2013年10月5日土曜日

減点主義と結果平等

マサもかつて虜になっていたのが日本の減点主義と結果平等です。減点主義とは人の失敗を評価の中心にする主義で、公務員の世界では普通です。小学校から高校までの生徒の評価も100点を上限とする減点主義です。減点主義ではなるべく新しい事をやらず、問題は先送りにするのが正しい判断になります。減点主義の反対は加点主義で、人の成果を評価の中心にする主義です。これは民間会社でよく見られる人事評価です。加点主義では問題を積極的に解決するのが正しい判断になります。民間会社は他の会社との競争があるので、問題を先送りすると生き残れません。これと似ているのが結果平等という考え方です。「出る杭は打たれる」という諺もあるように、日本では人より何か優れた物を持つ人は失敗した時に強い批判の対象になります。加点主義の世界なら失敗は成功の元なので、失敗をどう次の成功に結びつけるかが評価の対象です。でも減点主義の世界だと失敗はあってはいけない事なので、失敗そのものが評価を下げる理由になります。日本の平等主義は「人と同じことが良い」という考え方なので、人より何か優れた物を持つ人は自分への脅威になります。自分より優れた人を認めてしまうと結果平等が成立しないので、そうした人を認めるわけにはいきません。自分の努力不足、能力不足、運の悪さを認めるのは自分が許しません。そこで自分より優れた人の失敗を強調して、その人が優れていることを否定しようとします。減点主義と結果平等は同じコインの裏と表でしかありません。変化の少ない、均質な社会であった江戸時代の日本ならそれでもいいでしょう。しかし変化の激しい現代において、減点主義と結果平等は日本の足かせとなっています。

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