2014年11月21日金曜日

アベノミクス失敗

アベノミクスはお金を日本中にばらまいて円安を作り、インフレを創り出すのが目的です。輸入物価が上がり、輸出企業の株価も上がって、不動産の値段も上がりました。ところが賃金が物価の上昇に追いつかないため、景気は予想したほど上がりません。国民はバカではないので、消費税が3%上がるなら賃金はそれ以上に上がらないと実質賃下げという事は知っています。実際には平均で賃金は上がっていないので、国民は平均で3%消費を減らします。金融緩和と消費税値上げは車のアクセルとブレーキを同時に踏むようなものです。確かに物価が上がり、消費はそれとは逆に減っています。つまり日本はスタグフレーションの入り口にいます。このまま人為的なインフレが進み景気が後退すると税収はますます減ってしまいます。これは税収を増やしたい政治家と官僚には受け入れがたい予想です。ではなぜ賃金が上がらないのでしょう。一部の業種、建設業や飲食業では賃金は上がっています。賃金は物価ではなく需要と供給で決まるので、需要が増えないから賃金が上がらないというのが真相です。人口が減る国では需要も減るので、結果としてデフレになります。円安で海外からの観光客が増え、それにつれて需要が増えれば賃金も上がるでしょう。でも日本は中国や韓国と輸出競争をしています。そうした国の賃金は日本より低いので、なかなか輸出を通じて賃金を上げることは困難です。アメリカのように人口が増える国の施策をただ真似しても、人口の減る日本では同じ結果にはならないという当たり前の事が起きています。商品券を配るというようなノータリンの政策ではなく、海外からの観光客を倍にするような政策を望みます。

2015年5月19日追記
2014年度の実質賃金は3・0%減少した[^1]そうで、円安による物価高と消費税の増加が賃金の上昇を上回った事が公式に確認されました。前年度と比べると2015年度は消費税の影響がなくなるので、物価高はあっても実質賃金はプラスになると期待されています。問題はそれが貯金に回らずに消費に向かうかどうかです。幸い原油の値段は低いので物価上昇は抑えられています。国民が今後賃金が増えると思えば消費を増やすし、そう思わなければ人口減によって消費は減ります。この局面での物価上昇は単に消費を減らすでしょう。

^1: http://news.livedoor.com/article/detail/10128908/

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