2016年10月13日木曜日

長時間労働の欠点

日本の長時間労働は国際的に有名になりつつあります。日本で働く外国人が増えたためでしょう。ユーチューブにも毎日の残業で疲れたサラリーマンを描写した作品[^1]があります。アメリカのIT企業でエンジニアをしている筆者は、午後6時には誰もいなくなるオフィスにすっかり慣れてしまったので、日本の長時間労働の欠点を思い出すのに苦労しました。まず長い時間働くと疲れが溜まって頭が回らなくなります。新しいアイデアが浮かばず、目の前の問題をとりあえず解消する仕事ばかりになります。英語でいうfirefightingばかりです。次に家族との関係が悪化して離婚の危機にさらされます。子育てに回す時間がないので、少子化を招きます。健康を害して仕事ができなくなる危険もあります。これだけの欠点がありながら長時間労働が減らない理由はふたつあり、残業をすればするほど月給が増えるという賃金の仕組みと、人に仕事を割り当てるという日本の労働形態が大きな原因です。前者は年収ベースの賃金に変えて、どれだけ残業しても賃金は増えないという労働契約を結べば変えられます。ところが後者は日本の年功序列や団体主義と結びついているので、そう簡単に変えることができません。人の仕事の範囲が決まっていないので、時間のある人は他の人の仕事までやらなければなりません。効率良く自分の仕事を終わらせても、その分早く帰宅できるのでなければ、かえってたくさんの仕事を押しつけられてしまうので、効率良く仕事を終わらせようという気持ちになりません。アメリカのように仕事に人を割り当てる動労形態なら仕事の縄張りがきっちり決まっているので、自分の仕事さえ効率良く終わらせれば大手を振って帰宅できます。それでもアメリカの方が日本より生産性が倍も高いので、日本の長時間労働が何の役に立つのか筆者には不思議で仕方ありません。

^1: https://www.youtube.com/watch?v=po8IPh64rVM

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。