2017年7月22日土曜日

若手の提言

中長期的な日本の社会の在り方に関する次官・若手プロジェクトの提言「不安な個人、立ちすくむ国家」という報告[^1]が経済産業省のサイトにあります。少子高齢化の荒波をもろに受ける世代の提言として、これはとても興味深いものです。政治から中立であろうと努力した若手の苦労も忍ばれます。若者に活躍の場がないというなら、若者の投票率の低さにも言及して欲しかったのですが、それはともかく報告の6ページにある『かつて、人生には目指すべきモデルがあり、 自然と人生設計ができていた。今は、何をやったら「合格」「100点」か分からない中で、 人生100年、自分の生き方を自分で決断しなければならない。』という指摘には苦笑してしまいました。いかにも日本人らしい発想です。一体どんなモデルが目指すべき人生だったのでしょう。60年近く生きてきた筆者は今までそうしたモデルを見たことがありません。もちろんこの報告の骨子はこの部分ではないので、ツッコミはここまでにします。彼らの提言は「年金の支給は75歳にからにして、老人にかかるお金を減らそう」という事であり、少子化を止められない以上、「前期高齢者には働いてもっと税金を納めてもらい、現役世代にもっとお金を回そう」という事です。筆者はこれに異論はありません。そしてその実現には大きな政治力が必要な事も確かです。問題の指摘と解決策の半分はこの報告にあります。残りの半分はその解決策を実現するために必要な政治力をどう手に入れるかです。そうした政治力を少数派の若者に持たせるには、1歳以上のすべての国民に選挙権を与え、その保護者に代理で選挙権を行使させるのが良いと筆者は考えます。ツケを支払う世代にも選挙権を持たせるのは、今のシルバー民主主義を是正する良い方法だと思います。

^1: http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

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