2009年12月31日木曜日

1966

これを書くと歳がばれますけど、マサは子供のころアメリカ製テレビドラマを日本でよく見ていました。タイムトンネル、宇宙大作戦(スタートレック)、0011ナポレオンソロ(The Man from U.N.C.L.E.)、謎の円盤UFO(UFO)などです。大人になって昔のテレビが見たくなり、見逃したエピソードなどもあるので思い切ってアメリカでDVDセットを購入しました。大人買いです。上記のドラマのうちUFOはイギリス製ですが、他の三つはほぼ同じ時期にアメリカで放映されています。タイムトンネルがABCで1966年から1967年、宇宙大作戦がNBCで1966年から1969年、0011ナポレオンソロがNBCで1964年から1968年です。そこで1966年はこれらのドラマが同時に放送されていた豊作の年となります。ちょうどテレビが白黒からカラーになる時期なので、始めのころのエピソードが白黒で放送されていたドラマもあります。タイムトンネルは確かNHKで放送していました。歴史の事実を脚色したドラマなので社会の勉強になるといって、家に1台しかないテレビを子供が見ていた時代です。DVDセットを買って初めて分かったのですが、タイムトンネルは2006年にリメークでなんとテレビ映画が作られていました。そこではトニーが女性の役になっていて、トンネルも違うデザインになっていました。第二次世界大戦を扱う暗いエピソードだったので残念ながらシリーズ化には失敗したようです。宇宙大作戦はアメリカで放送が終わってから人気が出たドラマで、数多くの映画や関連ドラマを生み出した伝説的シリーズです。2009年にまったく新しい配役で蘇った映画が公開され、懐かしいカークとスポックの若い頃のエピソードを利用して新しい物語を生み出すことに成功しています。今後が楽しみです。ナポレオンソロはジェームズボンドの作者として有名なイアン・フレミングが原作者として生み出したテレビドラマで、冷戦時代であるにもかかわらずアメリカとロシアのエージェントが協力するという、当時としては画期的な筋立てで成功しました。イリヤ役のデビット・マッカラムは真面目で禁欲的なエージェントを演じ、アメリカの女性に大変人気があったそうです。ナポレオンとイリヤの組み合わせは、宇宙大作戦のカークとスポックの組み合わせにも通じるものがあります。いかにも女好きのナポレオンとカークに対して、誠実で人を裏切らないイリヤとスポックは案外女性の理想とする男性像なのでしょう。こうしたアメリカ製ドラマとすこし違うのが謎の円盤UFOです。時代もアポロ11号が月に着陸した後なので、基地のセットや月の描写がより現実的になっています。ドラマが当時からみて10年後の1980年に設定されており、自動車電話や月への往復ロケットなど近未来的要素がつまっていました。もともとサンダーバードという人形劇のテレビドラマを作っていたジェリー・アンダーソンの作品なので、ミニチュアセットを使ったシーンもありました。人間が演じる実写部分との違和感はあるものの、UFOが高速で回転しながら空を飛ぶシーンは秀逸でした。ミニチュアセットで屋外の俯瞰シーンを撮る場合、草や木の葉が静止しているのがイマイチで、今から思うと実写では必ず草や木の葉は風に揺れているので、このあたりの工夫がサンダーバード時代から進化していなかったようです。登場人物のファッションはなかなか良くできていました。60年代のアメリカのテレビドラマは話し出したらキリがないので、また別の機会を設けたいと思います。

2009年12月29日火曜日

サラダ

アメリカのサラダは三つの点で日本とちがいます。ひとつめは使う食材の種類です。いえレタスやトマトは使いますけど、それに加えて生のモヤシ、生のマッシュルーム、生のネギ、生のブロッコリー、生のカリフラワーなどびっくりする物を生で食べます。菜食主義の人がいますので、サラダだけで食事とする人のためにさらに豆腐のサイの目切りやゆで卵、パスタなども用意されています。これらの食材を重さあたりいくらで販売するサラダバーが人気です。ところが、日本でおなじみのキャベツの千切りはアメリカにありません。キャベツはなぜか生で食べるものではなく、サラダの食材には入れてもらえません。芽キャベツなら茹でたものを用意しているサラダバーがあります。キャベツの千切りは日本食レストランでとんかつと一緒に出てきますが、他では見かけない食べ方です。ふたつめの違いはドレッシングです。レストランでもドレッシングは複数用意してあるのが普通で、お客は自分の好みのドレッシングを注文します。日本みたいに勝手にドレッシングを選んでかけて出すような店は、日本食レストラン以外ありません。ドレッシングにはオイル&ビネガー、シーザー、ブルーチーズ、ランチ、サウザンアイランドなどがあり、マサはブルーチーズが好きです。日本のフレンチドレッシングはアメリカにはありません。味的にはオイル&ビネガーがそれに近いようです。オイルはオリーブオイルを使い、ビネガーにはワインビネガー、りんご酢、バルサミコなどを使います。ブルーチーズはアオカビの生えたチーズをドレッシングに入れたもので、独特の香りがあります。最初はこの香りになじめず食べられませんでしたが、何回か試すうちに慣れて美味しいと感じるようになりました。納豆みたいなものです。その国の人が美味しいと思って食べている食材は慣れれば美味しいに違いないので、日本の人にもブルーチーズをオススメします。最後の違いは食べるタイミングです。夕食などゆっくり食べる食事では、まず最初にスープかサラダを頼みます。洋食でいう前菜です。サラダを食べ終えると肉か魚の番です。肉を食べていると野菜で口をさっぱりさせたくなりますが、付け合せの野菜は温野菜しかありません。とんかつに千切りキャベツのような絶妙の組み合わせはありません。野菜をサラダ以外で美味しく食べるのはフランス料理の方が上手で、アメリカの野菜の食べ方は単純です。日本料理も野菜料理は豊富ですが、菜食主義の人は魚のダシも食べられませんので、結局サラダバーが民族の入り混じったアメリカでは理にかなったやり方のようです。

2009年12月27日日曜日

ESL

アメリカの公立学校に入学する場合、家の中で主に何語をしゃべっているかを書類に記入する欄があります。これが英語なら問題ありませんが、スペイン語だとか日本語と書いてしまうと、子供には口頭での英語のテストがあります。ここで授業についていけないと判断されると、ESLというクラスに入らねばなりません。ESLとはEnglish as a Second Languageの略で、英語が母国語でない人向けに行われる英語のクラスです。国語(英語)のクラスの代わりにESLのクラスで授業を受けます。ESLのクラスで実力をつければ、普通の国語(英語)のクラスに入れます。日本が今後外国の移民を本気で受け入れるのなら、このような仕組みが絶対に必要になります。普通10歳を超えると母国語が定着しますので、小学生でも学校で授業についていくためにはそれなりのクラスが必要です。言葉は意思疎通の基本なのでESLのクラスは重要視されています。自治体が開催する大人向けのESLのクラスもあります。移民の子供が学校についていけないと犯罪の温床になります。低賃金の移民を受け入れることは必ずしもコストの削減になりません。そうした移民の社会保障費やその子供の教育費、さらに親兄弟の分まで考えるとむしろコストは上昇します。移民は社会の活力を上げるから受け入れるのであって、低賃金の労働者と考えることは近視眼的です。すべての子供は教育次第で大きく変わります。日本がかつて江戸から明治になって教育に投資したように、昭和から平成になった日本は再び教育に投資する時期に来ています。日本という国の国際競争力は日本の教育レベルにかかっています。特に公立教育がその要です。また教師だけでなく両親にも子供を本気で育てる意気込みが必要です。税金で政府がやるべきことは次の世代を担う子供に充分な投資をすることです。はっきり言えば衰退産業を切ってでも、教育にはお金を回すべきだとマサは考えます。海外から留学生を呼べるくらい教育が充実すれば、外貨を稼げる産業にもなります。アメリカの大学院は平均して半分くらいが留学生です。アメリカの大学院は留学生なしには成り立ちません。そうした優秀な留学生が卒業後本国に戻らず、アメリカに残ってノーベル賞候補になります。教育は立派な産業です。

2009年12月26日土曜日

和製英語

和製英語は日本からアメリカに来た人が引っかかる最初の難関です。車がパンクした場合、パンクと言っても通じません。パンクは「Puncture」(穴が開く)という英語が元になった和製英語のようです。アメリカではパンクのことを「Flat Tire」(ぺしゃんこタイヤ)と言います。だから「車がパンクした」は、「My car got a flat tire」になります。車ついでにいうと、ギアを手で変える車を日本語では「マニュアルシフトの車」と言いますが、アメリカでは「ステックシフトの車」と言います。棒(ステック)で変速する車という意味です。車の前のガラス窓は日本では「フロントガラス」ですが、アメリカでは「ウィンドシールド」(風防)です。自転車も間違えやすい言葉です。日本語でバイクというと自動2輪のことですが、アメリカでバイクというと自転車(バイシクル)です。アメリカで自動2輪を指す言葉はモーターサイクルになります。まだあります。「ホッチキス」は多分商標だと思いますが、日本では書類を綴じるのに使う文房具の名前です。アメリカでは同じものを「ステープラー」と言います。ステープルとはU字型の金具のことです。ねじ回しの「マイナスドライバー」はアメリカでは「フラットドライバー」ですし、「プラスドライバー」に到っては「フィリップスドライバー」と言わなければ通じません。「トイレットペーパー」もよく引っかかる単語です。アメリカではこれを「バスティッシュ」と言います。板の間の床を日本では「フローリングの床」と言いますけど、アメリカでは「ハードウッドの床」と言います。有名なのは日本語の「マンション」でしょうか。英語のマンションは一戸建ての大邸宅を指す言葉です。日本のような集合住宅はアメリカでは「コンドミニアム」というのが正解です。ことほど左様に和製英語が身の回りに沢山あるので、アメリカに来た日本人はみな戸惑います。日本語のカタカナは外来語を取り入れるのに便利です。しかし外来語の元の意味を知らないまま日本語の感覚で応用してしまうと、和製英語になってしまいます。

2009年12月24日木曜日

戸籍のない国

アメリカには日本のような戸籍はありませんし、住民票もありません。普通の市民が持つ政府との接点は納税と選挙です。納税には社会保障番号という納税者をあらわす番号を使います。この番号を取得するには、アメリカ人の場合はアメリカ市民であることを証明する出生証明書が必要です。外国人の場合はパスポートとビザが必要です。税金は州と連邦のふたつに分けて払います。消費税とビジネス税は地元の自治体が徴収します。選挙はまず政党に登録して党員となることから始まります。大統領は党員の投票から決まります。また自治体の選挙では、自治体への選挙人登録が必要です。ですからマサように永住権のみで選挙権を持たない外国人はどこにも登録がありません。さすがにこれではまずいということで、911テロのあとアメリカは永住外国人の住所登録を義務付けました。永住権は10年ごとに更新する必要があるので、最新の情報を登録しておかないと最悪永住権を失う可能性があります。ですがこれは戸籍ではなく、ただの外国人登録です。扶養家族の控除があるため、納税の書類には自分の扶養家族の名前と社会保障番号を記入しますが、これも戸籍ではありません。役所が市民の家族構成や生死を登録することはありません。兵役ですら今は志願制ですので、18歳になったアメリカ市民は連邦政府に対して住所の登録を義務付けてはいますが、しなくても罰則がある訳ではありません。ただし政府が出す奨学金制度FAFSAに申し込む時には、この登録を済ませておかなければなりません。引越しには住所変更をします。郵便局には旧住所から新住所への転送依頼を出し、電気やガスなどは移動するたびにサービス停止と開始の手続きをします。固定電話は同じ局番内での引越しなら住所の変更だけで住みますが、そうでない場合はやはりサービス停止と開始の手続きになります。アメリカは自国内で生まれた人に自動的にアメリカ国籍を与えるので、出生証明書はアメリカ人であることの証明になります。ある自治体の住人であることの証明には、運転免許証の住所または電気やガスの請求書の住所を使います。また公立学校に入るにはその学校区の住所が必要です。住民票がないため、学齢の子供を持つ親は自ら学校区の事務所に出向いて子供の入学手続きをします。戸籍は始めは納税のため、ついで兵役のために発明されたものだと聞いています。日本には戸籍があり、アメリカには戸籍がありません。それでもアメリカの社会生活には支障はないようです。

2009年12月14日月曜日

お茶派?コーヒー派?

日本のお茶は緑茶と言いますが、その色は正しくは黄緑色です。例のボトル入りのお茶の色です。紅茶がイギリスでは単にティーと呼ばれるのと同じで、日本でお茶といえば緑茶のことになります。紅茶は英語ではブラックティーとなり、これと区別するためにグリーンティーと表現しています。緑茶は大変デリケートな飲み物で、軟水を使い特定の温度で抽出したときだけ本当の味と香りが得られます。これに対して、紅茶はある程度硬水でもよく温度は熱湯となっています。アメリカだと一般的な飲み物は水とコーヒーです。コーヒーは以前はいわゆるアメリカンで薄いものが普通でした。ところがスターバックスがエスプレッソを流行らせてから、濃いコーヒーが好まれるようになりました。会社ではスターバックスのコーヒー豆を挽いたもので入れています。エスプレッソマシンもあって、好きな人はもっと強いコーヒーを飲んでいます。一方ロシア系の人は紅茶が好きなようで、湯沸かし器を使ってティーバッグで飲んでいます。アメリカだとお茶派は少数なので、コーヒーはコーヒーメーカーを置いているところでも、お茶はコーヒーメーカーからお湯をもらってティーバッグという会社が多いです。ただしこれだとお湯の温度が低いので、紅茶を美味しく出すことができません。モルモン教の人はカフェインは禁止ですので、コーラも飲めません。アメリカには色々な宗教があるので、お客様に出すには水が一番安全な飲み物となります。普通は何を飲むか聞いてから出します。「飲み物は何がよろしいですか。お水、緑茶、紅茶、ハーブ茶、麦茶、コーヒー、デカフェ、炭酸水、コーラ...」という具合に細かく聞かれるのがアメリカ人は好きです。デカフェはカフェインレスのコーヒー、炭酸水はソーダではなくガス入りのミネラルウオーターのことです。カフェインが体に悪いと信じている人は、水かハーブ茶を選びます。日本だとお茶かコーヒーのふたつしかないので、簡単ですね。玄米茶と麦茶は香りが良いので、アメリカ人に特に人気があります。

2009年12月13日日曜日

釣竿の例え

アメリカに「釣竿の例え」があります。お金がなくて空腹の人を助けるには、食べ物をあげればその場の空腹はしのげるけど、釣竿をあげて魚の釣り方を教えれば一生食うに困らないという例えです。ですから失職した場合の失業保険も、申請後すぐ以前の月給の半分がもらえますが、2ヶ月を超えて失業手当をもらい続けるには職業訓練を受ける必要があります。当座の手当として現金を渡し、その後は現金よりも復職するための準備に重点を移すという考え方です。失業保険は麻薬みたいなもので働かなくても手に入る現金ですから、あまり長く使っているとその人にためになりません。これは合理的な考え方だと思いますが、日本はどうでしょうか。失業対策は当座の現金と実用的な職業訓練の2本立てになっているでしょうか。ハローワークの仕事は雇用主からの求人を紹介するだけでは不十分ですよね。どんな仕事があり、その仕事をするにはどんな能力が必要かを見極め、求職者がどのような職業訓練をしたらその仕事ができるようになるかを考え、そうした職業訓練を施すのが本当の対応だと思います。マサは日本でハローワークにお世話になったことがないので分かりませんが、税金を払う国民が一生食うに困らないような労働政策を政府にお願いしたいと思います。仕事がないのは本当に辛いものです。自分が世の中に必要とされていると感じるのは、大人の男性には生きていく上で必要なことです。世の中の変化が速過ぎてついていけない人もいます。だからこそ、○○手当のような現金ではなく、釣竿をあげて魚の釣り方を教えてほしいと思います。また求職する方にも、仕事にありつくためなら引越しも辞さないという意気込みが求められます。会社にいても転勤があるのですから、目の前に仕事がなければ仕事のある場所に移ることも考えましょう。アメリカにはそうして祖国を飛び出した人たちが沢山います。アイルランドという国は日本と同じく島国ですが、土地が痩せていてジャガイモしか育たず、大きな産業はありません。アイルランド人は本国よりも海外で生活している人数の方が多いことで有名です。世界中のどの町にも、緑色のアイルランドパブがあります。アイルランドに比べれば、日本はまだ国内に大きな産業があるだけ恵まれています。リストラは避けられませんが、それを機会に以前より待遇の良い仕事をするには普段からの努力が必要です。労働者にそれだけの余裕がない場合は、行政が税金で職業訓練を施すのが合理的かと思います。

2009年12月12日土曜日

クリスマス

クリスマスほど日米の違いが大きいイベントは他にないです。クリスマスというと日本で連想するのはケーキ、デート、パーティ、プレゼント、ツリーなどでしょうか。商業主導で始まったため宗教色が一切なく、キリストが見たら卒倒しかねません。おまけに日本にいると、世界中の人が12月はクリスマスを祝っていると錯覚しがちです。世界3大宗教はキリスト教、イスラム教、仏教ですね。このうちキリスト教の人たちがキリストの誕生をお祝いするのがキリストのミサ、つまりクリスマスです。ユダヤ教信者や仏教徒にとってキリストは教祖ではないので、クリスマスは祝いません。こうした人たちにクリスマスカードを送るのは失礼な行為なので、メリークリスマスではなくハッピーホリデーズというカードを送ります。誰がどの宗教かわからないので、会社ではハッピーホリデーズというのが「政治的に正しい」とされています。イスラム教はユダヤ教と同じくキリスト教の親戚になりますが、独自のカレンダーをもちクリスマスの祝いはしません。宗教は仏教以外は排他的ですので、非キリスト教徒にメリークリスマスといってはいけません。それは神社に行ってナミアムダブツと唱えるようなもので、その宗教を侮辱する行為になります。クリスマスのプレゼント交換はありますけど、デートとはまったく関係ありません。12月25日はほとんどのお店は休みになります。その代わりに1月1日はお休みではなく、普通の休日扱いです。アメリカのクリスマスの飾りつけは、家の中に本物の木のツリー、外には色とりどりの電球や人形を飾ります。この時期、街角には切ったばかりのモミの木を売る露天商がたちます。生の木は良い香りがするので、切花と同じく水を張った専用スタンドに木の切り口を入れて部屋に立てます。高さは1メートルから2メートルぐらいで、値段は3千円程度です。クリスマスが終わると、この木は粗大ゴミになります。その捨て方は次の週に家の前の道に出しておくという安直なもので、落ち葉などのゴミと一緒に腐葉土の材料として回収してくれます。こどもが小さい頃は我が家でも(キリスト教徒ではないにも関わらず)ツリーを飾ってプレゼントを根元に飾っていました。子供はプレゼントが好きですからね。今は誕生日でも現金を喜びます。ますますクリスマスとは関係なくなりました。

2009年11月30日月曜日

ゴミの出し方

アパートなどの集合住宅と一軒家とでは違います。集合住宅には共同のゴミ箱があって、そこに入れておくと毎週一回業者の車がゴミを取りに来ます。一軒家ですと、毎週一回業者の車がゴミを取りにくる日が決まっていますので、その日の前の晩に自分の家の前の道路にゴミ箱を出しておきます。ゴミ箱は業者指定のものを買って使います。容積に応じて料金が変わり、マサの住む町では最小32ガロン(約121リットル)入りの容器のゴミを毎週引き取ります。ゴミをたくさん出す人は料金もそれなりに増えて、全部で3段階あります。リサイクルは徹底していて、分別はしません。紙、プラスチック、ガラス、金属など生ゴミや不衛生なもの以外はほとんどリサイクルしています。以前は日本のように分別をしていましたが、分別をしないほうがリサイクルされるゴミの量が確実に増えるので、分別をやめたそうです。たしかにいちいち表を見ながらこれは月曜日、あれは火曜日とやるよりラクです。日本のある町ではなんと30種類にも分別して出すそうなので、その町の人が聞いたら卒倒するんじゃないかと思います。自治体が入札して選んだ民間の業者がゴミ処理します。リサイクルできないものは谷間の埋め立てなどで処分するので、捨てるものの容積をなるべく減らそうとします。そのためリサイクルに熱心な業者を選ぶようです。最近変わった新しい業者はビニール袋の回収も始めました。専用の容器を使ったエンジンオイルの回収や使用済み電池の回収もあります。今はないけど後ほしいのは蛍光灯の回収ぐらいです。リサイクル用のゴミ箱は容積によらず一定の料金で、リサイクルするほど合計料金がお徳になります。生ゴミ用のゴミ箱の3倍の容積はあると思います。ゴミ箱はほかに庭の落ち葉や枝など腐葉土のもとになるものを回収する箱があるので、合計3種類あります。道路が広いためこれらを道路に出しておいても車の通行には支障はありません。業者の車にはこうしたゴミ箱を引っ掛けて持ち上げる装置がついていて、運転手を含め2人の人間が手際よくゴミを回収していきます。日本のようにゴミを袋のまま道路に積み重ねて、作業員がそれを車に放り込むという方式とは違います。道路が広いからできることですが、理想的な回収方法だと思います。自分の家の前にあるのは自分の家のゴミだけですので、縄張り争いにはなりません。ゴミの捨て方はその国の文化水準を測るいい物差しだと思います。さて分別しないでリサイクルする方法ですが、清掃工場で機械と人手を使って分別するそうです。もしリサイクルできないものがリサイクル用のゴミ箱に入っていると、回収作業員による大雑把なチェックが入り、そのゴミは回収されずにそのまま残されます。なお粗大ゴミは別料金になるので、電話で予約して別に来てもらうか自分で車で運んで回収費を払います。1年に1回は無料でテレビやパソコンなどの家電を廃棄できます。集合住宅にはやはり3種類の大きなゴミ箱があって、リサイクル用と生ゴミ用、それに草木用に分かれています。草木用に集めた落ち葉や枝などは腐葉土にして無料で市民に配るほか、公園や植え込みなどにも利用されています。

2009年11月26日木曜日

勤勉は金か

日本人は勤勉だと言うのが定説です。そう思っている日本人は多いと思います。ですが、勤勉なのは日本人だけではありません。だれしもお金が儲かるとなれば長時間働くものです。日本では残業手当のおかげで長時間働いて収入を増やすという手があります。アメリカでは年収ベースですので、働く時間と収入は比例しません。日本の高度成長は多分にこの長時間労働のおかげではないかとマサは考えています。これにより見かけ上の労働コストが下がるので、輸出産業には追い風となります。ところが、長時間労働は中国やベトナム、インドなど他の新興国でも可能な手です。日本では今以上に労働時間を増やすことは無理ですので、この手はもはや通用しません。ですがいまだに勤勉は金だと思っている人が大半ではないでしょうか。じつはマサにも経験があります。毎日12時間近く働く日が1ヶ月以上続くと感覚が麻痺してきて長時間労働が苦にならなくなるのです。しかし実は体の具合は着実に悪くなり、新しいアイデアも浮かばなくなり、ストレスが溜まってきます。それでも感覚が麻痺しているため、長時間労働が悪いことだという発想が起きないのです。このままいくと過労死するか、うつ病になるのがオチです。長時間労働は悪です。勤勉はもはや金ではなく、当たり前となり誰にでもできるものです。日本人だけが勤勉なのではなく、人間だれしもチャンスがあれば勤勉になります。長時間労働に頼らない経済運営を日本は考える必要があります。今以上労働時間を増やせないのであれば、どうすれば国際競争力を上げられるのでしょうか。小泉内閣時代の答えは、派遣労働者を増やして労働コストを下げることでした。それには当然マイナスの面があって、景気の悪化とともに派遣の首切りが問題となりました。低賃金の労働者を増やすことは短期的には産業に利益をもたらしますが、長期的には消費者の購買力を下げデフレを招きます。天然資源のない日本の産業のひとつは観光であるべきで、小泉内閣がその方向に舵を切ったのは評価できます。車や電気製品の輸出のみに頼るのではなく、観光による外貨収入や円高を利用した海外投資で日本を支えることも必要かと思います。勤勉は当然として、長時間労働ではなく平日8時間労働で食べていける社会にしませんか。そのために頭を使い、日本に観光客をたくさん呼べるしくみを作りませんか。国内だけを相手にしている産業は、日本の人口が減少するため衰退します。内需の減少は海外から観光客を呼ぶことで補い、多くの産業が成長の機会を国外に見つけるのがこれからの日本の生きる道ではないでしょうか。

2009年11月16日月曜日

教育の目的

日本の教育の目的って何でしょう。受験競争の中にいる子供たちにはかわいそうですが、ここが合意できてないとその先の話がまとまりません。日本は総論賛成各論反対の国なので、まず土台をはっきりさせましょう。マサの意見では、教育の目的は子供を独立した人間に育て上げることです。極端に言えば、将来ホームレスにならないために勉強するのです。自分で自分の生活費を稼げるのが大人です。人からお金をもらうには、人に役立つことをする必要があります。人の役に立つ人間になるには、教育が必要です。英語が得意な人は英語が必要な仕事をします。理科が得意な人は理科の知識が必要な仕事をします。美術が得意な人はデザインの仕事をします。自分で何が得意かを知るには、なんでもやってみる必要があります。学校はそのためにあります。学校でいろいろな教科を学びますが、全部で高得点を取る必要はありません。何が好きで何が嫌いかが分かればいいのです。親は子供が金持ちになって欲しいとは必ずしも思っていませんが、子供が幸せになって欲しいとは思っています。教師とは人の一生を左右する大事な仕事です。日本の資源は人しかないのですから、教育が日本という国の将来を左右する要であることは間違いありません。日本の国際競争力は教育にかかっています。インドや中国、韓国などは日本以上に国家として教育に力を入れています。国際的にみて、人の役に立つ人間を生み出す事が日本の教育の目的だとマサは思います。日本人の親として、少人数学級化や学校行事の廃止、高校の義務教育化などでぜひ教育の質を上げてもらいたいと願うものです。そして教育の質の向上には、情報発信能力の強化を含めて欲しいと思います。自分の意見を人に説明できるという能力は、当たり前ですが誰にでも必要です。それこそが日本人の弱点ではないかとマサは思います。

2009年11月13日金曜日

アメリカの教育

アメリカの公立小中高校では、教科書は教育委員会から子供に貸与されるもので、普段は学校に置いておきます。通学時に持ち運ばなくていいので、教科書は電話帳のように大きくて分厚くなっています。また同じ一冊を毎年別の生徒が使いますので、書き込みなどは禁止です。宿題はプリントにして渡されます。また各学校にはインクラスというサイトがあって、インターネットから生徒が自分の学生番号でログインすると、各教科の進み具合や宿題、テストの日付などがわかるようになっています。先生はメールアドレスを親に公開していて、電話よりもメールでの連絡を好みます。3ヶ月に1回ぐらいの割合で平日の1日を先生の研修の日と定めていて、普通は金曜日か月曜日にもってきますが、その日は子供は休みになります。学校は初日からいきなり授業で、入学式や始業式といった行事はありません。唯一卒業式だけが行事らしい行事でしょう。運動会もありません。文化祭もありません。そのかわり中学と高校ではたまに金曜日の夜ダンスパーティをやります。体育館を先生と親が飾り付けて、子供たちが音楽に合わせて夜の7時から10時くらいまで踊ります。これは金曜の夜に子供がいかがわしいところへ出向くのを防止するためだと思います。また教育方法は教師と生徒の間の双方向のやり取りが主体です。日本だと、教師が一方的にしゃべって生徒はひたすらノートを取るというような授業もありますが、アメリカだと教師が出した疑問に生徒が答える形で進む授業が普通です。クラス全員の前で生徒が何かを発表することも多く、人前でしゃべる訓練になります。高校には演劇のクラスがあり、その先生は「ここでは、失敗を恐れずに人前でしゃべる練習をしている」と言ってました。どんな立派な意見でも人に分かってもらえてナンボですから、こうした情報発信の技術を小さいころから学ぶアメリカ人には、普通の日本人は話す能力において敵わないと思います。これは英語以前の話で、自分の意見を根拠を示しながら説得力のある話し方で表現する技術は、日本でも必要です。テレビの街頭インタビューなどを見ていると、日本の若者は特にこうした話す能力が低いように思います。意思の疎通がうまくいかないため悩んだりキレたりするのであれば、教育の目的を再度確認したほうが良さそうです。

2009年11月11日水曜日

英語教育

英語教育は大きな話なので、とてもじゃないけどブログの記事ひとつにはおさまりそうもありません。だけどまず最初に決めなきゃいけない事があります。それは「英語」とは何かという事。日本語は日本というひとつの国でのみ話されている言語なので、一応標準語というものがあります。それに対して「英語」は複数の国で使われてるので、世界的な標準語というものはありません。英国においてすら、イングランド、スコットランド、ウェールズと複数の地方があり、それぞれ違う発音と語彙の「英語」を持っています。アメリカ英語でも東海岸と西海岸では発音が違うし、テキサス訛りという英語もあります。つまり「英語」とは世界的な標準語がない言語で、アメリカ人からみればイギリス人の英語は京都弁みたいに訛っているし、イギリス人からみればアメリカ人の英語は関西弁のように訛っています。だから「訛りのない英語」は存在せず、すべての「英語」にはイギリス訛り、アメリカ訛り、オーストラリア訛り、それに最近ではインド訛りや中国訛りが含まれます。言語は道具なので、それで意思の伝達ができればいいのです。だからまず、英語とは色々な国の人が共通語として使う言語であり、標準語は存在しないと定義しましょう。日本で学ぶ「英語」は主にアメリカ英語です。普通の日本人にはイギリス英語とアメリカ英語の差はあまり見えてきませんが、京都弁と関西弁ぐらいの差があります。日本における英語教育とはアメリカ英語を教えることであり、その目的はアメリカ英語で日本以外の国の人と意思の伝達をすることでしょう。通じる英語を使うには、まず日本語での国語力が必要だと思います。日本語での読み書き、話す聞くがちゃんとできて初めて外国語が使えます。だから小学生への英語教育は、世の中には日本語以外の言葉と文字があることを知らせる程度で充分です。それには日本語にある外来語、つまりカタカナで書かれた言葉の元の意味を知るだけでいいと思います。そこから始めて、つぎには英語で挨拶ができれば小学生としては充分です。そこから先は文法が大切になるので、中学校で学びましょう。よく発音を問題にして英語の早期教育を煽る業者がいますが、どうせ母国語のレベルにはならないので、小学校5年ぐらいからの英語教育で充分です。道具として使える英語を身に付けるには、日常生活の中で毎日英語を使う必要があり、今の日本ではそこまでいっていません。それが日本人が英語を苦手とする理由です。本当に英語を自分のものにするには、英語を使わないと生きていけないという環境に自分を追い込むのが一番です。日本語訛りの英語でも、語彙と文法が正しければ意思の伝達はできます。要は「大人の英語」を使えることが大事で、それには「大人の日本語」を使えることが必須です

2009年10月22日木曜日

政府の大きさ

アメリカの2大政党である民主党と共和党では、民主党が大きい政府を、共和党が小さい政府を目指しています。民主党はお金の無い人が支持する政党で、そのため国による援助を求めています。それに対して共和党はお金持ちが支持する政党で、自分たちで自分の面倒はみることができますので、税金がなるべく少なくなるような小さい政府が希望です。日本はそれに対して中間的な政府が国民に求められているようです。アメリカほど社会格差が開いていないとか、移民がほとんどいないなどが理由かもしれません。高福祉高負担で行くのか、低福祉低負担でいくのかは国民全体で決める必要があります。お金の実る木はないので、高福祉低負担を続けることは不可能です。今の日本では、子供の世代から借金することで高福祉(年金多すぎ!)低負担(税金安すぎ!)を享受しています。でもそれも限界が見えてきました。借金がどうも焦げ付きそうだということで、国債が低利では売れません。自民党政権下で国の赤字が大きくなりすぎたために、リーマンショックの時に日本は有効な財政処置をすることができませんでした。借金にじわじわと首を絞められていて、身動きできなくなっているのです。日本も民主党が政権党になり、優秀な日本の官僚を操って本当に税支出の無駄を減らせるのか見ものです。新しい大臣は事情を知りませんので、むしろ官僚としてはドサクサにまぎれてさらに予算を増やすような方向に持っていくのではないかと危惧されます。マサが官僚ならそうします。

2009年10月21日水曜日

義務教育

日本の義務教育は中学までです。それに対して、アメリカの義務教育はカリフォルニア州だと高校まで含みます。公立高校が地元にあり、授業料は無料で、その学校の近くに住む人が払う不動産税から学費が支払われます。入学試験はなく、希望者は全員高校に進みます。私立高校もありますが、一般の家庭では公立高校に進学します。高校受験がないので、中学生も楽しそうです。日本もそろそろ高校義務化を考えてもいい頃ではないでしょうか。地方にいくと中学までは地元に学校があるのに、高校になると大きな町に行かないとならず、教育格差を生んでいます。高校まで義務化して、誰でも家から高校に行けるようにすることが日本には必要です。人的資源しかない国ですから、国民の教育レベルを上げることが日本を強くすることにつながります。アメリカの小学校1年生2年生は、少人数学級として1クラス20人までとしています。そこに先生ひとりと助手が付き、遠足などでは親がボランティアとして加わります。日本の子供ひとりあたりの教育予算は先進国中最下位に近く、このままではインドや中国に人的資源の質で追い越されてしまいます。かつてのゆとり教育は日本の国際競争力を確実に下げたと思います。高校を義務化することで高校受験を無くし、大学はアメリカのように高校の成績と共通試験の点数と学生の書いた小論文(エッセイ)をもとに合格を決める方式が望ましいと思います。日本でも中高一貫教育が流行りですが、時代の流れから言えば中学と高校を分ける必要は今の日本にはありません。中卒が集団就職する時代は終わりました。日本の国際競争力を上げるには、高校の義務化が最も効果的だと考えます。そのための財源には、国立大学に回している税金をあてるべきでしょう。国立大学を出たからといって、私利私欲を捨てて国民のために働く人ばかりではないのですから、税金を使って国立大学を優遇する理由はもはやありません。金持ちほど子供に良い教育を付けられるので、人気の国立大学に合格しやすいのも事実です。優秀でもお金の無い人には、お金が無いという証明と引き換えに奨学金を出しましょう。国立大学の学費は大幅に上げて公立高校の学費は無料にし、高校までを義務化する案にマサは賛成です。そのための増税なら、日本の将来への投資として認めます。

2009年10月19日月曜日

年金

アメリカは確定拠出型の企業年金がさかんです。自分が選んだ金融商品に自分のお金を投資するもので、まさに自己責任の世界です。給料の何パーセントかを自分で選び、毎月税引き前に天引きで投資していきます。そのため現在の所得税を減らす効果があり、60歳近くにならないと自由にその金融商品を換金して引き出すことはできませんが、そのころは引退して所得が少ないのでかかる所得税は少なくなります。天引きされた額の50%から100%を会社がさらに上乗せしてくれることもあります。会社にとっても確定拠出型のほうが経費がそのときに決まるので扱いやすく、個人にとっては会社から会社へ企業年金を持ち歩けるので、転職しても不利になりません。政府が運営している公的な年金は社会保障という名前で、これに加入するには社会保障番号が必要です。また日本からの駐在員は一時的に日本の国民年金とアメリカの年金の両方に加入することになります。このため日米の取り決めにより、アメリカの年金を日本の年金に変換したり、その逆が可能です。なお日本の国民年金のように、アメリカの年金も受け取りには最低加入額、年数にして10年ほどが必要です。天引きされる年金加入額には年毎に上限があるので、その額に達するとその年は天引きが止まります。最低加入額を満たしていれば、その先も支払いを続けることで将来もらえる年金の受け取り額は増加します。ただし、公的年金で将来もらえる見込み額は毎年お知らせがあり、それを見る限り相当少ないものとなりそうです。企業年金とあわせても引退後の収入としては不十分なので、マサの回りの人は不動産に投資したり株を買ったりしてお金を増やそうとしています。アメリカ人の引退にかける思いは特別で、これはまた別に書きます。

2009年10月18日日曜日

社会保障番号

外国人がアメリカで働くためには、労働ビザもしくは永住権(通称グリーンカード)と社会保障番号が必要です。アメリカ人の場合は社会保障番号のみで充分です。社会保障番号は新生児から老人まですべての人がもつ独自の番号です。子供のうちは、扶養控除を受けるためにこの番号を親の確定申告の書類に記入します。アメリカに住む人が銀行口座を開くにもこの番号が必要です。大きくなって働き始めると、所得税の天引きと申告のためこの番号を使います。学生のアルバイトにも必要です。そして年金を受け取るには、やはりこの番号を使います。年金のデータをまとめるための個人IDとして作られた社会保障番号ですが、所得の捕捉にも利用され脱税を防止する働きがあります。家のローンを受けるときに必要になる与信調査にもこの番号を使います。この番号は9桁の数字からなり、123-45-6789のように区切って覚えます。逆にこの番号と住所氏名が分かればその人になりすますことも可能で、勝手にクレジットカードを他人の名前で作って借金だけして逃げるという犯罪もよく聞きます。なかなか導入が進まない日本の総背番号制に比べると、年金というエサを使って国民に総背番号制を呑ませたアメリカはうまくやったと思います。

2009年10月16日金曜日

確定申告

アメリカに住むサラリーマンは、ほぼ全員毎年税金の確定申告をする必要があります。給料からの天引きはありますけど、いろいろな控除があるので1年分の所得から経費と控除を差し引き、税額を確定する作業が必要です。1月1日から12月31日までの所得は、会社から1年分の合計額が1月に送られてくるのでこれを使います。それに給料以外の所得を足して、次に経費や寄付のお金、法律上の控除分を差し引きます。家のローンの利子は経費となって所得と相殺されます。非営利団体への寄付も、受取証があれば額にかかわらす相殺できます。こうしたもろもろの作業には時間がかかるので、確定申告の締め切りは4月15日になっています。今はパソコンで確定申告ができるソフトがあるので、税金の計算がとても楽になりました。それでも書類集めと計算で、少なくてもまる一日はかかります。こうして税額を決めると、払いすぎた人は還付されますし、足りない人は締め切りまでに払わなければいけません。毎年自分がどれだけの額を税金として連邦政府と州政府に払っているかが良く分かるので、納税者意識が高まり税金の使い道には大変厳しくなります。これは民主主義の国にとって良いことだと思います。日本のように会社員の確定申告を不要にしてしまうと、政府としては税金を取りやすいし使途について文句を言われにくいので、結果的に税金の無駄遣いにつながります。日本もサラリーマン全員に確定申告させれば納税者意識が高まり、税金の無駄が減るのではと期待します。インターネットで申告できますので、あまり人手も要らないのではないでしょうか。このためには、納税者番号として使える社会保障番号の導入が必要になります。

2009年10月15日木曜日

食べ物の味

日本の食べ物は世界で一番。でもそれはマサが日本の食べ物に慣れているからです。ほとんどの日本人にとってアメリカの食べ物はあまりおいしくありません。日本人にはダシ味が必要です。日本のポテチにはダシ味が付いています。ダシ味に慣れた日本人がアメリカのポテチを食べると、塩味しかしないのでも美味しく感じません。逆に塩味のアメリカポテチに慣れると、今度は日本のポテチに雑味が多くて美味しく感じません。アメリカのように料理を塩胡椒だけで食べるのは祖国イギリスの影響かと思います。ダシ味がないため塩を入れすぎてるハムやソーセージなどの加工食品がアメリカには沢山あります。反対に日本には「味の素」を入れた加工食品が沢山あります。なお味覚は後天的に作られるものなので、年を取ると子供の頃に食べたものが懐かしくなります。11月の感謝祭のころに食べる七面鳥の丸焼きとカボチャのパイなどは、さしずめアメリカのお袋の味といったところでしょう。七面鳥は味の少ない鳥なので、ここでも日本人はつい醤油をかけたくなります。ちなみに肉は少し腐りかけがおいしいそうです。知り合いのアイルランド人は、新鮮な赤い肉をわざわざ「熟成」させて茶色になったものを焼いてたべるのが美味いといってました。日本人にはない感覚ですが、魚の干物を食べる事に似ているのかもしれません。そういえば、ビーフジャーキーというのはアメリカの食べ物でしたね。最近は甘辛に味付けしたテリヤキ味のビーフジャーキーとか、唐辛子で辛くしたビーフジャーキーが人気です。

2009年10月14日水曜日

ここらのアメリカ人

歴史の浅い会社にいると、いわゆる白人の人は少数派です。トップに多いのが英語のうまい白人で、その次がインド人そして中国人です。でもその人たちが全部アメリカの国籍を持っているかというと、そうとは限りません。○○系アメリカ人というのは他の国から来た移民を指します。よくノーベル賞の受賞者はアメリカ人が多いと言いますが、正しくはアメリカ国籍をもつ人が多いのです。アメリカ生まれの生粋のアメリカ人でノーベル賞をもらった人は、それほど多くはありません。アメリカは、山っ気のある優秀な人間を世界中から集めて働かせるのが得意な国です。そのため留学生を毎年沢山受け入れています。そうした外国人がアメリカに住み着いて頭角を現すと、彼らは法律上の利点からアメリカ国籍を取得します。日本と異なり2重国籍を許している国が世界には多いので、祖国の国籍を放棄することなくアメリカ国籍を持てます。またそうした移民の子供は自然にアメリカ生まれのアメリカ人となります。シリコンバレーの会社の中で、アメリカ生まれのアメリカ人は本当に少数派です。シリコンバレーはIC産業といいますけど、それを支えているのはまさにインド( Indo )とチャイナ( China )の移民です。日本人が知っている白人碧眼の「アメリカ人」はここらでは少数派になります。住民にインド系や中国系が多いという意味で、シリコンバレーはアメリカでも実に特殊な場所です。特にアップルの本社があるクパティーノ市だと、住民の過半数は中国系です。

大会社・中会社・小会社

マサはアメリカで従業員1万人以上の大会社、1万人未満千人以上の中会社、さらに千人未満の小会社を経験しました。大会社は健康保険や社員研修が充実している反面、給料はその土地の業界平均ぐらいで、仕事の自由度は一番少ないです。逆に小会社だと株を含めた給料は高めで仕事の自由度も大きくなりますが、資本がしっかりしてないと会社そのものの浮沈が激しいです。中会社はその中間となり、これから大きくなる可能性もあるけど仕事の自由度は減りつつあるという所です。仕事の自由度というのは、言い換えるとひとりの人間がもつ責任範囲となります。大会社にいたときは、会社の年間売り上げに比べて自分の寄与する分があまりにも小さくて、会社にとって自分なんかいてもいなくても同じだなと思っていました。ある意味給料つきで勉強させていただいてました。その次の中会社では自分の責任範囲が大きくなって仕事も面白くなりましたけど、会社そのものが低空飛行でしたのでレイオフされてしまいました。今いる小会社ではさらに仕事の自由度が増して忙しいものの、バックに某大会社が付いているので資本的には安定しています。安定性と知名度を選ぶか、将来性とやりがいを求めるかという選択において、シリコンバレーのアメリカ人は圧倒的に後者を選ぶ人が多いようです。

2009年10月12日月曜日

会社と人の関係

アメリカでは会社と従業員は対等という建前ですので、会社はいつでも人を首にできるし、人はいつでも会社を辞められます。辞めるときに引継ぎというものはまずやりません。レイオフは、言われたらその足で会社を去らねばなりませんし、一応辞任には2週間前に上司に知らせるという会社の規則があっても、その2週間で有給消化する人が多いです。残った有給は会社が買い取らなければなりませんので、有給消化は会社にとってもいい事だとされています。このような状況ですから、会社と従業員との関係はかなりドライです。会社が自分にとって働きやすい場所であればとどまるし、方針の変更などで働きにくい場所になれば、さっさと他の気に入った会社に移ってしまいます。ですから窓際族とか飼い殺しという贅沢は存在せず、かといって過労死なる問題もありません。死ぬほど働かせたら人はさっさと別の会社に移りますから、日本のような長時間労働はできません。共稼ぎの多い土地なので、離婚される恐怖から家族持ちはまず長時間労働はしません。以前はIBMやHPなどといった大会社でレイオフをするのはきわめて稀でした。人数を5%減らす代わりに全員の給料を5%カットするといった手法で不況を乗り越えて来ました。しかし1990年代になると株主がうるさくなり、ちょっと業績が下がると平気でレイオフする会社が増えました。そこでドライな気持ちの従業員に愛社精神を持たせるため、あちこちの会社で会社グッズが流行しました。会社名の入ったTシャツやトレーナー、スタジャンなどシリコンバレーでは誰でも最低2つ3つ持ってることでしょう。

2009年10月11日日曜日

仕事の見つけ方 その4

レジュメの書き方には、それだけで1冊の本が書けるぐらいのいろいろなノウハウがあります。また普段から、レジュメに書けるような仕事をしようとアメリカ人は気をつけています。レジュメには、「これだけの売り上げを上げた」「これだけのコストを削減した」「これだけのソフトを作った」などの具体的な例を書くのが良いとされています。しかし雇う方は、過去にその人がどれだけの仕事をしたかよりも、今後その会社でどれだけの仕事ができそうかを判断しなければなりません。そのためには、話ができる人かどうか、チームワークができる人かどうか、専門知識や経験の量はどれくらいか、頭の回転は速いほうか、そして何よりも同僚として尊敬できる人間であるかどうかを試します。「できる人はできる人を集め、あまりできない人はいっそうできない人を集める」という経験則がこちらにはあるので、面接を通じて自分と同じかそれ以上の力量の人を雇うことがチームメンバには求められます。技術的な面接だと、ひとりに1時間ぐらいかけて複数の問題を解かせるようなものもあります。たとえば、ある4桁の数をホワイトボードに書くと面接者がそれに対応する1桁の数を言います。どんな規則でその1桁の数が導かれるかを、何種類かの4桁の数を書いて調べなさい、というような問題です。10分程度の制限時間内に分かればいいのですが、分からなくてもどんな道筋で考えているかを説明できれば高得点になります。要は面接者に「こいつは使える」と思わせれば勝ちです。

2009年10月10日土曜日

仕事の見つけ方 その3

日本だと履歴書と職務経歴書に写真を添えて人事に申し込むのが手続きですけど、アメリカだと現場のボスが直接必要な人間を採用するので、人事は素行調査や福利厚生などの裏方仕事になります。履歴書と職務経歴書をまとめたようなレジュメというものを作り、目的のポストに適合する自分のアピールポイントを強調します。ちなみに生年月日や性別は差別のもとになるので書きません。書きませんが、大学を出た年などから大体わかります。性別も名前を見ればほぼわかります。建前として年齢や性別は書かないし、聞かないというものです。さて書類審査にパスすると、まずボスが電話で面接します。ここで英語が極端に下手だったり、簡単な質問にも答えられないようだと、いくら有力な人からの紹介でも落とされます。これをパスすると、次はボスが部下のリーダークラスに電話による面接を指示します。ここで専門知識や経験を試されるので、大事な関門です。うまくこれを切り抜けると、今度は会社に呼ばれてチームの人間ひとりひとりと面接します。この面接にはまる1日かかることもあり、半日ずつ2回に分けてやることもあります。面接する方は、レジュメをもとにあの手この手で攻めてきます。レジュメに嘘を書いた場合は、その嘘がすぐバレて面接が中止になり、候補者にはお帰りいただくことも普通です。こうしたチームの人間との面接は最低2回あるのが普通で、最初は採用するボスのチームメンバと面接します。それにパスすると、今度はそのチームと一緒に仕事することになる人間数人と面接します。この段階でボスのさらに上の人間と面接する場合もあります。面接した次の日には、ボスが面接の結果をまとめて採用するかどうかを判定し、採用するとしたらどのくらいの給料を出すかを決めます。会社での面接中に現在もしくは前社での給料を聞かれますので、これはチャンスとみてすこし多めに答えましょう。あるいは直接いくら欲しいですかと聞かれることもあります。これは相手があなたを気に入っている証拠です。逆に面接したのに1週間たっても結果を知らせてこない場合は、評価が芳しくなかったということです。

2009年10月8日木曜日

レイオフ初体験

マサは今まで1度だけレイオフになったことがあります。それは2008年の初夏のことでした。朝の10時ぐらいに突然机の電話が鳴り、ボスからビルの1階にある誰々のオフィスに来てくれと頼まれました。そのオフィスに行くと、ボスと法務の人間が待ち構えていて、会社が不況のためレイオフを行うことにした。ついては君が対象者のひとりだと言われました。「ついにきたかー」とマサは思いました。その時点でボスはオフィスを去り、法務の人がレイオフの書類について慣れた調子で説明を始めました。レイオフの場合、勤続年数1年につき1か月分の給料を上乗せするなどの退職金が付くものですが、このときは会社もお金がないらしく、一律2ヶ月分の給料と健康保険、さらに就職斡旋会社の1ヶ月無料使用という条件で首になりました。面白いのはこの後で、書類を持って自分の席に戻ると、さっきまで使っていたパソコンが勝手にログアウトされてもうログインできません。これはレイオフされた人が頭に来て会社の秘密を盗んだり、会社の大事なシステムを壊すなどの破壊行為を防ぐためらしいです。ひどい会社だと、自分の席に戻ることなくビルの外に追い出されるそうですが、マサの会社はそこまで冷たくはなくて、私物を整理したり、周りの人にレイオフになったからバイバイと別れを告げる時間はもらいました。自分だけでなくグループごとばっさり切られたので、自尊心が傷つくことはなかったのですけど、さっき法務の部屋に一緒にいたボスまで首になったのはちょっと可哀想でした。

2009年10月6日火曜日

仕事の見つけ方 その2

アメリカでは仕事に人を付けますので、同じポストにいるかぎり給料は同じです。ずっと同じ会社にいるとポストはまず変わらないので、給料もあまり変わりません。ポストを変えることで給料があがり、会社を変えることでポストが変わります。日本では人に仕事を付けるので、まず人を雇ってからどの仕事をやってもらうか考えたりしますけど、アメリカでは人を雇う目的が特定の仕事をやってもらうためとはっきりしているので、その仕事が会社の方針変更などで不要になればポストもなくなり、その人も首になります。たとえその人がどんなに優秀でも、会社に同じようなポストの空きがないとか、本人のやりたい仕事がないとなればあっさり首です。前の会社で、私のいた10人ほどのグループがそっくり切られたときは、やはりそのグループのボスも首になりました。身軽なアメリカ人ですと、充電と称して旅行に行く人もいれば、大学に入って別の分野の勉強を始める人もいます。首になったときの、あの腰の軽さは見上げたものです。

2009年10月5日月曜日

仕事の見つけ方

マサはアメリカに来てから4社目の会社に勤めるエンジニアです。日本ではHPの子会社にいたので、通算5社目になります。アメリカでの仕事の見つけ方は、インターネットの職探しサイトだとか、新聞の求職欄だとか、知り合いのコネだとか、はたまた会社のサイトからといろいろあります。職探しのプロは、この中でもコネを重視してます。会社の求人は、まずポストが空くか作られることで発生し、社内の人間で適任者がいなけでば、社内の人間の知り合いに声をかけるよう頼みます。この時点で相当のポストは決まってしまうので、残りのポストが公募されることになります。シリコンバレーですと、公募されるのは求人全体の約3割だそうです。そのため普段からみんな人脈作りは重視していて、お昼に他の会社の知り合いとランチを食べることは少なくありません。シリコンバレーの人は外のランチに2時間ぐらいかけることもザラです。それに最近多いのが、LinkedInという職探しに特化したSNSです。このサイトは自分の知り合いにメールを送って登録してもらい、コネを作るための道具となっています

2009年10月4日日曜日

シリコンバレーは今日も晴れ

日本の皆さん、こんにちは。アメリカにいる皆さんも、こんにちは。マサです。訳あってカリフォルニアの通称シリコンバレーにいます。シリコンバレーは今日も晴れです。いつも天気がいいです。冬は雪も降らず、晴れか雨です。春と夏と秋は、ほぼ毎日晴れます。そんな能天気なシリコンバレーにいると、自分まで能天気になります。よくアメリカ人は陽気で明るいと言われます。そんなアメリカ人でも特にシリコンバレーの人はネアカです。どこの世界にも建前と本音はあるでしょうけど、マサの身の回りの人は本音に忠実に生きている人が多いのです。そんなシリコンバレーに住んではや20年。日本のバブル経済も経験せず、これまで生きてきました。たまに行く日本と住んでいるアメリカとの違いに今でも驚かされ、それをブログにしてみようと思ったのがきっかけです。どうぞお見知りおきを。