2024年3月31日日曜日

日本の常識しか知らない

この書評[^1]にある本の副題が気に入りました。「日本人が生きづらいのは、日本の常識しか知らないから」まさにその通りです。日本人はどうでも良い事に固執します。島国根性で枠の中を細かく掘り下げる事だけ得意です。枠を拡げようという気がありません。枠の外に何があるのかを気にしません。筆者はまだこの本を読んだ事がないので、その内容は知りません。ただ、この副題だけでも図書館で借りて読む価値のある本のようです。「子どもに投票権を与えて親が代理で投票する」というのは以前から筆者も提案しているアイデアで、たとえ「親が子どもの票を悪用する可能性がある」としても、それも含めての国民投票だと思います。親は子供の銀行口座を悪用する事も可能で、だからと言って「子どもに投票権」が実現しないというのは納得できません。そもそも民主主義は国民全員に投票する権利があるはずで、少数の不正があっても大多数の親は信用できるという前提がないと、親子関係における親権(親が子供を保護する義務と権利を負う)が成り立ちません。

^1: https://ddnavi.com/review/1269772/a/

2024年04月04日追記
外国のジョブ型雇用では、産休中の人の仕事を他の人が肩代わりする事はありません。

2024年04月08日追記
「中途採用、今年度5割迫る」新卒中心の日本型雇用が変化してきました。

2024年3月30日土曜日

兵器輸出

兵器輸出[^1]で日本が揺れています。その原因は日本の憲法にあり、戦争そのものを否定した憲法9条に起因すると思います。戦争を否定するなら、兵器輸出も否定するという考え方です。ところが朝鮮戦争の時にアメリカが日本に再軍備を求め、9条は形骸化しました。日本を守るという意味で自衛隊という名前の軍隊を作りました。つまり防衛戦争は9条には違反しないという建前です。21世紀の世界は各地で戦争が起きており、国連にもそれを止める力はありません。ロシアや中国が日本に戦争を始める可能性もゼロではなく、自衛のための戦争準備は必須となっています。戦争において防御と攻撃の区別はありません。戦闘機は防御兵器でもあり、攻撃兵器でもあります。偵察用ドローンですら攻撃に使えます。兵器を作るには資金が必要で、日本だけで次世代戦闘機は開発できません。つまり防御のために戦闘機を輸出するか、それとも防御を諦めるかというのが現実です。兵器は使い方でその性格が決まります。同盟国に自国の兵器を輸出するのは高度な政治判断であり、交渉材料です。日本がもし自衛隊で国を守るなら、次世代戦闘機は必要でありその開発コストを下げるための輸出も必要だと筆者は思います。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/315485

2024年3月29日金曜日

デフレ脱却?

日銀はデフレ脱却を目指して国債を大量購入し、現金を市場に供給しました。政府もデフレ脱却が少子高齢化に対する唯一の解答でもあるかのように、これに固執しました。輸入インフレは海外製品の値上げと円安が原因です。それでデフレ脱却できたとしても、そのあとインフレになるとは限りません。輸入インフレに賃金上昇が追いつかなければ物価だけが上がり、賃金は上がらないスタグフレーションになります。大企業は内部留保から賃上げできても、中小企業はそれができません。よって持続的なインフレには少子高齢化を上回る生産性の向上が必要で、労働者1人当たり毎年4%の生産性上昇が目標となります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA284MB0Y4A320C2000000/

2024年3月28日木曜日

エスカレーター

日本特有の「エスカレーターの片側空け」[^1]は輸送効率が半分になるので不合理です。でも習慣というのはなかなか変わりません。そこでエスカレーター上での歩行や走りを条例で禁止している自治体は多いと思います。この条例を強制するにはエスカレーターにAIカメラを付けて、歩く人や走る人を検知したら「条例違反なので立ち止まってください」と自動でアナウンスするのが良いでしょう。さらにエスカレーターの階段箱の側面、乗っている人から目前によく見える場所に「歩くな・走るな」と注意書きを付けるのも効果的です。また条例違反を繰り返すと、その場で監視員が違反切符を渡すという方法もあります。条例違反には罰金が必要で、歩きタバコ禁止と同じ考え方です。

^1: https://news.ntv.co.jp/category/society/6bc7678e421a422e907e59298386ec4b

2024年3月27日水曜日

電子処方箋

電子処方箋はアメリカでは一般的で、医者のパソコンから自分のいつも使う薬局に瞬時に送られるので、後は数時間後など自分の都合の良い時に取りに行けばすぐ手に入ります。薬局の処方薬を出す窓口の中に棚があって、そこに調剤された薬の袋が患者の名前のアルファベット順に置いてあります。日本はまだ電子処方箋は普及しておらず、紙の処方箋を薬局に持って行って薬ができるのを待つというのが普通です。当然調剤の手間がかかる薬だと待ち時間が長くなる[^1]ので、ここも早くDXで合理化して欲しいと筆者は思います。マイナンバーカードと同じく、補助金で医療DXを促す必要がありそうです。

^1: https://maidonanews.jp/article/15193935

同日追記
ウーバーイーツが処方薬の配達を始めるそうで、リモート診療と電子処方箋に強力な味方の登場です。

2024年3月26日火曜日

アレルギーは昔からある

この記事[^1]である医師は「1950年代以前は花粉症患者がほぼゼロ」と言っています。それは植林されたスギやヒノキが幼生でまだ花粉を付けていなかった[^2]という事ではないでしょうか。アレルギーは昔からあります。ただ、日本の医者がアレルギーというものを知らなくて、正しい診断を付けられなかったのは事実です。例えば筆者は小学生1年から3年まで学校のプールに入れませんでした。学校の健康診断は4月にあり、毎年このころ目が赤く充血していた筆者は「細菌性結膜炎」と診断されて、目医者に行って目薬をさしていましたが変わりませんでした。これは実はスギ花粉症だったのに、医者がアレルギーという症状を知らず、漫然と「細菌性結膜炎」と診断していたのが原因です。1960年代は医者もその程度の知識だったのです。イギリスには「干し草熱」という病気があり、これも実は今で言うアレルギー症状なのですが、早くも1819年には報告[^3]があります。抗生物質による細菌叢の乱れがアレルギーの原因という可能性はあるものの、時期的な前後関係だけでは因果関係の証明にはなりません。花粉症がオリゴ糖などの食物繊維で治るなら素晴らしいけど、筆者の花粉症はオリゴ糖では治りません。アレルゲンの注射による減感作療法は効いたけど、その注射を止めると効果も消えました。お米にスギの遺伝子を入れる方法があるらしく、それが実用化されたら使ってみたいです。

2024年3月25日月曜日

ガラケーの教訓

日本でアメリカの会社が新たにガラケーを売り出すという報道[^1]を見て、正直なんでだろうと思いました。ガラケーは3Gの廃止で世の中から消える運命なので、今さら売れるんかなという疑問です。でもこの記事によるとインドで人気のKaiOSを使う今風の機種らしく、ハードは他の国ですでに売っているものを日本向けにアレンジするようです。日本のガラケーは2010年には96%の国内シェアだったのに、12年後の2022年には6.2%まで落ちました。もちろんスマホの台頭が大きく、また国内でしか売れないハードでは海外製品にコストで負けるという理由もありました。今でも日本ではアンドロイドベースのガラケー風携帯を売っています。高齢者向けや通話専門電話というニッチな需要があるようです。 KaiOSはアンドロイドと同じくLinuxから派生した電話用OSです。地図アプリやメール、SNSは使えるようなので、2万円という値段で必要最低限の機能を求める層を目標にしています。日本がガラケーの失敗から学んだ教訓は、国内だけでなく世界に売れるものを作らないと負けるという事実です。日本の家電はガラケーと同じ道をたどっており、この先が心配です。韓国はアメリカに冷蔵庫や洗濯機をガンガン輸出しています。韓国に液晶テレビで負けた日本は、白物家電を輸出する元気がありません。


2024年04月06日追記
日本の高価格帯家電も輸出しなければ、追い上げてくる中国に負けるでしょう。

2024年04月16日追記
「業務用洗濯機の山本製作所」が製品を海外輸出しているという頼もしい報道です。

2024年3月23日土曜日

2340億円

この記事[^1]によると、花粉症による生産性の低下で1日あたり2340億円の経済損失があるそうです。地球温暖化で花粉が飛ぶ時期も長く約2ヵ月となっているので、上記の経済損失は毎年14兆円を超えます。これほど巨額であれば、法律を変えて植林したスギやヒノキを別の木に植え替えるべきでしょう。その費用はとてもこの経済損失額には及びません。木材の活用法は別に考えるとして、日本人の約半数がかかる花粉症は主に労働者に襲いかかります。人口の半分はまだ花粉所になっていない子供と、もうアレルギー反応が起きない高齢者なので、許されるなら筆者も山に行ってスギやヒノキを切りたい気分です。これは立派な公害であり、山が私有財産でも法律による植え替えが可能です。


2024年04月19日追記
「少花粉スギなのに花粉たっぷり」もうスギは止めましょう。

2024年3月22日金曜日

マイナス金利解除でも

この記事[^1]が認めているように、日本の物価上昇は輸入インフレが原因です。日銀の大規模緩和のおかげではありません。異次元緩和は不発だったので、外圧によるインフレが2%となって賃金が上昇する傾向になっても、問題の根は残ります。それは少子高齢化です。すでに値上げによる買い控えが始まっており、今後賃金が上がった分は貯蓄に回ります。今年後半から消費の失速が始まり、国民は生活防衛のためより安い買い物に走ります。このさき可処分所得が減るのは明らかなので、投資に向かうお金も増えるでしょう。円安を生かしてインバウンドを増やすとともに海外への輸出を増やせば、可処分所得の減少は止められます。でもこれが足りなければ、日本はまたデフレに戻ります。2%のインフレ目標には、人口減少による国内市場の悪化を上回る輸出増が必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB15BBF0V10C24A3000000/

2024年3月21日木曜日

社会保障ギャップ

日本の一般歳出に占める社会保障費の割合[^1]は年々上がっており、令和5年度は51%と過半数になりました。一般歳出とは歳出から国債費と地方交付税交付金等を除いたもので、いわば国の可処分所得です。その過半数が社会保障費というのは異常です。公共事業費は6%ぐらいなので、皆さんが思うほど大きくありません。この記事[^2]には世論調査の結果として、56%の人が社会保障サービスを十分受けていないと回答しています。社会保障は健康保険や年金、介護保険や生活保護を含みます。健康保険は保険料収入だけでは不十分なため、税金で赤字を補填しています。現役の労働者が受け取る社会保障サービスはまず健康保険です。日本の医療費は世界的にみてとても安く、かつ質も高いので外国人は日本で医療を受けたがります。上記の56%の人は健康なので医者にも行かず、保険料を払うばかりなのでしょう。でも家族がいれば恐らくそのうちの誰かは医者にかかっているでしょう。また子供の定期予防接種は自治体が払うので、タダで受けられます。税金を取られる時は細かい数字が分かるので、税金の使い道についても個人レベルで数字が分かると良いでしょう。例えば医療費は自分が払った額のみ通知され、税金や保険料からいくら出たのかは分かりません。なお消費税と所得税を合わせると、社会保障費と公共事業費を足したぐらいになります。残りの43%は法人税とたばこ税や酒税などでまかない、一般歳出外の国債費と地方交付税交付金等は赤字国債(借金)で払っている勘定になります。日本はすでに借金で借金を返す状況にあり、社会保障費の削減は必須です。払った税金と受けた行政サービスの間に認識ギャップがある限り、財政赤字の原因が「政治の無駄使い」や「公務員の人件費」という誤解は続きます。政府は歳出の説明が不十分すぎます。歯止めのない社会保障費こそが財政赤字の最大の原因です。

^2: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD128QS0S4A310C2000000/

同日追記
このコラムは、高齢者医療費や介護費が高齢者の家族をも助けるものだと指摘しています。
社会保障の削減に妙案はありません。どうにかして健康寿命を延ばすぐらいです。

2024年03月28日追記
医療費の38%が税金から出ています。保険料は50%、残りは患者負担です。

2024年3月20日水曜日

責任を取れるAI

この記事[^1]はNVIDIAの開発者会議に関連した話題を取り上げています。その中で「AIは物理法則を理解している」とか「汎用人工知能の可能性」について語ったNVIDIAのCEO発言が今日のお題です。筆者は「汎用人工知能」は機械学習では実現できないと思っているので、CEOの発言には同意しません。試しにAIが物理法則を理解しているなら、月面でテニスをする地球人の動画を作ってもらえば分かります。機械学習で作ると背景が月面でテニスをする地球人の動画になるでしょう。でも月面の重力は地球の6分の1なので、そのままではテニスはできません。かと言ってボールの重さを6倍にしたら、やはりテニスになりません。機械学習によるAIは助手やインターンに向いており、そうした使い方が広まっています。時々間違えるAIでは責任を取れないので、弁護士や医者には不向きです。ただし自動運転のように運営会社が事故の責任を持ち、保険で事故を補償するという形なら将来的には可能です。つまり保険を利用して責任を取れるAIができたら、弁護士や医者の仕事は危うくなります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19E960Z10C24A3000000/

2024年3月19日火曜日

名目GDP1000兆円

岸田首相がぶち上げた「21世紀前半の名目国内総生産(GDP)1000兆円」[^1]の実現には何が必要でしょう。2024年の日本の名目国内総生産は600兆円と予想され、これが25年後の2049年に1000兆円になるには毎年平均で2%の増加が必要です。名目GDPは物価の影響を受けるので、これから日銀が希望するように毎年2%のインフレが定着すれば達成可能です。ただしその間に日本の労働人口は6200万人から4700万人に減る[^2]と予想され、これは毎年平均で1%余りの減少に相当します。つまり1人当たりの生産性でみると毎年1%余りの上昇がないと労働人口減少を補えません。またインフレを上回る賃上げがないと2%のインフレは続かないので、最低でも毎年3%あまりの生産性向上が必要という計算になります。実際には社会保障費の自然増による可処分所得の減少や温暖化による災害増加もあるので、少なくとも毎年4%が必要です。これだけの生産性向上には合理化と新たな市場の開拓が必須で、同時に規制緩和も求められます。なおこの計算には南海トラフ地震のような大災害は含まれず、為替レートの変動もないと仮定しています。物価と賃金がほぼ同じペースで上がっていくという予想なので、国民の暮らし向きは不変です。名目国内総生産が上がっても、国民の可処分所得が増えるとは限りません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA181SO0Y4A310C2000000/

2024年3月18日月曜日

外国人1割時代

この記事[^1]は2050年代に外国人が日本人口の1割を占めると予想します。それに対する課題として教育の受け皿不足が指摘されているものの、それ以外は識者の「人口減で外国人材に頼らざるを得ないのに、長期的にどんな社会をめざすのか政府は議論を先送りにしている」という意見で終わっています。来てくれるから心配ないと言わんばかりです。他国の例から考えると、もし人口の1割が外国人となれば、彼らは日本人と同じ権利を要求します。税義義務があるのだから、政治に参加させろと言い出します。それがダメならゼネストを打つでしょう。日本の労働人口の3割が長期ストに入れば、日本は大混乱します。これは必ず起きる事であり、その解決法はひとつしかありません。それは二重国籍を認める事です。つまり元の国籍を維持したまま日本の国籍を持つ事を許します。日本人になってもらい、日本人と同じ権利と義務を負うという事です。日本を外国人と共有するという事は、彼らを外国人ではなく日本人として受け入れるという事に他なりません。移民は他国の例がたくさんあるので、その成功と失敗の歴史を調べれば分かる事です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE276WN0X21C23A0000000/

2024年3月17日日曜日

表現がイマイチだけど

ある識者の「高齢者は集団自決」[^1]という発言が巷の話題です。高齢化を止めるにはそれしかないので、問題の深刻さを表す表現として効果的です。また「高齢者は後進に道を譲れ」という趣旨の発言もあり、それにも納得します。政治家や企業のトップが高齢者では日本は変われません。年金は若者から年寄りへの仕送りだし、健康保険も半分は税金です。後期高齢者の健康保険は後期高齢者の保険料では足りず、企業の健康保険組合から補填しています。なので年金や健康保険に使われる税金をせめてゼロにしてほしいという意見は分かります。その分だけ保険支出や年金支出を減らすという事なので、支出はざっと半額になります。言い換えると、国民年金の受け取り額が半分になり、健康保険の1割負担が2割負担になるという事です。保険組合からの補填もやめれば、2割負担が3割負担になるでしょう。このため年金で医療費が払えない人は生活保護に頼るしかありません。そこまでしても、ようやく財政が赤字からトントンになるだけで、過去の借金を返すにはさらに増税が必要です。シルバー民主主義の日本では、そんな高齢者を無視した政治はできません。

^1: https://mainichi.jp/articles/20240316/k00/00m/010/214000c

2024年03月26日追記
「高齢者は集団自決」を否定するのは当然として、代案がないのが残念です。

2024年3月16日土曜日

ムダになるワクチン

コロナワクチンが最低でも1500万回分は廃棄される[^1]そうです。ひとつ1万円としても1500億円のムダです。もうこんなムダは止めませんか?コロナワクチンは有料となり、接種する人は激減します。予算の立て方としてムダが多すぎます。もうパニックになる必要もなく、ワクチンの争奪戦もありません。


2024年04月15日追記
「コロナワクチン廃棄2億4千万回分」ほぼ26%が廃棄で、約6653億円が無駄になりました。

2024年3月14日木曜日

3人目の大学無償化

3人目からの大学授業料の無償化[^1]が計画されています。これ自体は少子化対策を兼ねた投資としてアリでしょう。ただ財源が何になるのかが不明です。まさか社会保険への上乗せではないでしょうね。国立大学が私立より安いのは、すでに税金による補助金が大学に入っているからです。人口が減る国では人気のない大学は淘汰されます。退場するべき大学の延命策にならないような制度設計と、無償化財源の法律への明記が必要です。この調子で北欧のような高福祉・高負担の国になる覚悟が国民にあるかは疑問で、財源なきバラマキには反対です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA072G80X01C23A2000000/

2024年3月13日水曜日

分断の原因

人々が分断される要因は複数あります。人種、宗教、言語などの文化的要因と、距離、山脈、川、海などの物理的要因です。このうち最も厄介なのが宗教です。人種や言語は混じり合う事ができます。でも宗教は排他的なのでそうはいきません。改宗はできるけど、同時に異なる宗教の信者とはなれません。言語は複数話せても、人の宗教は常にひとつです。もともとイスラエルとパレスチナの争いは領土が原因です。でもイスラエルとパレスチナの人々は宗教が異なり、同じ土地を共同所有する事はできません。聖地エルサレムですら宗教で分割所有しているのが実情です。土地が原因でも、その解決を妨げているのは宗教です。

2024年3月12日火曜日

誤解は続くよ

日本企業がジョブ型と言う場合、人事考課の評価基準[^1]を指すことが普通です。これは日本特有の誤解で、ジョブ型は雇用形態を指します。具体的な人事考課の評価基準は雇用形態が何であろうとも民間企業には必要で、ジョブ型という言葉がはやる前から成果主義という名前で客観的な評価基準を決める流れがありました。雇用形態がジョブ型だと採用権限はその上司にあり、その人の仕事がなくなれば解雇できます。日本において外資系企業以外はメンバーシップ型雇用であり、仕事がなくなっても解雇はできません。だから日本では希望退職を募ります。雇用契約に定めていない限り、雇用主は簡単に人を解雇できないのです。つまり日本企業にジョブ型雇用はなく、その利点もありません。終身雇用は効率低下とマンネリ化の原因であり、日本の弱点です。終身雇用が良い物だという誤解と、ジョブ型が評価基準だという誤解が巷に蔓延しています。企業が時代に応じて変化するには、硬直化した雇用制度ではダメです。追いつき追い越せの昭和の時代に誕生したメンバーシップ型雇用は、その後の平成と令和の時代には時代遅れとなっています。そんな日本で実力以上の暮らしができるのは、巨額の借金(赤字国債)をしているからです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC122820S4A310C2000000/

2023年03月20日追記
ゾンビ企業の退場は人手を低生産性企業から高生産性企業に移します。

2024年04月21日追記
地方公務員にもジョブ型が適している職種があるという指摘です。

2024年3月11日月曜日

レールガン

日本のレールガン[^1]の研究が進んでいます。小さい弾丸を高速で遠くに飛ばすという兵器なので、宇宙空間で威力を発揮しそうです。地上では空気抵抗があり、遠くの目標に当てるのは難しいと見られます。ミサイルの迎撃など防御に適した兵器という見方がある一方で、今のところ弾丸には誘導性能がなく、多くの弾丸を発射して「数打ちゃ当たる」式の使い方になると予想します。すると毎秒何発の弾丸を撃てるかという速射性が重要になり、その数値は公表されていません。また電源が大きく重くなるため、歩兵が使う兵器ではありません。船に乗せる高射砲とくらべて有利かというと疑問です。

^1: https://trafficnews.jp/post/130026

2024年3月10日日曜日

瓦屋根

輪島や富山の家は黒い瓦屋根が特徴です。飛行機で富山空港に降りると、ほとんどすべての家の屋根が黒い瓦屋根となっていて、統一された美しさがあります。輪島では耐震構造でない家が多く、能登地震で多くの家が潰れました。屋根が瓦でも潰れていない家もあり、やはり耐震構造かどうかで決まると思われます。ただし新しく耐震構造の家を建てるなら、屋根瓦も軽い物を選ぶのが良いでしょう。よい機会なので瓦業者も黒くて軽い瓦を開発したらどうでしょう。今後この地震で家の建て替えが進みます。黒いスレートやトタン屋根というのも良いでしょう。

2024年3月9日土曜日

AIより温暖化

AIが人知を超えて人間の脅威になる[^1]とは筆者は思いません。AIに関わる人々はそこまで愚かではないと信じています。むしろ心配なのは地球温暖化です。温暖化を引き起こす産業に従事している人々は、温暖化を自分たちが原因だと思っていません。アメリカと中国は毎年より多くのCO2を排出しており、温暖化など関係ないと言わんばかりです。人類を滅ぼすのはAIではなく温暖化です。CO2の排出を止めるには今の贅沢な暮らしを捨てる必要があり、誰もやりたくありません。だから世界レベルでの炭素税が効果的と分かっていても、政治家は踏み込めません。でももし天然の水素ガス[^2]が安価で手に入るなら、水素を化石燃料のかわりに使う事で温暖化を止められるでしょう。

2024年3月8日金曜日

不採算路線

日本の人口が減る中で、不採算路線[^1]は維持できません。観光による黒字化ができない場合、税金で不採算路線を維持するのは無理です。特に過疎地を走る地方鉄道はバスに置き換えても赤字です。人口減で国が縮むという事は、廃止路線が増えるという事です。過疎地に住むコストは時間とともに上昇します。そのコストを払えない人は住む場所を変えるしかありません。好きな場所に住む権利には、その場所に住むのに必要なコストを負担する義務が伴います。水道の維持費、道路の維持費、電気の維持費など過疎地には大きな維持費がのしかかります。人口減で国が縮むという事は、今までできた事ができなくなるという事です。もちろん増えるのは不採算路線だけではなく、耕作放棄地や空き家も全国で増えています。過疎地を減らすには住民に移住してもらうのが得策です。人口はある程度集まってくれないと、インフラ維持費を払えません。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC212MX0R21C23A1000000/

2024年3月7日木曜日

ジオエンジニアリング

地球環境そのものを工学的に変えるのがジオエンジニアリングです。温暖化が加速するいま、温暖化を減速するのに残された少ない手段のひとつがこれで、要は太陽光をいかに遮るかという話です。例えば多くの火山が大噴火して大気の上層にチリが滞留すれば、一時的に温暖化を止めることができます。最終的にはCO2の削減が必要としても、それが達成できるまでの時間かせぎとして有効です。ただし人工的に火山を大噴火させる事は無理なので、飛行機から雲の種をまくなどの方法が現実的です。それでも雲は長続きしないので、温暖化を止めるほどの雲を作るにはかなりのコストがかかります。そこで大気圏外に衛星を打ち上げて、その衛星がスクリーンを展開する事で太陽光を遮るという方法があります。このスクリーンは太陽電池でもいいので、発電を兼ねてジオエンジニアリングとすればコストは安くなります。スターリンクみたいに数多くの衛星を打ち上げる必要があるものの、雲の種とちがい地上から衛星を制御できるので、気温が下がりすぎる心配はありません。赤道上空など太陽光が余っている場所に低軌道衛星を打ち上げるのが良いでしょう。CO2を大量に排出しているアメリカや中国は同時に宇宙大国でもあるので、発電所を兼ねた衛星を打ち上げる事は十分可能です。

2024年3月6日水曜日

戸籍に振り仮名

日本の戸籍に来年から振り仮名[^1]が付きます。税と徴兵制度のために明治に作られた戸籍がやっと現代風になるという事です。マイナンバーと戸籍の紐付けも始まり、今後は名寄せが楽になります。銀行口座には読み仮名しかなく、今でも口座が誰のものかは十分に追えていません。健康保険とマイナンバーカードの紐付けも、読み仮名がないために多くの間違いを生みました。住民票には読み仮名がある一方、マイナンバーカードにはありません。なお日本の法律では名前に使う漢字は範囲が決められているのに対して、その読み方には制限がありません。大谷を「おおたに」「おおや」「だいや」「だいたに」といかように読んでも構わないというワイルドな世界です。遠い親戚だと姓の読み方が違うという事もあります。人の名前を正しく発音するには読み仮名が必須で、今まで戸籍になかったのが問題です。住民票には読み仮名があるので、マイナンバーを手がかりに住民票から戸籍に読み仮名をコピーするのが第一歩となります。住民票と戸籍の突き合わせは人海戦術となり、また手作業のミスが起きるでしょう。いずれ本人確認のために、マイナポータルから自分の戸籍を見る事ができるようになると期待します。行政を合理化するのは税金のムダを省くためで、利用者の便宜は副目的にすぎません。より少ない人数で国を運営するには、こうした合理化が必須です。

^1: https://www.tokyo-np.co.jp/article/312748

2024年3月5日火曜日

連絡遮断権

日本にも欲しいですね、連絡遮断権[^1]。これは業務時間外の仕事の電話やメッセージを無視しても、雇用者から不当な扱いを受けない権利です。フランスやスペインに続いて、オーストラリアでも法律が成立したそうです。緊急時は除くとなっているので、緊急時とは何かをちゃんと明文化する必要はあります。業務の機動性が失われると言う雇用主は、従業員を待機させてその分の給料を払えば良く、国中のすべての雇用主が守るべき法律なので、競争力には影響しません。ネットが発達してどこでも仕事ができるようになると、公私の区別があいまいになります。家族や個人生活をないがしろにする業務時間外の仕事の電話やメッセージは、いますぐ社会から無くすべきです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0408O0U4A300C2000000/

2024年3月4日月曜日

大麻反対

ドイツが大麻の合法化[^1]に踏み切るそうです。既に大麻が国内にまん延しているそうで、追い込まれての合法化です。筆者は日本での大麻合法化には反対です。それはアメリカの大失敗を見ているからです。今やカリフォルニア州サンフランシスコ市は、麻薬中毒者だらけになりました。これには大麻の合法化が大いに影響しています。大麻が簡単に手に入るようになると、人はさらに刺激を求めてより強い麻薬を求めるようになります。いわゆるゲートウェイ麻薬という問題です。今ですら非合法の大麻や合成麻薬が問題になる日本で、大麻合法化は危険への入り口です。まだアルコールの方が害が少ないと思います。麻薬による社会の崩壊はアヘン戦争などの歴史上の出来事ではなく、いま現実に起きている問題です。

^1: https://www.47news.jp/10565846.html

2024年3月3日日曜日

エンタメに労働組合

日本のエンタメ業界には労働組合がないのでしょうか。アメリカと違うのは、文書ではなく口頭での契約がまかり通っている事です。この前時代的な慣行[^1]はついに原作者をひとり自殺に追いやりました。こういう時に本来は労働組合が声をあげるべきです。アメリカだとAFTRA(米国テレビ・ラジオ芸能人組合)が原作者や脚本家を守っています。原作者と脚本家は共同作業で作品を作り出すべきで、対立するのは間に入った人が嘘をつくからです。同じアメリカにはSAG(映画俳優組合)もあり、両者[^2]が組んでストライキをした2023年にはAIの使用制限と組合員の収入向上を勝ち取っています。アメリカでは何をするにも文書による契約が必要で、それは結果的に労使双方を守っています。日本のエンタメ業界にもこれくらいの事ができる労働組合が必要です。政府も口頭での契約は廃止する方向に動くべきです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC253WE0V20C24A2000000/

2024年3月2日土曜日

どうなってんの

「博多女子中学が高校への願書を出し忘れて、生徒3人受験できず」という報道[^1]に接して、筆者は疑問を持ちました。それは「なぜ願書を本人またはその保護者が出さないのか」というものです。筆者は高校受験の時、自分で目的の高校に願書を出しに行った記憶があります。中学3年ともなれば、それぐらい自分でできると思います。それをなぜ中学校の教員にまかせるのでしょうか。さらに言えば、高校側もオンラインで願書の提出をできるようにするべきです。それがなぜいまだに紙の書類なのか理解できません。いったい「どうなってんの」という疑問ばかり残ります。例えば内申書を添付するからというのであれば、以前は内申書を封印した封筒に入れて生徒に渡すという方法を採っていたと思います。

^1: https://yotemira.tnc.co.jp/news/articles/NID2024030120529

2024年3月1日金曜日

少ないパイ

この記事[^1]は、60歳で再雇用された人の賃金を6割減とした事が法律違反に当たるかどうかを取り上げています。日本のメンバーシップ型雇用では、メンバーシップから外れる定年退職者はアルバイト扱いです。給与にあてるパイが限られており、人口減で縮小する市場を相手にする企業で、年功序列と終身雇用は難しくなっています。その中で若手の給与を上げたいという経営者の希望は当然であり、再雇用された人の賃金を6割減とするのは理解できます。「同一労働・同一賃金」は努力目標であって、年金や退職金をもらった人には減額も許されています。限られたパイを高齢者と若手にどう分配するかという問題です。年齢による差別を年功序列と終身雇用という形で容認する以上、60歳で再雇用された人がアルバイト扱いされるのも容認されます。この条件に不満なら他で働く自由があり、賃金を6割減とすることは不当労働行為ではありません。「同一労働・同一賃金」を徹底するには正社員制度を解体する必要があり、日本人にその勇気はありません。

^1: https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00009360X20C24A2000000/