2013年6月23日日曜日

感覚のマヒ

福島原発で冷却装置の異常停止や放射能汚染水の流出が続いています。これをもって新聞は東電を「緊張感がない」と非難しますが、それは的外れです。2011年3月の深刻な事故と放射能漏れに較べれば、今回の冷却装置の異常停止や放射能汚染水の流出など現場の人間には大した事に感じないだけです。東日本に人が住めなくなる可能性もあった4号機の燃料プール問題に較べれば、仮設電源の不具合や貯水槽の水漏れなど想定の範囲内にすぎません。生きるか死ぬかという修羅場をくぐった人間から見れば、今福島で起きていることは些細な不始末です。感覚がマヒしているとも言えます。何もかもが東電には始めての事故なので、そうそう上手に事故処理が進むとは思えません。これから先も汚染水は増え続けるでしょうし、数十年後に放射能が下がって圧力容器の蓋を開けるまで、溶けた核燃料がどこにどれだけあるのかさえも分かりません。福島原発は今や壮大な金食い虫となりました。国民の税金で冷やし続けなければならない核のゴミです。この期におよんでまだ日本で原子力発電を続けるのも、感覚のマヒに他なりません。

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