧乏人だらけになってしまいます。

2017年10月7日土曜日

医者のシステム

アメリカの医者は予約制がほとんどで、急患の場合は平日の昼間ならクリニックの救急外来に行き、夜間や休日だと病院の緊急室に行きます。子供の発熱程度だとまず担当の看護師に電話で相談して、医者に診せた方が良いとなると急ぎの予約を入れるケースもあります。予約はすぐには取れない場合があり、そのかわり処方箋なしで買える薬は種類も多く安いので、医療費の高いアメリカで安易に医者にかかる人はいません。病院は看護師とボランティアが中心で、医者は必要に応じて病院にやってきます。病院は主に手術する所であり入院する所です。クリニックは検査をしたり診断する所で、病院とは棲み分けができています。個人で開業している医者は、近くの病院やクリニックと契約を結んで、自分のオフィスでは不可能な検査を外注します。X線CTやMRIなどの高価な検査機器は病院やクリニックにあるので、開業医が所有する必要はありません。

2017年10月5日木曜日

また過労死?

アメリカで働いていて良かったと思えるものは、ここには過労死がないという事です。日本のような悲壮感を持って働いている人はいません。人を雇うのもクビにするのも簡単にできるアメリカでは、労働者から見ればクビになってもすぐまた次の仕事が見つかるという話です。過労死が起きるほどの長時間労働をさせると、たいていのアメリカ人労働者は他の会社に移ってしまいます。もちろん若者は暇なので、朝昼晩の食事をタダで提供すれば毎日12時間ぐらい働いてくれます。でも家族持ちはそうはいきません。子供の送り迎えや育児などで夜は誰も会社で働きません。家からインターネットで働く人もせいぜい夜の8時でいなくなります。それに長時間労働だと仕事も現状維持がせいぜいで、画期的なアイデアは浮かびません。日本の生産性が上がらないのは、経営者の頭が硬くて長時間労働の欠点が見えていないからだと筆者は思います。