2013年4月20日土曜日

サービスとコスト

サービスと言うと日本ではタダという意味になります。これは困った誤解です。というのは、serviceという元の英語にタダという意味は無いからです。旅館に泊まると奉仕料を請求されます。英会話学校や旅客運送業、携帯電話やインターネットはサービス業です。基本的に第3次産業はすべてサービス業です。お客が満足すればサービス業が成立します。すべてのサービスにはコストがあり、タダのサービスなど存在しません。たとえば銀行のATM手数料はATMネットワークを維持するために払っています。アメリカだと10万円程度の残高を維持すれば、自行のATMなら24時間タダで使える所がほとんどです。そのかわり夜間や休日にATMが故障しても、次の営業日になるまでは誰も修理に来ません。サービスにはコストがかかるので、夜間や休日に行員を待機させる代わりに客は次の営業日まで我慢します。急ぐ時は他店のATMを使えばいいので、誰も文句を言いません。サービスのレベルとコストの釣り合う点で妥協しています。夜間や休日のATM手数料に不満を感じているお客は多いので、日本でも今後はこの方向に進むでしょう。ただし、そのためには銀行もお客にATMのコスト構造をちゃんと説明する必要があります。コンピュータ化された口座の維持にはコストがかかり、ATMネットワークの維持にもコストがかかります。サービスはタダではないという世界の常識が、日本の常識になるのはいつでしょうか。

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