2011年2月22日火曜日

360度評価

アメリカの大学では、学期の最後の授業が終わるとマークシートが配られて、記名でその教師の評価を行います。授業の進め方、宿題の量、質問への答え方、授業外での質問できる時間の量、教科書の善し悪し、テストの善し悪し、授業中の生徒との対話の量、授業に対する満足度などを5段階評価で記入し、学生が全員の分を集めて教務課に持って行きます。この結果は教務課でまとめられて、期末テストが終わり学生に成績が付いた段階で教師とその上司に伝わります。点数が甘い先生が評判も良いとは限りません。学生は割と率直に授業に熱心な先生には良い評価を付けます。もしこの仕組みが日本の大学にもあれば、淘汰される先生も出てくる事でしょう。おなじように会社でもシリコンバレーの場合、部下がその上司を評価してその上の上司と人事に定期的(四半期ごと)に記名で報告するのが普通です。いわゆる360度評価というものですが、部下が同僚の評価だけでなく上司の評価もするのがすごい点です。以前オンラインオークションの会社にいたときに、隣のマーケティング部門で女性従業員たちが団結して彼女らの直属の上司を追い出したことがありました。日本のように年齢が上というだけで従う部下はいませんから、マネジャーになる人はある程度周りから尊敬され好かれる必要があります。また部下どうしではひとりにつき3人から上司が評価を求めます。この3人は仕事で関わりのあった人間で、そのうちひとりは自分とは別の部署の人を選ぶ必要があります。それぞれの評価は上司と人事にのみ送られ、公式記録としてファイルされます。評価する人を選ぶのは自分なので、なるべく良い評価をしてくれそうな人を選びます。なおマネジャーから指定されなくても、他の人が自分の評価を自分の上司と人事に勝手に送る事ができるので、360度評価とはチームワークが重視される評価方法と言えるでしょう。評価には具体的な例を示す必要があり、根拠のない評価は価値を持ちません。評価軸には、顧客満足度、専門知識、独創性、チームワーク、コミュニケーション、時間管理、頼りがいなどの項目があり、会社によってはさらにコンテストなど会社行事への参加度も含まれます。

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