2013年2月1日金曜日

無制限国債

無制限な金融緩和をすると、国債を無制限に発行することができます。政治家は選挙があるので財政再建よりも財政出動、つまり公共事業などで国民に感謝されたいと思っています。国民も目先の事しか考えないので、国債がいくら増えても自分には関係ないと思っています。その結果お札を刷ることで国債をより多く日銀に買わせて、政府はさらに国債を増やそうとします。政治家も人間ですから、わざわざむずかしい財政再建になど取り組みません。財務省にしても予算の削減は骨の折れる仕事なので、国債を増やして予算を削らなくて済む道を選びます。国民、政治家、役人すべてが国債を増やして自分だけ楽しようと考えています。借金は全部次の世代に回して自分は逃げ切るつもりです。いつから日本はこんな無責任な国になったのでしょうか。むかし財務省にいたある大学教授は、税収が上がる限り国債も増えていいんだと発言しています。問題はそこです。今は国債の伸びより税収の伸びがはるかに低いため、国債の残高は毎年増えています。このふたつの乖離が大きくなれななるほど、日本は財政の破綻に近づきます。消費税率を上げると消費が鈍るので、税収はむしろ下がる可能性があります。税率を上げずに税収を伸ばす道は二つあり、補助金を出して既存のビジネスを成長させるか、新しいビジネスを創り出すかです。前者は保守的なやり方で、まさに過去二十年間日本がやってきた方法です。後者は構造改革と言われるもので、国際競争力のなくなった産業を海外に移転させるか売却して、新たに国際競争力のある産業を国内に育成するという革新的な方法です。国民は痛みを伴う構造改革より、国際競争力のない産業を税金で延命させる道を選びました。これが失敗に終わったいま、国債残高の増加には歯止がかからなくなっています。国債をチャラにするための預金封鎖は、一段と現実味を帯びてきました。

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