2023年8月31日木曜日

そごう・西武

そごう・西武の労組がスト[^1]を実行しました。筆者は労働者として「スト権」を支持するので、他に方法がない時は大いにストをやるべきだと思います。ただし赤字の会社が身売りされる場合、買い手が人員整理に動くのは当然です。百貨店というビジネスモデルが時代遅れとなったいま、伊勢丹ですら地方では苦戦し閉店しています。ゾンビ化した地方百貨店を閉店する事で人手と資本を解放し、儲かる仕事に人手と資本を誘導するのが生き残る道です。労働者としては仕事を求めて移住するのも選択肢のひとつでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC30BNX0Q3A830C2000000/

2023年8月30日水曜日

教員働き方改革

この記事[^1]は生成AIによる教員働き方改革を指南しています。日本では公務員の仕事に外部の目が入る事が少なく、民間と公務員の人材が固定化されているのが原因です。長年続く仕事のやり方に疑問を持つこともなく、やる必要があるのかも疑わしい仕事が残っています。教員の仕事は「子供の教育」であり、それ以外の仕事は優先度が低くなります。働き方改革とは仕事の棚卸しと優先度の決定であり、教員がやらなくても良い仕事を洗い出すという作業です。たとえば宿題には教科書にある設問を利用するとか、保護者への連絡はメールを使うなど、紙への印刷と配布を避ける方法はあります。校外行事には外部のサービス業者を使うとか、あるいはそもそも優先度が低いからやらないという決断もあります。教員と公務員の仕事は時間とともに増えるので、定期的に棚卸しと優先度の決定が必要で、外部の目を入れる事が不可欠です。その上で教員の数を倍増し、ひとり当たりの負担を半減するのも残業を減らすのに有効です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE037UW0T00C23A8000000/

2023年8月29日火曜日

生涯無子

この記事[^1]は日本女性の生涯無子率が高い事を指摘しています。それに対する識者のコメントは7件あり、全部中年男性が書いています。どうしてここに女性識者のコメントがひとつもないのでしょうか。考えられる理由は三つあり、①女性識者は意見がない、②意見はあるけど書いても無駄だから書かない、③何を書いても批判されるから書かない、というものです。もちろんこの中で①はあり得ないので、③がありそうな話です。当事者である女性の意見は大事なのに、ひとつもコメントがないのは異常です。子供か仕事かという二者択一で仕事を選んだ女性や、子供も仕事も手に入れた女性の意見、それに子供を選らんで仕事をあきらめた女性の意見も大切です。ここのコメント欄は仕事で成果を上げた人が書くので、仕事をあきらめた女性の意見が載ることはありません。筆者は「ひとりの赤ん坊を一人前の大人に育てる」こと以上に大切な仕事はないと思う人間なので、今の日本では少数派のようです。それはつまり、西洋から来た「自己実現」という訳の分からない言葉に騙されている人が多いという事です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD11D7P0R10C23A7000000/

2023年8月28日月曜日

インフレが止まらない?

日本のインフレはじきに止まるという予想をした後で、逆にインフレが止まらない可能性について書きます。もしそれがあるとすれば、日本の金融緩和が際限なく続く場合です。インフレが定常的に2%を越えても、日銀が日本の国債消化のために緩和を続ければ、日本円の価値がドルに対して相対的に下がります。アメリカや欧州は既に金融引き締めに入っているので、日本円だけが下がります。すると輸入価格がその分上がるので、インフレが止まりません。国債が消化できないと日本中が困るので、今の150円/$という円レート上限値を超える円安になる可能性はあります。需要不足でデフレに戻るのか、それとも緩和継続で円安になりインフレが続くのか、日本はどちらに転んでもケガをするでしょう。人口減少によるデフレ圧力はとても強いので、2%のインフレ目標のために金融緩和が当分続くというシナリオが現実的です。すると2025年の単年度黒字は実現せず、スタグフレーションの日本になりそうです。賃金が上がらずインフレだけが進行すると、日本の「安心安全」が消失します。

2023年08月31日追記
最低賃金を上げても、それ以上に物価が上がると本末転倒です。

2023年8月27日日曜日

ガソリン価格

この記事[^1]では、円安や輸入コスト増によるガソリン価格の上昇を問題にしています。その対策としてガソリンにかかる税金を減らすよう求めており、トリガー条項の凍結解除などを求めています。税金を減らすには支出を減らす事が必要であり、トリガー条項の凍結解除には、東日本大震災の復興財源を減らすという決断が必要です。もう新しい国道は作らないとか、既存道路の保守間隔を倍にするとかの代案も可能です。日本はエネルギーをほぼ全量輸入しているので、円安の影響を強く受けます。根本的な解決策は、国内の再生可能エネルギーを利用する事です。政府はガソリン補助金を延長する計画で、国債を増やして国民をなだめるという構図は変わりません。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/271153

2023年09月13日追記
「補助金復活」これが良いニュースだと思う人は、落語の「花見酒」を知ってますか?

2023年8月26日土曜日

短すぎる処方箋期限

日本の処方箋期限は4日しかなく、世界的にみても短い方です。連休などで調剤薬局が長く休むと、4日では薬が手に入らない事もあります。これはせめて一週間にならないでしょうか。慢性病なら一ヶ月でも問題ありません。日本はオンラインで24時間いつでも処方薬が手に入る国ではないので、4日は短すぎます。医療機関から調剤薬局に処方箋を電子的に送る事ができると更に良いでしょう。古くさい昭和のやり方では、とても先進国の医療サービスとは言えません。

2023年8月25日金曜日

日本がデフレになる理由

エネルギー価格や食品など輸入品のコスト増によるインフレが日本の物価高の原因です。ところが賃金上昇がインフレを下回り、実質賃金はマイナスとなっています。また日本の年金は物価上昇を下回るように設計されていて、実質年金もマイナスです。この記事[^1]が指摘するように日本の消費は年金世代が4割を占めるので、この世代はインフレ分を賃金や年金の上昇で吸収できず、足りない額を貯金から出すか、他の消費を減らすという選択に迫られています。同記事の主張は、年金世代が持つ預貯金を実質リターンが期待できる投資に回そうという事です。「安心安全」でかつインフレを上回る投資があるなら教えて欲しいものです。この世代はバブル崩壊で痛い目に会っており、元金保証のない投資には消極的です。自分があと何年生きるかも分からないので、どれだけの現金を手元に残しておくべきかも分かりません。リスキリングというなら、年金世代への「安全安心」な投資術(分散投資)を教えたらどうでしょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA188AY0Y3A710C2000000/

2023年09月25日追記
年金世代にとって、生活必需品の値下げはとっても有り難いニュースです。

2023年8月24日木曜日

自分にできる事

異常気象を止めるために自分にできる事は何かと考えると、一番効果がありそうなのは「ゴミの減量」です。コンビニの弁当は大量のプラスチックゴミが出るから買わないとか、カップ麺ではなく袋麺を食べるとか、レジ袋の代わりに持参の買い物袋を使うとか、方法はいくらでもあります。安い傘はすぐ壊れてゴミになるので使わない、あるいはペットボトルの飲み物ではなく水筒に入れた麦茶を飲むといったちょっとした減量でも、大勢の人がやれば大きな違いになります。日本のゴミは大半が燃やされてCO2となるので、ゴミの減量は国民のエコ意識を表す指針です。分別が面倒くさいという理由で紙を古紙回収に出さずに燃えるゴミに混ぜてしまう人も、分別するひと手間でゴミの減量になる事は知っています。

2023年8月23日水曜日

真夏の大地震

こう毎日暑い日が続くと心配なのが大地震です。大地震になると電気が止まります。つまり暑くても冷房が使えないので、熱中症の危険が高まります。水道のポンプも止まるので、脱水症状にも注意です。大地震はいつ起こるか分からず、真夏に起きるかもしれません。地震の後に来る火事と津波は地震そのものより危険で、そこに酷暑が重なると怖い事になります。

2023年8月22日火曜日

代案を出せ

「原発に反対する市民」が首相官邸前に集まり、抗議の声[^1]を上げました。これ自身は理解できます。筆者も日本で原発を建設から60年を越えて使い続ける事には反対です。でも反対するだけでは相手に押し切られます。言い換えると、実りのある反対には代案が必要です。福島原発の処理水を海に流す事に反対するなら、増え続ける処理水をどうするのか代案を出しましょう。毎日100トン出る処理水を蒸発させるのはお金がかかり、加熱のためにCO2も増えます。他国の原発で行われているように、トリチウムを薄めて海に流す以外に方法はありません。もし原発に反対なら、例えば再生可能エネルギーに投資するために電気代が倍になっても良いという代案を出しましょう。福島原発を廃炉にする具体的な計画などありません。世界で始めての事故なので、どう収束させるかは手探りで進みます。どんな廃炉計画を立てても、現実はその通りには行きません。福島原発というパンドラの箱を開けてしまったのは、他ならぬ我々なのです。

^1: https://www.47news.jp/9754432.html

2023年8月21日月曜日

浮かれてるけど

日本の2024年度の名目GDPが600兆円を越える見通し[^1]となり、税収の上振れに期待する声が出ています。的外れの少子化対策と防衛費の増額で来年度は支出が増えるので、税収の増加は好都合です。インフレにより物価が上がり、それに比例して消費税も増えるので、収入の増加がもたらす所得税の増加と合わせて税収が増えます。でもこれはあくまでも名目なので、物価が上がって実質予算が減ったり公務員の給料が民間に準じて引き上げられると、税収増加の効果は減少します。税収を増やすために使った国債額の方が税収増加分より多いという現実は変わらず、実質所得を増やすには生産性を上げる必要があります。インフレにともなって国債の利率が上がるので、2024年度の国債利払いも3兆円近く増加[^2]します。税収の上振れ分がそこに吸収されるのはほぼ確実です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD240T00U3A720C2000000/

2023年8月20日日曜日

首相の出番

福島原発の処理水の海洋放出開始に際して、日本の首相が報道陣の前で処理水を飲んでみせるのはどうでしょう。いいパフォーマンスになると思いますが。海水で薄めても飲むには塩辛いので、真水で薄めたもの[^1]で良いです。風評被害や他国の批判に対抗するには、それぐらいお安いご用ではありませんか。処理水を蒸発させるかわりに海に捨てる以上、海を利用する国民や漁民が不安を感じるのは当然です。そこで首相が国民の前で処理水を飲んでみせるという事を提案します。もし実現すれば、国民も首相の勇気に拍手を送ると思います。

^1: 東電はWHOの飲用水基準の7分の1に薄めて放出する計画です。

2023年8月19日土曜日

ロケフリ再復活!

2023年2月28日をもってロケフリのNetAV接続が廃止[^1]されました。製造中止から15年なので、ある意味仕方ありません。でも我が家のロケフリ(LF-PK20)はまだ故障しておらず、IPv4パブリックIPアドレスさえ名前解決できれば動くはずです。NetAVの役割はロケフリが持つxxxxxxxx.lf-pk20jp.mynetav.comというホスト名からパブリックIPアドレスへのDDNSなので、これを無料のDDNSを使ってルーターからアドレス更新をすれば、あとはクライアントの再登録だけです。先輩方のご指摘[^2]により、まずロケフリと同じローカル・ネットワークにパソコンのWiFiをつなげて、ロケフリに直接ログインします。これにはプライベートIPアドレスを使うので、お使いのルーターにログインして調べるか、または試行錯誤で192.168.0.xなどのアドレスでxを0から255の間で試します。筆者の場合は100でつながりました。ログインIDはlfxで、パスワードはロケフリの表面に張ってある銀色のシールに「ベースステーション設定ページ」用として書いてあります。これでNetAV設定ページに行きDNSを無効にします。設定を保存して、次に機器登録ページに行き既存の登録を最後のひとつを残して他は削除します。設定を保存したらロケフリを再起動します。ロケフリが使っているルーターにログインして、DDNS(動的DNS)のページを開きます。tp-linkのルーターを例にすると、noip.comにアカウントを作ればロケフリ・アドレスをひとつ無料で登録できるので、ホスト名にロケフリのxxxxxxxxの部分と好みのドメイン名を選んで登録しましょう。筆者の場合xxxxxxxx.ddns.netを選びました。アカウントの作成には実在するメール・アドレスを使います。このホスト名、アカウント名、パスワードをルーターのDDNSのページに登録してルーターにログインさせます。これは通常のWANやDHCPとは無関係なので、不明な場合はルーターに詳しい人を探しましょう。ここまで成功すれば、次にロケフリのクライアントから新しいベースステーションをネット経由で登録します。ロケフリのホスト名として新たに登録した名前を使い、筆者はxxxxxxxx.ddns.netを入力しました。あとは通常のクライアント登録を完了すれば成功です。ルーターは自分のIPv4パブリックIPアドレスを定期的にDDNSに登録するので、クライアントはロケフリの新しいホスト名からこのIPアドレスをゲットします。これでNetAVがなくてもネット経由でロケフリが使えます。我が家のロケフリはアナログ放送用なので画質は低いものの、地デジの90日[^3]というアホな縛りがないので、ずっと海外にいる利用者には便利な製品です。

2023年8月18日金曜日

偽善

サッカーの国際試合の後などサポーターが客席のゴミを拾う姿を目にします。それ自体はおそらく良い事でしょう。でもその同じ日本人がゴミの分別に消極的なのはどうしてでしょう。特に紙のゴミが分別されずに燃えるゴミになっており、それだけでも多くのCO2を生んでいます。例えば筆者の最寄りのゴミ集積所で、段ボール以外の紙を古紙回収に出す人は筆者の他にほとんど見かけません。人目につく客席のゴミ拾いだけ行い、毎週出る紙のゴミ分別をしないというのは偽善です。最も簡単にCO2を減らす作業はゴミの分別であり、特に紙のゴミを燃やさない事です。お店のチラシ、使用済み封筒、お菓子の紙箱など個人情報を含まない紙のゴミは大量にあり、新聞紙や包装紙なども含めてぜひ古紙回収に回しましょう。

2023年8月17日木曜日

贅沢とCO2

石油で暖めた温室で栽培されたイチゴをケーキに載せて食べるクリスマスとか、暖房の効いた部屋で冷えたアイスクリームを食べるお正月とか、真夏に道路まで冷気で冷やす開放型の商店とか、日本には奇妙な贅沢がありCO2[^1]を増やしています。日本は炭素税に消極的なので、こうした贅沢が持つ本当のコストを知りません。地球温暖化はCO2を出す人と不利益を被る人が一致しないので、CO2を出す人に税金を掛ける方策が炭素税です。もちろん中国とアメリカが大量のCO2を出しているので、日本が出す分は相対的に少なく、意味ないと思う人もいるでしょう。でも現実に猛暑の夏が毎年訪れ、ハッキリとした梅雨がなくなり、かわりに大雨が各地を襲うようになりました。今なにもしなければ日本はすぐに熱帯の国になり、マラリヤや伝染病で苦しむ事になります。


2023年09月17日追記
欧州ではウエストナイル・ウイルスが北上しています。日本も例外ではありません。

2023年8月16日水曜日

育休と人員

筆者の経験からすると、アメリカは日本よりワーク・ライフ・バランスを取りやすい仕事環境です。年収ベースで働くサラリーマンの場合、仕事のペースを自分で決められるので、休暇や育休に入る前にペースを上げる事で長く休む事ができます。その間に自分の代わりを務める人はいない、という場合すらあります。もちろんすべての人がそういう余裕を持てる訳ではありません。でも就職する前にどのくらい忙しい仕事かはジョブ・ディスクリプションに書いてあるので、面接を通じてどのようなペースで働く仕事かは分かります。出張が30%とか、2ヵ月に一度、1週間のオン・コールがあるとかは書いてあります。また独身者は収入を求めて長時間働くのに対して、家族持ちはそこまで忙しい仕事は選びません。家庭を顧みないという理由で離婚されると膨大な慰謝料と養育費を払う必要があり、収入が多くても割に合いません。女性の育休は半年と長いので、代わりに派遣労働者を雇うのも普通です。1ヵ月程度の育休なら、仕事が停滞しても文句は言われません。それは育休が労働者の権利であり、前もって上司は育休計画を知っているからで、同僚にしわ寄せが行く事はありません。育休期間の仕事は遅れるのが普通で、「担当者がいない」のは遅れの立派な理由となります。上司の仕事は部下の仕事配分を含み、普段から突発事象に備えてゆとりを持たせています。仕事のスケジュールを立てる時に、どれだけゆとりを持たせるかは上司の能力のひとつです。スタートアップや特別なプロジェクトでない限り、ワーク・ライフ・バランスが悪い仕事からは部下がどんどん辞めていきます。これは人を採りやすく辞めやすいというジョブ型雇用の利点です。

2023年8月15日火曜日

反戦とその先

8月は反戦運動の月です。そもそも戦争をやりたいのは一部の指導者だけで、どの国も国民は戦争反対で一致しています。問題はその先です。ロシアのウクライナ侵攻が世界に示したのは、21世紀になっても戦争は起きるし、国連にそれを止める力はないという事実です。日本は、これまで自分から戦争を始めなければ平和を守れるという前提で議論してきました。ところがその前提がウクライナ侵攻で崩れ、平和憲法があっても他国から軍事侵攻される危険性はゼロではないと気付きました。ではどうしたら戦争を避けられるでしょうか。①力の強い国の言いなりになる(属国化)、②どこの国とも軍事同盟を結ばず永世中立を宣言する、③自衛隊を持ち力の強い国と軍事同盟を結ぶ、などが選択肢です。それで戦後の冷戦期を経て日本が選んだのが③です。その軍事同盟も、自衛隊に防衛戦争をする意欲がなければ機能しません。また、核戦争の可能性があるとアメリカでさえ躊躇します。日本の周りにはロシア、中国、北朝鮮と核兵器を持つ国が集まっており、ウクライナ侵攻は他人事ではありません。そこで8月を、国民が自分事として「どうすれば戦争を避けられるか」を考える月にしたらどうでしょう。この議論を避けているだけでは、平和は守れません。

2023年8月14日月曜日

歴史を学ぶ目的

歴史を学ぶ目的は、過去の過ちを繰り返さない事です。では日本は第二次世界大戦での敗戦から、何を学んだのでしょう。どうすれば負け戦を避けられたのでしょう。こうした視点は日本の歴史教育にはありません。つまり学ぶ目的がすっぽり抜け落ちているのが、日本の歴史教育です。歴史的事実だけを丸暗記するのは、本当の目的ではありません。大学入試などのテストで問われるから、歴史的事実だけを丸暗記しています。どうすれば負け戦を避けられたのかという問いに正解はありません。つまりテストの設問として不適当なので、無視されています。マスコミもそうした正解のない問いは避けています。事実ではなく意見なので、政治的報道と見なされるからです。終わった事だから蒸し返したくないと目を背けてしまえば、また同じ事が起きるというのが歴史の教訓です。敗戦記念日ぐらい、どうすれば負け戦を避けられたのか日本人は自問自答するべきでしょう。国民が戦争を求めていた事は事実だし、当時のマスコミが戦争を煽っていた事も事実です。たとえ軍隊を持たなくても、他の国から戦争を仕掛けられる事は日本でもあり得ます。

2023年8月13日日曜日

良い試み

この記事[^1]は、今後の日本の教育として「良い失敗」を評価しようと結んでいます。また「価値創造につながる失敗」が「良い失敗」と定義されています。でもこの定義では、良い結果が出るまで失敗は失敗です。そうではなくて「良い試み」を評価するのがアメリカ流です。たとえ失敗しても「試み」そのものを褒めるという姿勢です。例えば野球で盗塁を試みて、たとえそれが失敗しても「盗塁を試みた」事を褒めるという事です。英語で「That's a nice try!」と呼びかける場面です。マークシートで大学の入学者を決める日本では、正解主義こそ公平な評価方法であるとされています。そこで正解主義は程々にして「良い試み」も評価しましょうというのが筆者の意見です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1723C0X10C23A7000000/

2023年8月12日土曜日

これで懲戒免職?

過剰反応ですね。「コロンビアを旅行し、土産物屋でコカ葉50グラムとコカ茶ティーバッグ1箱を購入」した女性教諭がクビ[^1]になりました。この教諭は麻薬取締法違反容疑で書類送検され、不起訴になっています。筆者もペルーに旅行した時にコカの木を見物し、コカ茶を高山病対策として飲みました。別に麻薬としての作用はなく、これを麻薬扱いするのは過剰反応だと思います。現地人にとってコカ茶は普通の飲み物で、日本の「生姜湯」のような物です。元気が出るお茶とされ、これで麻薬中毒になった人はいません。確かにコカの葉はコカインの原料です。でも不起訴なのに懲戒免職はひどすぎますね。本人にも違法だという認識はなかったのでしょう。良かれと思ってした事でクビになるとは、本当にお気の毒です。

2023年8月11日金曜日

技能実習生失踪問題

2023年4月時点で1万2千人の技能実習生が所在不明[^1]だそうです。「不法就労になれば健康保険や労災補償といった公的なセーフティーネットから外れる」事も問題ですが、そもそも技能実習生という制度そのものが現代の奴隷制度[^2]なので、いますぐ止めるべきです。地下に潜った不法滞在者がお金を得ようとすれば犯罪に手を染める事もあり得ます。不法就労者の雇い主を法律で罰するとともに、合法的な就労ビザを発行して不法滞在者を合法滞在者に変える事も必要です。何度も言いますが、技能を教えたければ外国に技能学校を作れば良く、日本人がやりたがらない低賃金の仕事に外国人を使う事には反対します。国内に不法移民問題を抱えている国はとても多く、日本が同じ轍を踏む必要はありません。そのような低賃金の仕事は外国でやるか、または日本人がやりたがるほどの賃金を払うべきです。日本の賃金が低いのは、そうした低賃金の仕事を無理に維持するからです。人手不足なら、賃金を上げて日本人を雇いましょう。それができないほど利益の少ない仕事なら、そもそも需要がないという事です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE065Z40W3A700C2000000/

2023年8月10日木曜日

安全安心

日本だと社会にとって「安全安心」が最も大切なものとされています。そういう社会では技術革新は起こしにくいですね。新しいものは「安全でも安心でもない」ので、つい古い物を使い続けて「安全安心」を得ようとします。今なら保険証とマイナンバーカードの違いです。キャッシュレス決済も新しいものなので、高齢者には普及していません。スマホも新しいものなので、スマホを使った技術革新はまだ「安全安心」ではなく、ガラケーだったり固定電話しかもっていない人がいます。マイナンバーカードがスマホに入れば、理論的には役所の手続きがすべてスマホからできるようになります。そうなると行政コストが大幅に減るので、ガラケーや固定電話の人に税金でスマホを配ってもおつりが来るでしょう。ただし、高齢者は新しいものに不安を感じるので、地道な教育を重ねてスマホに慣れてもらうしか道はありません。あと認知症の人には恐らくスマホも無理なので、スマホ以外の手段(紙とか電話)も残さねばなりません。

2023年8月9日水曜日

誤解と誤解

この寄稿[^1]は、その筆者がアメリカを誤解している事を示しています。アメリカで原爆の被害がどのような物であるかを知るチャンスはありません。歴史では習わないし、常に退役軍人のグループが目を光らせています。広島と長崎で原爆が軍人よりもはるかに多くの市民を殺した事はアメリカのタブーです。原爆の放射能が後々まで残る事も、当時の科学者は知っていたのに軍人は否定しました。アメリカでは原爆が第二次世界大戦を終わらせ、多くの(アメリカ軍人の)命を救ったと学校で習います。つまりアメリカ人は原爆が良い物だと誤解しています。そういう教育ができるのは、アメリカが戦勝国だからです。

^1: https://www.zakzak.co.jp/article/20230808-C35A6MQHEVLOLOTYLJGA3W2AMY/

2023年8月8日火曜日

日本は甘い

日本は伝統的に情報セキュリティが甘い国です。第二次世界大戦で山本五十六連合艦隊司令長官の搭乗機が撃墜されたのも、古い暗号を使ったのが原因[^1]です。第二次世界大戦後半には日本の暗号通信はすべてアメリカに解読されており、この搭乗機撃墜事件の教訓が生かされる事もなく敗戦しています。最初からアメリカを甘く見ていたという事です。プランBを作らずに開戦に突き進んだ日本は、性善説のままネット社会の良いカモになっています。その上この記事[^2]によれば古い暗号を使った事を海軍は隠蔽しており、上層部に自浄作用がない事を示しています。今でもアメリカは日本の情報セキュリティの甘さを指摘[^3]しており、特に軍事情報を共有する上での深刻な欠点になっています。

^1: https://www.jiji.com/jc/article?k=2023080300722

2023年8月7日月曜日

宿泊税

日本は観光地の宿泊税[^1]が安すぎます。海外客[^2]から見ればないも同然です。ハワイが14%、ニューヨークが4%と幅があるものの、観光地の宿泊に税金がかかるのは常識ですから、もっと積極的に課税したらいいと思います。もとの宿泊代も安いので、5%ぐらいは可能です。京都や東京なら、オーバーツーリズムを防止するために10%にしても良いと思います。

^2: https://www.avalara.com/mylodgetax/en/resources/state-lodging-tax-requirements.html

2024年02月10日追記
千葉県浦安市が一泊につき100円の宿泊税を取るそうです。

2024年03月07日追記
ニセコでも宿泊税で地元民の福祉を支えるべきです。無策ではダメです。

2023年8月6日日曜日

なりすまし

紙の保険証は顔写真がないので「なりすまし」を防ぐ方法はありません。ではマイナンバーカードの場合「なりすまし」は可能でしょうか。この実験[^1]によると顔写真を顔に付ければ可能だそうです。でも受付でこんな格好をしたらすぐバレます。技術的には可能でも実際には無理でしょう。暗証番号の併用など本人確認を厳格にすれば使い勝手が悪くなり、そこにはトレードオフの関係があります。「なりすまし」による損失額と使い勝手の悪化のどちらが大切かという事なので、運用上ほとんど実行不可能な方法で「なりすまし」ができるからといって、紙の保険証に戻る理由にはなりません。受付に防犯カメラも備えておけば、この方法で「なりすまし」をしてもすぐ捕まります。

2023年8月5日土曜日

増税反対なら

代案を出せという事です。この記事[^1]は「増税反対」といいながら、代案はありません。代案のない「反対意見」はただの不満です。そんは主張に価値はありません。過去の日本人が増税に反対したから、いまの増税が必要になっています。増税を先送りしたから、国債残高が膨れあがっています。増税を避けるには財政支出を減らす必要があり、国庫から年金への補填を止めるとか、公務員の数を半減するとか、公立教育で授業料を取るとか、救急車を有料化するとか、何らかの代案を出しましょう。もちろん、その代案に数字の裏付けが必要なのは当然です。

^1: https://mag.minkabu.jp/politics-economy/20125/

2023年8月4日金曜日

貧乏人は麦?

「貧乏人は麦を食え」という指摘[^1]はもう正しくありません。コメの代わりに食べるのは「はだか麦」で、これはコメの倍の値段[^2]です。ビールの原料になる大麦なら米より少し安くなるものの、味がないのでこれだけでは食べられません。麦飯という形で米と混ぜて炊くと美味しくなり、食物繊維も取れて健康食です。小麦だとむしろ米より高いので、うどんやパンとして食べるのが普通です。つまり令和の今は「貧乏人は米を食え」が正解です。その上でこの記事[^1]にある「退職金への増税」について考えてみましょう。社会保障費はほぼ半分が税金から出ています。その社会保障費の大半を受け取るのは退職者世代です。従って退職者に負担してもらうのは人口が減少する日本では当然です。それ以外に日本の社会保障制度を維持する方法はありません。年収の壁と同様に、退職金の控除額にも20年で壁を設けるのは不合理だという事です。言いかえると、昭和の時代に作ったルールが令和の今に合わないから変えようという事です。

^1: https://mag.minkabu.jp/mag-sogo/20015/

2023年8月3日木曜日

海産物と中国

中国が日本の海産物を輸入制限[^1]しています。理由は福島原発処理水の放出となっており、アメリカと歩調を合わせて中国に半導体輸出制限をしている日本に揺さぶりをかけています。中国にある和食レストランには打撃です。でも中国が要らないのなら、これを機会に他の国へ日本の海産物を輸出すると良いでしょう。他の国に住む中国系の人も実は日本の海産物を食べたいので、世界に販路を拡大する良いチャンスです。中国や韓国には常に日本たたきの可能性があるので、そこで商売するには相応のリスクを見込む必要があります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFE310C70R30C23A7000000/

2023年8月2日水曜日

人手不足なら

この記事[^1]が役に立つでしょう。レゴランドで身だしなみルールを大幅に緩和したら、アルバイトの年間応募数や採用数が以前の2倍に増えたそうです。当たり前の話ですが、行き過ぎた髪型や化粧の規定は人権侵害です。それを撤廃したレゴランドは進んでいます。そもそも人によって似合う髪型や化粧は違います。髭が似合う男性もいるし、外国人なら髪色も様々です。そうした見かけをルールで縛るのは間違いです。それはサービス業にとどまらず、学校の生徒も含みます。外国にルーツを持つ生徒が増える日本で、「髪色は黒」みたいなバカバカしい規定はさっさと廃止しましょう。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC274690X20C23A7000000/

2023年8月1日火曜日

オッペンハイマー

時期的に原爆の頃なので、映画「オッペンハイマー」の日本公開ぜひお願いします。このあたりの歴史はアメリカ人も知らないので、興味津々です。ウクライナのクリミア半島の南側にヤルタという場所があります。1945年2月にイギリス・アメリカ・ソ連のトップが集まり、第二次世界大戦後の領土分割について会談しました。いわゆる「ヤルタ会談」というものです。そこでソ連の参戦と引き換えにドイツの一部とサハリン南部、千島列島をソ連に与える事が決まりました。米軍が沖縄で日本軍を破ったのが7月上旬で、米軍が日本に原爆を落としたのが8月上旬。その間に日本は負けを認めておけば広島・長崎の悲劇はなかったので、当時の日本のトップが事態を読み損ねていた事は確かです。米軍は沖縄の後、九州に上陸して地上戦に入る予定であり、原爆によって「米軍」の犠牲を大幅に減らしたのも事実です。ほとんどのアメリカ人は原爆の被害がどんなものかを知らず、知りたいとも思いません。アメリカは世界一の大国で、その地位を脅かす国はどこであれ許さないのがアメリカの国是です。自分の身は自分で守り、人口より銃の保有数が多い国の考え方を映画で知りましょう。