2018年8月5日日曜日

人口と需要

経済学者がよく見落としがちな点が、ある国の人口増加率と需要の関係です。日本で言えば、高度経済成長の時期と人口が増えていた時期は一致しています。財務省統計局のグラフ[^1]によれば、人口増加率がピークに達したのは1973年頃で1・4%ほどありました。人口が増えるという事は需要が増えるという事ですから、何もしなくても売り上げが伸びます。よほどの事がない限り、誰が社長になってもその会社は売り上げを伸ばせた幸せな時代です。今のアメリカの人口増加率は0・7%位なので、日本の1982年頃に相当します。アメリカの需要は人口と共に増加しており、IT企業の躍進もあって景気は上向きです。ところが今の日本は人口増加率がマイナス0・2%となって、需要は毎年減っています。何もしなければ売り上げが減るので、雇われ社長には厳しい時代です。人口が減る中で需要を増やすのは難しいため、政府は海外から観光客を呼んだり、海外への農産物の輸出を増やそうとしています。しかし日銀がいくら国債を買ったり金利を操作しても、人口増加率は変わりません。

^1: http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2017np/

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