2019年12月30日月曜日

インターンとイントロ

インターンシップはもともと医者の訓練として始まりました。国家試験に受かり医師免許を得た医者の卵が、実地のトレーニング、いわばOJTで医療のイロハを学ぶ事がインターンシップで、そこには先輩の医者が指導役として新米の医者に付き添います。これに対して学生を対象とするアメリカのインターンシップとは、学生と企業のお見合いの場であり双方が相手を評価する機会です。学生はその企業の仕事がどのようなものかを入社せずに学べるし、企業は学生がその仕事に適しているかを雇用せずに調べる事ができます。その上学生は労働の対価としてのお金がもらえて、企業は学生の成果物を仕事に利用できます。双方に利益があるからインターンシップをやる価値があるので、ただのイントロ、つまり企業案内とは違います。仕事を学ぶには3ヵ月ぐらいかかり、また学生が何らかの成果を出すにもそれぐらいかかります。だからアメリカの大学では学生に1学期を使ってインターンシップを受けさせ、それを卒業に必要な単位として認定しています。日本の企業案内はイントロであって、インターンシップではありません。学生を送り出す大学が3ヵ月程度のインターンシップを必須としない限り、日本のイントロでは時間が短すぎて企業案内と変わりません。日本の1日や3日といったインターンシップは、ただの企業案内です。

2019年12月21日土曜日

アメリカの教育システム

文科省はもっと外国の教育システムを研究して、良いと思う点を日本に取り入れて欲しいものです。例えばアメリカの少人数教育です。小学校はひとクラス20人までで、教科によっては教師ひとりに助手がひとり付きます。高校までは義務教育なので、大学に入る時に成績でふるい落とされます。その成績は高校の内申と、複数回受けられる共通テストの得点と、面接の代わりになる作文で決まります。さらに学生の周りの人からの3通の推薦状も必要です。日本のような一発勝負ではないので、ゆっくり数ヶ月の時間をかけてその大学にふさわしい学生を選びます。作文ではなぜその大学で学びたいかを説明し、自分を売り込みます。この過程において、不正防止のため受験者の個人情報は最後まで分かりません。もちろんどの大学にもスポーツ特待生のような仕組みはあります。また私立大学が寄付金の多い親の子供を優遇する仕組みもあります。そのかわり、大学が成績優秀者の学費をタダにしたり生活費を払ったりする事もよくあります。優秀な博士課程の学生には奨学金が給付されます。それはノーベル賞をもらうような優秀な博士を、自分の大学からたくさん出したいからです。アメリカ以外だと、フィンランドの教育とかイスラエルの教育なども参考になります。日本の教育現場には無駄な仕事がたくさんあり、クラスの人数も多く、教師の負担が重すぎます。少子化の進む日本において、教育はますます重要な投資になります。学校をブラック企業にしてはいけません。

2020年5月10日追記
現場の先生から出てきた新しい動きに注目です。
https://www.asahi.com/articles/ASN5933P2N53UTIL007.html

2019年12月15日日曜日

これで良いのか、日本

人口が減り、健康保険も年金も税金も今後悪化すると分かっている日本で、全然若者に危機感を感じません。政治は花見の話だし、若者は公務員になるのが目標です。こんな日本にいても先はないぞ、と言いたい衝動を抑えています。国民全体が、あえて先の事は考えないようにしているように見えます。移民しか方法がないと分かっていても、誰も怖くて言えないのでしょう。平成生まれの若者にはお気の毒です。宴が終わり、昭和世代が借りた借金を返すのは平成世代です。実は日本は貧乏な国なんだと分かるのはこれからです。

2019年12月6日金曜日

日本の栄養成分表示は手抜き

日本の加工食品に付いている栄養成分表示は、三つの問題を抱えています。最初の問題はビタミン類の表示がない事です。エネルギー(カロリー)、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量しかありません。次に単位となる重さがまちまちな事です。100gに統一されていないため、食品間での比較が難しくなっています。アメリカだと1オンス(32g)当たりの表示となっていて、どちらの食品が食塩が多いかなどの比較が簡単です。販売単位(1人分)が1オンスに満たない商品は、1オンス当たりとその販売単位当たりの両方を併用して表示してあります。大人の一日の必要量の何パーセントに当たるかも栄養成分表示に出ています。最後の問題は英語の表示がない事です。栄養成分と原材料名まで英語の表示を追加すれば、来日外国人はそうした食品を安心して買う事ができます。観光で生きていく日本にとって食品の英語表示は必須です。

2019年12月1日日曜日

予約のドタキャン防止

日本の飲食店が予約のドタキャンで困っています。この防止策は簡単で、予約時に仮払いしてもらえば良いのです。そこでアメリカだと予約時にクレジット・カードの番号と有効期限を尋ねます。お店はドタキャンの場合、このクレジット・カードを使って料金を請求します。つまりクレジット・カードがないと予約できないという仕組みです。日本もクレジット・カードもしくは支払いアプリを使って予約時に仮払いする仕組みを作ればどうでしょう?性善説がもはや通じない日本で、これぐらいの仕組みを作れない訳がありません。