2012年10月12日金曜日

製造業の行方

マサは製造業にいたので日本の製造業には同情しています。でもそれと同時に歴史の流れも感じています。かつてアメリカにはRCAやポラロイドといった会社がありました。1980年代からの日本のテレビとカメラの輸入に押されて、そうした会社はもはや残っていません。性能がよくて安価な日本製品がアメリカ製品を駆逐したのです。これと同じ事が今度は日本に起きています。韓国や台湾、中国の安価な製品が日本製品をアメリカから駆逐しつつあります。日本の国内市場も浸食されるのは時間の問題です。製造業が海外の製品に浸食される時、取るべき道は少なくとも3つあるでしょう。国内市場に特化してひたすらガラパゴスになり、海外製品に追いつく時間を与えないという道。あるいは海外で生産してコストを下げ、海外市場を狙うとともに国内へも安価な製品を輸入するという道。そして最後は製造業であることを止めて、設計したものを海外の製造会社に生産してもらい、自分はソフトウェアや販売に力を入れるという道。最初の道は日本の携帯電話会社がたどった道です。国内市場だけで食べて行けるなら、それも悪くありません。次の道は自動車会社がたどった道です。日産はタイで生産したマーチを日本に輸入して売っています。最後の製造業であることを止めた会社としてはアップルが有名です。アップルの製品には「カリフォルニアで設計し、中国で製造された」と書いてあります。もちろん他社に真似されない製品を作るのは大切です。でもデジタル製品は汎用部品を買って組み立てるだけで簡単に真似できます。簡単に真似できないのは内部のソフトウェアです。アップルは今やソフトウェア会社であり音楽販売会社です。かつてハードが中心だったシリコン・バレーも、インターネットがらみのソフトが雇用の中心となりました。マサは日本の製造業が今後どうなるのかに注目しています。

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