2021年9月30日木曜日

シートベルトと予防接種

コロナの予防接種とシートベルトの対比が最近よくアメリカで話題になります。車を運転する時にシートベルトをするのは法律で義務化されていて、罰則もあります。シートベルトにより交通事故での死亡率が大幅に下がるので、自分を守るために必要と理解されています。コロナの予防接種も同じ事なのに、どうしてその義務化に反対する人がいるのでしょうか。ポリオやハシカの予防接種は受けたのに、コロナの予防接種はどうして避けるのでしょうか。医療従事者へのコロナ予防接種が義務化されたアメリカで、少数の人が義務化に反対[^1]しています。宗教上の理由とされているものの、バチカンの法王はワクチンを接種していて、彼はコロナの予防にワクチンが有効だと公言しています。医学教育を受けたナースでさえも新しいワクチンを信用できないのは、SNS上の偽情報が原因だと思われます。

2021年9月29日水曜日

物価と賃金

日本の失われた20年は、物価と賃金が変わらなかった20年[^1]でもあります。賃金が上がれば需要が増えて、もし供給が同じなら物価は上がります。物価は消費者心理ではなく需要と供給で決まります。だから人口が増えた東京のマンション価格が上がりました。ところが少子高齢化で国の人口が減る日本では、何もしなければ需要が減ります。賃金を上げるには合理化が必要で、無駄な仕事をなくすと同時に必要な仕事を効率化します。アベノミクスでは非効率な会社が生き残り、非正規雇用が増えました。賃金も上がらず国の赤字を増やしました。非正規雇用は賃金が安いので、これでは物価も上がりません。正社員と非正規の区別を禁止する代わりに、手切れ金による解雇を認め、年齢による就職差別をなくす法律が必要です。合理化は失業者を生みます。これを容認できるかどうかは国民次第です。格差の是正は税制の仕事であり、正社員制度を廃止する理由でもあります。

^1: https://www.asahi.com/articles/ASP970GSYP8JULFA00R.html

2021年9月28日火曜日

QRコード決済

10月からPayPayが小売店に2%弱の利用料を求めることになり、最寄りのスーパーは現金払いの会員客に与えている3%割引をPayPay払いには適用しない事にしました。このため筆者はまた現金払いに戻るつもりです。QRコードを使ったキャッシュレスもこれでおしまい。PayPayがビジネスモデルとして決済手数料を取るのは誤りだと思います。小売店はまだ売り上げの半分以上が現金払いなので、キャッシュレスとは言っても小売店にメリットはありません。消費者が手数料を払ってまでPayPayを使う理由もないので、客は他の手数料無料の決済サービスに流れます。消費者に広告を見せたり、お金に関する他のサービスを売るなど、小売店と消費者の両方に役立つビジネスモデルは不可能でしょうか。

2021年9月27日月曜日

1億人維持?

日本の人口を1億人程度に維持出来るでしょうか。結論から言うと無理です。内閣府の高齢社会白書「将来推計人口でみる50年後の日本」[^1]によると、2045年あたりに日本の人口は1億人を切ります。この時期には毎年百万人(1%)ぐらい人口が減ります。つまり毎年百万人の移民を日本に入れないと人口を1億人程度に維持できません。外国人恐怖症の日本で毎年受け入れられる移民は千人程度と見積もられています。これは技能実習生や留学生とは別枠です。技能実習生や留学生は短期滞在者であって、移民ではありません。今から24年後の日本が、毎年百万人の移民を受け入れたら国が持ちません。それだけの人数に日本語教育を施し、仕事と住む場所を与え、年金や生活保護まで払うお金の余裕がありません。百万人のうち労働者はその半分ぐらいで、残りの半分は引退した親や学童期の子供です。今やるべき事は少ない人数で社会を回す方法を見つける事で、人口を1億人程度には維持できないと覚悟しましょう。

2021年9月26日日曜日

紙はやめよう

郵便の土曜配達がなくなる[^1]そうです。当然ですね。これだけ電子メールが普及すると、急ぐならメールです。ラインもあります。どうしてわざわざコストのかかる紙を使うのでしょうか。筆者は極力郵便を受け取らなくて済むようにしています。紙のカタログを送ってくる業者には、それは紙の無駄だから要らないと拒否し、通帳を電子化した銀行にも、入金を知らせる葉書を送らないよう設定しています。最後に残るのは行政です。ここは何でも紙とハンコなので、やたらと郵便を送ってきます。でもマイナンバーカードとスマホがあるから、紙とハンコは廃止できるはずです。住所、氏名、生年月日で行う本人確認は、マイナンバーカードとスマホで置き換える事ができます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA227LR0S1A920C2000000/

2021年9月25日土曜日

原発電力は高い

もうこういうゴマカシはやめませんか。日本の原発電力は原価が高いので、再生エネルギーと較べても競争力がなく、そのうえ実現不可能な「原価」を出して、それを最低線とするやり方[^1]はゴマカシです。実際の原価が計算できないという段階で、もうすでにエネルギーの安全保障ができていません。福島原発事故の処理費用は見積もりより当然増えるし、放射性廃棄物の最終処理費用も未定です。既にある原発を最長60年使い続けて、その間に安い再生エネルギーを大幅に増やすのが正解です。コストの高い日本の原発には退場してもらいましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC066070W1A800C2000000/

2021年9月24日金曜日

誤解を招く報道

相変わらず誤解を招く報道[^1]があります。この「25人中24人がブレイクスルー感染 群馬の病院でクラスター」という見出しは、「25人のワクチン接種者のうち24人がコロナに感染した」という誤解を招きます。統計を知らない記者が書いたとしか思えません。この報道で大事なのは「24人のうち、2人が中等症で、22人が軽症だ」という事です。群馬県全体で何人がワクチン接種を完了したかが分かれば、この24人が意味のない数字である事が分かります。ワクチンは治験の結果、1割のブレイクスルー感染が起きる事が分かっています。つまり感染を予防する効果は9割です。だから群馬県の人口を190万人とすれば、その半分がワクチン接種を完了したと仮定しても、9万5千人がブレイクスルー感染します。そのうち24人がこの病院にいたという事です。統計では母集団として何を取るかで数字の意味が変わります。統計と確率は中学で習う教科なので、常識として持っておくべき知識です。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/5f88bb12f239aad0d00ec8fd9bad10ec07a7217d

2021年9月23日木曜日

システムと火災訓練

アメリカのIT企業では、システムのバックアップがちゃんと働くかを時々テストします。このテストを fire drill(火災訓練)と呼び、技術的な面だけではなく運用や報告といった部分もテスト対象にします。ネットワークのケーブルを抜いたり、重要な装置の電源を切ったりします。さすがに昼間の時間には行えないので、夜中や休日を選んでテストします。どんなハードウェアもいずれ故障するので、バックアップが設計通り動くかどうかは大切なテストです。どうも日本の銀行システムは、こうしたテストをやっていないように見えます。システム・ダウンが怖くてテストできないのであれば、本当の故障には耐えられません。銀行はIT企業です。外部のSIベンダーに頼るようではダメです。

2021年9月22日水曜日

コロナ免疫の朗報

コロナ免疫の朗報をふたつ紹介します。ひとつめは抗体が減っても免疫は残る[^1]という報道で、ワクチン接種で作られたコロナ免疫が何年も続きそうです。またワクチン接種前にコロナにかかって回復した人は、ワクチン接種によりスーパー免疫が得られる[^2]という報道もあります。たとえ1割のブレークスルー感染があっても、それによる重症化や死亡は「万が一」と少なく、むしろ免疫が強化されると見られます。ワクチン接種が完了していれば、感染しても軽症か無症状で済むのがコロナの特徴です。これは毎年予防接種が必要なインフルエンザとは違います。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/ff2ae2baa1cb84856662979b3f34b3d3e47945ff

2021年9月21日火曜日

アメとムチ

コロナ・ワクチンの接種率を上げるのにアメとムチが必要[^1]という意見に賛成です。アメはポイント付与や割引、ムチはイベント参加や飲食店での店内飲食です。9割の接種率を実現するにはワクチン・パスポートが必要で、早いとこスマホに搭載できるようにしてほしいです。1割ぐらいのブレークスルー感染は残るものの、重症化や死亡を大幅に減らすワクチンに勝る予防方法は他にありません。医学的にワクチンを接種できない人はステイホームで買い物はオンラインです。「自分を守り、家族を守り、社会を守る」ワクチン接種を義務化する法律も考えましょう。自衛隊、警察、公務員、医師、看護師、医学生などにワクチン接種を義務づけるのは当然です。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4b3a95c9d9a6f4d7ea527d09c8c26f4427c7b3

2021年9月20日月曜日

コロナと診断書

日本入国時に見せるコロナ検査の結果には医者の署名が必要で、ここには検査結果は診断書だという建前があります。医者がやっている事は検査結果を目で見ているだけで、なんの付加価値もありません。例えばコロナ検査が陰性でも潜伏期間中なら感染は分かりません。こうした医者の署名には何の価値もないのに、厚生労働省は医者に気兼ねしてルールを変えません。これでは何を診断したのか不明です。コロナに感染していないという事は誰にも診断はできません。検査でコロナ・ウイルスが検出されなかったとしか言えないのです。診断に値しないので、これを診断書と呼ぶのは間違いです。日本行きの飛行機に乗るにはこの「診断書」が必要で、無料で受けられるコロナ検査の結果のみでは搭乗できません。その結果、検査結果にゴム印の署名が機械的に押された「診断書」に1万円以上を払うというバカな事をしないと日本に行けません。たとえその医者が実在しない人物でも分かりません。ここで必要なのは書式に沿った紙であり、検査結果そのものではありません。たとえこの紙が偽造されていても誰にも分からないのです。今だにこんな事をしているのは日本だけです。ここは検査結果を記したメールで十分だと思います。

2021年9月19日日曜日

経済成長と雇用安定

経済成長と雇用安定は両立しません。経済成長には新しい試みが必要で、そのすべてが成功するとは限らないからです。失敗する投資もあるし、倒産する会社もあります。すると雇用は安定せず、敗者から勝者に人が移ります。ところが日本の昭和にあった高度成長期には、例外的に経済成長と雇用安定が両立しました。それはアメリカという自由で大きな市場があったからで、アメリカで売れてる製品を日本でより安く作り輸出する事で成長しました。すでに売れている製品なので、大きな失敗もありません。自動車、テレビ、半導体メモリなどがその例です。ところが人口が減少する令和では、経済成長と雇用安定が両立せず日本は雇用安定[^1]に傾いています。日本が雇用安定を重視する限り、経済成長は起こりません。そこで経済成長を実現したい人は、海外に活路を求める事をすすめます。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC253VM0V20C21A8000000/

2021年9月18日土曜日

ゼロリスク信奉

物事には常に「リスクとベネフィット」があります。飛行機に乗れば落ちるかもしれないけど、移動時間が減ります。自動車で移動すれば事故に遭うかもしれないけど、重たい荷物を持って歩く必要はありません。電車だって事故確率はゼロではなく、道を歩くだけでも自転車にぶつかるリスクがあります。これらのリスクは「有るか無いか」[^1]ではなく「どれだけ有るか」なのです。大地震のリスクがあっても人が日本に住み続けるのは、そのリスクを上回るベネフィットがあるからです。ワクチンの副反応というリスクより、コロナによる重症化や死亡を防ぐベネフィットが大きいからワクチンを接種します。コロナは全員が感染するかワクチンを完了するまで続きます。

^1: https://news.yahoo.co.jp/articles/11c17cecd85cca2088f17a6aabc34ab601c47273

2021年9月17日金曜日

難民受け入れ

日本にはアフガン難民を受け入れる義務があります。アメリカに同調して自衛隊を送るなどアフガン支援をした以上、その結果には責任があります。それに日本は人口が減る国なので、積極的に難民を受け入れる余地もあります。難民は「避難民」です。彼らには人権があり、日本人と同様に扱うべきです。日本語教育を行い、住むところと仕事を用意し、自立できるよう手助けするのがスジでしょう。日本なら年間千人程度の受け入れは十分できるはずです。テロや犯罪を防止するには、こうした難民がタリバンやアルカイダに加入する理由を無くす必要があります。それにはアフガン人の経済的自立が必要です。タリバンの収入源は麻薬栽培と聞きます。国内への麻薬流入も、元はアフガンの貧困が原因です。難民問題は人ごとだと思っていると、日本は世界から嫌われます。

2021年9月16日木曜日

ふるさと納税の愚

「ふるさと納税」とは、消費者が2000円を負担するだけで、納税先の自治体から無料で食品やサービス(お礼)を手に入れられる制度です。納税分は地元の自治体にとって減収になるので、地元の自治体の公共サービスにただ乗りする人が増えています。本来の趣旨から大きく外れてしまったこの制度は、早急に制度設計をやり直さないと大変な事になります。納税先の自治体から受け取るお礼の値段は納税額から差し引くべきで、この値段をいくらにするかが新しい制度設計の要になります。お礼という曖昧な位置づけではなく、ふるさとの産業を助ける意味で、その地域の食品やサービスを買ってもらうという考え方です。その値段にはふるさとでの卸値と小売値があるので、その平均値が妥当でしょう。それでも小売値よりは安くなるので「ふるさと納税」の動機付けには十分です。たとえば10万円の仮納税額に対してお礼の値段が4万円なら、ふるさとに入る税額は残り6万円で、地元の税収も6万円減るだけです。そのかわり2000円の控除は撤廃します。

2021年9月15日水曜日

ワクチンの効果

コロナのワクチンには複数の種類があり、アメリカだけでもファイザー、モデルナ、J&Jと三種類が使われています。これらをひっくるめてワクチン接種完了済みの人が、ブレークスルー感染でコロナで重症化または死亡する割合が分かりました。それは1万3千人にひとり[^1]となっており、65歳以上の高齢者が大部分となっています。つまりこうしたワクチンが重症化または死亡を予防する割合は99・99%であり、ほぼ100%と言えるレベルです。ただし、65歳以上の高齢者は糖尿病や高血圧といった既往症のある人が多いので、心配な人はワクチンを完了していても三密を避けましょう。

2021年9月14日火曜日

第5波は終了

東京の陽性率[^1]がやっと10%を切りました。夏休みやオリンピックも終わり、感染の山は越えたという事です。次は3ヵ月後の11月に再度ピークが来ます。緊急事態宣言をやめると人流が増えて感染が増える、というサイクルは今後も続きます。ただしワクチン接種のおかげで次のピークは夏より低くなると予想します。今は学校を通じて子供の感染が増えています。11歳以下はまだワクチンを接種できないので、子供を守るために大人全員が11月までにワクチン接種を完了する必要があります。「自分を守り、家族を守り、社会を守る、それが予防注射」です。

^1: https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/monitoring

2021年9月13日月曜日

ワクチン完了者と水際作戦

この1年でコロナ・ウイルスについての知識が大幅に増え、空港などで行う水際作戦が無駄である事が分かりました。例えばデルタ株は水際作戦をすり抜けてインドから日本に入ってきました。日本行きの飛行機に乗るには72時間以内のPCR陰性という検査結果が必要で、この時点で陽性者は乗れません。もちろんこの検査結果を偽造する人もいるので、日本に着いてから空港で再度コロナ検査があります。この検査で陽性なら国の費用でホテルに隔離されます。陰性なら自宅に帰れるものの、14日間の自主隔離を求められます。このときワクチン接種を完了しているかどうかは問われません。ワクチン完了者にコロナ検査を求めるのは無駄で、14日間の自主隔離も無駄です。その反面もし入国者が陰性でもコロナに感染しているなら、その人は自宅で家庭内感染を拡げるので、水際作戦でも感染拡大は防げません。ワクチン完了者とそうでない人を区別しない日本の水際作戦は無意味で、予算のかけ方として間違っています。費用対効果に頭を使いましょう。

2021年9月20日追記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN203QF0Q1A920C2000000/
アメリカは11月から外国人はワクチン完了者のみ入国を許すと決めました。さて日本は?

2021年9月12日日曜日

自然淘汰とワクチン

コロナ・ワクチンを拒否してコロナに感染し、亡くなる人がアメリカの南部で増えています。ワクチンが余っているアメリカでワクチンを接種しないのは自殺行為であり、デルタ株に感染して死ぬのは一種の自然淘汰と言えます。人とウイルスの戦いで生き残るのは体力がある人ではなく、ウイルスに免疫がある人です。生存に有利となるワクチンを拒否するなら、もう医者にできる事はありません。バカに付ける薬はないという事です。

2021年9月11日土曜日

9/11と3/11

2001年のアメリカ同時テロ攻撃9/11から20年たち、アメリカのテレビは朝から犠牲者の追悼番組が続いています。この事件が起きた時、筆者は日本にいました。2011年の東日本大震災3/11の時は逆に、筆者はアメリカにいました。どちらの災厄も現地で経験していない筆者は、当時の人の反応を想像するしかありません。テロ攻撃も津波も予想だにしない事だったので、それで亡くなった人にとっては納得のいかない死でしょう。9/11では三千人、3/11では一万八千人が犠牲になりました。この二つの出来事が筆者に教えた教訓は、人間いつ死ぬか分からないという事です。いつ死んでも後悔しないように、ささやかな楽しみを後回しにするのは止めました。

2021年9月10日金曜日

効率的に無駄な事をする日本

アメリカから飛行機で日本に入国する時、たとえアメリカでコロナ・ワクチンを接種完了していても、まずPCR検査を飛行機に乗る前に受けて、その陰性証明書という紙を航空会社の社員に見せる必要があります。これは必ず紙でなくてはならず、その書式も厚生労働省が決めていて、スマホの中のPDFファイルではだめです。次に日本国内の空港で再度コロナの検査を受けなくてはなりません。そしてたとえこの検査結果が陰性でも、日本において14日間の自主隔離が必要です。その隔離をリモートで監視するためにMySOSというアプリをスマホに入れる必要があり、空港で係員が見張っています。またMySOSは一日一回ビデオ通話をするので、相手の顔は見えないものの向こう側では人間がこちらを一方的に見ています。これらはワクチン完了者に対してすべて無駄な作業です。日本は効率的に無駄な事をするのが好きなので、いまだに水際作戦という無駄な仕事をしています。いくら効率的にやっても、無駄は無駄です。ワクチン完了者にはコロナの検査は不要だし、検査結果が陰性なら自主隔離は不要です。そのお金で無料のコロナ検査を街中で実施する方がましです。

2021年9月9日木曜日

遅い日本

「石橋を叩いて渡る日本」の原因は何でしょう。コロナ・ワクチンの国内承認が遅れた理由は「日本とアメリカでは食べ物などが違う」[^1]からでした。ワクチン・パスポートの導入もようやく議論が始まったばかりで、日本のワクチン接種証明書を日本入国時には使えない[^2]という冗談のような状況があります。まず人口に占める高齢者の割合が多いと社会の変化は遅くなります。高齢者は本質的に保守的で新しい事を学ぶ意欲に欠けるからです。次に「安心・安全」を求める国民が多いのも原因のひとつです。新しい事が「安心・安全」となるには時間がかかります。さらに政治家に高齢者が多いのも政策の保守化につながります。小手先の変化で切り抜け、大きな変更を避けるのは公務員の習性で、「無謬性」を求められる以上なるべく決断を遅くするのは当然です。何事もスマホひとつでできる時代に、選挙すらスマホで投票できない日本は、確実に後進国へと転落しつつあります。

2021年9月8日水曜日

食品に勝機

日本の強みは食品産業です。食品の輸出はもとより、現地生産や飲食店の進出も可能です。日本の食品産業は国内での熾烈な競争で強くなっており、円が強い今のうちに海外進出するべきです。例えばビーガン料理など、野菜だしをうまく使う事で日本食を現地化すれば新しいもの好きのアメリカ人が飛びつきます。減塩でも美味しい料理を作るノウハウを持つ日本の食品産業には、健康志向の高収入顧客を味方に付ける素地があります。スシ、ラーメンの次はビーガン料理です。魚のダシを使わずに大豆料理を提供すれば、高い顧客単価が期待できます。油が少ない日本料理はカロリーも少なく、ダイエットに熱心なアメリカで健康食として売り込めます。

2021年9月7日火曜日

SNSの欠点

自分の意見を拡げる場としてのSNSには致命的な欠点があります。それは質問や反論に答える必要がないという事です。言いっ放しで一方通行です。このため嘘を言っても誰にも止められません。言論の自由には責任があります。自分の言った事に対して責任を持つという当たり前の事が実現できていません。質問や反論に答えるのは発言者の責任なのに、SNSではこれが無視されています。質問や反論に答えないと次の投稿ができないというような仕様は可能でも、その結果起きる投稿数の減少は収入の減少となるので、営利企業であるSNSには無理な選択です。

2021年9月6日月曜日

デマの価値

デマは英語の「demagogue」(扇動者)から来ており、主に嘘で大衆を扇動する人を指します。ではなぜデマがSNSなどで簡単に拡がるのでしょう。それはデマに情報としての価値があるからです。情報の価値はそれを知っている人の数に反比例します。世界中で1人しか知らない情報は、それがたとえ嘘であっても、最大の価値を持ちます。逆に誰でも知っている情報は最小の価値しかありません。新しい情報には価値があり、特にそれが常識に反する嘘である場合にデマとなります。従ってデマは必ず少数派の人から発生します。SNSは情報の価値を再生回数で判断し、情報の提供者にお金を払います。つまりデマを流せばお金が稼げるのです。なるべく常識に反するデマほど情報の価値が高いので、たくさんのお金になります。SNS上のデマは視聴者を欺く事で儲けているのです。

2021年9月5日日曜日

財政赤字と税金

今年の日本の国家予算は300兆円ぐらいです。この予算の内訳は一般会計に100兆円、目的が決まっている特別会計に200兆円です。ブラック・ボックス化している特別会計は後回しにして、毎年の支出である一般会計の100兆円[^1]に注目します。毎年これだけ使うお金を日本政府はどうやって手に入れるのでしょう。それは主に税金と国債です。100兆円のほぼ半分は消費税と所得税と法人税でまかない、残りを国債という借金で手当しています。この国債を買っているのは主に日本の金融機関で、間接的に日本人がほとんどの国債を所有しています。国債はいずれ返さなければならない借金で、子供や孫から借りたお金です。一部の政治家や大学教授は、毎年国債残高が増える事に対して日銀がお札を刷って国債を買うから問題ないと主張しています。でもそれが本当ならどうして国民から税金を取るのでしょう。消費税と所得税と法人税をなくして、日銀がお札を刷って国債を買う方法のどこに問題があるのでしょう。それはお札の信用には限度があるからです。1ドルが100円ぐらいなのは、外国が日本のお札にそれ位の価値があると信用しているからです。もし日銀がお札を刷って一般会計をすべて国債でまかなうと、日本のお札の信用がなくなります。国債を無限に増やす国のお札の価値は無限に減るからです。日銀はもうすぐ国債残高の半分を所有する法人になるので、日本のお札の信用はこれからゆっくり落ちていきます。すると円安が続くので輸出企業や海外の投資物件を持っている人は嬉しいでしょう。でも電気代やガス代、それに小麦粉や油の値段が上がるので生活費がどんどん上がります。賃金や年金が物価より上がれば良いのですが、そうなる理由はありません。デジタル化により日本の生産性が上がるとしても、一部の人の賃金が上がってそれ以外の大多数の人の賃金は下がります。年金はすでに赤字なので、少子高齢化の日本で年金はむしろ下がります。歯止めのない国債発行は生活費のインフレを招き、多数の貧乏人を生みます。

2021年9月4日土曜日

高齢者の運転

自動車は一歩間違えば走る凶器です。酒酔い運転、居眠り運転、その次に危険なのが高齢者の運転です。アクセルとブレーキを間違える事故は5年間で2万件超[^1]起きており、高齢者の認知機能不足が疑われます。そもそも右足でアクセルとブレーキの両方を担当するという運転方法に問題があり、パニックを起こしてブレーキのつもりでアクセルを踏む高齢者が後を絶ちません。オートマ車ならクラッチがないので、こうした事故を避けるために普段から右足でアクセル、左足でブレーキと使う足を分けておく事を勧めます。こうするといざという時にブレーキを踏むタイミングも早くなり、足の負担も分散するのでより安全な運転が実現できます。安全な所で半日ぐらい練習すれば、誰でも左足ブレーキは可能です。

2021年9月3日金曜日

手作り信仰

日本には「手間暇をかけるほど良い」という信仰があります。これを筆者は「手作り信仰」と呼びます。2008年に中国製の「手作り餃子」が、実は農薬まみれ[^1]の原料を使っていたという事件がありました。餃子がおいしかどうかは原料や味付け、それに作り方で決まります。その中で作り方の一部だけを取り上げて、手作りだからおいしいと考えるのは誤りです。機械化するよりコストが安いから中国では人手を使っていたのが真相です。これは料理に限らず、合理化して機械化されたものを見下すという日本の風潮につながっています。日本のデジタル化が遅れているのは「手作り信仰」が原因で、合理化して機械化することに反感があるからです。選挙すらスマホでできない日本は、まだ昭和の時代に生きています。昭和生まれが日本の進歩を止めているのです。

2021年9月2日木曜日

9割の壁

コロナのmRNAワクチンは9割の効果があります。すると1割の人はブレークスルー感染して症状が出ます。ブレークスルー感染そのものは最初からこのぐらいあると分かっていたので、これは問題ではありません。感染した1割の人も重症化しにくいので、ワクチンは想定内の働きをしています。例えばアメリカの感染爆発はワクチン未接種者の間で起きており、コロナやワクチンを否定した人が犠牲になっています。日本はワクチンが絶対的に不足しており、学校が始まると子供を中心に家庭内感染が増加します。ワクチンの効果が時間とともに低下するのは新たな問題で、低下した時に感染すると重症化するのか、あるいは軽症で済み抗体も増えるのかはまだ分かりません。