2012年5月12日土曜日

津波予想の功罪

昨年の東北地方太平洋沖地震では、気象庁による当初の津波予想が実際の津波の高さの3分の1程度だったため、多くの人が逃げ遅れて亡くなりました。マサの意見ではこれは人災です。業務上過失致死に値します。津波の高さは過小評価してよい数字ではありません。しかも地震後の停電で、海岸付近の住民には訂正された津波の高さが伝わりませんでした。いつもは大きめに出すのに今回なぜ小さくなったかといえば、計算が飽和して正確なマグニチュードを決められなかったためです。日本特有の気象庁マグニチュードという計算方法ではM9.0には決してなりません。気象庁マグニチュードでは3月11日に速報値でM7.9、暫定値でM8.4という数字を出しました。さらに沖合の海底水圧計からのデータで津波の高さは十分予想できたのに、日本近辺ではM9.0の地震は起きないという先入観から津波の高さを過小評価しました。福島の原発事故と同じで、予想はできたのに誰かが想定しなくてよいと決めたため、想定外の地震で津波の高さを過小評価するという致命的なミスを犯しています。科学は常識を疑うことから進歩します。我々が知っている日本の歴史は高々数百年です。それより前の日本でどんな地震が起きたかは誰も知りません。マサに言わせれば、他の国で起きた事は日本でも起きると想定するのが科学者の取るべき態度です。

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