2013年5月17日金曜日

家計収入分布図

昔NHKの人形劇で「ひょっこりひょうたん島」という名作がありました。ある年代以上の方なら覚えておいででしょう。先日アメリカの家計収入分布図を見ていて、この「ひょうたん島」を思い出しました。ひょうたん島は、その名の通りヒョウタンを縦に真ん中で切って、半分を横にして海に浮かべたような形をしています。瀬戸内海に実在する「瓢箪島」も、テレビでは人形劇にならって左側に大きい山、右側に小さい山が来る構図で紹介されています。この図がまさにアメリカの家計分布と同じ形をしています。左側の山のピークは年収で200万円弱であり、それから右に年収が上がるにつれてグラフは下がって行きます。でも2000万円をこえると次の山になります。つまり山はふたつあり、そのピークは200万円と2000万円以上のところにあります。200万円のピークは国民の家計の6%を占め、2000万円以上のピークは2%を占めています。また家計の中間値はリーマンショック後毎年下がっており、今は約500万円となっています。日本は中間値が438万円とアメリカに近く、下のピークはなだらかながら200万円前後で7%ぐらい、上のピークはやはり1000万円以上で12%あります。日本もアメリカも家計収入の分布は割と似ていると言えます。ただし日本には小さいながらも中間層がまだ存在し、そのピークは600万円あたりに9%あります。アメリカでは2011年に家計収入トップ1%の人たちが全米資産の半分、収入の4分の1を持っているというので、富の偏在がひどいと99%運動が起きました。日本はまだそこまで行っていませんが、方向としてはアメリカのようになると見て間違いないでしょう。グローバル経済では他の国でできる仕事はすぐに他の国に移るので、経済的な勝者と敗者がはっきりと分かれてしまいます。単価の高い労働者を増やす以外に日本の敗者を減らす方法はありません。そのためには、世界的に需要があって専門性の高い仕事ができる人間を増やすのが一番の手です。日本の将来は教育にかかっています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。