2014年1月18日土曜日

部分最適と全体最適

かつてマサの勤めていた日本の会社にはQC活動というものがあって、どの部署も仕事の改善方法を模索していました。良くあるのが自分の仕事を他の部署に回すというアイデアで、自分の部署はそれで仕事が減って表彰されるけど、仕事を押し付けられた部署は不満たらたらです。例えば仮に、仕事で使う文房具は事務所の中で複数の決まった場所にあり、定期的に庶務の人が巡回して足りないものを補充するという決まりだとしましょう。ところがQC活動として、足りなくなった事に気づいた人が庶務に取りに来るという方法に変えるとします。すると確かに庶務の仕事は減りますが、回りの人の仕事は増えます。おまけにいちいち取りに行くのが面倒とか、定時を過ぎると庶務の人がいないなどの問題もあり、必要な文房具が必要な時に使えないという不都合まで起きます。つまり全体としてこれは改悪です。部分的には仕事が減ったように見えても、そうした部分最適だけ集めても全体最適にはならないのが普通です。同様に国として見れば、日本中に高速道路を作ったのに、その通行料金が高いため十分に使われないのはお金のムダです。立派な道路を作るのも、また道路の利用者から通行料金を取るのも、ともに部分最適の例です。でもせっかく作った道路が使われないまま朽ちて行くとしたら、それは全体最適にはなっていません。この場合の全体最適は、そうした高速道路の通行料金を無料にした上で、道路の建設費はガソリン税や軽油税に含めるというものです。車は高速道路の方が燃費が良いので、同じ距離を走るなら高速道路を使う方が温暖化防止にもなります。さらに高速道路を使わない人は、LPガスや電気で走る車を使えば余分な税金はかかりません。

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