2014年1月11日土曜日

花見酒の日本

落語の「花見酒」は、ふたりの酒飲みが売り物の酒をお互いに相手から買っているうちに、酒樽を空にしてしまうという話です。手元に残るのは1貫という酒一杯分のお金だけで、酒を売り切ったのに儲けがないのはどうしてだろうと、二人の酒飲みは酔った頭をひねります。この落語は以前にオイルショック前の日本経済を表す話だと本にもなりました。たしかに土地ころがしのようなバブル経済に似た所があります。でも自分の資本を食いつぶしてしまうという意味では、今の財政赤字の日本にピッタリの話です。日本人は日本人に一人あたり1000万円の借金をして飲み食いしています。つまり銀行に預けたはずの貯金はもう他の誰がか使ってしまいました。ところが日本はまだ債務超過にはなっていないと政府は言っています。これは政府の持つアメリカ国債やJTおよびNTTなどの株式会社の株、さらに国宝や国有地を売れば借金はすべて返せるという意味です。では誰がそれを買うのでしょうか。日本国民にはもう余分なお金がありません。すると裕福な中国人に売るのでしょうか。1990年のバブルとその後の20年で、日本は昭和の時代に貯めた資本を食いつぶしてしまいました。「花見酒」と同じく金庫の中には現金の代わりに国債の紙があるだけです。収入の倍の支出を続けるのには限度があり、このツケは国民が支払わなければなりません。なぜなら民主主義では国民が最終責任を負うからです。政治家も官僚もこのツケは払ってくれません。彼らにできるのはこのツケを次世代に先送りする事だけです。まだ生まれていない、選挙権もない未来の日本人に借金を押し付けているのが今の日本のオトナです。

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