2011年12月24日土曜日

院生と企業

日本の企業は人をとってから仕事を割り当てるので、どんな仕事でも文句を言わずにやってくれる「色のついていない」人を好みます。新卒が好まれるのもこのためです。修士や博士は「この仕事がやりたい」とはっきりしているので、企業としては使いにくい存在です。まだ修士なら若いので説得できますが、博士となると30歳前後なので企業は嫌います。その結果日本では大学院に進む人がアメリカに比べ少なく、高学歴の人が人口の割に少ない国となっています。逆にアメリカではまず職ありきでその仕事に必要な人を採用するので、逆に新卒は仕事の経験がないため不利です。修士や博士はその仕事に役立つと判断されれば学士より好まれます。そのかわり会社の方針が変わってその仕事が不要になれば、優秀な人でも手切れ金とともに首になります。自分のやりたい事を我慢してでも会社にしがみつこうとする人はいません。会社の他部門の求人に自分と合うものがあれば面接試験を受けに行きます。なければサヨナラです。日本は終身雇用という建前があるので、正社員を簡単に首にすることができません。変化の激しい時代にどちらの企業が有利かと言えば、残念ながらアメリカ型となります。アップルがiPhoneを発表する数年前、アップルは携帯電話技術者の求人を沢山出していました。アメリカでは企業の求人広告をみればその企業が進む方向が分かります。こうした変わり身の速いアメリカ企業に、終身雇用制の日本企業が勝てるでしょうか。博士など高学歴の人が少ない国が世界をリードする国になるでしょうか。答えはどちらも否だというのがマサの意見です。日本企業は競争相手の姿を知らないまま戦略なしに戦って、そのあげく価格競争に負けています。はっきり言えば日本の製造業は今後の日本の雇用の中心ではありません。それでも製造業に残る会社には、せめて他では真似のできない魅力的な製品を作ってもらいたいものです。

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