2015年2月22日日曜日

話題の不等式

ピケティ氏の「21世紀の資本」で話題になった「r>g」という不等式のお話です。資本収益率を示すrと経済成長率gとの間には、歴史的にみて前者が常に後者を上回るという観測データがあるというのは、データの取り方が妥当な限り誰にも反論できない事実です。経済学は歴史学なので過去のデータからモデルを作って未来を予測します。なぜこの不等式が成り立つのかという証明がないという指摘は意味がありません。なぜならこれは数学ではなくて歴史学だからです。でもこの不等式を背理法で説明することはできます。もし「r<g」なら資本を投資するよりも働いて所得を増やした方が割りが良いので、だれも投資をしなくなります。すると既存の産業は生産性を上げることができず、まったく新しい産業も生まれません。つまり資本主義社会が発達して拡大するには資本を投資する必要があり、「r>g」でなければ資本主義社会は衰退します。現実に資本主義社会はまだ拡大しているので、今のところ「r>g」は当分続くでしょう。「ナニワ金融道」というマンガにもあるように「資本主義では資本家になるのが勝ち」なのです。

2015年2月15日日曜日

敷地最低面積

シリコン・バレーの各都市には家の敷地に最低面積が決まっています。これは限られた土地に小さな家をたくさん建てる事を防ぎ、人口過密を避けて町の住み心地を良くするためです。その大きさはだいたい6000平方フィートで、ほぼ550平方メートルぐらいです。つまり22メートルかける25メートルぐらいの敷地が最低の大きさで、これより小さい土地には家を建てられません。これぐらい土地面積があれば平屋でも4LDKが可能で、それ以上の部屋数を望むなら2階建てにします。ただし、これだけ土地が大きいとそれなりに値段も張るので、若者はまず集合住宅の分譲を買います。英語でいうコンドミニアム、日本語だとマンションです。集合住宅なら一軒家の3分の1から2分の1ぐらいで同じ部屋数の物件を購入できます。ではこれを日本と比較してみましょう。日本には建ぺい率と容積率という縛りがあります。ところが土地の最低面積が小さすぎるか又はそのような規制が無いので、狭い土地にぎっしり家が建っています。日本でも戸建ての土地は最低200平方メートルにするなどの規制があれば、もっと住み心地のよい町が作れたのに残念です。新築一戸建てと新築マンションの価格帯が同じでは、明らかに戸建ての土地が狭すぎます。そのうえ英語でいうタウンハウス、日本語だとメゾネットタイプの家も日本では人気がありません。日本の住宅地の土地の使い方には、まだまだ改善の余地があるように思います。

2015年2月1日日曜日

新年会

アメリカの会社の新年会はカップルでの参加が普通です。恋人がいれば恋人と、配偶者がいれば配偶者と参加します。もちろん子供連れにはベビーシッターが必要なので、参加しない家族もたくさんいます。参加するしないは完全に個人の自由です。会社の近くのホテルの宴会場を使ったり、レストランや博物館を使う事もあります。金曜日の夜6時くらいから9時くらいまでをあてて、その日は午後4時ぐらいに仕事を終わらせて一度家に戻り、普段着ているジーンズやポロシャツではなくネクタイに上着や、ドレスに着替えてパーティに参加します。新年会としてのパーティには食事とお酒、バンド演奏とビンゴなどのゲームが含まれます。アメリカらしいのはダンスをする場所がある事で、談笑するだけでなくバンドに合わせてダンスする人もいます。バンドも音楽好きの社員が演奏する場合もあり、社長は司会に徹するなどサービス精神を発揮します。従業員への感謝を込めて行われるので、アメリカの新年会では社長が席に座っている暇はありません。アメリカの食べ物にはあまり期待できないものの、英語で色々な人とおしゃべりするのが好きであれば楽しめる行事です。