2019年2月23日土曜日

労働生産性

アメリカの中間層が減っているという記事を前に書きました。コンピュータによる省力化が盛んなアメリカでは、中間層がやってきた事務処理をことごとく機械化したので、事務仕事そのものが激減しています。そうやって事務仕事を失った人は、自分を再訓練してより頭を使う仕事に移るか、あるいはコンピュータにはできない運転手や飲食店の店員をやっています。もちろんそのまま引退して、つつましく暮らしている人もいるでしょう。労働生産性を上げるという事は、結局同じ人数でより多くの仕事をするか、あるいは同じ仕事をより少ない人数でこなすかです。労働生産性を上げるために機械化すれば、機械は税金を払わないので国の税収が減ります。この状況を打開するには、新たに生産性の高い仕事を創る必要があります。投資家がIT企業とかAIに投資するのは、それによって生産性の高い仕事を創れる見込みがあるからです。政府は規制緩和によってそうした企業を後押し、国民は増える税金を負担しつつ、より給料の多い仕事をする必要があります。

2019年2月9日土曜日

二度手間

日本の税務署は、いつ誰にいくら給料を払ったかという情報を事業者から得ています。これは当然コンピュータで利用できる情報としてデータベースに格納してあるので、賃金統計にこの情報を使わない理由が分かりません。厚生労働省の賃金統計があてにならないというニュースを見て素人の筆者が思うのは、なぜ同じ情報を複数の省庁が事業者に別のルートで尋ねるのかという疑問です。大体、いまだに紙と人手で情報を集めるという発想そのものが時代遅れです。(事業所にエクセル・ファイルを送って、それにデータを記入してプリントした紙を役所に送れって何ですか。何でエクセル・ファイルをインターネットで受け取れないの。)それぞれの省庁が抱えている統計情報は国民の税金で集めた物で、もしそれがあてにならないなら税金の無駄です。より少ないコストでより正確な統計情報を集める方法は必ずあります。税金を払っている国民は、こうした無駄を見過ごしてはいけません。

2019年2月2日土曜日

どうして○○は××なのか?

ここ数年でウェブ上に「どうして○○は××なのか?」という題の記事をよく目にするようになりました。これは偽ニュースである事が多く、注意が必要です。なぜなら「○○は××だ」という部分を証明抜きで正しいとして、「それはどうしてか?」と問いかける記事が多いからです。例えば「どうしてラーメンはアメリカ人に人気なのか?」という題があるとして、「ラーメンはアメリカ人に人気」という部分は本当でしょうか。実は寿司の方がラーメンよりアメリカ人には人気があります。それに日本食に限定しなければ、ピザの方が寿司よりアメリカ人に人気があります。「ラーメンはアメリカ人に人気」という事を証明せずに、それを正しいとしてその理由を尋ねる題は読者の誤解を招きます。またこの手の記事は実質的に広告となっている事が多いので、そこにも注意が必要です。