2010年6月17日木曜日

公務員と国際競争

日本の問題は経済的な国際競争に負けていることです。もともと国内に十分な食料や地下資源がないため、アメリカのような内需に頼った経済活動はできません。外国との貿易により外貨を稼ぎ、それで食料と地下資源を買うのが日本の姿です。円が安かった時代に加工貿易で外貨を稼いだ日本は、円が高くなったことで国内賃金が高くなりすぎてしまいました。輸入品が安くなるのはいいのですが、輸出品のコストが高くて利益が出ません。国際競争にさらされている製造業は、賃金を下げるか海外で製造するかのふたつにひとつの道を選ばなくてはなりません。派遣労働者を使うことで賃金を下げた会社もあれば、国内工場を閉鎖して海外に工場を移した会社もあります。中国や韓国、ベトナムといった国と競争して勝たなければ、日本の将来は悲惨なことになります。ところがこうした国際競争にまったく無縁の人たちが公務員です。ほとんどすべての産業が外国との競争にさらされてコストを切り詰めている中で、公務員の世界だけはコストの意識が希薄です。より少ない人数でより多くの仕事をするにはどうしたらいいか、民間は常に努力してコストを下げています。国際競争がないために、とうとう国家予算の半分を借金でまかなうまで日本は追い込まれています。公務員の仕事はなるべく減らして、無駄なことはやらない。国家予算は国際競争力をつけるために使う。公務員の給料と仕事はガラス張りにする。こうした努力が今の日本には欠けているように思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。