2025年10月19日日曜日

移民問題

この記事[^1]は若者に影響力のある著名人の発言を取り上げており、数字を含まない議論のため賛成する人が多いと思います。でも話はそう簡単ではありません。もし日本が外国人労働者を閉め出したら、どんな事が起きるか想像してみましょう。まず最初に来るのは人手不足です。飲食店やコンビニ、さらに老人介護施設などが人手不足で軒並み倒産します。また農家や工場も規模を縮小する事になるでしょう。これは結果的に国民1人当たりのGDPを減らすので、日本は不況になります。でもこれはまだ解決可能な問題です。人手不足を補うロボット化やセルフレジのような省力化で影響を減らす事ができるからです。ところが年金の払い手が減る問題は解決策がなく、蓄えのない高齢者の年金収入が減れば生活保護費の増加、つまりは増税が必要になります。また国債は税金で返す借金であり、次世代が使うべき税収の前借りです。これも労働者が減って税金を払う人が減れば、国債を減らすどころか増やす事になり、ますます円安が進みます。これは物価を上げるので、数字上はGDPが増えるものの収入はそれほど増えないので、実質賃金はマイナスです。言い換えると、人口が増える前提で行ってきた施策がすべて逆回転するので、日本が貧乏になるのは避けられません。記事の著名人のような富裕層はいくらでもお金を積めるので問題ないとしても、大部分の日本人には外国人労働者は不可欠です。今さらこの議論をする事自体が手遅れであり、日本を外国人と共有しつつ日本の良さを維持するにはどうしたら良いかを議論すべきでしょう。日本人による日本人のための日本を維持したいのであれば、再度鎖国するしか手はありません。日本に必要なのは明治維新のような改革であり、正面から移民問題に取り組むべきです。

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202510190000289.html

2025年10月16日木曜日

医療とカネ

日本の国民皆保険制度が限界に来ています。75歳以上の高齢者が増加し、若者からの保険料を浪費しています。ちなみにこの記事[^1]は日本が「お金持ちほど高い医療を受けられる社会」になると指摘しています。それは昭和の頃から始まっており、何を今さらという話題です。自由診療という保険制度の枠外なら、お金を積めば何でも得られます。日本の健康保険の良さは、誰でも日本に住む人は保険でカバーされるという事で、その内容も決して低くはありません。ただし、その代償として国債を発行しており、人口減少下の日本では維持できません。払った保険料に見合う医療が得られる国にしないと、先の世代ほど損します。

https://president.jp/articles/-/103516

2025年10月12日日曜日

水産資源

この記事[^1]は将来の日本の美食の危機を指摘しています。それによると日本は料理人が開業しやすい国だそうで、料理人の層の厚さが今の日本の美食を支えているそうです。その料理人の数が減っており、調理師免許の交付数は10年で4割減とのこと。低賃金・長時間・技を見て学ぶ料理人の修行が料理人の数を減らしているという指摘です。日本の美食はインバウンドにとって大きな魅力であり、料理人の修行を合理化するべきでしょう。それより筆者は同じ記事の末尾にある料理人の問題提起に驚いています。それは「和食は素材の味を大切にするので、水産資源が減っている日本で和食は先が心配」というものです。フランス料理や中国料理に較べて和食は素材に依存する割合が高く、特に水産資源が高騰しているのが問題という事です。美味しい海産物が手に入りにくくなると、和食の値段が上がるか材料不足で調理不可能になるという事だと思います。例えばウナギは絶滅危惧種となって値段が以前の倍とか、安いはずのサンマが今では高価な魚になるという例はこれからも増えていきそうです。地球温暖化の影響もあり、他国の需要増加も原因となります。日本としては、水産資源を守るために禁漁方法を工夫するとか、陸上も含めた養殖技術の進化で材料不足を克服する方向に向かうべきでしょう。その一方で、外国産の水産物を美味しく調理する技術も開発する必要がありそうです。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB214M70R20C25A8000000/

2025年10月11日土曜日

身近な危険

都市部には斜面に擁壁を設けて、その上に家を建てる場合があります。東京都杉並区にもそうした場所があり、その擁壁が崩れて上の家が倒壊する事故[^1]が起きています。筆者の住む場所の近くにもそうした斜面があり、その擁壁にヒビが入っている所があります。現在の法律では擁壁の管理は土地の所有者の責任なので、危ない擁壁を見つけても修理を強制する事はできません。都市部に大きな地震が来れば、こうした擁壁が崩れて上の家が下に落ちてくる事は間違いなく、あちこちに時限爆弾を抱えています。古い擁壁には規制がなく、雨で内部の水圧が高まると危険です。一刻も早く法律や条例を変えて、擁壁の修理を土地の所有者に強制できるようにするべきでしょう。その場合は土地を担保に修理費用を貸与する仕組みも考慮するべきです。擁壁の下は道になっている事が多いので、危険な擁壁の下は通行止めにする等の措置も必要です。

^1: https://toyokeizai.net/articles/-/910284

2025年10月10日金曜日

洋上風力

日本の洋上風力発電が風前の灯火[^1]です。もともと遠浅の海が少ない日本で英国のような洋上風力を実現するには難しく、コスト競争力がないと見られていました。三菱商事はそれをスケールメリットで克服するつもりで、低価格入札で総取りを実現したものの、インフレで目算が狂い撤退に追い込まれました。年間25兆円のエネルギー赤字をどう減らすかは、これで最初からやり直しです。同じ海を利用するにしても、コストが低く持続可能な方法を見いださなければなりません。砂漠に太陽光パネルをいくらでも置ける中国やアメリカと違い、日本は余っている土地がありません。建物の屋根を使うとか、ビルの壁面を使うという方向に行くと思います。エネルギー赤字とデジタル赤字は、資源を持たない日本のアキレス腱です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC248SF0U5A920C2000000/

2025年10月7日火曜日

大差ない

日本の首相が始めて女性になりそうで、新首相に何かを期待する声が上がっています。筆者は彼女に対米関係の維持を期待します。しかし経済についてはあまり打てる手がありません。国債増加による財政拡大は株高をもたらす反面、円安にもなるため物価高がさらに進みます。現実的には法人税増税に踏み込めればベストです。でも産業界を敵に回す勇気はないでしょう。戦後の枠組みすべてが時代遅れになる令和の日本で、新首相のような保守派に何ができるかには注目しています。

2025年10月5日日曜日

高級ブランド

日本独自の高級ブランドはあまりありません。車ならフェラーリ、宝石ならハリーウィンストン、腕時計だとロレックスなど世界には富裕層向けの高級ブランドがたくさんあります。ところが、日本からだと真珠のミキモトぐらいしか思いつきません。この記事[^1]には富裕層向けの高級クレジットカードが紹介されており、日本のどこでこのカードを使うのか不思議に思いました。日本にも富裕層は増えており、また海外からのインバウンドにアピールする日本独自の高級ブランドが少ないと、ビジネスチャンスをみすみす海外ブランドに取られるようで残念です。銀座のデパートで、海外ブランド製品ばかり売れるようでは困ります。昔なら「皇室御用達」がそうした区分けでした。今の日本には、インバウンドと富裕層向けにもっと日本独自の高級ブランドが必要です。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB262RT0W5A920C2000000/

2025年10月2日木曜日

東京都老人区

日経のこの記事[^1]とこの記事[^2]をまとめると、この30年で東京都に人口が増えたものの、その9割は老人となります。都会は老人には暮らしやすいので、他県から都内に引っ越す例が多いという事です。残りの1割は外国人で、東京都が全国から日本人の若者を引きつけているというイメージとは合いません。細かく見れば地方の女性が可能性を求めて東京に来るケースはあるでしょう。でも必ずしもそうした人は東京都には住んでいません。都内は賃貸も高く、通勤できる範囲で神奈川や埼玉、千葉などに住む人が多いからでしょう。特に23区内の老人密度はすさまじく、介護難民が出るという見方もあります。ところでアメリカのニューヨーク市マンハッタン地区にいくと、地下鉄に多くの介護求人広告が出ています。金持ちの老人がマンハッタンで老後を迎えるにあたって、介護する人が足りません。わざわざマンハッタンに住んで低賃金の介護職に就く人などいないからです。このため親族でも介護すれば保険金が出るような仕組みを用意しているそうです。東京都にもそうした仕組みが必要となる可能性があります。

^1: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC143NH0U5A810C2000000/

2025年10月1日水曜日

レジ係の工夫

この記事[^1]を読んで駄文を書きます。レジ係の人は重い物を下に、軽い物をかごの上になるように入れます。それはとても丁寧な入れ方で、いつもすごいなと思います。でもそれを持って帰る方からすると、かごから自分の買い物袋に入れ替える必要があり、この順番だと軽い物(潰れやすい)が下になって困るなと思っていました。そこで思いついたのが買い物袋を二つ使う方法で、軽い物用にひとつ、重い物用にひとつを使います。こうすればかごから買い物袋へのモノの移動が簡単になり、レジ係の工夫も生きるというやり方です。

^1: https://trilltrill.jp/articles/4334572