2017年2月15日水曜日

高騰する廃炉処理費

福島原発の廃炉処理費が当初の見積もりの4倍の8兆円になったという報道[^1]がありました。これに損害賠償と除染費用を加えると総額は20兆円を超えています。廃炉処理には数多くの未経験の問題があり、その費用の見積もりはそもそも不可能です。今出ている数字は最低これ位かかるというもので、実際にはもっともっとかかります。これらはすべて原子力発電のコストに含めるべきで、そうすると原子力発電のコストは今の日本で最も高いもの[^2]になります。日本の原子力発電のコストが安いという主張にはもはや根拠がありません。廃炉処理費を東電が支払うといっても、それは電気代に加算されて利用者が負担することになります。損害賠償も送電費用に上乗せされて国民の負担になります。送電事業は今のところ競争ができない仕組み[^3]になっているので、地域ごとの独占事業です。発電会社は選べても送電会社は選べません。福島原発事故が起きるまで国民は全体として原発を容認していたので、その結果生じた事故の責任は最終的に国民全員が負うという理屈です。実質債務超過となった東電をJALのように法的処理したとしても、税金で救うことになるのでやはり国民負担になります。

^1: http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016120902000265.html
^2: http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201612/CK2016121102000125.html
^3: http://www.nikkei.com/article/DGXMZO09340430Z01C16A1000000/

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