2011年2月12日土曜日

労働時間

年棒制で働く場合、1日8時間を超える労働時間には給料は出ません。残業手当はないので、休日出勤しても手取りは同じです。こうした制度のもとでは、人はなるべく効率よく仕事して残業せずに退社しようと努力します。残業がゼロになることはないものの、日本のような残業手当を目的とした長時間労働はなくなります。仕事の効率を上げるには、無理をしない、無駄を減らす、ムラをなくすという日本でもおなじみの方法の他に、コンピュータにできることはコンピュータにやらせて、人は人間にしかできないことに集中するという方法もあります。繰り返しやる仕事はコンピュータ化できるので、仕事の効率化で残業を減らすのは年棒制ならば当然の行為になります。その結果アメリカのホワイトカラーは、感覚的に言うと日本の半分の時間しか働いていません。マサはよく冗談で、日本人はアメリカ人の倍の時間働き半分の給料をもらうから、アメリカ人の4倍の生産性があると言っていました。でも最近は円高が進んで給料はほぼ同じになりました。何で測るかにもよりますが、時間当たりの仕事量を効率とすれば、平均で日本はアメリカの8割ぐらいだそうです。マサの今までの経験からすると、このあたりのIT産業ではアメリカの効率は日本の倍とみて良いでしょう。だから日本人はアメリカ人の倍の時間働いて同じ仕事量になります。逆に言うと、日本人が1日10時間かけてやる仕事をアメリカ人は半分の5時間で終わらせるということです。アメリカ人は自分の仕事が終わるとさっさと退社します。仕事の前か後に学校やジムに行く人は珍しくありません。社外の友人とスポーツをしたり、家の手入れをしたり、子供がいればサッカーのコーチをしたりと結構プライベートが忙しいのです。給料を得るために拘束される時間が短いと、その分家族や地域への貢献、あるいは自分への投資ができます。労働時間は短い方がいいと頭では分かっていても、ワコールのような例外をのぞいて日本ではまだまだ長時間労働を良しとする企業文化があります。人は測られる物差しによって働き方を変えるので、ホワイトカラーを年棒制にすることで仕事の効率を上げれば、労働時間が減るとともに少子化にも歯止めがかかるのではとマサは思います。

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