2016年10月22日土曜日

敗者復活

日本とアメリカの最大の違いは何でしょう。筆者の意見では、日本では就職のチャンスが一生に一度しかなく、人生が一本道だという点です。終身雇用と年功序列という制度の下では、敗者復活は容易ではありません。たまたま入った会社が自分に合わなかったり、ブラック企業だったりしても、その会社をやめて新しい会社に入るには壁があります。日本では新卒が優遇される反面、中途採用には即戦力が求められるため、前職で十分なトレーニングや経験を積んでいない人には不利です。つまり敗者復活が難しいのが日本です。これとは対象的に、アメリカの新卒は就職において最も不利な立場にあります。アメリカには終身雇用もなければ年功序列もないので、基本的にすべてが中途採用です。このため働いた経験のない新卒は最も価値が低い求職者となります。ただし、日本と違って前職で十分なトレーニングや経験を積んでいない人でも、大学に再度入って仕事の知識を学んだりインターンを通じて経験を積むことで、比較的容易に敗者復活を遂げることができます。また同じ仕事の分野でより待遇の良い会社に移ることは当然と見なされるので、たまたま入った会社が自分に合わなかったり、ブラック企業だったりしても、その会社をやめて新しい会社に入るのは普通の事とされます。このように敗者復活が容易であれば、その道の経験者がスタートアップ企業に就職するケースも多くなり、新しい会社が成功する確率が高まります。アメリカには過労死や社畜もありません。どちらが働く人にとって生きやすい社会でしょうか。

2016年10月13日木曜日

長時間労働の欠点

日本の長時間労働は国際的に有名になりつつあります。日本で働く外国人が増えたためでしょう。ユーチューブにも毎日の残業で疲れたサラリーマンを描写した作品[^1]があります。アメリカのIT企業でエンジニアをしている筆者は、午後6時には誰もいなくなるオフィスにすっかり慣れてしまったので、日本の長時間労働の欠点を思い出すのに苦労しました。まず長い時間働くと疲れが溜まって頭が回らなくなります。新しいアイデアが浮かばず、目の前の問題をとりあえず解消する仕事ばかりになります。英語でいうfirefightingばかりです。次に家族との関係が悪化して離婚の危機にさらされます。子育てに回す時間がないので、少子化を招きます。健康を害して仕事ができなくなる危険もあります。これだけの欠点がありながら長時間労働が減らない理由はふたつあり、残業をすればするほど月給が増えるという賃金の仕組みと、人に仕事を割り当てるという日本の労働形態が大きな原因です。前者は年収ベースの賃金に変えて、どれだけ残業しても賃金は増えないという労働契約を結べば変えられます。ところが後者は日本の年功序列や団体主義と結びついているので、そう簡単に変えることができません。人の仕事の範囲が決まっていないので、時間のある人は他の人の仕事までやらなければなりません。効率良く自分の仕事を終わらせても、その分早く帰宅できるのでなければ、かえってたくさんの仕事を押しつけられてしまうので、効率良く仕事を終わらせようという気持ちになりません。アメリカのように仕事に人を割り当てる動労形態なら仕事の縄張りがきっちり決まっているので、自分の仕事さえ効率良く終わらせれば大手を振って帰宅できます。それでもアメリカの方が日本より生産性が倍も高いので、日本の長時間労働が何の役に立つのか筆者には不思議で仕方ありません。

^1: https://www.youtube.com/watch?v=po8IPh64rVM

2016年10月8日土曜日

二重国籍

国により国籍についての考え方が違います。でも二重国籍を法律上許すかどうかで世界の国々はふたつのグループに分かれます。アメリカ、カナダ、フランス、韓国などは二重国籍を認め、外国籍を維持したままその国の国籍を取る事が可能です。いっぽう日本や中国その他の国は二重国籍を認めず、国籍はひとつしか選べません。日本は人口減少に悩み、海外からの高度な人材を必要としています。それに日本が好きで日本に一生住み続けるつもりの人でも、母国の国籍を失いたくない人は大勢います。国籍を一つに限ることで日本にどんな国益があるのでしょうか。日本で働き税金を納めていても、日本の国籍がなければ政治に参加できません。もし同じ能力の人が日本とアメリカを較べたら、二重国籍を認めているアメリカは日本より魅力があります。日本よりアメリカの方が給料が良いし、労働時間も少なくて済みます。日本はなぜ二重国籍を認めないのか不思議で仕方ありません。法律が現状にそぐわないなら変えるのが議員の仕事です。移民を語る上で二重国籍は避けて通れない問題です。