2011年11月6日日曜日

文系と理系

日本では、ある人が文系や理系かという分け方をします。これはおそらく大学教育での学部の分け方から来ているのでしょう。物事を二つに分ける考え方は他にもあり、善と悪、上と下、敵と味方など相容れないものを対比するのによく使われます。先日スティーブ・ジョブスの伝記を読んでいたら、「humanitiesとsciences」の交差点に立てる人、という言葉にぶつかりました。これは本の序章にあり日本語ではどう表現しているかなとみたら「文系と理系」となっていました。これは残念です。他に簡単な日本語が無いのでこうした表現になったのだと推測しますが、もし「文系と理系」を相容れないものと考えると交差点はありません。そもそも日本の「文系と理系」という分け方に無理があります。マサが訳すとしたら「人文学と科学」にすると思います。両者は対立する概念ではなく、直交する概念だからです。誰でも簡単に使えるパソコンを作ることは、「文系と理系」という概念とは関係ありません。実は教育を「文系と理系」のどちらかに分けることにはあまり意味がありません。「文系と理系」という単純な分け方がもはや通用しないほど、世の中は複雑になっているからです。アメリカで例えばUCLAの学部は「Humanities、Life Sciences、Physical Sciences、Social Sciences」に分けられています 。Humanitiesは人間活動についての学問なので、文学の他に言語学や芸術史、宗教や哲学も含みます。でも心理学や経済学は含みません。心理学はLife Sciencesに属し、経済学はSocial Sciencesに属します。物理や化学はPhysical Sciencesです。芸術や法律はさらに別の学部となっています。日本の「文系と理系」という単純な分け方は現代には通用しないので、使うのは止めた方が良いとマサは思います。

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