2018年6月29日金曜日

育ての親

カンヌで賞を取った「万引き家族」という日本映画を視ました。日本の映画はアメリカ映画に較べると「オチ」がないという傾向があって、この映画も物語にこれといった結末はなく、後は皆さんご自分で考えてという終わり方をしています。それはそれで良いとして、個人的に気になったのが「育ての親」と「生みの親」との対比です。アメリカは養子が一般化しているので、育ての親が生みの親より大切という社会常識があります。これに対して映画では血縁が強調されているので、日本では今でも生みの親が育ての親より大事なのでしょうか。まあこれは映画の中では曖昧なので、疑似家族となった貧乏人の人情話として視れば色々と考えさせられる良い作品です。子役の演技が光ってます。

2018年6月16日土曜日

読解力不足

先週「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本を読みました。いや〜衝撃的な話です。日本人の学力低下の噂は前から聞いていました。でもこれほどとは知りませんでした。著者の新井紀子氏が「小学校から英語やプログラミングを習う前に日本語の読解力を」という提言をするのも、もっともです。大学に入る学生の学力低下は、希望すれば誰でもどこかの大学に入れる以上避けられません。それより中学卒業までに基本的な読解力を付け損ねている今の教育って何なんでしょう。教育の目的そのものが的を外しているのでしょうか。漫画しか読まない若者や子供の将来と、その人たちが背負う国の未来が不安です。AIにできない仕事は読解力を必要とするか、あるいは手足を必要とする仕事です。以前筆者が書いたように、世の中にはコンピュータを使う仕事か、コンピュータに使われる仕事しかありません。

2018年6月5日火曜日

偽ニュース

インターネットが普及した結果、いわゆる偽ニュースが社会問題になりました。自分の意見を持たず、耳障りの良い話を無条件に信じてしまう人はたくさんいます。そこで偽ニュースに騙されないためには、人の話を疑うという教育が必要です。もし「〜と言われています」と話す人に出会ったら、「誰がそういったの?」と訊いてみましょう。出所が不明な話は偽ニュースである可能性が高いのです。そもそもテレビや新聞の広告は、その手の出所不明な話だらけです。たとえば「いまアメリカで話題の」という枕詞があれば、その後に偽ニュースが続くと思って間違いありません。裏が取れない話を鵜呑みにしていては危険です。